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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

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マルセイユの想い出

お元気ですか?

8月に入り蝉の鳴き声も一段と競い合いを増してくるようす。
昨夜も、日中の婚活に疲れたのかベランダに迷い込んできた蝉が、
狂おしくひとしきり跳ねまわって何処かに飛び出して行きました。

蝉たちには短い夏です。

昨日まで読んでいた池波正太郎の『ドンレミイの雨』では、
奥様の希望をくんでワーテルローの古戦場や
ジャンヌ・ダルクの生地ドンレミイを訪れます。

また、マルセイユを訪れたりもしています。

マルセイユ。フランスの南の玄関。
『ドンレミイの雨』では唯一私も訪れたことのある場所です。


あの夏。私はイタリアのナポリに用があり、旅をしていました。
車窓から眺めるオリーブ畑に数百年前と変わらぬであろう事を思い
畑の中や、大きな農家の建物の中に私が馴染親しんだ人たちが歩いているのを
想像しては、胸を躍らせます。

ナポリ大学を訪れ、石畳の路地裏にお目当ての学者の生家を見つけては
その家に住む女性と言葉を交わして1人喜びに浸ります。
他と変わるわけもない石造りの建物をちょっと興奮気味に写真を撮る私を
道行く人が、「なにがあるんだ?」とう顔をして通り過ぎてゆきます。

「来てよかった」という思いが全身を包み、それまで、日本で勉強していながら
なにか物足りない、ちょっと焦りにも似た感情が消えてゆくのを感じます。
旅に出、実際に自分の目で見、触り、同じ空気を吸ってみて分かる事があります。


ナポリで目的を達した私は次の目的地、マルセイユに向かいます。
(もちろん、ローマやミラノなどにも寄ってはいるのですが、それはまた次の機会に)

ニースを経由して入る、フランス最大の貿易港。南の玄関であると同時に
古くギリシャ、エジプトと交易を通じ、アジアの空気も感じられるエキゾチックな土地です。

映画ファンなら
ジャン・ルノワール監督の『ラ・マルセイエーズ 』
アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモントの『ボルサリーノ』
ジーン・ハックマンの『フレンチ・コネクション』でしょうか。
若い人なら、痛快コメディーの『タクシー』もマルセイユが舞台ですね。

どれも大好きな映画ですが、

私のマルセイユは
森繁久弥さんと加藤道子さんが名コンビのNHKのラジオドラマ「日曜名作劇場」
流れていた、『モンテ・クリスト伯(岩窟王)』でしょう。
今でも、ラジオの前で耳に神経を集中し、脳みそに映像を浮かべた時の感覚がよみがえります。

でも、正直なところ、息子の『椿姫』は読んで面白がっていたのですが、
お父さんの『三銃士』『モンテ・クリスト伯』はお話が長くてちょっともてあまし気味。
だからこそ、「日曜名作劇場」が分かりやすく記憶に強く残っているのでしょうね。

マルセイユに降り立った私が、真っ先に港に降りて磯の香りを嗅ぎながら
お散歩したのはいうまでもありません。
小さな漁船からあげられた小魚を氷をしいた台に並べて売るおじさん。
おっと、カモメの落し物に思わずよける私に
「気をつけろよ」って声をかけながら空を指差して笑うおじさん。

そんなマルセイユの歓迎を楽しむ私。

もちろん、『岩窟王』の島、イフ島にも遊覧船で渡り観光を楽しみます。
白い帆を張ったヨットがまぶしい地中海。

マルセイユにはイフ島以外にも
ノートルダム・ド・ラ・ギャルド寺院やサン・ヴィクトール修道院、ファロ宮など
観光名所は多くあります。でもそれはまたの機会に。

さて、マルセイユの夜。今日は寝台車に乗ってパリへ向かわなければなりません。
そして、その前に、やはりブイヤベースを頂かなければ、
マルセイユに来た意味が半減するどころか、全滅です。

駅で寝台車の予約を入れ、荷物をコインロッカーに預け身軽になった私は、
ギャルド寺院から下る坂の途中、こぎれいなレストランに入ります。

さぁ、いよいよブイヤベースだ。

ギャルソンが持ってきたメニュー表を見ながら、ブイヤベースとワインを頼みます。
ゆっくり、ゆっくり、これまでの旅のおさらいをしながら、
マルセイユの残りを楽しみましょう。

運ばれてきたブイヤベースは魚介も皿に盛りつけられ、
ちょっと野趣を感じさせながらも丁寧に濾されたスープが心地よい香りを放っています。
上品過ぎないブイヤベース。

池波正太郎氏も「東京で食べるフランス料理」と流行りのヌーベル・キュイジーヌを評していますが、
地の料理はやはり古き基本がいいですね。

さぁ、お腹も一杯になって大満足の私。
お勘定をすませて駅へ向かい、コインロッカーに。
でも、どうしたことでしょう。数字合わせのロッカーキーがピクリともしません。
決して酔って数字を間違えているわけでもないのに…

次第に焦る私。薄暗いロッカースペースには人影もなく、係員らしき人もみあたりません。
遠くの出発ホームでは列車のアナウンスも始まりました。
時計をみると、なんと5分前。時間は刻一刻と迫ってきます。

焦る私。冷や汗すら出てきそう。
バールでもあればこじ開けでもするでしょうに…
遠くに帽子をかぶった駅員の姿が見えますが、声をかけている暇もありません。

どんどんどん。ええい、こうなったら意地でも開けて見せるぞ。
時間はあと3分。開いたとして列車まで間に合うでしょうか…

とその時、まるで何事も無かったかのように開くコインロッカー。

急ぎ、荷物を取り出し、列車に向かって駆け出す私。
ホームで私を見ている駅員。でも、ローカル列車ではありません。
「乗るぞ!」って声を出す暇もなくドアに飛び込むと同時に、
背中でプシューってドアが閉まりました。

ふぅ~。一時はどうなる事かと思いましたが、無事寝台車に乗ることが出来、
すっかり安堵の私。

さぁ、ビュッフェでワインでも買って、パリまでの一晩をゆっくり休むことにしましょう。


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