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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『深夜特急』 続き2

お元気ですか?

昨日、沢木耕太郎氏の『深夜特急』の6冊目を読み終わりました。

ローマで、ミケランジェロのピエタに感動し、モナコのカジノで一勝負ともくろむも、
ジャケットを着ていないからと、入れてももらえず、
スペインを通過し、ポルトガルのサグレスで美味しい紅茶に旅の終わりを感じます。

パリで数日を過ごし、ロンドンへ。
さて、無事に中央郵便局で電報を打つことができるでしょうか。

沢木青年の1年2か月ほどの『深夜特急』。
これまでの香港・マカオ・シンガポールといった東南アジア、
インド・ネパール、イラクにトルコといった中東に比べ、
ヨーロッパは趣がずいぶん違います。

歩いていれば、誰かが声をかけてきて、向こうから事件がやってきたのが、
ヨーロッパに入ると、沢木青年は一人ぼっちです。
一つには、ローマ、南フランス、スペインといった土地が、
アジア・中東と違い、ずいぶんと都会であり、観光地であるせいでしょう。

しかし、私にはそれ以上にキリスト教文化圏であり、個の文化圏であることが
重要に思われるのです。


そんなことを考えながら、私もパリのある日を思い出していました。

その日、私はシャンゼリゼをお気に入りのシャツを着て、
1人お散歩をしていました。

友人のA医師が、「フランス語は難しいよ、シャンゼリゼなんかどう見たって読めないなぁ」
私に言っていたのを思い出していたり、
(彼は、ロシア語が堪能で、決して語学が不得手ではありません)

“昨日、レストランで会ったスウェーデンの男の子は今頃どうしているだろ”
なんて思い出しています。
その男の子は、大衆的な食堂で相席になったのですが、フランス語が出来ず、
料理を頼むことも上手くできません。
私が、メニューをもらい眺めながら注文をすると、
「フランス語分かるんですが?」と訊いてきます。

「ええ」と答えると、「僕はさっぱりわからなくて…」
心細そうな顔をして自分の前に置かれた料理を見ています。
フランスから遠い日本人の私がメニューを見ながら好きな食べ物をオーダーしているのに、
スウェーデン人の彼が、四苦八苦している。
同じ西洋人と思っても言葉の違いはあるんだ、とあらためて気付かされます。

私の注文した皿が並ぶと、なんだがもじもじしている彼。
お勘定のしかたが分からないのかな?と思い聞くと「そうだ」と言います。

ウエーターを呼び、「彼、お勘定だそうだから」と伝えると、
スウェーデン君は私に礼を言い、嬉しそうにして席を立って行きました。

無事に旅を続ける事が出来るだろうか?
そんなことを思わずにいられません。

そんな事を思い出しながら歩いていると、
「すみません」と後ろから声をかけられました。日本語です。
パリには日本人も多くいます。観光に来ている若い人たちも多く見かけます。
まして、ここはシャンゼリゼ。

でも、しばらく日本語を話していない私は、ちょっと身構えてしまいます。
何だろうと振り向くと、小柄な60歳を超えたぐらいの男性です。
身軽なジャケットを着て、歩きやすそうな靴を履いています。

「あのう、この近くでヨットに乗れるところはありませんか?」 男性はいきなり聞いてきます。
「この近くですか?」 パリです。セーヌ川はすぐそばにありますが、ヨットはないでしょう。
そう思いながら、「どうでしょうね」 と曖昧な態度でいると、

「実は、私医者で会議があってパリに来たんですけど、
用事が終わったので、仲間と別れて、ヨットに乗れないかなと思って…」
と説明を始めます。

「そうなんですか」 とどうしたものかと思案する私。

「趣味でヨットに乗っているものですから、せっかくだからフランスでも乗れないかと…」
「マルセイユとかニースとかならヨットも盛んですけどね」 と私。

「そうだ、この先にJALがありますから、そこに行って聞いてみたらいいでしょう」 と
私は、その男性を案内する格好でシャンゼリゼにあるJALまでお連れします。

何人かの観光客らしき日本人がいます。
私は男性を手のすいていそうなカウンターに連れてゆき、
「こちらの方が、ヨット遊びをしたいとおっしゃるのですが、ご案内できますか?」 と
カウンターの女性は丁寧な笑みを浮かべながら、
地図を広げてヨットの乗れそうな場所を示しています。

私は、JALがどうゆう案内をするのか興味深く見ることにしました。

しばらくすると、男性は 「なかなか難しそうだね」 と言って席を立ちました。
日程的な制約でもあるのでしょうか。

「せっかくだから、どう、ビールでも飲みませんか?」 と男性が言います。
こうゆのは歓迎です。
シャンゼリゼに並ぶカフェで道を眺めながら、ビールをあけます。

ボン・ボヤージュ!

私のシャンゼリゼの思い出。
焼き栗でもワインでもなく、ビールなのは
こうした事情があるからなのです。

旅に出るといろんな事に出会います。
ストライキで汽車が動かなかったり、美術館では貸出で御目当ての絵が見られなかったり。
でもそれも縁です。また来なさいという天の采配かもしれません。

そしていろんな人に出会います。
ヨットマンのお医者さん、東大のK先生。
慶応の先生とウイーンで酔っぱらっていたこともありました。

もちろん、現地の人たちとも出会います。
ユーゴスラビアの出稼ぎ女性であったり、
ウィーンの音大の先生やオペラ歌手であったりします。

どうやら、私の旅は人に会う旅のようです。
さぁて、次の旅はどんな人に出会う事ができるでしょうか?

ガイドブックに載っていない、人に出会う旅。

皆さんの旅はどんな旅ですか?


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