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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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スペインのビール

お元気ですか?

朝、アマルフィの映画を見て機嫌のいいスタートを始めた一日。
パートナーさんがパエリアを食べたいといいます。先日ワインブティックに行ったらお店の方が「スペインのビールが入荷したんですよ」と言います。珍しいので買って冷蔵庫で冷えているのです。

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スペインの高級レストラン エル・ブジ のシェフフェラン・アドリア氏のチームと DAMM社が料理を楽しみながら飲むことの出来るビールとして開発したもので、水、大麦麦芽、ホップ、コリアンダー、オレンジピール、酵母を使い、ラガービールとホワイトビールの醸造法を組み合わせて作っているそうです。
グラスにつぐと泡が細かくしっかりしています。口当たりはクリーミーでうっすらと感じるホップの苦味はまったく雑味を感じさせません。750mlで1260円。お値段もいいのですが、お薦めできるビールです。

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生ハムやチーズを並べ、パエリアを作り夕ごはんにしました。
今日のパエリアには海老や帆立の他にマッシュルームを入れてあります。
どうでしょう、新しい試みです。

我が家のいつもとたいして変わらない夕ごはん。
今年半期が無事過ぎた事への感謝をしましょう。

追記)

パニエでスペインのビールを見た時、私の頭に浮かんだのはお化けのQ太郎に登場する
アメリカから来たドロンパというお化けだった。丸みのある胴体に星のあるお化け。
次に王冠を見た時はサッポロビール。

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よほど私は視覚による記憶に影響を受ける体質のようだ。



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テーマ : おうちごはん
ジャンル : グルメ

『アマルフィ 女神の報酬』と『アレクサンドリア』

お元気ですか?

6月の最終日は土曜日。
休日のお決まりは早起きをして一人映画です。パートナーさんが観ない映画や舞台の録画をヘッドフォンをつけながら一人で観ます。

今日の映画は『アマルフィ 女神の報酬』。2009年の映画で織田裕二、天海祐希らが出ています。好きなイタリアが舞台ということでず~っと見たかったのですが、ようやく時間がとれました。

ストーリーは、外交官黒田康作(織田)がローマに赴任しG8に出席する川越外務大臣の警護を担当しようとするやさき、日本から娘と観光に来ていた矢上紗江子(天海)の娘が誘拐されるという事件がおき、犯人との交渉をすることに。犯人が指定する身代金の受け渡し場所は観光地、監視カメラに着目しローマ市内を監視するセキュリティー会社に犯人とのつながりを見出すのだが・・・。

なかなか良く出来たストーリー。身代金の受け渡しという事情で観光地を見せるのも分かっているけど上手いですね。
実は天海祐希のちょっとファンでして、イタリアと天海祐希がくっついただけで最初から気に入っていたのですから辛くなる理由がありません。織田裕二も踊る大捜査線シリーズの青島俊作をひきずっているようには見えませんからまずまずでしょう。外交官といっても特殊な役割のようですし・・・。

さて、ちょっと気になった点。戸田恵梨香扮する安田という外交官補。イタリア語がまだ不慣れという設定ですがこれはないでしょう。少なくとも現地駐在員が言葉が苦手だと仕事を躊躇することはありえません。戸田恵梨香さんが幼稚な人間に見えてしまい可哀想です。
佐藤浩市ら犯行グループの描き方にまったく深みがありません。もとはNGOのボランティアメンバーという設定ですから犯行に至る過程に葛藤があってしかるべきですがそこには触れていません。そのため、事件の底にあるものが全く描かれないことになり、主人公の黒田と矢上が動きまわるだけの映画になっています。結果訴えるものの無い映画に。残念ですね。

さて、もう一つ。
アマルフィはローマの南、ナポリからベスビオ山を越えた処にあります。サレルノも近く本当にのどかな土地。レモンが名産でレンモンチェッロというお酒が有名です。ナポリもサレルノも私にはちょっと思い出深いところなので嬉しいのですが、映画には関係ありません。そして私はアマルフィは行っていません。坂の街ですから足腰の丈夫なうちに行きたいですね。

無題1

で、犯人からの指示でアマルフィに車で向かう黒田と矢上。私はてっきり海岸線を下って走ると思っていました。ところが画面では車は海岸線を右から左へ進んでいます。えっどうして?と違和感を感じます。
そこで、Google ですぐ地図を確認。なるほど。ローマから南下するにはE841を通ってサレルノを経由してアマルフィに入るのが楽なようです。
私が行くならナポリで数日過ごした後、アマルフィに向かうのかなと思っていましたのでちょっと新鮮な発見。やっぱり現地に行ってみないとわからないことですね。

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映画をもう1本。エジプトに実在した女性の科学者ヒュパティアを描いたスペイン映画『アレクサンドリア』を観ました。
アレクサンドリアは紀元前332年にマケドニアの王アレクサドロス大王によって建設された都市で、ファロス島の大灯台やアレキサンドリア図書館といった最先端の科学・文化を備えた都市です。西暦4世紀。キリスト教が台頭し既存の宗教との対立が激しくなってきた時代、数学と天文学に秀でた女性ヒュパティアは地動説を研究しています。
そんな折、キリスト教信者が古来の神々を愚弄したとして対立が激化。ローマ皇帝はキリスト教派を支持しキリスト教徒によって図書館は破壊されてしまいます。

科学による“知”を信奉するヒュパティアには宗教のいう真理は受け入れがたいものがあるのでしょう。ヒュパティアが一人思索し研究してゆくのに対して、キリスト教は古来からの宗教を否定し、後にはユダヤ教をも否定し多くの血を流してゆきます。そしてヒュパキアも魔女として断罪されてしまいます。

無題2

この映画はヒュパキアを主人公にしていますが、キリスト教の台頭と戦いが強く印象に残る映画です。宗教の対立による争いはなにもキリスト教だけのものではありません。一神教は確かに他を排斥する力が強いように思いますが多神教、仏教や他の宗教にしても他の教えを否定するところがありますし教理を広めるために邪魔になるものを排除しようとし人を殺しもします。これは宗教が持つ力であり宗教を使う人間の愚かさなのでしょう。

映画では時々宇宙から俯瞰した地球を見せます。神の視線でしょうか?それともGoogleアースの視点でしょうか?



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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

『火星人ゴーホーム』

お元気ですか?
フレドリック・ラウンの『火星人ゴーホーム』を読みました。
先に『天の光はすべての星』という惑星探査を夢見る宇宙飛行士の話を読み、しっとりとした味わいとユーモアを織り込んだ作りに気に入っていたからです。SFファンという訳ではありません。でもその分好みの傾向も持っていないので自然体で読めるというものです。タイトルだけは知っていた『火星人ゴーホーム』。新しい扉をあける楽しみが私の背中を押していました。

ストーリーは、1964年のカルフォルニア、SF作家のルーク・デヴァルウが友人から借りた丸木小屋で新しい作品を書こうとしていると、突然火星人が現れます。1mほどの緑の火星人は煩くルークを誂い、瞬間移動や透視をしては仕事の邪魔をします。でも、火星人はルークの処にだけ現れたのではありません。瞬時にして世界中に現れた火星人は約10億。人間のいる至るところにあらわれては茶々を入れ隠し事を暴露するため人々の生活は大混乱。株価は暴落し軍隊の機密は暴露され崩壊、娯楽産業は成り立たなくなり世界は失業者で溢れます。

ところで、フレドリック・ブラウンの火星人は本当に火星人なんでしょうか?宇宙船に乗って火星から来たわけでもありません。火星から来たとも言いません。ルーク・デヴァルウの小屋の扉を叩いて「ここは地球だね」とやってきただけです。どうやらこの話の本題がここに隠されているようです。
目に見えますが触ろうとするとすり抜けてしまい、つかまえる事が出来ない火星人は人を小馬鹿にしたジェスチャと耳に煩い声で人間を煩わしますが、それ意外に攻撃を仕掛けて来るわけではありません。そしてルークはあることに気付き火星人を追い払う方法を思いつくのですが・・・。

それにしても、私達は何故火星人なんでしょうか?フレドリック・ブラウンが言うように二人のウエルズ、H・G・ウエルズとオーソン・ウエルズにすっかりやられてしまったままなのでしょうか?土星人や金星人じゃだめなの?と言う時に、他には感じられないシンパシーを火星人に感じているのかもしれません。実はここにもヒントがありそうです。

子供向けの抄訳されたSFを読みながら挿絵に触発されて宇宙人やロケットを描いた事があります。今でも子供たちはそんな絵を描くのでしょうか?宇宙に浮かぶ望遠鏡で星の果てまで見渡せ、宇宙ステーションと行き来が出来る時代です。タコに似た火星人を描く子供はもういないのかも知れません。
小学生の時に図画工作で“未来の家を作りましょう”という時間がありました。白い厚紙と鋏や糊を前にして未来を考えだした私は身体が無くなって意識だけになってしまう未来を想像しました。きっとこの頃に『禁断の惑星』を見ていたのかもしれません。時間が半分以上たって教室の中で皆が丸や三角の家を作っているのを見ながら肉体が無くなれば住まいとしての家は必要無くなると思い形ある建物を作る事ができませんでした。

フレドリック・ブラウンは「作者のあとがき」で「この世界と、火星人を創造したのは、ルークなのです。ところがまだあるのです。そのルークを創りだしたのはこの私です。」と種明かしをします。そして、「ルークあるいは火星人は、はたしてどこまでの存在なのでしょう?また、読者のみなさんは?」と。

私は私が私であると認識しているから存在しています。ならば未来はどうでしょう。未来を思い描けばそれは存在するのでしょうか?ちょっと試してみたくなりませんか?
でも、くれぐれも皮肉たっぷりの火星人は作らないようにご注意くださいね。


テーマ : SF小説
ジャンル : 小説・文学

初夏の新作

お元気ですか?

6月ももうすぐ月末を迎えようとしています。
皆さんはどんな6月をお過ごしになられていますか?

政治、経済、原子力発電の問題・・・本当に真剣に考えなければいけない問題が私達の前に山積みになっています。
今日、録画していたNHKの放送「マイケル・サンデル 5000人の白熱教室 後編「これからの日本の話をしよう」」を見ました。前編が有ったのでしょうが見ていません。民主主義のもとで方向を探る時、色々な意見があることを知るという内容でした。私なども隠遁の身とは言えいつも自分の考えはどうなのかということを自身に問うています。一人一人が自分の意見を持つこと、そしてその意見を社会に投じ自らの望む社会の実現を意図すること。これは民主主義社会に活きる市民に課せられた義務であり権利であると思っています。

我が家では今日のテーマ、消費税問題でも意見が違います。パートナーさんは「値上げの前にやることがあるんじゃない」と言います。私は「時間を考えたら値上げは必要だし、世界銀行からも消費税の値上げを言われていて立て直しをするためにも値上げの道を示しておかなくっちゃ」とお互いの意見を交換します。我が家の民主主義。

民主主義の話ではありませんが、最近NHKがスーパープレゼンテーションという番組を放送しています。TEDカンファレンスという世界中から専門家、知識人が自分の考えをプレゼンするイベントを紹介し、英語の面白さも伝えています。色々な発想があることが知られてなかなか楽しい番組です。

私達はどれだけ自分の世界を広げることが出来るのでしょうか?


今日、夏野菜のパスタを作りました。
ズッキーニとエリンギのパスタ。夏らしくさっぱりした仕上げです。

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そして、新作。 硬口イワシのオイル焼きです。

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新鮮な硬口イワシが1パック94円で売っていたので思わず買ってしまいました。
私が硬口イワシを買ったのは初めて。何事も気合いと挑戦です。

頭と内臓をとり、オリーブをスライスしてアンチョビと一緒にオリーブオイルで焼きます。
簡単ですけどワインのおつまみには最高。ギリシャやスペインではよく食べられています。
?今世界経済を揺るがしている本拠地?

こんな美味しいものを食べている国。私は応援しないではいられません。
そうそう、今日のパスタはトルコからの輸入品。硬口イワシのオイル焼きで使ったオリーブオイルや黒オリーブはスペインのものです。我が家の食卓をみても世界経済を考えなければいけないのがよく分かるというものです。

皆さんの6月はどのように過ぎてゆきますか?


テーマ : おうちごはん
ジャンル : グルメ

『サド侯爵夫人』

お元気ですか?

三島由紀夫の『サド侯爵夫人』をTVで観ました。昭和40年11月に紀伊国屋ホールで初演以来幾度と無く上演されている三島由紀夫の代表作の一つです。三島の文学作品の素晴らしさは緻密に重ね合わされた言葉の数々でありその言葉のひだの中に潜む彼の感性の鋭さに触れる緊張感です。彼の作品を読む時私は一語一語確認し、それぞれの言葉の意味と使われている場所、呼応する台詞、それらを見逃さないよう神経を集中させなければなりません。
今回は芝居をTVで観ると同時に本も読みなおしてみました。

私と三島由紀夫との出会いは中学生の頃。当時遠藤周作が狐狸庵先生と呼ばれ北杜夫がドクトルマンボウシリーズで人気を博していた時代。違いが分かる男なんて言われてテレビCMにも出ていましたっけ。世間のあまりの熱狂ぶりに嫌気をさしていた私は、生来のひねくれものの性質を発揮し、それじゃぁとばかり吉行淳之介のエッセイ『不作法のすすめ』を読んだりしていたのですが(正直な話し彼の小説はまだ読めませんでした)、そんな時に本屋さんの棚に三島由紀夫の『不道徳教育講座』を見つけたのです。私の方向性がよくわかるでしょう。今、内容を覺えてはいませんが、真面目な常識を逆転させたように言いながら別の角度から見た時の真実をさっぱりと小気味良く切り取っていて読んだ後にふぅ~んとほくそ笑みながら、心地よかったのを覺えています。三島由紀夫の感性は常識の中にあるお飾りをさり気なく小さな声で“見えちゃっているよ”と言っているようです。
高校に入ると私はフランスの戯曲や小説を読むようになりレイモン・ラディゲに出会います。フランス文学の特徴である心理小説に強く惹かれていくのですが、ここで三島が『ラディゲの死』という作品を書いていることを知り、何か感性の一群とでもいうような嬉しさに包まれて行きます。
そして、同じ時期マルキ・ド・サドの『悪徳の栄』に出会うのです。澁澤龍彦の訳にドキドキしながら読んだのを覺えています。実は少し前から読みなおしてみたいと思い、先日帰省した際に本棚から持ち帰っていました。
中学・高校の頃私は父が中国出張の折にお土産に作ってくれた蔵書印を押し購入日と名前を奥付の余白に書いています。当時は自分の買った本を古本屋に持っていくということなど考えもしませんでしたから、どんどん書いて押して平気だったのです。古本屋さんはこうゆうの嫌いますね。今でしたら和紙を栞大に切って蔵書印と日付を記入して挟んでおくことをお薦めします。
若気の至りではあったかもしれませんが、函館から持ち帰った『悪徳の栄』『美徳の不幸』『恋のかけひき』の角川文庫三冊の奥付を見ると読んだのは高校1年生の春のようです。なんだか懐かしいですね。

さて、マルキ・ド・サドの性癖や唯物論的思考、フランスの時代背景などを此処で論ずるのは私の好むところではありません。三島由紀夫が『サド侯爵夫人』に書いた夫人ルネの心理の変化をすこしばかりなぞって見ることにしましょう。

戯曲は三幕で構成されています。
第一幕は1972年秋。6月にマルセイユ事件を起こした後です。
サドは1940年生まれですから32歳。41年生まれのルネは31歳。結婚して9年目の年です。
第一幕ではルネのサドに対する貞淑と理解の姿それに対してルネの実母であるモントルイユ夫人がサドとルネとを別れさせようとする姿を通して立場を明確にしています。ルネの妹アンヌも登場し後場への伏線もしかれます。

第二幕は1978年挽夏。この間ルネはサドと一緒にフランスやイタリアを逃げまわりますが、モントルイユ夫人の画策でサドは逮捕投獄されます。舞台ではこの事実を踏まえルネが貞淑な理解者から“共犯者”とさらに深い理解に入り込んでいっている事が描かれ、二幕の最後、有名な台詞「アルフォンス(サドのこと)は、私だったのです」とルネが言うに至ります。

第三幕は1790年春。サドは78年にヴァンセンヌで牢獄に収監され11年を経ています。サドの作品はこの間に書かれています。前年1789年7月14日、フランス革命が勃発しています。第三幕では、モントルイユ夫人が時代が変わったのだからサドも陽の目を見るかもしれないと世間の変化に合わせながら自分に都合の良い理解を展開しますが、妹アンヌは夫とともにパリを脱出しようと言います。そして、サド侯爵夫人ルネは修道院に入る決心をしています。
三島由紀夫がこの戯曲を書くきっかけとなった疑問。貞淑で理解者であったルネがなぜサドが釈放される時になって彼と別れ修道院に入る決心をしたのか。第三幕の醍醐味はまさにここにあります。
牢獄で書かれた作品を読んだルネはサドに対する理解を研ぎ澄ましてゆきます。
ルネは言います。「悪の中でももっとも澄みやかな、悪の水晶を創りだしてしまいました。」「あらゆる悪をかき集めてその上によじのぼり、もう少しで永遠に指を届かせようとしているあの人。アルフォンスは天国への裏階段をつけたのです。」と。

ルネはサドが行った行為が快楽の追求の中から生まれた事を知っていました。行為そのものは反社会的であり悪と言われるものだったかもしれませんが、彼の心の内にある快楽が昇華されてゆく中に真実の光を見たのでしょう。社会とか常識といった皮をまとわない自身の中に生まれた真実。これは神の所業といってもいいものです。それを確かめるためにルネは修道院に身を置くことを決断したのです。そして、すでに現実のサドをルネは必要としていなくなっていました。サド以上にサドの真実を理解したからでしょう。だから、ルネは帰宅し面会を求めるサドに女中を通じてこう言います。「お帰ししておくれ。そして、こう申し上げて。「侯爵夫人はもう決してお目にかかることはありますまい」と。」

いかがでしょうか。三島由紀夫の『サド侯爵夫人』。社会の常識、規範に依ること無く自分の目に見える美に焦点をあててゆくと、時として現実の理解を超えたものに出会ってしまうことがあります。時にその真実は目をそむけずにはいられない程の力をもって私たちの前に立ちふさがり、時には本人を破壊すらします。実際のルネ夫人は三島が描いた程の理解者であったかどうかは分かりません。しかし、三島はルネを描くことで真理に触れるものの孤独と危うさを見事に表していると私は思います。

さて、お芝居について。
野村萬斎氏による今回の演出は役者の動きを抑えながら言葉の力を前に出すというものでした。
若い蒼井優をルネに起用しています。ただ、モントルイユ夫人の白石加代子、サン・フォン伯爵夫人の麻美れい二人の圧倒的存在感と台詞の旨さに比べたら他の役者さんが見劣りしてしまうのは可哀想ですが事実。蒼井優の気の強さというか内面の荒っぽさも見えたようで、私はあまり感心しませんでした。

2005年に東京国立博物館で上演された、岸田良二演出による舞台がDVDでありますので、こちらも見て比べて見ることにしましょう。


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三島 由紀夫

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テーマ : 文学・小説
ジャンル : 小説・文学

停電

お元気ですか?

台風4号が和歌山県南部に夕方5時頃上陸し7時頃には当地に到達。雨戸を閉めていたが時々開けては外の様子を伺う。
どうも台風がやってくるとワクワクしてしまう。怪獣映画などで日本に向かう怪獣を来るぞ来るぞと緊張を高めながら待ち構えるのと同じ感覚だ。

早めの夕ごはんを済ませ、TVを見ていたら蛍光灯が不安定になる。風のうずまく音、揺れる部屋、気圧もおかしいぞと思っていたらバチッっとテレビが真っ暗に。8時15分。停電だ。パソコンがついているのはバッテリーのせいだが、ネットにはつながらなくなっている。こうゆう時にはWi-MAXが便利かも知れない。

災害時の非常用品を詰めているデイバッグを取り出し、懐中電灯をつけるが暗闇での作業。事前に準備しておかなければダメだ。
私はラジオを出してニュースを聞く。最近はPCでラジオを聞いていて便利だと喜んでいたが停電になるとこれもいけないと改めて気がつく。やっぱり小型ラジオがいい。いつも使っていた短波ラジオはシンセサイザーチューニングなのでこうゆうときには使い勝手が良くない。もう一台のダイヤル式のラジオのほうが感覚的に使いやすい。
ラジオでは交通機関の運休を知らせている。ウォークマンでFMを聞いていたパートナーさんが広域で停電だと言う。

夜の停電。TVもパソコンも電話も使えないから情報を得る術はラジオしかない。当地には防災無線もない。雨戸の外ではパトカーがサイレンを鳴らして走っているようだ。

本も読めないから、ラジオのイアホンを耳に布団で横になっていたら寝付いてしまって気がついたら11時半。まだ電気は復旧していない。トイレに立つが水を流すのは手動、とそこまでは良いのだが、実は水道の水が出ない。我が家は井戸が掘ってあり水は電動ポンプで汲み上げるようになっている。飲水はペットボトルに水素水が入って冷蔵庫にあるので問題はないが、トイレの水や洗面所、台所の蛇口からは水は出てこない。こうなってくると、電気に頼りすぎる生活を見直すことも必要かもしれない。ソーラーパネルや風力などで家庭で蓄電出来れば良いのだろうが、電気に頼りすぎる生活というのを見直す視点も大切だろうと思う。

朝、4時に目が覚めて布団の中でラジオをつけると“ラジオ深夜便”をやっている。人気の長寿番組だが私は聞いた事がない。起きだして居間に行くが、まだ電気が回復していない。停電から8時間もたつのにどうしたことだろう。もうすぐ街は起きだす。電力会社も必死だろうが私も情報が無いと困る。ふと思いついて電気料金の請求書をみつけ電話をかけてみた。フリーダイヤルだがつながり難い。
「ただ今広い範囲において停電しています」とか「電話がつながりにくくなっています。時間をあけておかけ直しください。」なんてアナウンスが流れ切れてしまう。何度かかけ直してみたら4度目ぐらいでつながり、落ち着いた男性の声で、状況を知らせてくれた。かなりの広域で停電していて復旧は進んでいるが、現在は地域の配線を見まわり断線箇所などが無いかを確認して順次送電を再開しているという。それにしても、私が子供の頃に長い停電というのは何回か経験したが、(当時はロウソクを立て手で影絵を作って遊んだけど)現代にあってこの長時間の停電はどうしたことだろう。

雨戸を開け、外の光と空気を入れ替えていたら電気がついた。6時50分。昨夜の停電から実に10時間以上たっている。
いかに私たちの日常が電気に頼っているのかを思い出させ、災害への備えの重要性を気付かさせてもらった台風であった。

パートナーさんはベランダのグリーンカーテンにと植えたゴウヤとキュウリのプランターを整理している。台風の風でせっかく育っていた葉っぱが全滅してしまった。




テーマ : 日記
ジャンル : 日記

『悪い奴は友を選ぶ』

お元気ですか?

大型の台風が接近し、TVの番組を見ると画面の隅に天気図を写したり、交通機関の情報が流れています。最近は川の増水や土砂崩れがよく聞かれます。どうぞお気をつけください。

テリー・ホワイトの『悪い奴は友を選ぶ』と読みました。
Amazonの中古本で購入した4冊のうちの最後の1冊です。
パートナーさんは「そんなに早く読んでしまったらもったいなくない?」といいますが、私はどうもせっかちです。

ストーリーはニュヨーク市警に長年務めたブライアン・マーフィーは心臓を患ったことで退職し、西海岸に移り住んできたが街に馴染めないでいた。そんな彼が街で目に留めたのは元自動車泥棒のトレイ。立場は違いこそすれ同じ世界の者として声をかける。一方前科者のクリスとムショ仲間のドワイトは強盗を働きながらメキシコに行くことを夢見ているが、そんな彼らの前に現れたキャサリンの話にのり麻薬密売のボススタンツィオーネから売上金を強奪することを計画する。ロスアンゼルスを舞台に交差する二組の男たち。

テリー・ホワイトのキーワードは“相棒”。警察官同士であったり殺し屋のコンビであったりと男同士の“相棒”が不器用に自分の気持ちを確認しながら相手との距離を探ります。ベトナム戦争によるPTSDを抱えていたり家庭の問題を抱えながら生活をこなすなかで“相棒”の存在は次第に離れがたいものに。

今回の『悪い奴は友を選ぶ』では心臓を病んで体に自信の無くなった元警官と元自動車泥棒がいい味を出しています。馴染めない西海岸でどうしても犯罪者ウオッチをしてしまうブライアンの寂しさは分かります。退職したとはいえ警察官の匂いをただよわせるブライアンに戸惑いながら一緒にいるトレイ。人はだれかと一緒でなければ生きていけないのでしょうか。

面白く感じたのは二人の女性。一人はトレイの元恋人でクリスとドワイトをけしかけて麻薬密売の売上金を強奪しようとするキャサリン。自分に都合よく男を利用して生きて行く女です。もう一人はブライアンに好意を寄せる画家の女性アン。アンはトレイが元犯罪者だということを知っても動じません。それどころか、ブライアンとトレイの関係をよく観察し、トレイがブライアンのもとを出ていったと聞くとブライアンに連れ戻すようにさえ言います。男同士の友情、“相棒”としての姿を書き続けているテリー・ホワイトにして初めて気骨のある女性を登場させてきました。こうゆうのは良いですね。

さて、『悪い奴は友を選ぶ』。原題は FAULT LINES と言います。確かに犯罪者のクリスとドワイトは強盗を繰り返すうちに次第に状況がまずくなり、キャサリンの登場でそれは抜き差しならないドツボにはまります。FAULT LINES どうゆう訳がいいのでしょう。邦題からは「朱に交われば赤くなる」なんて諺を思い出しますが、なにかテリー・ホワイトの意を汲みながら気の利いたタイトルは出来ないでしょうか。ちょっと気になるところです。


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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

火傷

お元気ですか?

函館から戻りあっというまに今まで通りの日常。
パートナーさんが「今晩はパスタが食べたい。」と言います。
簡単パスタにチーズとワイン。いつもの我が家の夕ごはんです。

ジムからもどり夕ごはんの支度。鍋にお湯を沸かし、もうひとつの鍋で玉ねぎのみじん切りと挽肉を炒めましょう。チーズとワインの味を楽しみたいのでトマトソースは使わずシンプルな塩味で仕上げます。

そろそろ良いかな?とパスタの茹で具合をチェックしようと鍋にトンクを入れパスタを掴んだ瞬間、熱湯がトンクの柄を駆け上がり、右腕にお湯が!!!アチッ!やっぱり菜箸を使えばよかった・・・思わぬ失敗です。
直ぐ水をかけて冷やしますが、ちょっとヒリヒリします。
料理に火傷や怪我はつきものです。油がはねたり包丁がすべったり・・・。
どうぞ、皆さんもお気をつけくださいね。

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パスタは美味しくできましたから、それは満足。
チーズは北海道の共働学舎のチーズや函館牛乳のチーズを味見しましょう。
函館牛乳のチーズはなかなか人気だそうです。

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ワインはアリゴテ。
パニエのソムリエさんが、「ガツンとしたアリゴテが好き」というパートナーさんに、「アリゴテらしくないアリゴテですから、試してみませんか?」と奨めてくれました。

アリゴテはしっかり冷やして青い草のような香りを楽しむのが好きなのですが、このワインはなんと表現していいのでしょう?ガツンという力強さは感じません。青臭くうっすらと苦味を感じる爽やかなワインです。

世の中にはまだまだ知らない事が沢山あります。ワインブティックやレストランで色んなワインに出会うのも楽しいですね。






テーマ : おうちごはん
ジャンル : グルメ

6月の函館 おまけ

お元気ですか?

函館から戻りいつもの日常を過ごしている私達。つい昨日の朝には函館にいたという記憶も薄くなっています。
今回の旅は正確には旅とは言えないかもしれません。両親の居る町に帰省し、家の用事を済ませながら少し美味しいものを頂いた・・・。それだけのことですから旅とは違うでしょうね。
でも、函館に帰ると私が子供の頃育った町とは大きく違った函館を見ることが出来ます。賑やかで活気の有った町と人通りも少なく空き店舗の目立つ今の町を見比べて色々な事に思いを馳せます。それは、単に過去を懐かしむものばかりではありません。市電の中吊りやローカルテレビのコマーシャルを見ては現在の町の進みゆく方向を考えます。唐草館やお寿司屋さんのひろ季でお店の人と会話をしながら商売をしている人達の苦労を聞き、改善へのアイデアを探ります。
私にとって函館への帰省は、函館の未来、地方都市で暮す人々の未来を模索する思考の実験場であり、函館という土地を理解し過去と未来をつなげる旅なのです。

今晩は家にあった毛ガニをもらってきましたのでそれが夕ごはんです。

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立派な毛ガニでしょう。味噌もたっぷりです。
これからの夏は噴火湾で獲れる毛ガニ漁が最盛期になります。

子供の頃、町の繁華街には毛ガニ売りの露天商がいました。露天商といっても歩道に木箱を置き安いカニを並べているだけで何軒も並びます。朝市や自由市場といった処のカニとはお値段が違います。そんな露天商のカニに足を止める父。売り手と一言二言言葉を交わしカニを少し触って品物を確かめます。私はカニをよく知る父が買うはずもないのに、なぜわざわざ素性も知れない露天商に立ち止まるのか不思議で、ちょっと恥ずかしくもありました。
満州で仕事をし、シベリアに抑留されて帰って来た父。自分の活きる道を北海道に渡り切り開いて来ました。露天商で頑張っている人の姿に素通り出来なかったのかも知れません。決して買うことはないにしても一言声をかけて応援したかったのかもしれません。

今の函館には露天商が並ぶ活気はありません。シーズンは入ったばかりですが、朝市にも活気がみあたりませんし売り手にマンネリ化した空気を感じます。市場や町を歩きお店の人たちと会話しながら私が感じている空気がなんなのかを確認したいと思うのは、子供の頃経験した自信に満ちた函館を復活したいと願うからにほかなりません。そして、それは父から受け継いできた思いなのかも知れません。 


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パートナーさんは、函館朝市で買った“たまふくら”という大豆を煮ました。
口に含むと豆の味が濃く広がる美味しい豆です。
豆ひとつにしても、私達に新しい経験を届けてくれるますから函館にはまだまだ発見があります。
故郷を大切にしたいですね。

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自宅用に買った駄菓子のお土産。珈琲を飲みながら函館の事を考えましょう。

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ジムのお仲間さんにはおしるしばかりの“いかせんべい”のお土産。
気取らないお煎餅で函館をアピールです。





テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

6月の函館 3日目

お元気ですか?

函館に来て3日目になり、予想外の寒さも少しづつ回復しています。
午前中は自由市場に出かけ我が家用にホッケやカレイを買ったり、金森倉庫のレンガ街をお散歩しお土産物を選んだりして過ごします。観光客や修学旅行の小学生などで賑わう町。

お昼時間が近づいたので、パートナーさんがラッキーピエロへ行きたいと言います。
レンガ街のはずれにはハンバーガーで人気のラッキーピエロと焼き鳥弁当のハセガワストアーが並んで建っています。函館の二大ファストフードですね。
ところが、ラッキーピエロは小学生で満員。そこで、少し離れたところにある十字街のお店にも行きますがここも小学生で満員。店員さんは「いつ席が空くかわかりません」と言います。これからの観光・修学旅行の時期、話題のお店は時間をづらして行く必要があるようですね。

そこで、地元で古くからあるカレ―店に行くことにしました。十字街の隣宝来町にある小いけカレーです。

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電車道路に面したお店は落ち着いた洋食を出しますが、そのちょっと奥まった隣に昔からの食堂があり、カレーはこちらで頂きます。
時間はちょうどお昼時間。近くで働く人達が続々入ってきてカウンターやテーブルを埋めてゆきます。「いつもの大カレー」とか、「大カツ」とか好みのメニューを席に着くと同時に注文します。カツカレーが人気のようですがハンバーグカレーやカツ丼も続きます。私達は普通のカレーを注文。

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トッピングのあるカレーはお皿に盛られカレーがかけられて出ますが、普通のカレーは懐かしいカレーポッドに入れられて出てきます。パートナーさんは、「スプーンに紙が巻いてあるなんて珍しいね。」と言います。函館では有名な小いけのカレー。一時期味が変わったと聞き行ってみたいと思いながらも足が向きませんでした。私も小さい子供の頃に一度食べたような記憶があるだけです。すこしづつカレーをお皿に移しご飯に混ぜて口に運びます。ひー辛い!ちょと粉っぽい感じが舌に残りますが辛さはしっかり。味はさらっとした軽いものです。
一度は経験したいと思っていた小いけのカレーを経験した私達。その満足度でよしとしましょう。

お昼を頂いたので、歩いて父の入院する病院へ向かいます。ちょうどいい腹ごなし。
病院では看護婦さんやヘルパーさんがとっかえひっかえやってきて挨拶します。
退院後もリハビリに通いますから、これからも宜しくねって。

介護タクシーが来、病室から車椅子に乗ってタクシーにそのまま乗車。
元消防署の救急隊員で救急車に乗っていたという御主人と奥さんの二人でやっている介護タクシー。自営業ですから病院や介護施設などで人づてに営業をしているそうです。でも、救急隊員の介護タクシーなんてセールスポイントが高いですね。立派な仕事を選ばれたものだと感心します。

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車椅子に乗りながらの観光なんかにも対応するそうですから、感心のある方はどうぞ。
函館応援団長の私のお薦めです。

帰宅を果たし気持ちも明るい父。庭を眺めたり書類をチェックしたりしてうれしそうです。
夕食を一緒にしホテルに戻ります。

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ホテルの部屋でパートナーさんと今回の旅の成功を祝し乾杯です。

高齢の両親がいながら離れて暮す私達。時々帰省してはお手伝いをするのが精一杯です。
両親も帰って来て欲しいとは言いませんし、願ってもいません。
親と子、それぞれの生き方のなかで全うする道を探す日が続きます。

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6月の函館 2日目

お元気ですか?

函館の旅の2日目。今日もとても寒く気温は15℃です。

昨日下見をした函館の朝市、ホテルでの朝食の後お散歩がてら豆を買いに出かけます。

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広いドーム型の市場には床に線がひかれ各お店の出店場所が決められています。夕張メロンやアスパラガスを扱うお店、昆布や松前漬けを並べるお店・・・それぞれのお店の得意な商品が町の人や観光客を楽しませてくれます。
お目当ての店で豆を選んでいると、おばちゃんが豆の説明や調理方法を教えてくれます。小豆、花豆、まだら模様のとら豆にたまふくらという名の大豆、4種類を求めました。いずれパートナーさんの傑作をご紹介しましょうね。

朝市で目的の豆を得た私達。両親の家に向かい庭の手入れや部屋の掃除に取り掛かります。
昨日から始めた作業にも慣れて着々と進み、片付くほどに私達の気持ちも良くなります。
パートナーさんも私も達成感に満足。明日はいよいよ父の退院です。

ホテルに戻り、汗を流したあと夕食に向かいましょう。今日はお馴染みの唐草館です。
前回来たのは3月3日。函館に来ると必ず伺うお店になりました。

席につくと今日のメニューが紹介され、それを眺めながらワインを選びを考えます。
白ワインがなかなか決まらない私に、ソムリエのマダムが「リストにはありませんが、マコンがありますよ。」とおっしゃるのでそれを頂くことにしました。

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さぁ、お料理のスタートです。

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ガレットにのせた時知らずのスモーク。シェフがスモークした鮭とガレットのコンビネーションが美味しい。
自家製の黒ゴマパンやハーブの入ったパンはハルユタカという美味しい小麦粉を使ったものです。

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蟹とアボガドにクルスタッセのジュレ。夏らしい爽やかな出来栄えはシェフの心が反映しているようです。
帆立とホッキ貝とポン太のアスパラは香草ソースで頂きます。どれもが私の好きな食材。バランスの良いお皿に満足です。パートナーさんはブランドアスパラガスである「ポン太のアスパラ」に大喜びです。

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ここで、ワインを赤ワインに変えました。モレ・サンドニです。
デジャックのワインは評価が高いのですが、今日のお料理にも相性がいいようです。とっても真面目な作り手の様子が口に含んだワインから伝わってきます。
テースティングをした瞬間に、あぁこれ私の好きなタイプと心に響きます。

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その美味しいワインと一緒にいただく料理は、黒オリーブが香る鮑のポアレ、オリーブをペースト状にしてソースとしていただく鮑。シェフの独創的なチャレンジ精神がまっすぐに届く素晴らしいお料理です。
こうゆう一皿を出されると、今回も来てよかったと思います。
私達がお店を信頼し通うのは美味しい料理をいただくためではありません。料理を通じてシェフの人柄に接するのが楽しいのです。新しい食材や試みを通して食を作り届けたいというシェフの思いを感じ取りたいのです。それにはお店のスタッフや活躍も大切ですが、唐草館のスタッフは優秀です。さり気なく気配りの行き届いたサービスによってシェフの料理はさらに美味しくなります。

お肉のお料理は滝川産鴨のコンフィと七飯福田農園の王様椎茸を添えたもの。
前回、パートナーさんが鴨が食べたいと言っていたせいでしょうか?嬉しいですね。
しかも、このコンフィとっても絶妙な仕上がりです。皮はパリパリと香ばしく肉はしっとりとしていますが、脂っぽくありません。いやぁ上手なものです。

さぁ、お料理も終宴を迎えます。
マダムがチーズをトレーで持ってきてくださり、選ばせてくれます。

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コンテやミモレットは美味しいチーズですが、今回珍しいのは秋田美人という日本酒でウオッシュしたチーズ。口に含むと日本酒の香りが広がりそのあとでチーズの味が続きます。白ワインと合わせるとおとなしい感じですが、赤ワインと合わせると口のなかでパチパチと弾けるような感じ。チーズを作る酪農家も日々工夫を重ねているのですね。こうゆうことを教えていただけるのもレストランの魅力です。

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お店の中には生花が飾られています。今日のお花はアンスリウム、グロリオサ、モルセラ、ヤツデを活けたもの。花禅というお店の作品です。カードを拝見するとフラワー装飾一級技能士という表記があります。そうゆう資格があるのですね。

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デザートをいただき、本当におしまい。
私の選んだ生姜のシフォンも良い感じですが、パートナーさんのチョコレートは絶品です。
パティシエでもあるマダムに「美味しいよ」と伝えましょう。

今回も唐草館で至福の料理をいただいた私達。
全てのお料理が完成度が高く、お料理どうしのバランスもいいので全体的な仕上がり感がさらにアップしています。安心して頂くことの出来る素晴らしいコースでした。シェフに感想とお礼を伝え今後の活躍を願います。

*******

ホテルに戻り、パートナーさんと別れ私一人近くのビールバーに立ち寄ります。
3月に来た際に初めて伺ったお店です。その時にマイケル・ジャクソンというビール評論家の話が出ていたのですが、20年ほど前に「世界ビール紀行」という放送があった話をしたところ、マスターが見たいと言います。それならばと今回私の持っているDVDをコピーして持参したのです。TVの放送をビデオに録画したものをDVDにして保存していました。画質は当然良くありませんが、ドイツやイギリス、ベルギーなど各国のビールの特徴が伝えられる面白い番組です。

カウンターに座り挨拶をすると前回来た時の事をしっかりと覺えてくださっています。
食事は済んでいるので、ビールではなくウイスキーのブラントンを頂きます。

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お店は他のお客さんも多く賑わっています。私と話ながらもサービスに忙しいマスター。
すると、若い女性のお客さんが「これ食べませんか?」とお皿を持って私のところに。
店の奥で盛り上がっている三人のグループは一人が大阪の人だそうで、お好み焼きを焼いて楽しんでいました。函館らしい大らかな盛り上がりです。

大阪のお兄さん、ごちそうさま。

唐草館もビールバーも楽しんだ2日目の夜でした。

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6月の函館 1日目

お元気ですか?

函館に来ています。
6月の函館に来るのは本当に久しぶり。8年ほど前に2週間ほどかけて北海道1周の旅をして以来です。この時季の函館は5月連休の桜が終わり雪解けてぬかるんだ道も乾いて花が咲き出します。市場には山菜や切花が多く並び、町が賑やかになってきます。

ところがなんということでしょう。飛行機から下りた途端にもの凄い寒さ。Tシャツ姿の男性客グループは「北海道だね。」なんて言っていますが気温は13℃。そんな呑気な言葉はいつまでももちません。夏の観光シーズンの始まった函館ですが、どうぞ長袖やジャケットをお忘れなく。

空港からシャトルバスでホテルに向かい、荷物を預けて朝市を散策。パートナーさんが圧力鍋料理に使う豆類を下見します。子供の頃から通い慣れた市場です。蟹やウニを扱う店の呼び声を縫うように避けながら乾物を並べる店で沢山の種類の豆を見ているとお店のおばちゃんが「買ってって」って声をかけてきます。珍しい豆を手にとりながらどんな食べ方をするのか聞き、パートナーさんのイメージを助けます。その間パートナーさんはお値段をチェック。私は値段の感覚に疎いのでもっぱらおばちゃんとお話。買い物の担当割が出来ています。3~4軒のお店を周り、市場を後にします。なにせ着いたばかりですから「また来るね」と言ってまだ買いません。一度情報を整理しパートナーさんの中で買い物のイメージが出来上がるのを待つのです。

朝市を出て家に向かいましょう。
両親の暮す家で庭や家の周りの草取りの仕事。実は3月から入院をしている父が退院をするので、家の片付けや掃除をして迎えようという心づもり。この間、母が一人で病院に通い父の用をたしていました。父は「お前らは来なくてもいい」と言いますが、母だって高齢です。そろそろ手伝いに行かなければと思って「時間がとれたから行くよ」と電話したら「退院するって。」と言うではありませんか。どうやら体調も回復していい加減家に帰りたくなったようです。

週に何回かタクシーや病院の巡回バスを利用しながら病院に通っている母は、気丈ですが体は丈夫ではありません。病弱といっていいほどですが、その分自分の体との付き合い方を知っています。父のリクエストに応えながらも疲れた体であれもこれもと出来ませんから庭仕事などは出来ないでいます。
玄関先から始め雑草や枯れ枝、落ち葉の掃除と綺麗にしましょう。柔らかい草は楽ですが薔薇の棘は枯れても手に痛いです。庭を覆う苔は絨毯のようにふかふかしていますから、それを傷つけないように手で抑え小さな草をつまんで抜きます。東京時代、お茶の先生が茶室の前の庭の苔を育てて「ピンセットで草を抜いているんですよ」と話していたのを思い出します。
普段土いじりが出来ていませんのでなんだか楽しい・・・。シャクナゲの花がらを摘んだり、思わぬ処から伸び出した竹を切ったり・・・。
汚れ作業をしてもいいようにとTシャツや古くなったスポーツウェアを着ていますが、あまりの寒さに体が冷え切らないように休み休みの作業です。

家の草取りに目処がたった頃、母が「病院に行くよ」と言うので一緒に。函館山の麓にある病院は父のお気に入りの病院です。お医者さんも看護婦さんもアットホームな雰囲気をかもしています。
入院病棟に上がると、父が電話ボックスの所に居ます。パートナーさんが渡したテレホンカードを使い、「様子を知ろうと家に電話をするところだった」と言います。車椅子に座っていますが、元気そうです。
リハビリを担当してくださっている理学療法士の説明を伺い、会議を終えた担当医の話を伺います。とっても丁寧で分かりやすい話。時々確認や質問をする私達の言葉もきちんと受け止め答えてくださいます。今年88歳になる父、歳相応の衰えはあり安心は出来ませんが、それでもお医者さんやリハビリの様子を聞き、看護婦さんたちの働く様子を見ることで私達の心の準備は整って行きます。

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父のベットの脇に置いてあった杖。なんと雪道を歩ける用意にスパイクが取り付けられています。
北海道ならではですね。

お医者さんとのお話を終え、病室に戻る父。窓の外には函館山の緑が見え、なかなか良いベッドの位置に私もちょっと横にならせてもらいました。父に庭の片付けの様子を報告し、お返しの業務命令を受けます。老いたとはいえ家長であり管理監督者である父の姿に安心を得ます。

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病院を出るとすぐに古い家が目に入ります。
「『蟹工船』の映画のロケに使った家だよ。」と映画好きの母が教えてくれます。「最近の映画の?」と問う私に、「いや、昭和の始めの頃の。役者さんが走り回っていたんだよ。」と言います。
どうやら、1953年制作の監督・脚本: 山村 聰、撮影: 宮島義勇、音楽: 伊福部昭 という作品のようです。
当時この辺りは、海産物や船の関係の商家が多く隆盛を極めたところです。私の生まれる前、母もまだまだ綺麗なお嬢さんだった頃です。生家が近かった母は目を輝かせてロケ風景を眺めていたのでしょうか。

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ホテルに戻った私達。今日の夕御飯はお寿司屋さんです。
パートナーさんと始めた函館鮨ローラー作戦。来る度に違うお寿司屋さんを試しています。
子供の頃から知った寿司屋もあればネットで情報を得て伺うお店もあります。
今日伺うのは以前泊まったホテルにあるお寿司屋さん、ひろ季さんです。

いつもはお任せで握ってもらうのですが、コースメニューがありますのでこちらをいただくことに。

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先付けはつぶ貝、煮こごり、もずく酢。そしてお刺身の盛り合わせにはサヨリやウニがあります。ウニはこれからが旬ですからね。

お刺身をいただきながらビールから日本酒へ移ります。
私の第二の故郷、糸魚川の根地の男山がありますので私はそれをいただき、
パートナーさんは福島の大七を。いいお酒が揃っています。
後で知ったのですが、女将は酒匠の資格をとられたのだそうです

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毛ガニもこれからの夏のものです。身をほぐして食べやすく出してくださるのでパクパクいけます。

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焼き物はホッキ貝のコキールと穴子。貝好きの私には嬉しい一品です。
「函館でも穴子は獲れるんですか?」と言うパートナーさん。函館の釣りの定番赤堤防でも獲れるとマスターが教えてくれます。函館で暮らしていたらきっと夕ごはんの仕入れに釣り竿担いで私も出かけるのでしょうね。

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握りは平目、シマエビ、ホタテ、鮪赤身、たらこ、ウニ の6貫。私は追加で北寄貝も握ってもらいました。
どれもお醤油を付けないで頂けるようになっています。

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毛ガニの味噌汁とパンナコッタのデザートを頂いておしまい。

お料理のボリューム、バランス、お味、そしてお値段もよく考えられています。
函館のお寿司屋さんは素材の良さに甘えている処が気になっていた私達。
今回のひろ季さんは充分に満足のいくものでした。
お酒の揃えも充実していて、こちらの方も楽しめます。

パートナーさんも「此処なら人にも紹介出来るね。」とご満悦です。
函館お鮨のローラー作戦敢行中の私達ですが、リピーターになりたいお店です。

ごちそうさまでした。

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『殺し屋マックスと向こう見ず野郎』

お元気ですか?

テリー・ホワイトの『殺し屋マックスと向こう見ず野郎』を読みました。

ソーホーにある建物のロフトに住むマックスはチャーリー・パーカーのCDとビールを楽しむ引退した殺し屋。40年に及ぶ彼の仕事は完璧で、超一流の名を得ていた。その彼に近づく妙に愛想のいい若者ジェレマイアは車泥棒と爆弾が得意なチンピラ。本来ならそんな若造がうろちょろしても構いはしないマックスだったが、何故かジェレマイアが近づくのを許してしまう。今までとは何かが違うと思いながら、引退したはずのマックスは最後の仕事とマフィアのボスマーバーグの依頼を受けコスタの暗殺を請け負い、ジェレマイアと一緒に仕事をすることに。そしてジェレマイアはマックスの殺害をタッジオに命令されマックスにに近づいたのに果たすことが出来ない。マックスとジェレマイアに生じる相棒としての共感・・・。一方、長年マックスの完全犯罪を見ながら逮捕できないできたニューヨーク市警のアーロン刑事は若い相棒のコーディに一から教えながらマックス達が陥ってしまったマフィアの抗争に足を踏み入れる。殺し屋と警察二組のチーム。

これまでのテリー・ホワイトの作品と同様男同士の“相棒”の姿がセンスよく描かれています。単身仕事をやり遂げてきたマックスは“今までとは違う何か”のためにジェレマイアに気を許してしまいます。それは引退したという気の緩みでなのでしょうか?長年孤独な殺し屋稼業をおこなってきた寂しさなのでしょうか?それとも、向こう見ずな若造に殺し屋稼業の実態を教えたいという老婆心なのでしょうか?そういう言い方も出来るでしょうが、冷徹で仕事に完全を期すマックスの人間的柔らかさを知り、私はマックスに好感を持ちます。
一方、直接的な殺人には吐き気を催す気の弱いジェレマイアですが、その笑顔の気安さと物怖じしない積極性がマックスの好奇心を刺激します。まるでじゃやれてなつく子犬を振り切る事が出来ないように、次第に纏わりつくジェレマイアに好意をもってしまいます。これはもうジェレマイアの天性の性質ですから、誰もどう仕様も出来ません。“何か大きな仕事をしたい”というジェレマイアにマックス暗殺の仕事を与えるマフィアのボスタッジオにしても同様なのです。

そしてニューヨーク警察でもうすぐ年金をもらい退職しようとしているアーロンは、同じ警察官の中でも自分だけがマックスの犯罪を見やぶっているという秘めた自尊心があります。マックスが動き出した今、相棒のコーディにマックスを追うことで真実を伝えようとしますが、決してマックスを捕まえようとはしません。アーロンにとってマックスを知リ追いかけて来たという事は勲章のようなものですし、長年の追跡によりマックスは一目置く存在になっています。

この二組の“相棒”がそれぞれにお互いを知り理解してゆく姿、そしてそれが螺旋的に交差しながらストーリーは展開してゆきます。
『真夜中の相棒』や『刑事コワルスキーの夏』『リトル・サイゴンの弾痕』には背景にベトナム戦争とそれによって傷ついた帰還兵の問題がありましたが、今回の作品にはそれがありません。その分“相棒”の姿をすっきりと見せてくれています。ストーリー展開に小見出しをつけたことによりスピーディでスタイリッシュな感じも増しています。映画の画面で効果音をいれながら場面展開を図るようにちょっとコメディの要素もあります。

「ねぇ、面白いでしょう。次のこの場面ではこうなの・・・」と言いながらテリー・ホワイトが手持ちのトランプの表を見せてゆくような小気味よさ。

ラストシーン、プールではしゃぐジェレマイアと笑い声をあげるマックスはまるでフランス映画のようです。

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

星5つ!

お元気ですか?

今日は我が家のちょっとした記念日です。
どんな記念日かですって? まぁ私から直接申し上げるのは控えるとして、明日は皇太子ご夫妻の記念日、という事でヒントとしましょう。
朝から私の方をチラチラ見ているパートナーさん。「今日の夕御飯はどうするの?」となにやら私に物言いたげ。

お昼は新海苔の天ぷらを揚げて蕎麦をいただきました。
当地は海苔が美味しくて、私達が引っ越して来て真っ先に気に入った食材です。牛蒡、玉ねぎ、人参といった野菜に鮮やかな緑色の海苔を小麦粉と一緒に溶いて衣として揚げます。磯の香りが鼻孔を刺激し美味しいのです。
「きっと浅草なんかでもあるんだろうね。でも、東京では生海苔って見たことがなかったよね。」と私が言うと。
「このあいだの京都でも海苔は静岡から取り寄せているっていっていたじゃない。きっと東京でも新海苔は料亭なんかに出て私達には届かないんじゃないの?」とパートナーさん。なるほどそうなんでしょうか。

新海苔と野菜の天ぷら、なめこおろしをおかずにお昼は蕎麦で簡単にすませました。
美味しいお昼ですが、パートナーさんのメインは夕ごはん。「どうするの」と私への圧力がかかります。
「肉は何があるの?野菜は?」と冷蔵庫の中にあるものを聞き、献立を考えましょう。

私の頭の中では夕ごはんの絵が雲がむくむく湧き出すように出来上がってきます。
「鴨をメインにして人参と玉ねぎをグラッセにしよう。」と私。
「しめじもあるよ」とパートナーさんが言うので、それも付け合せに使いましょう。
「ねぇ、いつも僕が作っているけど、貴方は何するの?」と聞くとパートナーさんは「チーズを切ったり、ワインも冷やしているし、サラダを用意したりするでしょう!」と・・・。

まぁそんなこんなで夕食タイム。
玉ねぎと人参をグラッセし、その間に鴨をバターでソテーします。グラッセは煮詰めないように注意しながら、鴨は柔らかく火が通りながら固くならないように・・・少しも目が離せません。
野菜をお皿に盛り、わずかに鍋に残った汁にバルサミコを加えてソースを作りましょう。バルサミコをしっかり煮詰めて甘さとコクを出すのは大変ですが、グラッセの残り汁を使って臨機応変。鴨を切り分けお皿にならべ、バルサミコソースを回りに垂らして仕上げます。人参の赤、玉ねぎの白、しめじの茶色という彩りと鴨のレアな赤みとソースのバルサミコの深い紫色を白いお皿の中で鮮やかに浮かび上がらせたい・・・。

パートナーさんはお約束通りサラダを作り、チーズを皿に盛っています。ホームベーカリーからはフランスパンが焼きあがったと信号音が聞こえてきました。

そしてワイン。
今日のワインはドイツのフランケンワインです。先日ワイン屋さんでみつけて即お買い上げ。フランケンワインはボックスボイテルという丸い形の瓶なのでお店でも通常のワインラックに並べられません。木箱に入れられスタッフのコメントが寄せられていました。
今回のフランケンはゾンメラッハー カッツェンコップという名前でラベルに猫がいます。シュバルツカッツなんて猫のワインが沢山ありますが、ドイツ人は猫がお好きなのでしょうか?
ドイツワインのいいところは、ラベルにワインの年はもちろん葡萄の品種、等級が必ず書かれていること。今回のワインは2011年のバッカスというぶどう品種でカビネットという等級です。
バッカスはラベルを見るとバッフスとカタカナ表記されていますが、シルバーナとリースリングの交配種で、リースリングの酸味を生かしながらシルバーナのフルーティーさを出したとても美味しいワイン品種です。
カビネットという等級は普段飲み用、食事用には最適です。シュペートレーゼ、アウスレーゼ、ベーレンアウスレーゼと等級が上がるにつれ甘さも増します。お値段も高くなりますが、シュペートレーゼはチーズと、アウスレーゼやベーレンアウスレーゼ、さらにトロッケンベーレンアウスレーゼといったワインはデザートワインとして食後に飲むのがいいでしょう。もっとも私達には甘すぎて飲めません。
今回のバッカスは果実香と酸味のバランスが素晴らしく柔らかい仕上がりです。女性が好みそうな味で舌触りもよく食事にも合います。
「このワイン美味しいね。また買いにいこうか」って。

どうやら、今回の夕ごはんはメインディッシュもワインも満足のいくものでした。

さて、今回は我が家の夕ごはんを写真を入れずにご紹介しました。文章だけで食べ物を描くって難しいですね。
もっと文章の書き方を勉強しなくては・・・と思った次第です。

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せめてケーキだけでも写真を載せておきましょう。
美味しいケーキ屋さんのひしめく当地で多くのお客さんの支持をうけているお店、アボンダンス
パティシエのベルナルさんは地元の食材を大切にしています。

パートナーさんが選んだのは珈琲味のババロア、コンビ。
私が選んだのは黒すぐりが可愛いケーキ、カシス。

目が美味しそうでしょう。

来週は函館にお出かけです。またまた美味しいものが続くのでしょうか?




テーマ : おうちごはん
ジャンル : グルメ

プールの季節

お元気ですか?

昨日、道場に出かけたら女性陣が金星の太陽面通過を写真に撮って友達にメールで送ったと楽しげにお話しています。
我が家でも朝は雲が厚く見られるかどうか心配だったのですが、昼前に台所に立っていたパートナーさんが二階に上がってきて、「陽がさしてきたから見られるかな」と日食グラスを出しています。ところが太陽は見えるのですが、金星が小さくて何処にあるのかよくわかりません。私にグラスを渡して「何処にあるの」と聞いてきます。
グラスをしていても眩しい太陽です。軽い飛蚊症があるので金星なのかどうなのか怪しいところ。
それでも太陽の丸いふち、10時のところに黒い点が見えました。パートナーさんに教えると嬉しそうに見ています。
先日の金環日食、今回の金星横断と無事に天体ショ-を楽しみました。
「125年後は見られないからね」と言いながら、なんだか長生きして見られるような気がしています。

先日から、圧力鍋で大豆を煮たり、ひじきの料理を作ったりと健康食の小皿が並ぶ我が家の食卓。
友人の管理栄養士に話をしたら、「すぐすぐという事はないけれど、確実に痩せるよ」と太鼓判を押してくれました。ちょっと嬉しい話です。なにせ、なかなか体重が減らないのと、時々足がむくむのが気になっています。長生きはしたいけれど病気で身動き出来ないようではなんにもなりません。歳とともに衰えたとしても、自分の足で歩き、自分の口で物を食べ、見聞きし考える生活を続けたいと願っています。

食事はパートナーさんにお任せしましょう。それ意外は自己責任。

そこで、最近はまたプールで泳いでいます。春は花粉症で目が充血しとてもプールに入る事が出来なかったのですが、今は大丈夫。パートナーさんがエアロビクスに出ている時に私はプールでひと泳ぎ。
40分ぐらいをクロールと平泳ぎで泳ぎ続けています。体幹を意識し、体から余分な力を抜き、水の抵抗力を受けて力まずにその水をかいてゆきます。体を伸ばし手の先の水をつかまえること、水をかく時や呼吸をする時に力みやバランスの崩れをおこさないようにすること・・・そんなことを意識しながら、のんびりゆったり大きく泳いでみます。

泳ぎ終わった時の爽快感、心地良い体の疲れ。

さぁ、自己責任の部分はいつ頃結果がでるでしょうか?

テーマ : フィットネス・トレーニング
ジャンル : ヘルス・ダイエット

たまにはいいでしょ

お元気ですか?

ハードボイルドに登場するスコッチを飲みながらちょっと自分を慰めてみます。
まぁそんなに遊び上手なわけでもありませんが、一人スーツに隠した重荷を解いてゆく心地よさがなんとなく懐かしい気もします。そんな時代もあったねといった程度ですけど・・・。

今ではすっかり家での食事とパートナーさんと二人の晩酌に慣れてしまいました。
幸いなことに、パートナーさんも食に感心がありますしお酒も好きですから助かります。
食べ物の好みが違ったら悲惨ですからね。

「ねぇ、久しぶりに中華料理を食べに行こうか」と買い物のついでに中華ランチをいただくことにしました。
住宅街のなかにある静かなお店旬菜(いろどり)さんです。

中華料理は好きで家でも餃子を作ったり中華丼を作ったりはしますが、色々凝りだすと大変です。
なんといっても一品に使われる具材の多さが際立っていて、家庭で作る場合具材を集めるだけでもコスト高になってしまいます。大人数の家族でもなければお店でいただくほうが楽ですね。

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旬菜(いろどり)さんのランチの特色は、メイン料理、一品料理、デザートと選べる範囲が広いこと。
楽しく迷いながら選べるのがいいのです。

例へば、この日私は
メイン・・・和歌山県産 モンゴイカと玉子のチリソース
一品料理・・・石川県産 アナゴの黒酢ソースかけ
デザート・・・白桃のムース
と選んでみました。美味しそうでしょう!

そして別の日。久しぶりに駅ビルに食材を買いに出かけたら

「今日はケーキを買って帰ろう。お店は選んでいいからね。」ってパートナーさん。
改装したデパートの地下に入っているスイーツの専門店街は眩いばかりの空間です。
前回買ったお店はパスしますが、それでも他に何軒もあります。ぐるぐる廻っているとギモーヴが目にとまりました。最近話題のフランス風マシュマロです。
「どうぞ、味見してください」と笑顔の店員さんに足をとめられ、ショーケースを覗きながら少しお話。
そして、このブールミッシュというお店に決めて私が選んだのはショコラファン。パートナーさんが選んだのは白桃とチェリーのタルトでした。

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さぁ、ここで問題です。ランチとケーキに共通する食材は何でしょうか?

答えは白桃。 大好きですね。岡山の清水白桃なんかたまりません。今頃、農家さんは収穫をベストのタイミングに出来るよう大変な気をつかいながら育てているのでしょうね。

たまには大好きな白桃をホークで口に運ぶのももどかしく、トゥルッと食べたいですね。

テーマ : スイーツ
ジャンル : グルメ

『リトル・サイゴンの弾痕』

お元気ですか?

いよいよ今日から6月。梅雨の季節を迎えようとしています。
クールビズ、スーパークールビズと衣替えのニュースも流れます。かりゆしやポロシャツを着て快適な様子もみられますが、普段から家で仕事をしている私にはあまり関係のないお話。スーツを選びワイシャツやネクタイをどれにしようかと考えるのは好きですし、気に入った洋服に靴を合わせお出かけする楽しみは大切にしたいですね。

テリー・ホワイトの『リトル・サイゴンの弾痕』を読みました。
テリー・ホワイトの3作目、前回の『刑事コワルスキーの夏』に続く作品です。

ストーリーは、ベトナム戦争帰還兵のモーガンはベトナムで一緒だった写真家のコンウェイと特殊部隊にいたリアダンを誘いベトナムマフィアとロスアンジェルスのマフィアの間で取引されるダイヤを横取りしようと計画します。ベトナム難民と娼婦の殺害を同一犯と見たコワルスキーと相棒のマガイアはクリスマスのロスアンジェルスを駆けまわり次第に真相に近づくのですが・・・。

今回の作品はベトナム戦争を全面に打ち出しています。三人の帰還兵はそれぞれの生き方で生活をしていますが、モーガンの要請に深い理由もなく犯罪に引きこまれてゆきます。そこには戦地で経験を共にした共同体のような感覚があるのでしょう。仕事にしろスポーツにしろ困難や苦痛、強いストレスを伴う環境を共有した人間は固い結びつきを感じ合うものです。
コワルスキーとマガイアにおいても同様です。次第に相棒としての相手を理解し尊重するようになっていて、コワルスキーは息子のロビーがマガイアを訪ねて悩みを打ち明けたことを静かに喜んでいますし、マガイアは自分の仕草がコワルスキーに似てきたことに気が付きます。

テリー・ホワイトはベトナム戦争体験者の相互依存的共感を書いているだけではありません。ベトナム難民がアメリカに移住しマフィアを作って生きている様子を描いていますし、マガイアにかかってくる謎の電話、実は助けを求める帰還兵だったのですが、を加えることでベトナム問題を現代の問題として位置づけています。

さて、『リトル・サイゴンの弾痕』は前作『刑事コワルスキーの夏』に比べるとベトナム問題がより鮮明に取り上げられていること、人物の関係が進み深みが出ていることといった良い点がある一方、犯罪をたくらむモーガンの動きが少しまどろっこしく感じるところもあります。前作の犯罪者が兄弟二人であったのに対して今回は三人ですから書きようによっては人間関係を深く掘り下げることもできたでしょうがその場面が少なかったようです。そのぶん文章に緊張感が薄れてしまったのかもしれません。

もう一つ加えて言えば、前作が飯島宏氏の訳でとても引き込まれるものであったことも挙げておきましょう。





さて、話は変わります。
先日、スーパーに買物に出た際にパートナーさんが「今日はウイスキーを買おう」と言い、「ジョン・レインは何を飲んでいたの?」と聞きます。
「ラフロイグの30年ものだよ。」という私。とてもスーパーに置いているようなウイスキーではありません。
もちろん、殺し屋でもなければ手が出ないお値段のウイスキーですから、はなから頭にありませんでした。

ところが、いつものお酒売り場にいったところ、ラフロイグの10年物と小さな樽で熟成させたクオーターカスクがあるではありませんか。おっそうか!父の日向けの品揃えです。
10年物でしたら買えないお値段ではありません。
「せっかくだから買おうよ」というパートナーさん。
「いいの?」なんて遠慮がちな私ではありますが、内心ちょっとうれしくなっています。

しかも、今日『リトル・サイゴンの弾痕』を読んでいたら、こちらでも、マガイアがコワルスキーへのクリスマスプレゼントとして「十年もののスコッチのラフロイグを買ってある。」とあるではありませんか。

ということで、今日は我が家のラフロイグの日。
一次会はパートナーさんが圧力鍋で作ったおかずをいただきながら軽く済ませ、
二次会はチーズやオリーブ、ナッツなどおつまみを並べてラフロイグをいただきます。

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まずは、オンザロック。
独特の香りはさてどう表現しましょうか?
アイラ島ならではのビート香に磯の香りとよく聞きますが、正露丸のような匂い?

個性のある匂いにパートナーさんはしばし????。イソジン? って。

それでは、違う香りを楽しんでみましょうとトワイスアップ。
確かに香りが優しい感じに変わります。

そこで、ジョン・レインはラフロイグを何と言っているかと、『雨の罠』を出して見てみると
デリラが「好きな銘柄の一つよ。四十年ものよりも好き。あのシェリー香 ほかにないわ」と評し、たっぷりと注いだタンブラーに水を一滴垂らして飲みます。
そして、レインは「デリラの評どおりだ シェリー樽で熟成された三十年ものには、塩の香りとシェリーのあまさが絶妙に同居している。」と思います。

どうやら、ジョン・レインもコワルスキーも私に粋な挑戦状を送ってくれたようです。
ラフロイグを楽しめるようにならなくっちゃ。

ラフロイグはサントリーさんのHPでお楽しみください



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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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