プロフィール

杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

カレンダー
08 | 2012/09 | 10
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
リンク
ブログランキング

FC2ブログランキング

人気のあれこれ!
月別アーカイブ
最近のトラックバック

ふるさとの絆

お元気ですか?

土曜日、法事があり糸魚川に出かけてきました。
夜、車を走らせ途中途中で仮眠をし朝糸魚川に到着。まず仲の良い従姉妹の家に寄ります。
従姉妹も若いころは東京で働きとても良い仕事をしていた人です。その従姉妹の息抜きにとコンサートやレストランでの食事に誘っていたのが遊び人の私。彼女の文化面への渇望を少しお手伝いする役柄です。ちょっとおこがましいですね。

従姉妹のお父様は教育者で子供の頃から私はよく遊びに行き今読んでいる本の話をしたり、絵や書の話を伺ったものです。その叔父は若いころ相馬御風の家にも出入りをし、確か息子さんと同級生だったと聞いた記憶があります。

相馬御風って御存知ですか?早稲田大学の校歌「都の西北」を作詞をした人、童謡「春よこい」などで知られる文人で島村抱月や野口雨情らと活躍した人です。演劇に興味の或る方には「カチューシャの唄」なんかご存知の方もあるでしょう。東京で華やかな活躍をしながらも、自分を見詰め直し糸魚川に戻り良寛の研究をしたりしながら亡くなるまで過ごしています。私は、子供の頃相馬御風が書いた良寛和尚の本を挿絵を楽しみながら何回も読んだものです。相馬御風は糸魚川の出身なのです。

その相馬御風の歌に「ふるさと -或復員者に代りて-」というのがあります。

gyofu_convert_20120930193942.jpg

ふるさとの山はなつかし
ふるさとの川はなつかし
疲れたるこころいだきて
足おもくかへり来たれば
ふるさとに山はありけり
ふるさとに川はありけり

ちちのみの父はなつかし
たらちねの母はなつかし
をさなごのこころになりて
身もかろくかどをくぐれば
すこやかに父はましけり
なごやかに母はましけり

ふるさとの友はなつかし
ふるさとの土はなつかし
こみあぐるなみだのみこみ
友の手を、土をにぎれば
あたたかく友はありけり
やはらかく土はありけり

という歌です。

この「ふるさと」という歌は歌碑になって以前は駅前にあったのですが、今糸魚川市役所の前に建っています。相馬御風生誕100年を記念して建てたものです。
従姉妹は歌碑が「ふるさと」になった事情を法事の後の食事会で披露しています。故郷を思う人達・・・。


法事が終わり帰路につく車の中、パートナーさんが言います。
「相馬御風の記念館にもっと人が来るようになればいいのにね。」
「宝塚の人達って「すみれの花咲く頃」の作詞をした白井 鐵造の記念館を訪れるんでしょう。早稲田の卒業生もみんな相馬御風の生家を訪れるようにしたらもの凄い数の人が糸魚川に来るようになるね。」って。
なるほど、いい考えかも知れません。
早稲田の卒業生の方、是非糸魚川を訪れ相馬御風の生家を訪ねてください。

相馬御風が校歌を作ったのは早稲田大学だけではありません。多くの学校の校歌を作詞していますが、wikipediaによると北海道函館水産高等学校校歌も作詞しています。しかも、作曲は「海ゆかば」や「沙羅」で有名な信時潔です。なんかすごい!

車を運転しながら私の頭の中では全国から糸魚川に人が集まる様子が浮かんできました。







スポンサーサイト

テーマ : 小さなしあわせ
ジャンル : 日記

ご利益

お元気ですか?

朝夕はすっかり涼しくなりました。長袖を着たり夜具も替えたりと身の回りに少しづつ変化があります。スーパーには秋刀魚が安く並びだしましたので、お刺身や焼き物に。お野菜も秋野菜は落ち着いた赴きのある料理が似合いますね。


今朝、メールをチェックしていたら証券会社から「ご当選のお知らせ」というメールが届いていました。
以前応募していた旅館宿泊券が当る抽選に当たったというお知らせです。

「ねぇ、ホテルの宿泊券が当たったみたいだよ。カタログが届くって。」とパートナーさんに報告してしばらくすると、宅急便の車の音が。
「はぁ~い」って玄関に向かうパートナーさん。
「届いたよ!」って。

DSCN4823_convert_20120926111453.jpg  DSCN4824_convert_20120926111437.jpg

こうゆうのって申し込んでいても忘れてしまいます。
8月のキャンペーンで、一定量の取引をしないと応募しても権利が発生しません。細々とやっている身としてはあまり期待をするものではありませんが、結果的に地道な取引が権利獲得につながったのでしょう。

確りした証券会社ですから顧客数も多いでしょうし、これからの季節秋の行楽シーズンも始まりますからきっと応募した人も多かったと思います。総数は分かりませんが5組10名の当選者の1組です。
ふふふっ、これってお稲荷さんのご利益でしょうか?

届いたカタログは確りした箱に入ってちょっと高価なイメージを演出しています。
RINGBELL(リンベル)というカタログギフトやさんの商品です。
カタログには全国38軒の旅館・ホテルが掲載されています。私がこれまで泊まったことのあるホテルは宮ノ下の富士屋ホテルと箱根の箱根ホテルが載っていました。ちょっと懐かしいですね。

カタログはパートナーさんに渡し、「何処に行きたいか選んでみて」っておまかせです。
キャンペーンに当たった事も嬉しいですが、パートナーさんに旅館選びの楽しみをプレゼント出来たことも嬉しいですね。しばらくは夢を見ることが出来ます。

さぁ、何処にしようか?何時にしようか?
旅館にふさわしく身なりも整え、ちょっとお澄まししてお出かけしましょう。



お稲荷さんありがとうございます。でもこでお終いにしないでくださいね。

テーマ : 小さなしあわせ
ジャンル : 日記

ドライブ♪~

お元気ですか?

新しいクルマが我が家に来てからパートナーさんは少しづつ運転を練習しています。スピードをあげて走るのはお得意なようです。ブレーキも上手。車線変更や交差点でのライン取りも慣れてきました。そこで今日は少し遠出をして見ることにしましょう。

「豊川稲荷に行こう」と提案するとパートナーさんも乗り気です。ルートを調べたりお昼を食べるお店をネットで探しています。

朝、生憎の雨ですがパートナーさんのやる気は曇っていません。「雨の時の運転の注意も経験しなくっちゃ」っていたって元気。さぁ、出発! 私は助手席です。

町中を抜けてバイパスを走ります。(ここまでは私が道場に行く道ですから目は慣れています)そして、立ち寄ったのは海を眺めることの出来る道の駅、潮見坂。

michi2_convert_20120923182419.jpg  michi1_convert_20120923182344.jpg

道の駅では近隣の農家が作った野菜が売られたり、地場産業のウヅラの卵が売られたりしています。簡単な食堂もありましが、下町の食堂や学食のように好きなおかずを取ってレジで精算するビュッフェ方式。ちょっと親近感を感じちゃいます。建物の外には沸かし湯の足湯があって車の流れを見ながら疲れを癒すのですが、今日は雨の為お湯が張られていません。残念。

休憩をしたので再出発。豊川へ!

道道、パートナーさんは喫茶店の看板を見つけてちょっと興奮気味!
「あんかけスパゲッチだって!ねぇどんなの?」
私は以前名古屋によく出張で出かけていましたので餡かけスパゲッティは体験済みです。
「玉ねぎとピーマンと赤いウインナーが具で餡は酢豚かな?」と応える私にパートナーさんは????
「小倉トーストはやっぱり喫茶店のモーニング?」
「うぅ~ん。。。」「名古屋圏には美味しいものってないよね。味噌トンカツにしたってインパクトはあるけどそれでどうなの?って感じでしょう。」
「名古屋コウチン食べてもそう?」

これから豊川稲荷にお参りするというのに、ちょっと罰当たりな会話です。
でも、私の頭の中には大盛りのナポリタンやクリームパフェがお散歩しています。

「一度、餡かけスパゲッティと小倉トーストを食べようね・・・」

そんな車中の会話をしているうちに、クルマは豊川稲荷に着きました。

Toyokawa1_convert_20120923182531.jpg  Toyokawa2_convert_20120923182602.jpg

山門の横にはボランティアのガイドさんがいてお願いすると案内をしてくれるそうです。
私たちはフリーでお散歩。山門をくぐった途端音楽が鳴ったのでびっくりしましたが、え?センサーか何か?と思う私にパートナーさんは「ちょうどお昼だからその合図なんじゃないの?」って。
山門正面の妙厳寺法堂という建物へ。

あれ?豊川稲荷さんてお狐さんだから神社じゃないの?と鳥居の無いのに違和感を感じながら進みます。
実は、豊川稲荷は室町時代に開かれた曹洞宗のお寺なんです。・・・知らなかった・・・。

Toyokawa3_convert_20120923182620.jpg  Toyokawa4_convert_20120923182640.jpg

法堂の横に回るとコンクリート製の鳥居があり、その先に御本殿が。そしてその前に二体のお稲荷さんがいました。変な感じですが曹洞宗のお稲荷さん。座禅は組まないのかな?

ここでちょっとお賽銭を差し上げ、分相応(以上)のお願いをします。頼むよ!お稲荷さん。

Toyokawa5_convert_20120923182701.jpg  Toyokawa6_convert_20120923182720.jpg  Toyokawa7_convert_20120923182739.jpg

寄進者による昇りが掲げられています。全国から来ていますね。そして成就のあかつきにはお稲荷さんを奉納、「これって香港で願いが叶ったら子豚を奉納するのと同じだね」と二人一緒に同じ事をおもいうかべます。パートナーさんは京都の伏見稲荷のように赤い鳥居が立ち並ぶのを想像していたようですが赤い鳥居は全く見当たりません。同じお稲荷さんでも違うものですね。奥の院でも若い方が読経を捧げているようです。

日本人は宗教観が多面的で分かり難いと言われています。無宗教という言われ方もしますが、そうとは言えません。確かに一神教を信じるようにはスパっと割り切れないかも知れません。四季のうつろいを感じながら自然をベースにした宗教観が広がります。お稲荷さんや馬、魚といった動物を対象にしながら馴染みやすい宗教に育てていったと面も頭によぎります。

私はとうとう民族学的、文化人類学的立場から宗教を見ることに慣れすぎてしまいました。
手を合わせ祈る事は心底出来ます。そこには人類が畏怖してきたものに対してやはりきちんと対峙する私がいます。手を合わせ願い安心する私がいます。


さて、心から手を合わせるとお腹が空きます。
「やっぱりお参りしてからお昼だよね。」
「そうでしょう。満腹して幸せな私達を見たらお稲荷さんだって「こいつらはいいや」って思っちゃうもんね。」
「お腹を空かせてちょっと切実な顔でお祈りしなくっちゃ・・・」
なんてやっぱり不埒な会話をしながら参拝をすませ、さぁお昼ごはんを食べましょう。

門前の商店街を歩き、どんなお店があるのか雰囲気を楽しみます。

Toyokawa8_convert_20120923182757.jpg

名古屋鉄道の駅に出ましたので、記念にパチリ。小さな商店街に戻りましょう。

inari3_convert_20120923204357.jpg  inari_convert_20120923182449.jpg  inari2_convert_20120923182508.jpg

パートナーさんが選んだのは門前そば山彦というお店でした。

パートナーさんはお稲荷さんを、私はきしめんとのセットを頼みます。
お稲荷さんは甘辛いタレで炊いた皮の中に、ひじき、椎茸、筍、胡桃、人参が入っています。オーソドックスでいいですね。
きしめんが食べたかった私。天ぷらがのっています。出汁も甘いですね。うぅ~ん、もうすこしキリッとしたきしめんが好きです。

お腹もいっぱいになったので商店街を覗きながら駐車場に向かいましょう。

パートナーさんの運転でドライブを楽しんだお稲荷さん詣で。お疲れのパートナーさんに代わり私が運転して帰り、スポーツジムへ向かいます。運転して食べてです。運動しなくっちゃね。健康あっての幸せです。

皆さんはどんなお参りをされますか?

テーマ : 今日の出来事。
ジャンル : 日記

『算法少女』

お元気ですか?

夕方になり空が雲におおわれ薄明かりの残る空から雨が勢いつよく降ってきました。
台風の余波なのでしょうか?

先日富山県射水市で黒田信由の和算に触れたことから、Amazonで和算の本でどんな本が出ているのか見てみました。コミックも含め色々あるようです。

遠藤寛子さんの『算法少女』という本を求めてみます。この本は岩崎書店から1973年に出版されていたのだそうですが、10年を経て増刷が打ち切られます。しかし数学の教師をはじめ多くの人から復刊を望む声があつく2006年にちくま学芸文庫で復活することになったのだそうです。出版の事情の中で消えて行く本があります。それでも読みたいと望む読者がいる限り本が忘れられることはありません。あとがきに書かれた復活の事情を読み、気持ちがあつくなるのを感じました。

『算法少女』という本は実際に江戸時代末期に、千葉桃三という町医者とその娘あきによって書かれた実在する和算の書で遠藤寛子さんは子供のころにご自分の父親から本の存在を教えられていたことを記憶して大人になってから国会図書館で復刻版を見られたりしてその内容に触れています。こうゆう姿に私はいたく感動します。私もそうですが、子供の頃に心を動かしたもののなかには、一生その人の行動を左右する素晴らしいものがあるものです。

『算法少女』の主人公千葉あきという女の子も、父親の手解きをうけながら数学の世界に触れた時にきっと強い感動を受け、虜になったっていったのに違いありません。実は私も高校に入ってすぐ数学がものすごく好きになった経験があります。最初は素数が面白かったのではないかと記憶しています。微分積分も楽しかったですね。静かに思考をトレースしてゆくと導かれる解が“あるべくしてある”と光っていました。高校の3年間、数学が楽しくてたまらなかったのは私の楽しい思い出の一つです。

さて、遠藤寛子さんの『算法少女』では史実の人とそうでない人を自由に配しながら幼い少女が数学を友として大人の世界に踏み出してゆく姿がとても上手く描かれています。江戸時代後期、町民も力を持って来たといってもまだまだ封建社会で武士の世です。また、和算の世界の流派という問題もあります。関孝和を祖とする江戸の和算と大阪で発達した和算では解き方に違いがあったようで剣術のように流派として競いまたは避ける関係です。そんな時代の少女あきを実在した本多利明に引きあわせ円周率の解説をした本や『解体新書』を見せて学問の世界の広がりを示したりもします。
読みながらよく出来た本だと感心しました。物語としての面白さもありますが和算の問題もさり気なく何問か出てきて解いてみたくなります。円周率の求め方の話もありますので、確かに数学の先生などに上手な解説をしてもらいながら読むと数学が好きになるでしょう。


先日、NHKアーカイブスで「数学者はキノコ狩りの夢をみる」という番組を見ました。100年ほど前にフランスの数学者ポアンカレが残した宇宙の形を問う問題に、2006年ロシアの数学者グレゴリ・ペレリマンが答えを見つけました。世界中の天才数学者が挑んで成し得なかった偉業ですが、しかし彼は数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞の受賞を拒み、世界から身を隠してしまいます。番組ではポアンカレ予想を丁寧に説明し、多くの数学者が最新の数学であるトポロジーを使って難問を解こうと努力してきた様子を描き出します。しかしペレリマンが解いた手法は彼が高校生の頃に親しんでいた物理学の考え方やニュートン以来続く微分積分の考え方を使ったものだったというのです。
残念なことに私にはポアンカレ予想の説明もましてやその解の説明も出来ませんが、ペレリマンのアプローチに深い感動を受けました。

物事の真実を見つけるには色々な方法があります。それは山登りにも例えられて、ルートはいくつかあるにしても頂上は一つなのです。ポアンカレ予想ももしかしたら答えを導き出す別の方法があるのかも知れません。どのようなものであるにしてもそれは美しい思考の光を伴っていることでしょう。
番組の最後で数学に詳しい作家?という人がペレリマンが身を隠してしまったことについて「数学者にも理解されないことに失望したから」という事を言っていましたが、これはとんでもない誤解だと思います。数学であろうと他の何かであろうと、真理に接する者が他人の無理解に嘆いて身を隠すようなそんなつまらない了見は持ちません。もっと自由で開放された場に居ますから他人のことなんか関係ないのです。(もちろん、菩薩になって人々を救済するというなら別かも知れませんが)

大切なことは真理に向き合う者は孤独な闘いを強いられるということです。そして、そうであるにしても人は真理を知るために闘いを挑む生き物なのです。

私達はどんな真理を知ろうとしているのでしょう。


算法少女 (ちくま学芸文庫)算法少女 (ちくま学芸文庫)
(2006/08)
遠藤 寛子

商品詳細を見る


テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

『混戦』

お元気ですか?

ディック・フランシスの『混戦』を読みました。1970年発表9冊目の作品です。
毎回主人公の違うディック・フランシス。今回はマット・ショアという航空機のパイロットで過去に大手航空会社で飛んでいたこともある優秀なパイロットですが幾つかの仕事を経て今は小さな会社でタクシーパイロットをしています。

ストーリーは、人気ジョッキーら競馬関係者を乗せて飛んでいた時に機体に違和感を感じ予定外の空港に着陸した飛行機チェロキー・シックスが爆発します。パイロットとして商務省の調査を受けるマットは、自らも爆弾をしかけられた理由や犯人を推理します。

推理小説には飛行機が登場する優れた作品があります。ネイハムの『シャドー81』、ギャビン・ライアルの『ちがった空』や『もっとも危険なゲーム』なんかは印象深い作品ですね。
計器の並ぶ狭いコックピット、空は気象状況や高度によって様々な顔を見せます。緊張感高まる演出にはもってこいの飛行機ですね。

『混戦』での最大の緊張は、人気ジョッキーを乗せその妹が操縦する小型機が犯人により細工され計器不良の状態で悪天候を飛ぶシーン。主人公マットは飛行場の管制官や空軍と連絡をとりながら小型機を探しに飛び出します。戦時中機体整備兵として入隊しパイロットになったディック・フランシスが腕の見せ所と描いている姿が見えてくるような場面です。

航空会社の客の取り合い駆け引き、管轄する商務省との関係など周辺事情を織り込みながら展開するストーリーは不安なく読み進むことが出来ます。最初乗り合わせる乗客の様子を描いているとことが個人的事件から入り幾つかの事件がつなぎ合ってゆくいつものディック・フランシスの描き方と異なっていて入りにくかったのですが、読み進むうちに整理され気にならなくなりました。


原題の Rat Race ネズミの競争? 企業や組織社会のなかでの過当競争という意味ですが、無益な競争とか働いても働いても資産の貯まらない疲労した様子も含んでいるようです。航空業界のしのぎを削る様子を表していると同時に主人公マット・ショアや犯人のことも言っているようです。レースから抜け出すのは誰なのでしょう。

『混戦』もなかなか読ませるお薦めの作品です。

皆さんはどんな空のミステリーがお好きですか?

rat+race_convert_20120918044130.jpg

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

『追込』

お元気ですか?

ディック・フランシスの『追込』を読みました。原題は In the Frame 主人公は画家のチャールズ・トッド。
彼が強盗に家財を根こそぎ奪われ若い妻を殺されて呆然としている従兄弟をたまたま訪ねるところから物語はスタートします。ワイン商でオーストラリアからワインを買い付けて帰ってきたばかりの従兄弟。妻を失い生きる生気をも失ってしまっている従兄弟をなんとかしなくてはと願うトッドは競馬場で裕福な未亡人のメイジイと知り合い、彼女もまたオーストラリアから帰国したばかりに家を火災で焼失するという不幸にみまわれたことを知ります。従兄弟との共通点に疑念をいだきオーストラリアに調査に飛ぶトッド。冒険の始りです。

主人公がイギリス以外の国に赴くのは6作目の『血統』でアメリカがありましたが、今回はオーストラリアです。読者にはオーストラリアの風景をサービスするとともに、イギリスとは違った競馬事情を紹介する新鮮さがあります。シドニー上空からオペラハウスを見、キャンベラを経由してメルボルンカップを観戦しに出かけます。アデレード、パース、もちろんアリス・スプリングスのエアーズ・ロックも。観光案内書ではありませんが、せっかくのオーストラリアを移動しながら事件の真相にせまるトッド。

さて、今回の事件の鍵となるのはトッドの従兄弟と知り合った未亡人が共に買っていたマニングスの馬の絵です。アルフレッド・マニングスは1878年に生まれたイギリスの画家で、田園風景や狩りや競争をする馬の絵が有名です。画家の名前を覺えていなくても絵は何処かで見覚えがあるかも知れませんね。そのマニングスの絵を旅先のオーストラリアで買った二人がともに事件に巻き込まれています。美術館で言葉巧みに画廊を紹介され絵を買わせられます。
一時期日本でも繁華街の空き店舗を使ってリトグラフを展示し綺麗なお姉さんが客引きをして絵を買わせる風景が見られましたね。それこそ蜘蛛が網をはって獲物を待ち構えているようで側を通るだけでも気持ちが悪かったものですが、デフレが続く現在、ああゆう商売はどうなったんでしょう。

旅先で気持ちが開放的になっている時、口うまく絵を勧められれば買うものなのでしょうか?まぁ、よほど確りした画廊で出自が分かる作品だったり、気に入った画家や作品なら買わないこともないでしょうが、旅先です。持ち帰る(送ってもらうにしろ)リスク、保険、税金?なんか考えると小市民の私はきっと買えないでしょうね。

面白かったのは、そのマニングスの絵が偽物ではないかと疑い画廊に忍び込むところ。贋作をかいていると思しき絵を盗み筆遣いを確認します。画家には固有の筆遣いがあり小さな部分を見ても本物かそうでないかが分かると言います。音楽でもそうですね。ほんの数小節楽譜を見ただけで誰の曲か分かります。小説はどうなんでしょう?

もう一つはトッドの仕事。彼は馬の絵を得意とする画家です。馬主などに依頼されて書いたり人気のある馬を書いてはファンに買ってもらいます。あまり勝ちの強い有名馬は他の画家も描いているから供給過多でいけないのだそうです。画家の世界も大変です。
ところで、競馬の世界は馬の絵が好きですね。私の知っている馬主さんはビジネスホテルを経営していましたが、ロビーに馬の絵がかかっていました。ある食品会社の社長さんとお会いした時、社長室に馬の絵がかかっていて、“ははぁ馬主さんなんだな”と思ったものです。漁師さんが自分の船の大漁旗の写真を家に飾るのにも似ていると思います。愛着のある自分の馬がレースに出て稼いでくれる。可愛いのでしょうね。

パートナーさんの知り合いで共同馬主になっている女性がいました。競馬馬が好きで株を買うような形で馬主になるのだそうですが、牧場に行って馬と一緒に写真を撮ったりという楽しみもあります。都会ぐらしの人にはちょっとした楽しみかも知れませんね。

そういえば、私の両親の家にも馬の絵が居間に掛かっています。マニングスのような競馬馬の走る絵ではなく、ちょっと幻想的な感じの草を食む馬の絵です。知り合いの画家が書いたものを母が買い求めたのですがなかなか良い絵です。

生命や躍動を感じさせる馬は、絵を飾っておくとなにかいい事でもあるのでしょうか?
そんな事を考えているとなんだか私も馬の絵が欲しくなってきました。有名作家の絵は買えませんが、美術館に出かけて馬の絵を眺めてみましょうか?見知らぬ美女に声をかけられるのをちょっと警戒しながら・・・。


oikomi_convert_20120913080946.jpg


おまけ)

原題の In the Frame は絵を題材にしたミステリーという事が伝わる良いタイトルだと思いますが、何か含まれた意味があるのでしょうか?私には分かりません。でも、邦題の「追込」というのもなかなかのタイトルだと思います。トッドが犯人を探し出し彼らの悪事を少しづつ明らかにしてゆく感じがします。
さらに、競馬で追込といえば、最後の直線で先頭を行く馬を追撃してゆくことですが、この追込をする馬には特徴があります。まず当たり前ですが先頭を抜けて走る独走タイプの馬ではありません。スタートは遅く、中盤では集団の中ちょっと外れた位置にいます。これは微妙なところで集団にいますが、周りの馬と一緒に走るのが本当は苦手な馬なのです。走っていると周りを煩わしく思っています。我慢して走ってきて最終コーナーを周り前が開けた時に我慢の糸が切れてスパートをかけるのです。ちょうどその時に先頭を走る馬がいるので目標にして追い込む?
そこは騎手との気合の合わせ方なのでしょうが、もしかしたら先頭馬を抜いて一着になることが本旨ではなく、集団から抜けて開放感で喜んで駆け出したくなっているのかもしれません。

トッドは美術学校を出て不動産の仕事につきますが、それを辞めてフリーの画家になっています。オーストラリアでトッドに協力する画家の友人もやはり破天荒な生活に身を染めています。どうやら邦題を決めた人訳者の菊池光さんか編集部か知りませんが、そんな追込馬の性質も主人公に重ねて邦題を決めたのかも知れません。なかなか心憎い事をしているなと感心してしまいます。

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

射水市へ行こう 3

お元気ですか?

射水市に来て2日目です。所要を済ませ夕方、射水市新湊博物館 を訪ねてみました。
道の駅でもらったパンフレットには和算を学び加賀藩の命で測量地図を作った石黒信由のことを紹介する展示があると記されています。

和算ってご存知ですか?日本では中国から入ってきた算術をもとに独自の数学が発達しますが、特に江戸時代に入り関孝和を祖とする和算の流れが起きます。つるかめ算とかねずみ算といった言葉は聞いた事がある方もいるでしょう。私は中学生の頃に父が持っていた虫食い算の簡単な冊子をみつけたことで和算の世界を知りました。

江戸時代末期射水市で活躍した石黒信由という和算家はその知識を生かして測量をして精度の高い地図を作っているのですが、同時代の伊能忠敬とも並び評価される人物です。

和算については父の冊子をきっかけに興味を持ち、数学史や科学史を学校の勉強の合間に本で読んだことがあったのである程度の知識はあったのですが、富山県の射水市にこれほどの人物が居るということは知りませんでした。嬉しい発見です。

DSCN4779_convert_20120910070731.jpg

展示は数学の問題とその解を書いた額を神社に奉納する「算額」が展示されていたり、測量に使った道具が展示されています。またビデオで当時の測量のしかたを紹介したりもしています。なかなか良く出来た展示です。

sangaku_convert_20120912131931.jpg

一通り見て回ったら物販コーナーが目に止まりました。記念に問題が色々載った冊子を買い求めてきます。
ちょうど冲方丁氏の『天地明察』という小説が映画化され9月からロードショー公開されます。天文学の話ですが和算の話も分かるでしょう。射水市の博物館も注目されるといいですね。


射水市に黒田信由という和算家がいた事も博物館に貴重な展示がされていることも今回訪問して初めて知ったことでした。旅をすると色々な事に出会います。
すっかり気持ちが嬉しくなりました。近くにある温泉で汗を流し、夕食をとって帰路につきましょう。

友人に「道の駅のレストランが美味しいよ。」と言われていました。これから運転して帰りますからお酒も飲めませんし昨晩のように豪華にというわけではありませんから、道の駅で軽く済ませましょう。

DSCN4781_convert_20120910070755.jpg

パートナーさんは「全国ご当地どんぶり選手権」というので優勝したという「白エビかき揚げ丼」を頼みます。

DSCN4783_convert_20120910070815.jpg  DSCN4784_convert_20120910070837.jpg

私はお刺身定食ですが、パートナーさんのかき揚げを少しお裾分けしてもらい、ちゃっかり丼にしてしまいます。
かき揚げ丼にはタレが別についていて、丼の上から回しかけるようにして頂きます。このタレがなかなか美味しい。お刺身のお醤油も美味しいです。

ゆっくり夕御飯をいただました。

そしてお土産に

2012091205580001_convert_20120912164854.jpg  2012091205570001_convert_20120912164839.jpg

射水のお醤油と白エビかりんとう、白エビチップスをご愛嬌で求めます。
お醤油やお味噌を旅先で求めるのは我が家の楽しみです。帰宅してからも旅の思い出を長く楽しめます。
白エビかりんとうは函館でよく買うイカ墨かりんとうの富山版ですね。敬意をもってお買い上げです。

2012091013470000_convert_20120912164819.jpg

これはおまけ。ひるがの高原サービスエリアで茄子とささげを買って、帰宅した翌日にいただきました。
焼き茄子は新鮮でなければふっくら焼きあがりません。秋の味覚ですね。

喰いしん坊の富山県射水市への旅でしたが、思わぬ地域の文化との出会いもあり幸せ感満喫の旅でした。

この秋、皆さんはどんな旅をなさいますか?

テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

射水市へ行こう 2

お元気ですか?

射水市への旅行のお話。続きです。
実は“ドラえもん列車”が射水を訪れた8日に初運行だったということは食事をしてホテルに戻り、ニュースを見て分かったことです。初運行の日にたまたま走ってくる電車に遭遇し、しかもそのニュースをテレビで見る。旅先の偶然ってけっこうあるものです。
この旅はどんな偶然に出会うかな?そんな想像をしながら列車に乗ったり、車を走らせたりしているのってなんだか幸せな気分になりますね。

さて、幾つかの料理屋さんを覗きながら散策していたら陽もくれてきました。日本海に落ちる夕日はそれはそれは大きく赤く感動ものなのですが、残念ながら射水では陽は海に落ちません。西には能登半島がありますからね。
まぁそんな事を思いながらお店を決めてのれんをくぐりました。

パートナーさんがネットで見つけ、ホテルでも名前のあがっていた 割烹かわぐち さんです。

お店に入ると外の静けさとは一変して家族連れの賑やかな声が・・・。小上がりは子供連れの家族で満杯状態。カウンターには私達と同じくらいの年代のカップルが静かに座っています。
席を離してカウンターに座り、メニューを見ます。厨房は板長さんの他5人ぐらいの料理人さんがきびきびと動いていますし、4人ほどの女性がお運びに忙しくしています。二階では宴会が入っているようです。

一品料理も充実しているようでしたが、単品で頼むと時間がかかるかもしれません。地の物を色々食べてみたいという気もありますからコースで頼むことにしました。
カニが解禁になったということでカニ尽くしのコースや白エビを料理したコースなどコース料理も色々あります。しかしあれこれ食べたい!喰いしん坊です。

DSCN4742_convert_20120910065809.jpg  DSCN4743_convert_20120910065828.jpg

小魚を素揚げし白エビと軽く酢につけた先付け。胡麻豆腐にいちじくとカニをトッピング。

DSCN4746_convert_20120910070223.jpg  DSCN4748_convert_20120910070245.jpg

お刺身とカニ。本当に走りのカニですからまだ身も柔らかく小ぶりです。

DSCN4751_convert_20120910070332.jpg  DSCN4752_convert_20120910070352.jpg

焼き物は鯵ですが、お鮨仕立てと餡がかけられた二種。
バイ貝は日本海側ではお馴染みですが、野菜と一緒に煮てあります。

DSCN4757_convert_20120910070420.jpg  DSCN4765_convert_20120910070538.jpg

白エビの柳川。ちょっと唐辛子を利かせていますが白エビも大きくプリっとしています。
天ぷらはゲンギョ。お店ではゲンゲと呼んでいました。それと白エビのかき揚げ。
ゲンギョはこの地方で古くから漁れていた深海魚で身の回りに寒天質の透明な衣をまとっています。
生ならお吸い物にしますが、一夜干しをして焼き物にしても美味しい魚です。
お店の人に聞いたらやはり寒天質があっては天ぷらに出来ないので確り干してあるそうです。

DSCN4769_convert_20120910070601.jpg  DSCN4770_convert_20120910070639.jpg

お終いはやっぱりご飯。富山のお米は立山連峰からの伏流水で美味しいですからね。
お店オリジナルの白エビのふりかけをご飯にかけていただきます。

DSCN4771_convert_20120910070708.jpg  DSCN4758_convert_20120910070457.jpg

その白エビのふりかけを友人へのお土産に購入しましょう。

ところで、カウンターに来年の卓上カレンダーが置いてあります。見ると曳山まつりの写真が賑やかです。
手にとって見ているとお店の人が話しかけてくれます。射水市には13台の曳山、山車があるそうでそれぞれの地区、町が競ってお祭りを盛り上げます。よく見ると曳山の上にはからくり人形が乗っています。

昨日紹介した大伴家持は奈良と射水の土地の言葉の違いに心を動かされて歌を読んでいました。方言というのは土地、文化を区分する目安になりますが、曳山にも同じことが言えると思います。以前、飛騨高山の高山祭屋台会館を訪ねたことがありましたが、贅沢な山車に驚いたものです。彫り物や飾り物を綺羅びやかにつけたり、人が大勢乗って楽器を演奏したり、そうゆうのとは違い張り子を乗せていたりと地域やお祭りの形によって曳山のスタイルも随分変わるようです。数年前に函館でからくり人形を復元制作している方の家に伺ったことがありましたが、お座敷遊びのからくり人形と曳山に乗せるからくり人形という視点もあります。曳山だけでも幾つかの系統があるのかも知れません。
一方、お神輿の文化というのも対比して考える事が出来るでしょう。私の第二の故郷糸魚川には喧嘩祭りというのがありますが、こちらは2体のお神輿が激しくぶつかり合い競り合うお祭りです。糸魚川には曳山は見当たりません。函館は江戸末期明治のはじめ頃までは12台の曳山があったそうですが、今はすっかり無くなっています。

そんな曳山の話をしながら富山射水市の文化の一コマを覗いた気持ちになります。
射水市の曳山祭りは「新湊曳山祭り」と言い、海に近い処にある放生津八幡宮の例大祭に行われます。
毎年10月1日と決まっているそうですが、今年は9月23日に新湊大橋が完成するのを記念して22日に曳山が出されるそうです。

各地区に13台もある曳山。それぞれの地区町の自慢なのでしょうがお祭り以外の時は大きな倉庫に保管し修理をしたりしているものです。何処か一箇所にまとめて展示してはいかがでしょうか?せっかくの自慢の曳山が観光に来て見られないのは残念です。展示してあれば、お祭りに再度来てその射水の人の熱気を一緒に感じたいと思わせてくれると思うのですが・・・。


さぁ、すっかりお腹も心も満腹になりました。割烹かわぐち さんごちそうさまです。



射水の旅のお話。もう少し続きます。


テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

射水市へ行こう

お元気ですか?

週末、富山県の射水市に出かけてきました。片道330㎞の高速道路をひた走ります。
買い換えた小さなクルマは想像以上によく走ります。

休みながら走り小杉という出口を降りて道の駅に寄ります。知り合いに教えてもらった道の駅で遅いお昼を軽くとるためです。
 
DSCN4722_convert_20120910065056.jpg  DSCN4724_convert_20120910065128.jpg

パートナーさんは白エビバーガー。富山の名産白エビを揚げてハンバーガーに仕立てています。パンがやわらかく、白エビもたっぷり使ってあってパートナーさんは嬉しそうに頬ばっています。

DSCN4726_convert_20120910065202.jpg

私は、白エビのかき揚げがのった蕎麦。ご飯のついた定食にしたらコロッケがついて来ました。
白エビコロッケ?って想像したけど、普通のお芋のコロッケ。優しい味のコロッケです。

DSCN4732_convert_20120910065602.jpg  

次は海王丸パークへ向かいます。航海練習帆船で現在は二世が使われていて引退した初代が係留展示されています。観光客や近くの家族連れなどで賑わう海王丸パークは新湊大橋という大きな橋が完成間近です。海王丸には乗りませんでしたが、帆船模型の展示を楽しみます。

DSCN4734_convert_20120910065633.jpg  DSCN4735_convert_20120910065658.jpg

隣接する新湊きっときと市場に寄ってみましょう。“きっときと”とか“きときと”というのは活きが良い、新鮮といった富山の方言です。以前富山で弓道をされているお嬢さんのブログで教えてもらったのですが、私の第二の故郷糸魚川では言いませんね。こんなに近いのに・・・って方言の不思議を感じます。

魚屋さんやお土産物を売るお店が並び、軽い食事も出来るようになっている建物です。
9月3日からカニ漁が解禁になったという案内が掲示されていますが人はまばらです。市場好きの私は魚屋さんに目がいきます。のどぐろや蛸、ゲンギョの一夜干しなどが並んでいますが、あまり魚種は多くありません。時間は3時半ぐらいでしたから既に売れてしまっていたのでしょうか?

ホテルに入って一休みすることにしましょう。

DSCN4739_convert_20120910065721.jpg DSCN4740_convert_20120910065737.jpg

ホテルで汗を流した後、街を散策しながら夕御飯を食べに出かけます。事前にネットでお寿司屋さんや料亭をチェックしていますが、パトナーさんはフロントでも「お薦めのお店はありますか?」って聞いています。
地元の人と会話をする楽しみの第一歩をパートナーさんはホテルのフロントと決めているようです。

ホテルから海に向かってしばらく歩いていると万葉線という電車の中新湊というホームに着き、たまたまアナウンスが流れているのを聞くと電車が来るといっています。富山県、石川県は路面電車、トラムの運行を奨めている地域で私は路面電車が好きです。これはいいチャンスと見ることにしました。すると、入ってきたのは窓や車体に白いペイントでドラえもんが描かれた“ドラえもん列車”。近くの学生が学校帰りに乗り込んでいますが、中には小さい子供がうれしそうに座っています。

実はこの“ドラえもん列車”は万葉線株式会社が藤子フジオ氏の故郷が高岡であることから、9月8日から来年の夏まで期間限定で走らせる電車なんですね。なんにも知らずに偶然みちゃった“ドラえもん列車”。旅の偶然の悪戯に楽しくなっちゃいます。

DSCN4741_convert_20120910102040.jpg

ホームの横には大伴家持の歌が紹介されています。

大伴家持もはるばる旅をしてきて風土の違い、言葉の違いに感慨深く歌を読んだのでしょうね。
時代ははるかに違うけれど、人間が感じる思いは変わらないようです。

町の様子を見ながらパートナーさんとの散策は続きます。目当ての店を何軒か確認しながら歩いて少しお腹もすいて来ました。そろそろお店に入ることにしましょう。


射水市のお話はもう少し続きます。






テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

『再起』

お元気ですか?

久しぶりにディック・フランシスの『再起』を読みました。
実は、フィリップ・K・ディックやフレドリック・ブラウンのSFを読んでいたのですが、少々頭の中が熱を帯びてきたようでクールダウンの必要を感じてきたからです。SF作品も好きでなのですがちょっと疲れました。

ディック・フランシスの『再起』は2006年の作品で彼が単独で発表する作品としては最後の作品となりました。この後発表されている4作品は息子フェリックス・フランシスとの共著となっています。そしてこの作品の主人公はシッド・ハレー。作品ごとに様々な職業の主人公を登場させるディック・フランシスの作品では珍しく4作品に登場する探偵です。2001年の『勝利』から新作の発表がなかったディックのファンにとっては嬉しいプレゼントとなったシッド・ハレーですね。

ストーリーは、上院議員のエンストーン卿から八百長レースについての調査を依頼されるシッドは疑惑の騎手が射殺されているのを発見します。さらに、その殺人容疑をかけられた調教師も不自然な自殺をし・・・。

今回の『再起』はディック・フランシスの真骨頂である競馬界の事件を中心据えて物語が展開します。ディックの古くからのファンにはお馴染みの八百長疑惑。でも、ディック・フランシスが最初の作品を発表してから40年近くたっています。今回の疑惑はなんとコンピューター賭博がからんでいます。公衆電話を探して夜の田舎町を歩いていた作品が今では携帯電話を持ち競馬サイトから情報をダウンロードして捜査をするようになりました。

さて、推理小説の楽しみは色々あります。作品の構成、展開、アクション、犯罪の形や謎解き・・・。犯罪者の心理やそれを追う探偵や警察の描きかたなども欠かせません。でも私のような本格的推理小説読みでない者は、作品の中に登場する小道具に興味が惹かれます。
今回私が興味を持ったのは、ワインとワインの栓抜きです。

「私はシャトーヌフ・デュ・パープを選び、お気に入りのコルク抜きで開けた。鋭く尖った大釘のような針が一本ついており、それをコルクに差し込むのだ」中略
「クリスマスにスクリュープル社のコルク抜きをプレゼントするよ」

さぁ、ここからちょっとお遊びです。
シャトー・ヌフ・デュ・パープはアビニヨンにローマ教皇が住むようになって財源確保の目的もあって醸造が始まったワインです。南仏の確りしたワインですね。ふーん、ディック・フランシスはこうゆうワインが好きなのかな?って想像をたくましくします。他の頁でもシッドは新しい彼女とよくワインを飲んでいます。

もう一つはワインのコルク抜き。私はソムリエナイフを使いますが、シッドは落馬事故と犯罪者に痛めつけられたことで左手が義手になっています。そこで“大釘のような針”のついている針から空気を壜に送り込む栓抜きを使うのです。

エアー式コルク抜 コルクポップス ホワイトエアー式コルク抜 コルクポップス ホワイト

Style

商品詳細を見る


例えばこんなのでしょうか。
私は持っていませんが、以前に比べればお安くなったみたいですし試してみたくなります。

そして、シッドがプレゼントされたスクリュープ社のコルク抜きはといえば

win_convert_20120905162738.jpg

Screwpull レバーモデル ブラック LM-200

こうゆうのでしょうか?
同じモデルではありませんが私も店頭で見たことがありますけど、ハンドルが鋳物で頑丈で見るからに重々しい感じです。好き好きですがワインを開けるのにこんな頑丈な道具が必要なの?って思いますね。

ちなみに私が家で使っているソムリエナイフはこんなのです。

シャトーラギオール ソムリエナイフ クラシックゴールドシャトーラギオール ソムリエナイフ クラシックゴールド

Chateau Laguiole (シャトーラギオール)

商品詳細を見る


まぁ、男の子は道具が大好きですからね。ワインを飲みながらどんなソムリエナイフを使おうか、どのグラスで飲もうかと道具で遊ぶことに一生懸命になるのです。

ディック・フランシスから脱線しましたね。


夏、私が育った函館の家は函館競馬場の直ぐ傍にあって、私の部屋からは白馬に先導されて出走馬がパドックに向かうのが見えました。本を読みながらファンファーレを聞きレース中継を聞くとはなしに聞いたものです。
私の家には馬主サンが夏の開催中に下宿していましたし今とは違って競馬場の観覧席やコースも勝手に入っては走り回っていました。時々は厩舎を覗いたりもしたものです。子供でしたからね。

ですから、私は競馬が大好きです。鼻息のあらいのや静かなの、艶艶したのなど馬を見るのが大好きです。真似事ですが少しばかりは乗馬もします。
でも、馬券を買ってギャンブルをしたことは一度もありません。朝から妙に興奮状態で競馬場に入り、夕方レースが終わると日焼けしながら暗い顔をして出てくる多くの人を見ているからです。ハズレ馬券を道路にまき散らしながら肩を落としている人を見ているからです。

競馬とギャンブルは切っても切り離せません。でも、競輪がスポーツとしてオリンピック種目にあるように、競馬も純粋に馬を愛してレースを楽しむ事が出来ると私は思っています。
公営ギャンブルとして生計をたてている方には申し訳ありませんが、賭けをしなくても競馬を楽しむことは出来るのです。

「アドバイスはあるか?」と聞いてくる人にシッド・ハレーは言います。「ポケットからお金を出さないことだ。」と。

自分自身ロイヤル・ジョッキーだったディック・フランシス。一番彼の姿が反映されているとも言われているシッド・ハレーです。きっと競馬の楽しみ方を遠慮がちに言っているのでしょう。
そして、ディック・フランシスは「僕の本を読むことだ」と苦笑いしながら付け足すかもしれません。

夏が終わると函館から馬送車が去っていきます。
函館の人が秋の始りを感じる時です。

再起 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-41)再起 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-41)
(2008/11/07)
ディック フランシス

商品詳細を見る


テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

『受け継ぐ 京都 老舗料亭の代替わり』

お元気ですか?

9月に入りはっきりと秋めいてきています。当地ではいつのまにか夕方6時半を過ぎると日が落ちて真っ暗になるようになりました。当たり前の季節の変わり目ですが、その時間の流れのなかに生きていることを思います。

NHKアーカイブスで放送した『受け継ぐ 京都 老舗料亭の代替わり』という番組を見ました。400年以上つづく瓢亭さんの14代主高橋英一さんはお父様を早くに亡くされ27歳で瓢亭を継がれたそうですが、その息子高橋義弘さんも大学を卒業されて店に入り既に英一さんが店を継いだ歳を超えています。親子それぞれに老舗料亭を継いでゆくということを準備する段階に入っているようです。

番組では瓢亭の高橋親子を中心に京都老舗料亭の姿を非常に深く取材していて、思わず見ているこちらが正座しながら身を乗り出してしまうような、へぇ~って声を出してしまうような場面が続きます。

その1)義弘さんが料理の道に入るにあたって英一さんは金沢の料亭に修行に出します。自分の店で仕込むのではなく知った人のいない他所の土地で修行をさせる。まぁこれはそれほど珍しいことでは無いのかも知れません。預かった料亭さんは誉れで有ると同時に責任を感じ嬉しいことでしょうね。義弘さんにしても一人で自分を見つめる良い時間でもあります。

その2)京都の料亭さん同士お店を行き来し、献立や調理方法を隠さず教え合っていること。映像では出来た料理の味見までさせています。これにはびっくりです。もちろん教わったことをそのまま自分の店で出すのはご法度ですから、瓢亭さんで教えてもらった事はさらに工夫して自分の料理にして出すことになるのですが、これは料理を進化させバリエーションを広げる最高の方法ですね。老舗料亭同士で京料理を作り上げているという結束感を感じさせます。

その3)料亭の主、代をつぐ子供達それぞれのグループの繋がりが非常に密であること。料亭同士がお互いの子弟に気を配り成長を支えあうのも素晴らしい事ですが、そうして育てられた子供たち次代の子たちが一緒になって勉強しています。番組の中ではフランス料理のシェフを招いて京料理を体験してもらうプログラムを企画した様子が紹介されていましたが、そうゆう活動をする子供たちを現主は皆で見守っています。まるで次代の料理人が京都という合宿所で一緒に生活しているといったイメージ。ライオンの子供たちが皆でゴロゴロしながらも次第に狩りを覺えて成長していくようなイメージを持ちました。羨ましい限りです。


さて、京都老舗料亭の様子に驚き感心すること仕切りですが、番組の凄さはまだまだ奥があります。

現主英一さんはお店を引き継いでしばらくするとそれまでの出汁を鰹から鮪節をつかった出汁に変えました。受け継いだものの良さを残しながら新しい試みを加えていくこと。これが伝統を受け継ぎ発展させてゆく者の役割です。同じように義弘さんは鰹をつかった出汁で自分の味を作ろうとします。その工夫を許し見守る英一さん。感動の場面です。自分が創りあげてきたものに挑戦する息子の姿。他人の目で見て言うのは簡単ですが英一さんの胸の中にはどんな思いが湧いてきたことでしょうか。料理には思想があります。料理は料理人の全てです。そしてその料理の向うにはお店を信頼し育ててくださったお客さんがいます。今目の前で新しい挑戦を始める義弘さんに未来の瓢亭を思い浮かべずにはいられないことでしょう。

番組では瓢亭、菊乃井、平八茶屋、美山荘、木乃婦といったお馴染みの料亭が登場します。
それぞれの料亭で瓢亭と同じドラマが繰り返されてきたことでしょう。

******

ちょっと蛇足。
最近グルメ番組というか美味しいお店紹介の番組とかを見ているとナレーションで「秘伝の味」とか「秘伝の出汁」という言葉が多様されています。テレビの語彙の無さには呆れるばかりで私はこうゆうナレーションを聞くと、どれほどの店なんだと呆れてしまいます。今回京都の老舗料亭のレシピを見せ合うほどに信頼し合いながらお互いに切磋琢磨している姿にあらためて我が意を得たりと納得した次第です。

もう一つ。企業経営の世界でも世代交代は非常に難しいものがあります。なにも同族経営の会社に限りません。経営陣だけの話でもありません。部長が変わってやり方が変わったなんてことはザラにあること。役員会で専務が変わった社長が変わったと大きく方向転換が図られることもあります。もちろん方向転換が必要で経営陣が刷新されるということもありますから全てが間違っていることではありません。しかし、私が見てきた企業のなかでも新しく権力をもった経営陣が自分の力を示したいばかりにそれまでのやり方を否定して方向を変えるということのいかに多いことか・・・。時々、またか~って泣きたくなります。
日本企業にしても海外の企業にしても長く生き残っている企業はしっかりと過去のやり方の良い所を踏襲している企業です。昨日今日出来た新しいやり方なんて100年200年続く企業にとっては小手先のテクニックにしか過ぎません。若い企業、新任の部長サンや新しい社長さんも自分のやり方なんていきなり持ち出さないで、これまでの経営をしっかり引き継ぐことから始めるほうがはるかに上手くゆくのです。本当に能力があり良いやり方があるなら急に導入して方向を変えなくても自然と反映されてゆくものです。

蛇足でした。

さて、『受け継ぐ 京都 老舗料亭の代替わり』という番組。私以上に興味をもって画面を見ていたのはパートナーさんです。2時間近い番組でしたので途中で休みながら見たのですが、パートナーさんは続きを見ようって催促をします。うっ~んそうでしょう。老舗料亭の次代の主は皆いい男です。瓢亭の英一さんもなかなかの美男子ですが、息子さんの義弘さんも他の料亭の方も綺麗です。仕事をする男は綺麗ですね。

秋が近づいてきます。なんだかパートナーさんの「京都に行こう」っていう声が背中の方から聞こえて来るようです。


shinise_convert_20120903103559.jpg

テーマ : TV番組
ジャンル : テレビ・ラジオ

ジェシカ・アルバの“しあわせの方程式”

お元気ですか?

夏から秋への季節の変わり目。当地では青空の向うから大きな雲が雨を運んで来たり、晴れているのに雷が鳴ったりとお天気が右往左往しています。

『しあわせの方程式』という映画を見ました。原題は An Invisible Sign 全米ベストセラー小説の映画化だといいます。
実は私は数学が好きです。専門的に勉強をしたわけではありませんが、数学って美しいし思考を進める過程はワクワクして楽しいと思います。だから『グッド・ウィル・ハンティング』『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』『ビューティフル・マインド』といった数学を題材にした映画も興味深く楽しんできました。

『しあわせの方程式』はどんな映画でしょう。
10歳の少女モナは病気になったお父さんになんとか治って欲しいと、好きな陸上や食べ物、友達付き合いなど色々なものを絶ってゆきます。どうしても捨てきれなかった算数と木をノックすることは残るのですが、この願掛けは彼女を閉鎖的な人間へと変えます。学校も辞め心配した母親に家を追い出されたモナはたまたま学校で子供たちに算数を教えることになり彼女にも変化が?

ジェシカ・アルバ。TVでヒットした『ダークエンジェル』で人気を集めましたが、その後もいろいろな映画に出ています。私が見ているのだけでも『ダンス・レボリューション』『シン・シティ』『ファンタスティック・フォー』 『アウェイク』『キラー・インサイド・ミー』『ミート・ザ・ペアレンツ3』と青春もの、ヒーロもの、悪女役と幅広い役柄に挑戦しています。ただどの役もあまり評価がいいとはいえません。美人女優という言われ方もしているようですが、童顔な感じから役のとらえどころが落ち着かないのでしょうか。
私も特に好きな女優というわけではないのですが、どうゆう女優に成長するのかどんな作品に巡りあって花が咲くのか・・・そんな興味をもってついつい見てしまいます。

『しあわせの方程式』は正直なところどうしようもない映画でした。役者の演技は見るところがないし、ストーリー展開もつまらない。感動のかの字もない映画です。

でも、一つだけ気になることがありました。少女モナがお父さんの病気で自分の心を塞いで行く事で人生を遠回りしている姿。(演技やストーリーは横に置いて)

私たちは生活の中で時々心にダメージを受けたり周りの環境から距離を置いて心を閉ざすことがあります。色々な事情でそうせざるを得ない場合もあります。しかしそれはとても不幸なことで、早くそういった環境から脱し自分を立ち直させなければなりません。失恋で落ち込むのもその一つですが、新しい恋に巡りあうまでは時間がかかりますね。無理に恋をしようとすると更に傷つく可能性も高いです。

自分を取り戻し自分の中にあるエネルギーを高め力を発揮出来るようになるためにはどうしたらいいのでしょう。私なんかも日々そこに苦心しているようなものです。ニュートラルな自分を見つめ身体の芯のところからじわじわと湧いている自分の力を見つけてそれを引き上げる作業。ある程度引き上がってきたら元気を注入し自信と喜びをもって活動出来るようエンジンの回転をあげてゆきます。

出来れば、上手に自分の資質を引上げ輝きの中で生活を送りたいですね。


ジェシカ・アルバの“しあわせの方程式” [DVD]ジェシカ・アルバの“しあわせの方程式” [DVD]
(2011/11/02)
ジェシカ・アルバ、クリス・メッシーナ 他

商品詳細を見る

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

杣人のNuages

ブログ内検索
 RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ホテル探しに!
クリックをお願いします!
Google