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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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珍道中

お元気ですか?

すっかり秋になり、我が家の食卓にも秋刀魚や葡萄がのるようになりました。週末に放送されるNHK中部地方のニュースでは川柳の募集が行われお題は「食欲」。視聴者の方が正直な気持ちを投稿されているのを見て楽しんでいます。


今日はちょっと気分を変えて思い出話でもご紹介しましょう。というのはオリエント急行がストックホルムからドイツ・オーストリアを越えてベニスに入る新ルートを走った放送を見たからです。
1名あたり4550ユーロ、ホテル宿泊を含め5泊の豪華な旅ですし、汽車旅が大好きな私としてはテレビでも是非見ておきたいと録画までしたのですが、番組は見るも無残な出来でした。確かにオリエント急行の紹介はしますし豪華なダイニングカーの紹介と食事の様子、バーの楽しみなどを映してはいます。しかし肝心のルートの様子はせいぜいストックホルムとデンマークのコペンハーゲン、そしてアンデルセンの話を紹介しているぐらい。ドイツもオーストリアもイタリアも素通りしていきなりベニスに着いてしまいます。汽車旅の楽しさが全然つたわって来ない近頃まれにみる駄目番組でした。

まぁ、そんな愚痴を言いながら「乗りに行こうね」とパートナーさんと最後まで見てしまったのですけどね。

昔々、私達はこの新ルートのオリエント急行と同じ線路を通ってザルツブルグからベニスに出たことがありました。以前にも乗ったことがあった私がパートナーさんに汽車旅の楽しさと映画『旅情』でも知られるベニスに入る感動をプレゼントしたかったからです。
ザルツブルグのレストランで夕御飯を食べ、人形劇の『魔笛』を見たあと駅へ向かいます。夜の遅い列車です。駅の窓口であらかじめ購入していたユーレールパスを提示しスタンプを押してもらいOK。
ガラス張りの待合室でしばらく時間を過ごした後、ホームに入線してきた列車のコンパートメントに席をとりました。

ザルツブルグの街を出るとスイスの山へ向かう列車です。見るべき風景も夜の底に沈んでいます。他のコンパートメントに人がいるのかしらと思うほど静かな客車で二人共すぐに寝てしまいました。
どのくらい寝たでしょう。乱暴にコンパートメントのドアを開ける音に目が覚めました。見ると二人連れの制服を着た男が小銃を肩からぶら下げています。しかもシェパードまで連れて・・・。
何事?と思いながら言われるままにパスポートを提示すると、確認してドアを閉めて行ってしまいました。国境を超えたのです。不意に起こされてしまったパートナーさんは「寒い」といいながら体を丸めなんとか寝ようとしますがなかなか寝付けなくなってしまったようです。私はさっさと寝てしまいましたけど。

ベニスではダンドロホテルに部屋をとりサン・マルコ広場でコーヒーを楽しんだりと当たり前の観光客になります。しかし、続くミラノではサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院が修復中でレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』が見られません、フィレンツェでは土曜日のためウフィツィ美術館が早じまいでボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』を見ることが出来ません。「また来ればいいね」と言いながらも残念な思いで街に戻ったのでした。

そんな旅も終わりに近づいた頃、事件は起きました。フレンツェからローマに向かう列車での事です。検札にやってきた車掌が私の出したユーレールパスをめくりながら「このパスは駄目だから罰金を払いなさい。」と言うのです。ザルツブルグを出てから何日も使ってきたパスです。にわかに信じがたく「今日まで使ってきて一体何がいけないっていうんですか」と私は聞きました。すると車掌は何枚か綴になっているパスの最後の頁を見せて「此処にスタンプが押されていないからだめなんだ」と言うではありませんか。それってザルツブルグの駅員のミスじゃないかと私は思いますが、イタリアの車掌にそんな事は関係ありません。しかも、私はこれまでの旅で車掌が独立した権限を持っているかのように仕事をするのをよく知っていました。パスの所有者は私で、スタンプが押されていないのを見つけたのは車掌である自分だから自分には罰金を徴収する権限がある。とくだんの車掌は確固たる態度で言うのです。
さて、こうゆう時皆さんだったらどうゆう対応をしますか?
私は少しのやりとりのあと、この車掌の言うことを認める事にしました。車掌と対立するのでは無く車掌のルールの中で対抗することにしたのです。
「わかりました、いくら払えばいいのですか」と言うと車掌は日本円で10万ぐらいの金額を言いました。
私は内心「これはボッタクリだな」と思いながら「今お金が無いから駅に着いたら払いましょう。」と応えます。すると、車掌は「駅に着いてからではダメだ」と言います。それはそうです。車掌の権限は列車の中だけです。予想通りの返事に私は勝ち筋を感じました。そこで「じゃどうしたら良い?カードなら払えるけどいいか」と再度聞くと「カードはダメだ現金だけ。」と言います。これも予想通りでした。少しばかり緊張しながらも終始穏やかにやりとりが進みます。私は現金を持っていませんから車掌にはどうしようもありません。彼にすこし焦りが見えます。
「誰かに借りて払ってくれ」と言い出したので「分かった。この列車に日本人がいたらその人に頼んでみるよ」と私が言うと車掌は他の客車に日本人を探しにいきました。これは私にとってちょっとした掛けです。フィレンツェ・ローマ間の汽車ですから日本人が乗っている可能性は大いにあるのです。

かなりしばらくして戻ってきた車掌さん。私の席の横に立って「日本人を探したけど乗っていなかった。もういいよ。」と私に払わせるのを諦めたのでした。イタリアの鉄道です、何が起こるか分かりませんし実に大雑把な終わり方ですね。

この時の旅ではローマのタクシーの運転手と「道が違う、行き先が違う」と言い合ったり、ストで閉まっている航空カウンターを開けさせて別便の交渉をしたりと乗り物に関係するトラブルをいくつも経験しました。命の取られる危険でなければどんな経験も楽しいものです。

旅の面白さは経験のしたことのないような事に出会う楽しみです。見たことのない風景、食べたことのない食べ物、会ったことのないような人たち。ちょっとしたハプニングが全て楽しいですね。

超豪華オリエント急行ではどんなハプニングがあるのでしょう。まさかチケットが違うなんて事は無いでしょうがいつの日か乗ってご報告をしてみたいです。


オリエント急行の旅 (ほたるの本)オリエント急行の旅 (ほたるの本)
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テーマ : ★イタリア旅行★
ジャンル : 旅行

寄り道

お元気ですか?

すっかり秋の空気になり、私も食べ物の話が続いてしまいました。ダイエットは順調なのですが、週末ちょっと気をゆるめると1㎏ぐらいはすぐ増えています。筋肉質にして絶えず燃焼する体にすれば体重の増減はそれほど大きくならないはずです。しかし若い時のようにマシーンを使っての筋トレはせず、ストレッチや水泳での柔らかい筋肉を心がけていますから、減った体重を戻さないようにしなければなりません。これからも体との長い付き合いですから、自己管理を楽しく出来るような工夫が必要ですね。


ジョルジュ・シムノンを『仕立屋の恋』『メグレと殺人者たち』『モンマルトルのメグレ』と三冊読んだところで『ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士』、『シャーロック・ホームズの秘密ファイル』とちょっと寄り道をしていました。それはそれで楽しいのですが、読んでいる途中から「早くメグレを読みたい」というちょっとせっつかれるような気持ちになっていました。すっかりメグレの魅力に惹かれてしまったようです。

「ねぇ私欲しい本が入ったから注文するけど貴方はなにかある?」とパートナーさんが言うので急ぎ探すのですが、メグレの古本はあまり出ていません。神田の古本屋歩きをしていれば見つかるものもあるのでしょうが、当地の BOOK OFF にはまずお目にかかれません。それでも集英社文庫の『メグレ警視』という本をパートナーさんと一緒に注文することにしました。「世界の名探偵コレクション10」というシリーズの中の一冊です。

月曜日の男 Monsieur Lundi
街中の男 L'homme dans la rue
首吊り船 La Péniche aux deux pendus
蝋のしずく Les Larmes de bougie
メグレと溺死人の宿 L'Auberge aux noyés
ホテル<北極星> L'Etoile du nord
メグレとグラン・カフェの常連 Ceux du Grand Café

という短編7作品が納められたものでなかなか興味深いのですが、残念なことにこの本には其々の作品が書かれた年や初出の年、どの雑誌に書かれた作品かなど全く説明がありません。

解説ーメグレの世界 長島良三
鑑賞ー不思議な魅力 粟津則雄

お二人による素敵な読み物もあるのですが、やはり収録の短編については全く触れられていないのです。
これはもしかして集英社が読者に自分たちで調べてみなさいと悪戯心を発揮したのでしょうか?そんな計略にまんまとハマってしまうのが私の性分。早速 Wikipedia でジョルジュ・シムノンを調べてみます。

すると、メグレシリーズの長編74冊、短編集として "Les Nouvelles Enquetes de Maigret"(1944年, 短編集)"Un Noël de Maigret"(1950年)、メグレシリーズ以外の作品がリストアップされています。短編の"Un Noël de Maigret"は「メグレ警視のクリスマス」として講談社文庫から出ています。"Les Nouvelles Enquetes de Maigret"は訳すと「メグレ警視の捜査短篇集」とでもなるのでしょう。19作品が納められているようです。この短篇集の中に集英社文庫に納められている内の6作品があります。「街中の男 L'homme dans la rue」は入っていませんし、Wikipedia のリストにも出ていません。新しい謎が生まれました。「街中の男 L'homme dans la rue」は何時どのように書かれた作品なのでしょうか。
そして、短篇集に納められている他の作品はどうしたら読むことが出来るのでしょう?邦題も書かれていますから訳本が出されていると推測するのですが・・・。
(『メグレ警視の事件簿1~3』偕成社文庫に数作品ある事が分かりましたが、不明な点も多くあります)


集英社文庫の『メグレ警視』を読み始める前に本を手に取り気になる点を確認するのもまた楽しい寄り道、お遊びです。
ディック・フランシスの全作品を読んだように、多作のジョルジュ・シムノンを全作品読むことが出来るかどうかは分かりません。それでも、ネットを使って作品リストを手にしながら、メグレシリーズ以外のものも含め慌てず少しづつ読み進めていくことにしましょう。

ジョルジュ・シムノンの世界の中であちらこちらと寄り道をしながら歩きまわるのもいいものです。パリに行くのが楽しみになることは間違いありませんからね。


メグレ警視 (世界の名探偵コレクション10) (集英社文庫)メグレ警視 (世界の名探偵コレクション10) (集英社文庫)
(1997/07/18)
ジョルジュ・シムノン

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追記)

"Les Nouvelles Enquetes de Maigret" をフランスのAmazonで購入出来るかしらと思って見てみると在庫があって7.32ユーロとなっています。ここで買えばいいんだなと思いながらふと日本のAmazonならどうだろうと調べてみると、同じ本が1,314円で購入可能です。よく見ると、マスマーケットという表示があり通常2~3週間以内に発送とあります。さらに見てゆくとイギリスから発送、イタリアから発送、ドイツから発送と在庫のあるところから日本に届くようです。フランスから発送というのが無いのが面白いのですが便利になりまりましたね。送料を考えてもお得です。

テーマ : 日記
ジャンル : 小説・文学

フランスパンダイエット

お元気ですか?

8月の健康診断からダイエットを意識し始め、この間3.5㎏の減量。スーパーの肉売り場で同じ重さの牛肉を見たり、お米の袋を見ては数値以上に驚いきます。こんなに?と減った量にびっくりするのですが油断をすればまた簡単についてしまう現実にも驚かされます。

以前、NHKの「ためしてガッテン」という番組で、ヨーグルトダイエットと豆腐ダイエットの話をしていて人の体質によって効果の違いがあるということを紹介していました。どうやら私は豆腐が効きそうな体質のようなので当時豆乳をよく飲み食事量やお酒の量も少し減らして減量に成功したものでした。

当地では近くにお豆腐屋さんが無いのでメーカーの豆乳しか無く、豆乳を飲むことはしていませんが(お豆腐屋さんの出来たて豆乳の味は美味しく比べればメーカーのを飲む気にはなれないのです)、代わりに豆をよく使った料理をパートナーさんが作ってくれます。カレーに入れたりひじきに入れたりと色々な料理に大豆を入れています。甘いものも大好きですが、お菓子を買うのではなく小豆を煮て羊羹をつくったり、善哉を作ったりと工夫を重ねて楽しんでいます。善哉には白玉が好きですが、先日はホームベーカリーでお餅をつくり入れたりしています。スポーツジムに行く前のちょっと小腹のすいた時にはお腹にたまることもなくちょうどいいですね。

我が家では朝はパン食なのですが、食パンはホームベーカリーで焼いています。食パンを焼くには砂糖とバターが必要になりますが、少し前からフランスパンに変えました。こちらだと粉と塩と水だけで済むのです。
「ねぇ、痩せたのはフランスパンに変えたからもあるんじゃない」とパートナーさんが言います。
なるほど、言われて見ればそうかもしれません。
ワインのポリフェノールは抗酸化作用があり動脈硬化や脳梗塞を防ぐ働きがあるといいます。
濃いソースやお肉料理をイメージすることの多いフランス料理ですが、よく見渡してみると健康的な料理に気が付きます。フランスの家庭料理には豆を使った料理も沢山ありますしね。

フランスパンでダイエット。ちょっとお洒落な感じではありませんか?

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テーマ : 健康管理
ジャンル : ヘルス・ダイエット

シャーロック・ホームズはお好きですか?

お元気ですか?

月曜日の大雨が各地に被害をもたらし、その検証のニュースが伝えられています。浸水やがけ崩れの被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。日本では経験の薄かった竜巻の様子も取り上げられています。屋根が飛ばされ壁が剥がされてしまうような竜巻被害は無残です。
当地、今日は秋の青空が広がっています。

スティーグ・ラーソンの『ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士』を読みました。すでに映画も見てストーリーは分かっているのですが、さて文章でどう描いているのかという興味に引っ張られています。前作『ミレニアム2 火と戯れる女』で実の父親と死闘を繰り広げた主人公のリスベットは頭部に銃弾を受け病院に搬送されています。同じ階にはリスべットによって重傷を負った父ザラチェンコも入院していてリスベットの様子を窺っています。
物語は雑誌『ミレニアム』の発行責任者のミカエルが公安警察の内部に長年巣食ってきた秘密の別組織とザラチェンコの関わりを暴き、リスベットが警察や精神科医によって自由を奪われてきた過去からどう権利を回復させるのかという事が柱になっています。秘密の内部組織“班”の存在を知った公安警察はミカエルの情報を重視し異例の協力関係を結び捜査に乗り出します。その過程でスエーデン独特の国際的立ち位置、政治やスパイ事件の過去などが詳しく書かれ物語にぐっと厚みが加わります。そして公安警察内部の攻防が描かれスパイ・アクション的緊張を読者は楽しむことになります。さらに後半ではリスベットを法廷で裁き精神病院に拘束しようとする検察と精神科医の企みに、ミカエルの妹で女性の人権を専門とする弁護士が立向い法廷ドラマの要素も加わり飽きさせることがありません。もちろん女性遍歴の多いミカエルには新しい恋人も登場します。
読み終わると、十分な満足感にふっと肩の力が抜けたように感じました。
作者のスティーブ・ラーソンはこの『ミレニアム』第一部の発売を目前にして亡くなっているのですが、第三部では女性主人公のリスベットの成長がしっかり描かれています。ミカエルにも新しい恋人が出来、次の物語の期待が読者にしっかり伝わるのですが、残念なことに、第四部の草稿は残されているものの作品として形を見るかどうかは難しいようです。
いずれ問題が解決して読むことが出来る事に期待しましょう。

さて、『ミレニアム』の主人公リスベットは天才的ハッカーという設定で敵味方周りの人のパソコンに安々と侵入しては重要な手がかりを得てしまいます。現代の技術という事ではある程度納得しなければなりませんが、ちょっと都合が良すぎるとも感じられます。ではパソコンの無かった頃のお話はどうなんでしょうか。

ジューン・トムスンの『シャーロック・ホームズの秘密ファイル』を読んでいます。コナン・ドイルがシャーロック・ホームズを発表したのは1887年から1927年の間でホームズはロンドンの街を二輪馬車(ハンサム)のタクシーで駆けまわります。電話が発明されたのが1876年ですからホームズが電話を使う姿もどこかに描かれていたかもしれません。
『シャーロック・ホームズの秘密ファイル』はコナン・ドイルの作品をベースにトムスンが書いたパロディーです。出だしからワトソン博士とミドルネームだけが違うことからシャーロッキアンであった伯父がある女性から買い取った文章が知られざるホームの活躍を描いたものだったという手の込んだ設定で読者を惹きつけます。
「消えた給仕長」「アマチュア乞食」「奇妙な毛虫」「高貴な依頼人」「名うてのカナリア訓練士」「流れ者の夜盗」「打ち捨てられた灯台」と7作品があるのですが、どうです?シャーロック・ホームズを読まれた方にはあの話かな?って思わせますよね。私がシャーロック・ホームズを新潮文庫で読んだのは中学三年生から高校一年生の頃でしたからほとんどの話を忘れていますし、本は実家にあるので比べる事はできないのですが、「消えた給仕長」を読んだ限りでは、とても丁寧で上品にまとめられています。ホームズのシニカルな感じはおとなしくなってワトソンを褒めたりもしています。状況証拠から組み立てられた推理は読者にホームズらしいと思わせるのに十分で、思わずふふっと顔をほころばせてしまいます。これも100年程前に書かれた本家が良いからなのでしょうね。


ジューン・トムスンの『シャーロック・ホームズの秘密ファイル』を読んで、改めてコナン・ドイルのホームズが名作であったことを感じている次第です。


シャーロック・ホームズの秘密ファイル (創元推理文庫)シャーロック・ホームズの秘密ファイル (創元推理文庫)
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ジューン トムスン、押田 由紀 他

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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

カルボナーラはローマの香り

お元気ですか?

朝、4時頃には目が覚めて雨戸の外で吹き付ける雨風の様子に耳をすます。
さっきまで見ていた夢を記憶に留め、いよいよ起きだして外の様子を確認してみないとどうも心が落ち着かない。なにせこの家は建ってづいぶん年月を経ている。横殴りの風に震える様子に心おだやかではいられない。

居間に移りテレビを付ける。台風は真っ直ぐ当地に向かっている。テレビ局が各地に置いたカメラから彼の地の状況がリアルタイムで伝えられるなか、テロップでは当地でも停電している地域がある由。テレビが見られているのは幸いなのかも知れないと気づき、さっさと洗面を済ませる。家は井戸水を汲み上げているから電気が来なくなると蛇口から水が出ないのだ。

しばらくすると桂川渡月橋の様子が映し出された。あぁ、あそこに車を置いて湯豆腐を食べに座敷にあがったっけ。そんな懐かしい風景が水浸しになっている。お店の仲居さんたちは大丈夫だろうか。
風は巻くようにして断続的に雨が降り続く。今が台風の目だなと思っているとしばらくして横殴りの雨がまた降りだした。


午後、休日プログラムがあるからとジムに出かけエアロビクスで汗を流す。空はすっかり高く青い。
「ねぇ、夕御飯どうする?」とパートナーさんに問いかけるが、まだ考えていないようだ。
それなら先日から作りたいと思っていたカルボナーラを夕御飯にしようと、ジムの帰りにスーパーに寄ることにした。なに、テレビでイタリア料理を紹介していたのを見て無性に作りたくなっていたのだ。

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子供の頃、スパゲッティは家で食べたことがなかった。ほとんどが喫茶店のナポリタンだから学生になって家を離れてからの食べ物である。だが、これが一人暮らしになるとほとんど主食のように私の食生活に位置を占めた。なにせ肉と野菜が一緒にとれるのだから一人暮らしの食事にはもってこい。しかも安い。今我が家で使っているパスタはトルコのメーカーだが500gで88円だ。

カルボナーラを食べたのは渋谷の店が初めてだっただろうか。卵と生クリームの優しい味にナポリタンにはない美味しさを覚えた。それ以来カルボナーラは私にとってちょっとオシャレなスパゲッティになっているのだが、自分で作るとなると生クリームやベーコンを用意していなければならない。ベーコンはあるにしても生クリームは常備しているわけではないから、どうしても縁遠い料理になってしまう。

ここで、すこしばかりイタリア料理の事をご存知の方はおやっ?っと思うことだろう。実はカルボナーラには生クリームや牛乳を使う作り方とそうでないのとがある。それを知ったのはつい数年前の事で何かの拍子にネットでカルボナーラの作り方を探していた時であった。実はローマ風カルボナーラは生クリームを使わないのだ。
これはなんという事だ。私とカルボナーラは距離を縮めた。

ところで、私はナポリに行ったことがある。ナポリにはヨーロッパの中でも古さを誇るナポリ大学があり、学生時代にナポリ大学の修辞学教授の文章というのを読む機会があり、社会人になってからナポリの街や大学を訪ね歩いたのだ。しかし当時私はナポリでナポリタンを食べなかった。今もってナポリにナポリタンなるメニューがあるかどうかも知らない。同じく、ローマを歩きまわっていた時にもそこでカルボナーラを食べていない。情けない話だがイタリアで何を食べたかあまり覚えていないのだ。オーストリアやフランスでは何を食べたかすっかり思い出すことが出来るというのに、イタリアでの食事を思い出せないというのは誠に不思議な話なのだが事実だ。

でもそれで良かったのだろう。もしイタリアで食の興味に身を任せていたらとんでもないことになっていたのは想像に難くない。膨らんだお腹を抱えるはめになるか、安易に食の道を志して挙句の果てものにならずローマかフィレンツェの道端で物乞いに身をやつしていたはずである。そう思うと天は私の分にあった道(自宅で自分の食べる分を作る道である)をちゃんと用意してくださっていたのだ。なんたる慈悲深いお心であろう。

そんなことを感謝してカルボナーラを口に運ぶとこれが実に美味しい。あぁ、またか。なんて私は罪深い人間なんだろう。簡単に、とても簡単に作ったカルボナーラがこんなに美味しいなんて。
コツはもちろん丁寧に炒めたベーコンとよくかき混ぜた卵に尽きる。にんにくを適度に利かせ(このニンニク加減も難しい)塩と胡椒だけで調整する。後の手直しが効かないからシンプルな料理ほど丁寧な気配りが要求されるのだ。

さて、カルボナーラに感嘆符ばかりを並べていると、他の皿が文句をいいだすだろう。
今日は他に3皿あるのだが、その中でも簡単さでは壱弐を争う陶板料理を紹介しよう。

我友でスペイン料理の旗手である吉祥寺のドスガトスのシェフ高森氏から譲り受けた素焼きの器。これは万能器であり今では我が家になくてはならいものである。この素焼きの器に好きな具材を放り込み、オリーブオイルと適当にスパイスを加えてオーブンで焼くだけ。これが我が家の陶板焼きである。
スペインの夜は長い。その長い夜を楽しむのはバル(居酒屋・立ち飲み屋)のはしご酒であるが、これが実に楽しいのはバルごとに出てくる一品料理が美味しいからである。イベリコ豚の切り落としであったり、茄子の酢漬けであったりと多彩な一品料理をつまみながらワインを片手に夜更けまで話に興じる。

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今日はホタテの稚貝が安くあったのでそれを買ってじゃがいものスライスと一緒にオリーブオイルで焼いてみた。これもシンプルといえばシンプル過ぎて料理というのも気が引けるが、れっきとした料理である。

台風が吹き荒れた日、スーパーには気の利いた食材が並んでいるわけがない。それでもこうして簡単ながらも世界を思い食事を楽しむことが出来るのは、生産者がいて流通業者がいるからにほかならない。私はそれに感謝しながら少しばかり知ったかぶりをして台所に立つだけだ。
願わくば、この命尽きるまで美味しいものを食べていきたい。

テーマ : 今日の食事
ジャンル : グルメ

秋刀魚とワイン

お元気ですか?

「秋刀魚の味」という映画は当地出身の映画監督小津安二郎氏の作品です。
秋とは思えない暑い日が続きますがスーパーには秋刀魚が並び始めました。漁師の方には申し訳ないのですが、安い秋刀魚は庶民の見方、焼きもの、お刺身、煮物と色々な食べ方を楽しむ事が出来ますね。

先日ワインブティックパニエに遊びに行ったら木箱にワインが並らび“秋刀魚にあうワイン”と紹介していました。いいですね、日本の秋の味覚をきちっと意識したワインの紹介。これが大切です。

パニエのソムリエさんと話をしていたら、秋刀魚にあうワインはこれかなと思って紹介する準備をしていたところ新しいワインが入荷しそれもなかなか良かったので一緒に紹介したとこの事。私達はこれかなワインとなかなかワインの2本を買って飲み比べて見ることにしました。

スーパーに寄ると北海道であがった秋刀魚が並んでいます。今日は秋刀魚を焼いてワインを楽しむことにしましょう。実は先日のタラコパスタですでに一本飲んでしまっています。ですから今日はイタリアのバルベーラ ダルバというワインを開けることにしましょう。
ボトルに貼られてシールには醸造もとのアドレスが書かれています。セッラデナリという会社ですが、こうして会社のHPが見られるのはいいことですね。ちなみに今日私達が秋刀魚と一緒に飲んだワインはHPに5本並んだ一番右のワインです。ご興味のある方はセッラデナリ←をクリックしてください。

さて、そのお味はといえば、程よいフレーバーと明るい酸味がバランスよく広がっています。秋刀魚の塩焼きを食べながら飲んでも全く味がぶつかりません。パートナーさんは内臓をソースのように使って秋刀魚の身につけて食べていますが、それでもワインが荒れることがないと言います。私は茄子とシーチキンの陶板焼き、冬瓜の中華風煮物と今日の居酒屋メニューと一緒にワインを頂きます。全てOKですね。
これは楽しいワインです。

週末、またパニエに行くでしょうから、感想をソムリエさんに伝えましょう。
こうして我が家の食卓は馴染みのお店、気心の知れたソムリエさんのおかげで一層の充実を図ることができるのです。
え?松茸にあうワインですって?さぁて、どうしようかな・・・。

テーマ : ワイン
ジャンル : グルメ

秋のパスタ

お元気ですか?

当地、すっかり秋めいて夜ともなると虫の鳴き声が休むこと無く響いています。朝は少し涼しいのですが、日中の気温は30℃を超えとても過ごしやすくなったとは言えません。
それでもテレビのニュースでは地域の農家の方がぶどう狩りや栗ひろいに近くの幼稚園児を招待した事を伝えています。子どもたちの楽しそうな映像が我が家にも幸せな空気を運んでくれます。

8月のはじめに健康診断を受け、少し高めの血糖値に注意し体重を減らすようにという指摘をうけました。以前東京にいたときにも同様の指摘を受けた事があり、その時は17㎏の減量をしスーツを全て作り直したものでした。今回はそれほどではありません。友人の管理栄養士さんに相談したところ「3㎏減らせればづいぶん違うよ」と言われました。
根が単純な私です。目標が決まれば迷うことはありません。毎日スポーツジムに行き、プールで泳いだりエアロビックスに出て汗をかきます。通うのはいつもと同じなのですが真剣モードです。しかもこの夏の猛暑ですから家にいて黙っていても汗をかきます。パートナーさんも食事で協力してくれて遅い夕御飯の時は豆腐サラダを基本のメニューにしました。

そして・・・現在3.5㎏減量に成功!一週間ほど安定した体重が続いています。

私の経験から云えば、この体重で体を慣らし、もう一段階頑張ることで私の目標としている6~7㎏減量にめどが立ちます。ようし頑張らなくっちゃ!

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でもね、我が家の減量大作戦では美味しい食べ物を犠牲にすることは考えられません。
確かに遅い夕御飯ではお豆腐がメインですが、そうでない時にはパスタもお刺身もステーキも頂きます。

先日はタラコがあったのでタラコパスタ。もちろんワインブティックパニエに行ってソムリエさんに相談したワインを一緒に頂きます。
今日は内臓のハチノスをトマト味で煮てあったので、少し手を加えてペンネのソースにして頂きました。大豆も入っているのでペンネの量は控えめですが、もうなんと美味しく出来たことか。
自分で作って自分で言うのもなんですが、あまりの美味しさに「美味しいね」を連発してしまいました。

おっと、あまり美味しいパスタに浮かれているとせっかくの減量が台無しになってしまいますね。

皆さんはこの秋どんな美味しいものを召し上がりますか?

追記)

当地に越してきて嬉しかったことの一つに新鮮な内臓が手に入りやすいことがあります。良い畜産農家が近くにありスーパーに色々な部位が並ぶのです。東京で暮らしていた頃新宿のホテルハイアット リージェンシー にイタリアンレストランマキャベリがあり、そこの内臓料理はお手頃でとても美味しくよく食べにいったものでした。今マキャベリは小田急百貨店に入っていますね。試したがりの私は家でも内臓料理を作りたかったのですが、スーパーや街のお肉屋さんではなかなか見当たりませんし、有ったとしてもホルモン程度で種類が多くありません。内臓料理の面白いところは部位によって食感や味が全くちがうところ。これをどう料理するかが楽しいのです。ハチノスはカレーに使うと肉の甘さがとっても綺麗で美味しカレーに仕上がります。機会がありましたら是非お試しください。

テーマ : 今日の食事
ジャンル : グルメ

路線バスの旅

お元気ですか?

2020年のオリンピックの開催地が東京に決まり、期待に沸き立つ様子が連日放送されています。1964年(昭和39年)に開催された東京オリンピックはそれこそ戦後日本の復興を象徴づけるもので、高速道路や新幹線の開通などなどとセットで海外にアピールしたものでした。私も函館の海岸通を走る聖火ランナーに旗を振った記憶がありますし、父親が買ってきたアサヒグラフの写真を何回も見て写真の力に引きつけられたものです。
しかし、それと同時に選手への様々な重圧を知ります。マラソンの円谷幸吉選手です。当時多くの事を知る歳ではありませんでしたが東京オリンピックで活躍した円谷選手がその後様々な問題を抱え自殺するに至った事は、衝撃的な出来事でした。ピンク・ピクルスの歌う「一人の道」は悲しい歌です。私は合唱で歌ったような気がしているのですが、記憶ははっきりしていません。




話替わって・・・。

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」というテレビ東京の番組があります。タレントの太川陽介さんと漫画家の蛭子能収さんが中心に毎回ゲストの女性と一緒に路線バスを乗り継いて目的地に行くという番組です。
昨日、新宿から新潟の万代橋へ行くというのを放送していたので見たのですが、なるほど路線バスを乗り継いで行くというのは大変な事のようです。一時間に一本どころか一日に数本しか走っていなかったり、バス会社が違って路線があるかどうかも分からなかったり・・・。そんな土地のバス事情と運転手さんや地域の人の温かい応援でゴールを目指します。今回は中村橋や蕨を通って伊香保、三国峠を超えて新潟県に入り小千谷でへぎそばを食べたりしながら何とか万代橋にたどり着きます。
パートナーさんと見ながら見知った街に「行ったね。」って笑います。
どこまで下調べやシナリオがあるのかは知りません。ロケ班の車は別に走っていますし、タレントさんの衣装だって変わるのに手荷物は少ない。それでもバスの長旅は大変ですね。

乗り合いバスの旅といえば、沢木耕太郎の『深夜特急』が有名ですね。憧れてバックパッカーになる人も多いでしょう。旅は人と人の距離を近づけてくれます。観光の記憶は薄れても旅先で出会った人との記憶は忘れる事がありません。

私達の場合?番組の中で食べていたへぎそばや笹だんごを見ながら「新潟に行きたいね。」と言い合ったのでした。

さて、オリンピック。日本にいらっしゃる外国の方にどんな思い出を私達はプレゼントできるのでしょうね。

テーマ : TV番組
ジャンル : テレビ・ラジオ

『マーガレットと素敵な何か』

お元気ですか?

週末、少し仕事から離れてのんびりとしたくなっています。朝から映画を見て過ごしましょう。

ソフィー・マルソーの『マーガレットと素敵な何か』2010年の作品です。

プラント会社で忙しく働くマーガレット(ソフィー・マルソー)の所に老いた公証人が訪ねてきて包を渡します。それは7歳のマーガレットから自分に宛てた手紙。マーガレットはその何通もの手紙に導かれるように忘れてしまいたかった自分を思い出し、自分が夢を押し殺して嘘をついて生きて来たことに気付かされます。自分探しのハートフルなお話ですが、おしゃれでコミカルで・・・ソフィー・マルソーが可愛く素敵です。

私もよくこのブログに子供の頃の思い出を書いています。函館や新潟で過ごした多くの時間は私にとって宝物でなるべくそうゆう宝物に囲まれている自分を忘れたくないという思いからです。ミュージカルのサウンド・オブ・ミュージックに“My Favorite Things”という歌がありますね。それの私版といったところでしょうか。ブログを利用しながら思い出したことを書いていると、忘れていた事も時々思い出すようになります。ですから思い出すたびに宝物が増えていって嬉しい気持ちも膨らんでいくのです。ねっ得した気分になりませんか?

これ、実はメンタルヘルスケアとして実に有効な方法です。自分が好きなものに囲まれていることに気づき、楽し気持ちを思い出すことは傷つき弱った自分を守る大切なバリアーになります。
今の疲れている自分を助けてくれるのは、過去の自分と未来の自分です。希望が叶い喜びに満ちた自分を想像することは今の自分を勇気づけます。それと同じように、過去に幸せだった事を思い出したり夢をもって何かをしていたことを思い出す事は実際に自分が経験してきたことですからさらに大切です。こうしてバリアーに守られた中で、かさぶたの中で傷が直っていくように自分の力で傷んだ心の傷を直してゆきます。
ですから、もしお子さんを育てたり近所の子どもたちと接する機会がある方は是非その子供たちを褒めてあげてください。楽しい事をいっぱい経験させてください。その思い出が大人になった自分を助ける事になるのです。子供は認められ褒められることが大好きです。その大好きな事をいっぱいしてあげてください。教育だ指導だとあれこれ言うより見守って放っておき、時々褒めるだけで子供は自分で立派に育つのです。


さて、子供の頃の事を沢山思い出しながらいつも考えるのは「私は何なのだろう、これからどうなるのだろう」という思いです。未だによく分かっていないのですが、どう考えても今の私は子供の頃とどこも変わりがないように思うのです。
先日新しい保険に入った事をきっかけにしてハンコ入れを作りました。革の端切れを使って作ったのですが、勢いで新しいソムリエナイフのケースも作っていました。子供の頃から手先が器用でしたから木でおもちゃを作って遊んでいたのですが、大人になった今も手仕事でものを作るのが好きなのです。
時々テレビで子供たちに「何になりたいの?」と聞いている場面を見ると子供たちはパン屋さんとか警察官とか看護婦さんとか答えています。ですが、私はこうゆう夢を持った事がありませんでした。子供の頃なりたいものの夢を持たなかった私が初めてあぁこれだと思ったのは『三四郎』を読んだ時でした。汽車に乗って上京する三四郎に我が身を映しながら高等遊民になりたいと思ってしまったのです。これが運命でした。
高等遊民になるにはどうしたらいいのか。私はまず本を読んで世界の事を知る事。本を読むには語学を修めなければならない事。これが第一歩でした。もちろん遊民ですから仕事は二の次です。ですが資産家の放蕩息子ではありませんし、お金が自由にならなければ遊民もままなりませんから、折り合いをつけるのですがまぁそれは別の話。
未だにふらふら好きな事ばかりをして高等遊民を気どる生活をしています。夢を持つことのなんと恐ろしいことでしょう。

そして、子供の頃と大人になった自分とはそう変わらないという事に気がつくと重要な事に行き当たります。“在るが儘にある”ということです。教育や経験によって人が成長する事を否定はしません。ですが、人の根本は生まれた時に全て備わっています。大人になってもその部分は何も変わりません。存在という事はその人独自のもので年齢や経験などで変わるものではないのです。そこに気がついて周りを見回してみるとなんとこの世界は“存在”に満ちあふれていることでしょう。

この世界が“存在”に満ちていることに気づいたならば私達はとても自由になることが出来ます。“在るが儘に”行動することが出来るようになるからです。私達は多くの事に振り回されたり思惑の交差する中で悩んだり身動きが取れなくなる事があります。ですが、“在るが儘にある”事を知りその有り様にそって考え動くことが出来るならば惑わされる事はずっと減り、道が開けて見えてきますし、不安などは全く感じられなくなります。


『マーガレットと素敵な何か』は原題を L'age de raison と言います。辞書を引いてみたら分別のつく年頃(7歳頃)と出ています。フランスでは慣用的言い方なのでしょう。私が7歳の時?分別があったでしょうかね?


 
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変わってゆくこと

お元気ですか?

当地、昨日の夜は久しぶりの雨で涼しく眠られたのに、今日の日中はチリチリと肌を焼く音がするような日差しです。気温は31℃を越しているようです。
テレビのニュースでは竜巻や突風、冠水や地面の陥没の事を伝えています。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。


「ねぇ、さっきジムの日焼けサロンのところに“係の人が参ります”って書いてあったんだけど、これって変じゃない?」ってパートナーさんが言います。
そう、ちょっと変ですね。“係の者が参ります”って言うなら耳にも馴染んでいるんですが・・・。
では、どうして変なんでしょう。

言葉は時代とともに変化して行きますし、使われ方も変わって行きます。よく云われる“ら抜き言葉”もそうですね。“見られる”が“見れる”になっても通じますし意味も変わりません。最近では容認する声も聞こえています。でも気になる人にはどうも落ち着かない感じに聞こえますね。
では、最近の若い人の言葉ですが「全然美味しい」と言うのはどうでしょう。「全然美味しくない」というのならいいようにも思うのですが・・・。全然というのは打ち消しの言葉を伴って使われるのが一般的です。「全然わからない」とは言いますが「全然わかる」とは言いませんね。でもこれは現代の使い方。古くは打ち消しをせずに強調の意味で「全然いい」という使い方も一般的でした。現在はあまり使われない言葉の使い方でも必ずしも間違いとは言えない例です。

言葉は生き物という言い方をして変化を受け入れる考えがあります。文法は現在使われている言葉用法に対して規則性を見つけることですから“文法的におかしい”というのに意義を唱える人もいます。
私が社会人になった頃は、英語をそのままカタカナにして表記することに否定的な考えがあり外来語の反乱に警戒する声もあったように思います。スマートフォンは英語でもsmartphoneと言いますから、英語をそのまま日本語に取り入れたかたちですね。カタカナは立派な日本語表記ですし漢字で書いたから日本語になるわけでもありません。こうゆうのはフランス語に英語が入り込んで行った過程と同じです。
国民総生産(GNP)と国内総生産(GDP)は内容が違い現在はGDPをよく使っています。かつて国民総生産を使っていた頃はニュースでは「GNP国民総生産は・・・」と必ず日本語の表現をつけて言っていたように記憶していますが、最近は「GDPは・・・」と言って日本語を言わない。GDPをそのままに分かっているものとして報道しているようです。これはスマートフォンとは違いGDPが日本語になったわけではありません。ニュースを流す放送局がGDPは社会で意味が浸透し日本語を一緒に言わなくても分かるだろうとしているのです。最近はこのような例が増えました。ニュースを見ながらこれってどう云う意味だろうと思うことが増えたように思うからです。そしてこれには居心地の悪さを感じます。スマートフォンとは違い英語と日本語を混在させながら伝えようとしているからです。


そんな日本語に関するあれこれを思っていたら、テレビの旅番組の字幕にびっくりしました。
場面はレストランを訪れた客に係の女性が案内をするところで「そしたら、こちらへどうぞ。」と字幕が流れたのです。見ていたパートナーさんと私、思わず同時に「えっ、これはないでしょう。」

学生の頃、映画館に入って外国の映画を見ながら字幕の間違いや端折ったところを見つけるのが楽しかった。場面は進んで行くから字幕に込められた翻訳者の苦労には感心するのだが、たまに意味が通じなかったり全く間違った翻訳をした字幕があって、そうゆう字幕に出会うと映画を見終わった後にも映画の完成度にバツがついたようで、どうも後味が悪かった記憶があります。
テレビの字幕制作の低予算と時間の無さは映画の比ではないでしょう。それは想像出来ます。しかし・・・翻訳者の普段の生活が顔をのぞかせるような字幕にはテレビ局もちゃんとチェックを入れてもらいたいですね。


日本は美しい自然とそれを表現する美しい言葉に溢れた国。その日本がゲリラ豪雨とか竜巻とかに見舞われるようになった。日本語も激しい変化にさらされて、洪水に流されてゆくのだろうか。
正しい言葉、美しい言葉を沢山聞くことの出来る国になって欲しいと心から思います。


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追記)

今日の此の文、読み返してみてあまりの下手さ加減に頭を抱えた。日本語の事を下手な文章で書くほど恥ずかしい事はない。知ったかぶりの浅はかなやつと笑ってください。

テーマ : ひとりごとのようなもの
ジャンル : 日記

『モンマルトルのメグレ』

お元気ですか?

今日、『夫婦善哉』を読了しました。といってもパソコンで読むことの出来る「青空文庫」なのですが、本屋さんに出かけたりAmazonで取り寄せたりすること無く、手軽に読むことが出来ます。長編を読むとなるとちょっとどうかなと思いますが短編ならば手軽さのほうに軍配があがります。
ところが、ふと思いついて志賀直哉の文章を読みたいと思い「青空文庫」を探してみるのですが見つけることができません。実は志賀直哉が亡くなったのは1971年(昭和46年)10月21日、亡くなってまだ50年が経っていません。著作権が生きているのです。本の神様が「横着しないでちゃんと頁を繰りなさい」と教えてくれたのでしょう。


ジョルジュ・シムノンの『モンマルトルのメグレ』Maigret au "Picratt's"を読了した。1950年の作品である。

こんなお話。酔っ払って警察に来た踊り子アルレットは何者かが伯爵夫人を殺す話をしていたと訴えて帰ったが、その彼女が自室で絞殺された。そして伯爵夫人も。事件の背景に何があり犯人は誰なのか・・・。警察の捜査は次第に彼女たちの過去を明らかにし犯人像にせまる。

歴史にはタイミングというのがある。個人の歴史においてもそうで、いつ誰と出会うのか、いつどんな本と出会うのかをその人の歴史の中で解いてゆくと“あぁなるほど”と納得するような事象に気が付かされる事が多い。少なくとも私の場合はそうであった。
『モンマルトルのメグレ』を読みながら、なるほど、メグレは大人が楽しむ小説なんだと納得した。中学生が読んでもシムノンが書いたこの空気は分かりにくいだろう。シャーロック・ホームズを読みながらロンドンの濡れた歩道や阿片窟を想像することは出来る。エラリー・クイーンを読みながら謎解きを追いかける事はできる。しかし薄汚れたネオンの下でひと目を憚るように営業する如何わしいキャバレーで男女が紡ぐ物語を息を詰めるような思いで読むのは中学生にはまだ早い。大人だから分かる話というのもあるのだ。

今回の舞台はモンマルトル。パリ18区の小高い丘に白くそびえるサクレクール寺院で有名な観光地である。古くからぶどう畑が広がり修道院が作るワインを売る飲み屋街を擁したことから、猥雑な空気もモンマルトルの性格となっている。ご存知ムーランルージュがある所と云えば分かり易いであろうか。
原題にある Picratt's というのは踊り子アルレットがショーに立ち客に酒をすすめる店の名であるが、Picrate というのは安物の赤ワインという意味もある。

犯人を探したりトリックを想像したりという作品ではない。悲しい大人の男女の姿を読む作品だ。読後感も一人胸に仕舞うのがふさわしいだろう。


Maigret au Picratts

テーマ : 文学・小説
ジャンル : 小説・文学

杣人のNuages

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