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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

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農楽蔵のワインを飲む会

お元気ですか?

昨日は当地久しぶりの雨でしたが、夕方にはその雨もあがり気温もゆるやかになってきました。
去年函館に帰った時、馴染みにしていただいているフレンチレストラン唐草館の奥様から「日本のワインはいかがですか?函館のワイナリーなんですよ」とご紹介いただきお土産に頂戴してきた農楽蔵のワインを飲むために久しぶりのお出かけです。せっかく頂戴したワインです、私達だけで飲むのはもったいないと、当地でお世話になっているワインブティックパニエのソムリエさん二人と一緒に飲むことにして感想を伺うことにしましょう。
パニエさんにお話を差し上げた時、農楽蔵さんのことをご存知で「飲みたいと思っていたんです。でも手に入らないんですよね」とのこと、さすがプロです。函館出身の私よりお詳しい。

さて、そのパニエさんに店を決めていただきお料理と一緒にワインを楽しむこととしましょう。

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場所は街中の一画にある石料理庄吾爺という和食のお店です。あまり外食をしない私達にはこうゆう新しいお店を紹介頂くのも嬉しいですね。

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掘りごたつ式の席につき、最初はパニエさんにお持ちいただいたスペインのカバで乾杯です。カバはスッキリとした飲み口で食前食中酒として利用しやすい発泡酒です。

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石料理庄吾爺さん自家製というカラスミにもあいます。脂ののった寒ブリやエビのお造りにもあいます。お造りで面白かったのがわさびの隣にあるオレンジ色の薬味、みかん胡椒です。みかんの皮を使ったオリジナルの薬味だそうですが、柚子胡椒のみかんバージョンと言った感じで美味しい。みんな「これをつまみに飲めるね」と盛り上がります。

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さぁ今日の主役、農楽蔵さんの赤ワイン、ノラルージュ2012 です。メルローにピノ・ノワールを10%ほど混ぜた構成になっているそうですが、どうゆう仕上がりでしょうか。ネットなどでみると「北海道の土地の個性」を大切に考えて作られているそうです。

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石料理庄吾爺さんは、テーブルに組み込まれた電熱器で石を焼き、その上で食材を焼いたり鍋をかけたりします。小さなすき焼きに続いて出てきたのは溶岩石で焼かれたブリ。このブリにバルサミコで作ったとろみのあるソースをかけていただきます。

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食事をいただきながらワインを確かめるパニエさん。「テロワールが感じられ、ミネラルの感じが伝わってくる」と仰っています。私のような素人にはこうゆうコメントが勉強になります。フローラルな香りを持ちながら決してうわべだけではない、最後まで持続しているのは葡萄の持ち味をしっかり引き出しているからでしょう。一瞬発泡酒のような力強いプチプチ感を口の中で味わいますが、これも葡萄が元気な証拠でしょう。
飲みながら、日本のワイナリーの世代が変化している話へ。私達がワインを飲み始めた昔は日本のワインはあまり関心出来るものではありませんでした。しかし、近年日本の各地でワイン造りが進み造り手の方の勉強の機会も増え、醸造学をしっかり学び世界でワイン造りを学んだ人たちが日本でのワイン造りに挑戦しています。それぞれの自由な発想で個性的なワインが造られていますから日本のワインの向上に大きな期待を持てます。

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お料理はお肉を石板で焼きながら味噌をつけて頂きます。升を器に使った小さな海鮮丼も目先が変わって楽しいです。

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デザートに、蜂蜜のかかった杏仁豆腐を頂いておしまい。

函館に帰省し唐草館で素敵なお料理をいただき、ワイナリー農楽蔵のノラルージュを頂戴しました。そのワインを当地で仲良くさせていただいているワインブティックパニエのソムリエさん二人と楽しみました。
全て人のご縁のお陰です。レストラン、ワインブティック、そしてワイン醸造家とそれぞれ土地と人を大切にする方たちの日々のお仕事が私達を幸せにしてくれます。
そんな中にあって、私はただNuagesのように流れてゆくばかりです。

みなさん、素敵な出会いを有難うございました。

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テーマ : ワイン
ジャンル : グルメ

マロンケーキ?

お元気ですか?

今日の当地は朝から寒い雨が降っています。夜はお出かけしなければなりません。あがってくれるといいのですけど。

昨年の夏に受けた健康診断をきっかけとして体の事に気を配っています。スポーツジムには通っていますが、食べることが好きですからついつい・・・。血糖値に気をつけるよう注意を受けましたので、管理栄養士さんのアドバイスなどを聞きながらアイスクリームを止めたりお菓子を買わなくなったりしました。
夏の暑さも功を奏したのでしょう、秋には4㎏ぐらい体重が減り血糖値の心配は無くなりましたが、食が細くなったのもあって体重は減り続け、今では健康診断の時からみると8㎏以上減ってしまいました。


さて、お菓子は買いませんが甘いものは大好きです。毎日飲む珈琲のときにも何か一口あると嬉しいですよね。そこで始まったのがパートナーさんのケーキ作り。ドライフルーツを入れたり、小豆餡を混ぜたりと一手間かけながら楽しそうに作っています。
今日も私が買っておいた栗の缶詰を使って新作を作っています。

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出来たのがこちら、生地に練り込んだペースト状の栗は甘さ控えめで食べやすい感じです。
ペーストをケーキに塗って食べてもOK。

いかがです?おいしそうでしょう。

栗は天津甘栗だったり栗きんとんだったりと冬のお菓子のイメージ。フランスでは冬の焼き栗が有名ですね。それもそのはず、カロリーが高いのです。
どうぞご甘いものの好きな方は自分の体と相談しながらお楽しみくださいね。



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テーマ : スイーツ
ジャンル : グルメ

アオウミガメの缶詰

お元気ですか?

今日は亀のお話です。といっても助けた亀に連れられて竜宮城に行った杣人の話というわけではありません。残念。

先日から東京の井の頭公園の池の水を抜いて清掃作業が行われている話がニュースで伝えられています。自転車やバッグなど不法投棄されたものが池の中から現れた話や、外来種の魚や亀といった生き物が捨てられているのでそれを取り除く活動を合わせて行っていることなどが伝えられています。
井の頭公園は通勤時に通っていたこともあり馴染み深い公園です。綺麗になった姿を見たい気持ちと今後利用者のマナー向上の見本となるような管理運営がなされることを期待します。

ペットの中で亀は比較的買いやすい生き物かもしれません。うるさく吠えることもありませんし餌やりも面倒な事はありません。種類も多いので好みの亀を選ぶ楽しさもあります。でも、ちょっと落とし穴が。寿命が長いので飼うのに飽きる人や思ったより大きくなって可愛くなくなったりし終いには持て余したりしてしまうことも。確かに20~30㎝にもなったミドリガメはそばで見るとかなり強者のイメージがあります。

実はわたしは亀が好きで、これはきっと子どの頃に見た特撮映画『大怪獣ガメラ』のシリーズに影響されたのだと思うのですが、一時期小さな亀を飼っていたこともありました。しかし、私は生き物を飼うのが上手ではありません。
あるとき、パートナーさんは私にこんなプレゼントをくれました。

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手足を動かしながら動くんです。テーブルの上で歩かせては嬉しくなっていました。

私の亀好きを知ってか、在る日知り合いからおみやげに亀の缶詰を頂戴しました。

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アオウミガメ肉煮込という小笠原父島の小祝商店さんが作っている缶詰です。これは大変めずらしい缶詰ですね。亀で思い浮かぶのはすっぽん料理か亀ゼリーですが、アオウミガメの肉を食用にするのは私も知りませんでした。
父島の小祝商店さんは島で古くからあるお店です。グルメ缶詰というブログも持つくらい缶詰好きな私ですから私が父島でこの缶詰を見つけていたのなら色々なお話を聞いてきたでしょうけど、いただきものですからそうもいきません。ただ、ラベルにSIK2という記号を見つけました。これは缶マークといってこれだけで何処の会社のどこの工場で作られたのかわかるすぐれものです。SIKというのは千葉県銚子にある信田缶詰さんですから小祝商店さんの委託製造であることが分かるのです。

さて、缶の蓋をあけてみますと黄色く濃い脂が浮かんでいます。

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器に出して少し口に入れてみると強い臭みが鼻につき、とてもそのまま食べられるものではありません。確かに亀ゼリーを食べたときも美味しいとは思えませんでしたし、すっぽん鍋だって私はあまり美味しいとは思っていません。お酒で割った血だってグロテスクな感じで好きではありません。

う~ん、これは困ったぞ、そう思う私。鯖の味噌煮缶詰や秋刀魚の缶詰のようにちょっともう一品という気持ちで食卓に並べられればと思っていたのです。
そこで、ネットで“アオウミガメ缶詰”と検索しこの缶詰を他の人がどう料理しているかを調べることにしました。

ふぅ~ん、ははぁ~ん と正に小祝商店さんのこの『アオウミガメ肉煮込』缶詰を食べたことをブログに書いている記事が何件か見当たります。しかしどの記事も臭いがキツくて悪戦苦闘しているようです。醤油を使ったりニンニクを使ったりして臭いを消すことに必死で、とうとう食べるのを諦めたというのすらありました。

でも、せっかくのいただきものですし、食べられないものの販売が続く訳がありませんから何か手は有るはずです。

そこで、まずフライパンに薄く油をひき肉に火を通してみます。この時缶の中の脂はなるべく入れないようにします。脂に臭いが付いているからです。生姜を一緒に炒め紹興酒を加えてみると思った以上に臭みが消えています。美味しいといえるほどではありませんが、決して捨てなければならないものではありません。白菜やキャベツなど野菜を一緒に炒めても良いでしょうが臭いが移り広がるのを避けて入れませんでした。その代わりネギの青い処を細かく刻んで多めに入れます。これでさらに臭いが消えるでしょう。

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出来上がったのがこちら、アオウミガメの紹興酒炒め。
どうです?見た目は美味しそうですか?薄っすらと臭いは残りましたが臭みは無く鼻について食べられないという事はありません。紹興酒の香りが活きてちょうどいい感じ。肉の食感も残っていて新しい料理に成功したと感じます。台湾料理にしじみの紹興酒漬けがありますが、その亀版といった感じでしょうか。

はるばる我が家にやってきた亀さん。玉手箱は持って来ませんでしたが、新しい料理にチャレンジする楽しみを持って来てくれたようでした。

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テーマ : おうちごはん
ジャンル : グルメ

グラン・ヴァンを飲む

お元気ですか?

今日はワインのお話。といっても高尚なうんちくやどんなお料理と合わせてといったお話ではありません。そうゆうのはソムリエさんやグルメ自慢の方のブログにお任せしましょう。

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先日、在庫のワインを飲みました。我が家ではワインの在庫が二種類あって、普段食事と一緒に飲むワインは月に二度ぐらい馴染みのワインやさんに出かけて手頃なワインを数本買って来てラックに並べています。赤ワインと白ワインそれぞれ同じくらいあるのですが、こだわりがある訳ではないので、お店のお薦めであったり、その時々に飲みたいなと思ったワインを気軽に楽しく買ってきます。
もう一つは思い入れワイン。コレクターではありませんのでワインコレクションという言い方はふさわしくありません。気持ちとしてもそこまで気張ってもいません。記念の年であったり、このワインでこの年のワインだったら何年後かに飲んでみたらどうだろうといったものを見つけた時に買っておくのです。こういうワインは買ったあとは普段飲み用のワインとは別に保管していて私の頭の中からもほとんど消えています。これがコレクターだったらちゃんとリストを作りこのワインのこの年代は持っているとか、この醸造家のこれは持っているとかあれこれ思いながら楽しむのでしょう。でもワインの世界でコレクターになろうと思ったらその前に資産家にならなければ無理な話です。好きなワインですが、私にコレクターとしての性質が無かった事を本当に喜びます。

ワインに限らず食品の保存といのは気を使うものです。加熱密閉した缶詰や瓶詰めでも温度変化の大きいところに置くのはいけません。ワインのような醸造酒は瓶詰めされていても活きていますから尚更のことです。東京時代、ワイン屋さんのレンタルカーブに預けたりもしていましたが、当地に越してきてそれもなくなり自宅の日の当たらない涼しいところに保管していました。本来ならワイン用の冷蔵庫を用意してもいいのですが思い入れワインが沢山有るわけでもないので気をつけながらも簡単に保管していたのです。

さて、今年は事情があっていつものようにお正月をしっかりお祝いしていません。例年なら年末年始に飲むちょっと良いワインを買ってパートナーさん渾身のお節料理を作って・・・と楽しむのですが、それが出来ていません。そうゆうけじめのようなものをしないでいると、何処か心に隙間が出来たような気がしていけません。そこで、パートナーさんが「ねぇ、このワイン飲もう」と言って出してきたのが写真にご紹介しているボルドーのグラン・ヴァンなのです。

右のワインは
シャトー・ラフィット・ロートシルト1991
産地 ボルドー ポイヤック
ブドウ品種 カベルネ・ソーヴィニヨン 80-95%、メルロ 5-20%、カベルネ・フランとプティ・ヴェルド 0-5%
年間平均生産量 1万5000~2万ケース
オーク樽での熟成期間 18~20ヵ月(新樽使用率は100%)
容量 750ml

左のワインは
シャトー マルゴー1991
産地 ボルドー マルゴー村
ブドウ品種 カベルネ・ソーヴィニョン75% メルロ20% カベルネ・フランとプティ・ヴェルド併せて5%
年間平均生産量 約20万本
オーク樽での熟成期間 18ヶ月~2年間(新樽使用率は100%)
容量 750ml

どちらもボルドー・メドック地区格付第1級のワインです。
このクラスでこの年代を開ける機会はそうありません。置いてあったところから出し数日立てておいてオリを沈め、いよいよ飲む日がきました。ソムリエナイフでキャップシールを綺麗に切りとりコルクを抜きます。やはりこの時も瓶を揺らさないように静かに扱います。そうしないとせっかくオリを沈めたかいがありません。長いコルクを抜くと枯れた臭いがしてきました。さすがにアルコールの臭いは薄れていますがまだまだしっかりしています。注意深くグラスに注ぐと透明感のある濃いあずき色のワインです。あぁいよいよ飲むんだとワインへの敬意とも感慨ととも言える感情と共にこのワインを買った時の様子が思い出されます。そしてこれまでの日々も。

さて、お味は・・・。

さぁどうぞご想像ください。20年以上ゆっくり熟成してきたワインです。私の拙い言葉よりも皆さんの想像するお味のほうが的確できっと美味しいに決まっています。

テーマ : ワイン
ジャンル : グルメ

週末の映画

お元気ですか?

子供の頃母親や父親に連れられて映画館に行った記憶は私が映画好きになるきっかけを作るものでした。従兄弟はお小遣いをもらって兄弟でブルース・リーの映画を見に行ったりしていましたが、私は映画を見るためにお小遣いをもらった事がありません。もっぱらテレビで放送される映画が専門です。淀川長治さんが解説をしていた「日曜洋画劇場」水野晴郎さんの「水曜ロードショー」これは後に「金曜ロードショー」に移行。高島忠夫さんが長く解説をしていた「ゴールデン洋画劇場」も懐かしいですね。民放で放送される映画はコマーシャルや放送時間の制限によるカットなどもありますが、いろんな映画を数多く見られたという点では良かったですね。
NHKによる放送はコマーシャルカットが無く字幕で放送されるのが良く、「天井桟敷の人々」や「巴里の空の下セーヌは流れる」「テレーズ・ラカン」などフランス映画を選んで見たのものでした。

そうゆう経験のせいなのでしょう、映画をテレビで見ることに抵抗がありません。もちろん映画館で見るのもいいのですが新しい映画を早く見たいという訳でもありませんし、家でくつろいで見るほうが断然楽なので、ここ数年は映画館に行っていません。

今回はWOWOWで放送した三つの映画を見ました。

一つは『危険なメソッド』2011年、デヴィッド・クローネンバーグ監督の作品で原題も A Dangerous Method。精神分析学の創始者であるフロイトとユングを描いた作品です。ユングが医学生である患者ザビーナにフロイトの談話療法を用い治療にあたりますが、次第にフロイトの説とは違うものを見出してゆきます。
フロイトとユングのことをある程度知っていれば見ていて分かるでしょうが、そうゆう知識が無いままこの映画を見たらはたして何が残るのかなっていう印象を持ちます。細かな事情を上手くドラマにしているとは思いますが作品としてはどうなのでしょう。パートナーさんに解説しながら見終わって、私自身も一回見ればいいなと思った映画でした。

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二つ目は『シャンボンの背中』2009年のフランス映画で監督はステファヌ・ブリゼ。原題は Mademoiselle Chambon。放送作家の小山薫堂とイラストレーターの安西水丸がカンヌ映画際で選んだと番組で言っていて、タイトルも決めたらしい。確かに“背中”を印象づけるシーンはあるがタイトルにするほどかな?
大工のジャン(ヴァンサン・ランドン)は妻が病気になり代わりに一人息子のジェレミーを迎えに行き担任で代理教師のシャンボン(サンドリーヌ・キベルラン)に出会います。シャンボンはジャンに生徒たちに仕事の話をして欲しいと頼み、ジャンは学校で子どもたちに大工の仕事の話をします。そのときのシャンボンのジャンを見つめる視線がいいです。ジャンはシャンボンの部屋の窓を直し、バイオリンを弾いてもらいCDを借りと次第に心を通わせ合う二人。しかし不倫であることからシャンボンは町を離れることを決めジャンも自分の不用意な言葉でシャンボンを傷つけたことで苛立ったりします。
正直ですこし不器用な大人の恋愛模様を描いた良い映画です。夫の変化に気づいた妻が「戻って来て」と言う言葉も、一緒に町を離れたいというジャンに「出来ない事は言わないで」というシャンボンの言葉も静かにしみてきます。
こうゆう恋愛ドラマはいいですね。演出、台詞ともに大げさでなくて静かに心に届きます。

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三つ目は『マザーウォーター』2010年、松本佳奈監督による映画です。『かもめ食堂』『めがね』『プール』といった企画ものと同一線にある作品で、小林聡美、もたいまさこ、市川実日子、加瀬亮といった俳優さんも重なります。こうゆう企画ものは時にわざとらしさが出てくるものですがどうでしょう。
お話は京都の町。ウイスキーしかないバーの主人セツコ(小林聡美)や珈琲店のタカコ(小泉今日子)、豆腐店のハツミ(市川実日子)、そして銭湯の主オトメ(光石研)といった人たちが静かに交流するだけのお話。みんなが世話をする一歳半のポプラという男の子がいたり、町を歩き回っているおばさん(もたいまさこ)がいたりして人が交じり合ってゆくのですが、それが画面に流れる鴨川と同じようで気持ち良い自然さがあります。台詞にすこし説明的理屈臭さはありますが許容範囲でしょう。桜堤のある河原の風景がおおらかなタッチで撮られていますし、バー、珈琲店、豆腐屋、銭湯(全部水が大切なお仕事ですね)といったお店でのシーンも役者に寄った画面は無く少し引いて撮っているので人のドラマというより場所の空気を描くほうに意識が向いています。それがほんわかした空気を醸しています。あまり理屈を考えずにただ見るようにすると心地よい映画でしょう。

余計なお話)
バーでハツミに水割りを作るシーンがありますが、ヤマノハ(加瀬亮)に作る量とは違いものすごく薄い水割りで見ながらそんな量でいいの?と思っちゃった。水割りはサントリーの山崎、オンザロックの注文には別のボトルを出していたけどあれは何だったのだろう。カウンターのライトの高さを利用して店の奥行き遠近感を出していましたが、もう少し緩やかな感じでも良かったかと。
お豆腐屋さんで、床几を出して店の前で食べるシーンがありお醤油を出していましたが、塩ひとつまみでも食べてみたいなと思ったのは私が豆腐好きだから。豆乳も飲みたいですね。


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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

『最高の人生のはじめ方』

お元気ですか?

当地、先週末から発生した小中学生1000人以上を巻き込むノロウイルス感染事故が昨日からの登校再開で一応の収束をみせています。発生源となったパン工場は毎日通うスポーツジムのすぐ近くで工場に併設された直売場はブラインドが下ろされいつもの賑がありません。工場で働く人たちも寂しい思いをしているでしょうね。

『最高の人生のはじめ方』という映画を見ました。ロブ・ライナー監督による2012年のアメリカ映画。主演はモーガン・フリーマン。ロブ・ライナー監督にはモーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンの友情を描いた『最高の人生の見つけ方』という映画がありますが、今回のモーガンの相手はヴァージニア・マドセンという女優さん。私はあまり知らない女優さんなんですが、『サイドウエイ』というワインのお話の映画に出ていましたね。

『最高の人生のはじめ方』はこんなお話。
西部劇作家として売れたモンテ・ワイルドホーン(モーガン・フリーマン)は妻が亡くなった失意から創作意欲を失い酒浸りの日々を送っている。甥の勧めでベルアイルという避暑地を訪れた彼は隣に住む離婚調停中の女性シャーロット(ヴァージニア・マドセン)、娘たちと親しくなり次第に心を解いてゆく。

いい映画です。大げさなドラマが無く、静かに日々が進んで行く中でそれぞれの登場人物が描かれていて落ち着いた気持ちで見ることの出来る作品です。
妻を亡くし人づきあいを嫌う主人公ですがそこをくどく描いていませんから町の人との関わりのなかで心がほぐれてゆくきっかけをストーリーに読むことができます。隣の家族との交流が柱ですが雑貨屋での会話や近所の男の子との関わりなど主人公が決して殻にこもっているわけでは無いことを示していて物語として自然な感じです。
隣家の好奇心旺盛な次女はモンテに興味を持ち積極的に近づきますが、その会話、距離感がいいです。モンテが三女の誕生日に象のお話をプレゼントしたのを嫉妬しむくれてしまう次女。その次女を理解しかばう長女。姉妹の関係が上手に描かれています。想像力の大切な事を学ぶ次女の姿に心が動かされます。
小さな台詞の一つ一つがきちんと登場人物を描いていてストーリーの中で収まっています。

こうゆう静かな映画を楽しむのもいいものです。

原題は The Magic of Belle Isle 『最高の人生のはじめ方』という邦題は感心しませんが、タイトルって難しいですね。

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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

『パーキー・パットの日々』

お元気ですか?

今日は大寒。陽射しは明るいのですが冷たい風がベランダに干した洗濯物を揺らしています。北海道の紋別では砕氷船による観光が始まったとニュースが伝えています。二三日前には40㎞沖に流氷が来ていました。これからどんどん流氷が南下して知床半島を囲むようになり、紋別と網走の二つの砕氷船観光が楽しめるようになります。

フィリップ・K・ディックの『パーキー・パッドの日々』ディック傑作集①ハヤカワ文庫を読みました。ちょっとSFづいていますね。前回のフレデリック・ブラウンでは脳をかき回されるような感じを経験しましたが、フィリップ・K・ディックの作品では社会性や寓話的要素が強く描かれています。作品の世界を楽しむと同時に一歩現実の世界に戻って考えた時に肌寒い思いをする作品もあります。ではその肌寒い感じ、未来社会への皮肉な失望を体験しディックの作品世界が嫌いになるかというと決してそうゆう事はないのです。それは登場人物がとても普通でバランスがとれているからかも知れません。

本書には処女作である『ウーブ身重く横たわる』や映画『ペイチェック 消された記憶』の原作である『報酬(Paycheck)』、ターミネーターの人間対ロボットの戦争を思い出させる『変種第二号』などが納められ、ディックのアイロニー、機械と人間の対峙、時間や空間の歪みといった特色が良く分かる編集になっています。作品それぞれに関する意見はSF小説の愛好家、ディックのファンの方にお任せするとして、表題にもなっている『パーキー・パッドの日々』を読みながら思った事を少しばかり記しておきましょう。

『パーキー・パッドの日々』では火星人との戦争で敗れた人類が地下シェルターに暮らしています。地上は汚染され、人類はケア・シップと呼ばれる火星人の運搬船から投下される物資で命をつないでいます。カルフォルニアに住む住人の楽しみはパーキー・パッドと呼ばれる女の子の人形を使い模型の町でゲームをすること。回転盤やサイコロを使ってモノポリーのようにして模型の中で物語を進めてゆくのです。在る日、別な地区の住民がパーキー・パッドとは違う人形で遊んでいることを知り、一緒にゲームをしようと訪ねてゆくことになります。

読んでいて真っ先に思い浮かぶのは精神療法の一種である箱庭療法でした。もし私達が自由が制限された世界で暮らすとするならば空想の世界で自由を得る必要があります。しかし私達の想像力には段階がありますからいきなり空想の世界を用意し広げることはできません。限定的な空間(箱庭)を用意し投影する人形や建物、移動するための乗り物などを揃えて空想を進めてゆかなくては何処から始まるのかもわからないままいきなり迷子になってしまいます。人形遊びは子供だけのものではありません。大人だってぬいぐるみを抱いたりミニカーを眺めたりしながら物語を作っています。
『パーキー・パッドの日々』でも、模型の町にあるスーパーや車、部屋の中の模様といった細部にこだわりながら住民は必死になってゲームをしています。それは想像し再現することで自分を確認するためなのかも知れません。
ですから、別な町の住人がパーキー・パッドより精巧な人形でゲームをしているらしいと聞くと、それを知りたくてたまらなくなり出かけて行かざるをえない衝動を持つのですが、いざその人形、成人した女性で結婚していて・・・と想定外の状況に出会うと混乱し戸惑ってしまいます。
物語では別な街に出かけゲームをして戻ってきた家族が元いた街で暮らすことが出来なくなり町を離れるところで終わります。これはどうゆうことでしょうか。私は模型遊びや想像のステージが変わったという簡単なことではなく新たな探求のステージに変わったのだと理解します。
カルフォルニアの住人は他の地の住民を訪ねゲームをしました。お互いシェルターに暮らす住民が同じように模型の町を使ってゲームをする、これは同質の事です。重要なのはそのために自分たちの大切にしている模型の町を持って旅をしたという事、ゲームに負ければ相手にパーキー・パッドを奪われるかもしれないという危険を犯してまでゲームを行ったということでしょう。
これは守られた中での箱庭遊びでは無く、明らかに現状を打ち破って新しいものに出会う冒険です。そして一度冒険をした者は元の箱庭遊びを続けることは出来なくなっているのです。

こうして『パーキー・パッドの日々』を読みながら考えてみると、私達は新しい事に出会う事こそが本性であるような気がしてきます。それはなにもエベレストに登ったりヨットで海を渡ったりという冒険でなくてもよく、新しい料理を試したりスポーツクラブで出たことのないプログラムに参加したりといった普通の日常にある出来事を通じても感じる事ができます。
でも、ちょっと考えてみましょう。料理やスポーツといった個人レベルのことはそれでいいでしょう。でも人類全体として見た時、私達はまだ地球という箱庭に留まっているようです。探査衛星がようやく太陽系を飛び出そうとしているのが現実。まだまだ箱庭の中です。人類レベルではその本性である冒険やチャレンジが広がっているのです。

如何です?火星人との戦争に破れシェルター暮らしをする人類の未来を描いた『パーキー・パッドの日々』ですが、読んでいくと人類の冒険心に気付かされるというお話。そこにフィリップ・K・ディックの救いがあるのかもしれません。



テーマ : SF
ジャンル : 小説・文学

『さあ、気ちがいになりなさい』

お元気ですか?

東北、北海道から寒波による雪のニュースが伝えられています。雪の降ることがほとんど無い当地に居て、函館の両親や北海道の知人の暮らしを心配しますが何が出来るわけでもありません。寒冷地ならではの暮らし、雪を利用した暮らしというのもありますが、そのためには個人では健康で体力があること、行政では経済がしっかりしてインフラ整備が行き届いていることが必要です。地方行政では除雪費用にも苦心するところがあります。この冬の雪の事故の少ない事を願います。


フレデリック・ブラウンの『さあ、気ちがいになりなさい』を再読しました。『銀河パトロール隊』『グレー・レンズマン』と久しぶりにSF小説を読んで“へぇ~これってスターウォーズの原型だったんだ”と驚いたのですが、レンズマンは銀河系を飛び回るスペースオペラもの。その空気をちょっとクールダウンする必要があると思って選んだのが本書です。
星新一による訳がとても良いのですが、はたしてクールダウンの役にたったかと言うと苦笑いしたくなる選択だったかもしれません。なにせ、SF小説という分野ではありますが、ナンセンス文学といって良い短篇集です。しかも編集が凝っていて、『みどりの星へ』『ぶっそうなやつら』『おそるべき坊や』といった素直に読めて落ちを楽しむ作品を読み進めてゆくと『ノック』のようなユーモアのある話を経て、『帽子の手品』という恐怖を感じさせる作品があって、徐々に読者を引きずり込んでいきます。そして『不死鳥への手紙』『沈黙と叫び』『さあ、気ちがいになりなさい』と突進してゆくのですがこのころにはすでにフレデリック・ブラウンの手の中で転がされている感じ。幾重にも重ねられた仕掛けの中で想像力の頭脳比べといった感がします。
ストーリーや登場人物を楽しむというよりも、読者が自分の脳みそをかき回してどんな感覚に陥ってしまうのかを楽しむといった作品です。こうゆう作品は読者が好き嫌いというか合う合わないといった感じをはっきり持つでしょう。
もともとショート・ショートやコントが好きですから楽しめたのですが、それでも途中で読み返してみる事が有るくらいに仕掛けが凝っています。

如何です?あなたもこの本を読んで“気ちがい”になってみませんか?

さあ、気ちがいになりなさい (異色作家短編集)さあ、気ちがいになりなさい (異色作家短編集)
(2005/10/07)
フレドリック・ブラウン

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テーマ : SF
ジャンル : 小説・文学

『メグレと口の固い証人たち』

お元気ですか?

ジョルジュ・シムノンの『メグレと口の固い証人たち』を読みました。昨年から読み始めたシムノンですが、読むほどにその作品の魅力に惹かれていきます。

こんなお話です。
パリで老舗のビスケット会社の主人が自宅で銃殺される。庭に梯子があり窓ガラスが割られ外部から侵入者があったかに見えたが家人は銃声を聞いてなく、朝まで気付かなかったと口を閉じてしまう。この家に何があったのか・・・。

ジョルジュ・シムノンを読み始めたばかりですが、メグレのシリーズは警察官が捜査に走り回ったり、犯人との息詰まるアクションがあるわけでもありません。大抵がメグレが歩きまわる歩調と一緒に物語が展開してゆくといった感じです。犯人探しや事情を推理するための状況を読者はメグレと一緒に目にします。ではそれらを許に犯人を見つけ出せるかというとそうはいきません。読者の推理を寄せ付けないシムノンの仕掛けがあります。
『メグレと口の固い証人たち』では窓に梯子を立てかけた跡や小さな口径の拳銃など証拠と思われるものが並びますが、家人が口を閉じることから内部犯行を想像します。しかし、シムノンは内部犯行を立証する証拠を読者に見せようとはしません。それどころか事件当夜屋敷の近くに停泊していた運搬船を探したり、家を出てアパルトマン暮らしをしている次女の生活に視線を向けたりと読者を連れ回すかのようです。
シムノンは「もちろん彼はこの《捜査方法》という言葉を皮肉にいったのである。というのは、三十年前から彼は捜査方法などないとくり返しつづけてきたからだ。」と言います。長年警察に勤め、スコットランド・ヤードの刑事が彼の捜査方法を学ぼうと来るほど、タクシーの運転手が彼を乗せたことを自慢に思うほどに有名なメグレに《捜査方法》がないと言うのです。ではメグレはどうやって事件を解決するというのでしょう。もちろん幾つかの事実を組み立てて得られる隠された事実、それを想像する力はメグレの技量です。その想像力は人を深く理解する力に裏打ちされています。
今回の『メグレと口の固い証人たち』では家を出て一人暮らしをする次女ヴェロニックとその愛人との関係を知るところにメグレの理解が深く描かれています。そして事件とは直接関係のないそこにこそブルジョアの衣を纏った崩壊しつつある家族の真実を知る手がかりがあるのです。しかし、メグレはその真実に自慢気に足音立てて近づいてゆくわけではありません。逆にすこしづつ寄り添うようにして真実に近づきます。決してパズルのピースをはめるようでもなく、結論に真っ直ぐに近づくのでもありません。あくまで当事者に添うようにして真実を知ってゆくのです。そのためにメグレは苦しみ不機嫌にならざるを得ません。メグレは理不尽な世界に悲しむのです。

ジョルジュ・シムノンのメグレシリーズは確かに司法警察に勤務するメグレ警視が主人公で事件を解決するのですから推理小説なのでしょう。しかしフランス文学の伝統的心理描写を継承しながらパリと近郊に住む人々の姿を描いた優れた文学作品でもあります。11月のパリ、湿ったコートの臭い、夜の如何わしい店の灯りの臭い、没落する家庭の修理の行き届いていない部屋の臭い・・・。『メグレと口の固い証人たち』ではそうした臭いを私は楽しみました。
解説で新保博久氏が「もし面白くなかったら、どうかもう一、二冊読んでもらいたい。それでもダメだったら、数年置いてまた読み返してみるといいだろう。」と書いています。もちろん私もそうするつもりです。それと同時に、大人になってから読みだして良かったと静かに喜んでいるのです。





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ジャンル : 小説・文学

『イーハトーボの劇列車』

お元気ですか?

正月も6日、日常に戻りつつあります。

NHKで井上ひさしの芝居『イーハトーボの劇列車』を観ました。長年観たいと思っていた舞台です。こまつ座のHPを見て公演があるのは知っていたのですが観に行く事が出来なかったので放送を楽しみにしていました。

『イーハトーボの劇列車』は井上ひさしが宮沢賢治を描いた戯曲で1980年に三越劇場で初演。木村光一演出、宮沢賢治を矢崎滋、父親宮沢政次郎と伊藤儀一郎を佐藤慶、母親宮沢イチと稲垣未亡人を中村たつ、妹宮沢とし子と女車掌ネリを白都真里らが演じています。実はこの初演を私は観て強く心に記憶していました。戯曲が良く書けているのはもちろんなのですが、役者が皆素晴らしいのです。宮沢賢治が抱えていたテーマが重大であるにもかかわらず、井上ひさしのユーモアあふれる台詞を役者どうし呼吸よく演じ、芝居が活きて観る者に伝わってきます。感動しました。

子供の頃から童話『注文の多い料理店』や『どんぐりと山猫』などを経て『グスコーブドリの伝記』『風の又三郎』と進んで来た私は宮沢賢治が好きでした。その宮沢賢治を井上ひさしが書いたのですからはなから好感をもっています。汽車と車掌の使い方、父親との確執と上京の事情、賢治の理想とでくのぼう・・・。井上ひさしの賢治への理解に感心します。

そんな感動の記憶を持っていつか再演を観たいと思っていたのが正月4日のNHKの放送で叶ったのです。

さて、NHKでは先にこまつ座の旗揚げ公演(1984年)である作品『頭痛肩こり樋口一葉』の再演を放送していました。栗山民也による新演出ということなのですが、どうもいけません。主演の小泉今日子の一葉の演技が薄く伝わって来ないのです。他の役者さんも合わせて台詞がすべっている感じです。役者が活きていないのです。
そして、今回の『イーハトーボの劇列車』も同様の感じを受けます。こちらの芝居は賢治をはじめとして方言が使われていますからそれだけでも難しい事と思います。しかしそれ以前の問題として役者に台詞が入っていません。結果として井上ひさしの難しい事をユーモラスに描いた舞台が全く活きていないのです。笑える処で笑えませんし考えなければならない内容も胸に響いてきません。残念です。
何回か再演している演目ですが、役者さんの呼吸も合っていなく一人ひとりが喋っているだけ、相手と掛け合いになっていません。演出の失敗、稽古の失敗でしょうか。
今回はテレビを観ただけですから舞台から感じられる空気まではわかりませんが、少なくとも画面から伝わってくるものにはちょっとがっかりです。テレビということでもう一言加えるなら、役者の位置によって音の拾い方にムラも多くあります。これは『頭痛肩こり樋口一葉』でも同じことが言えました。

今回のお芝居、好きな井上ひさしの戯曲ということもありますし、特に『イーハトーボの劇列車』は初演を観ていることもあり思い入れが強いのも事実です。過去とくらべてしまったかもしれませんが、尚更良い芝居を観たいと思うのです。

こまつ座さん、良い芝居を観せてくださいね。


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ジャンル : 学問・文化・芸術

映画事始め

お元気ですか?

新年も3日めが過ぎようとしています。世間で何が起きているのかTVのニュース番組が全くやっていないので、離れ小島か地球を遠く離れた宇宙船の中にいるような感じで過ごす正月。
おせちのような朝食を頂き、昼ごはんを抜いてスポーツジムでエアロビクスに汗を流し、家では映画三昧。

この年末年始に観た映画を記しておくと。

『ねらわれた学園』監督 中村亮介 2012年
昔々、NHKの少年ドラマシリーズというのがあって薄っすら記憶があるのですが・・・という事で。

『推理作家ポー 最期の5日間』監督 ジェームズ・マクティーグ 2012年
去年ケビン・ベーコン主演で『フォロウィング』というテレビドラマを観たけど、ポーを引用するシリアルキラーのお話だった。内容的にイマイチで、続編が放送されても見ないだろうなと思っているが、最近ポーが取り上げられているのにはなにか訳があるのだろうか?ロジャー・コーマン監督の『アッシャー家の惨劇』が印象に残っていて自分の中でポーの確認をしておきたいのだがまだ出来ないでいる。という事で足がかりになればと観た次第。

『チェンジリング』監督 クリント・イーストウッド 2008年
公開当時から観たいと思っていた映画をようやく。1920年代にロサンゼルスで実際にあったゴードン・ノースコット事件とその被害者ウオルター・コリンズ(9歳)の母親が警察により違う子供を押し付けられこれに抗議する母親が警察により精神病院に強制入院させられるという悍ましい事件。こうゆう話を掘り起こす力が映画にはある。

『きみがぼくを見つけた日』監督 ロベルト・シュヴェンケ 2009年
オードリー・ニッフェネガー著 The Time Traveler's Wife を原作とするタイム・トラベラーものの映画。遺伝的特性から自分の意思に関係なくタイムトラベルをしてしまうヘンリーと幼いころにヘンリーに出会って以来彼に恋しているクレアの物語。過去の自分に会って話をするというタイムパラドクスのタブーを犯しているのが興味を引いたが、ハートフルなラブロマンス。未来からの私に出会ってみたいと思うかな?

『エンバー 失われた光の物語』監督 ギル・キーナン 2008年
人類が生存を脅かされ地下都市エンバーに暮らす未来、都市の機能が限界に来ている事から町を脱出しようとする子どもたちの冒険ファンタジー。話に広がりがなく面白いところが無い。アメリカでの興行も失敗し日本も未公開だがしかたないだろう。

『テイカーズ』監督 ジョン・ラッセンホップ 2010年
銀行強盗で優雅な暮らしをしている5人組のところにかつての仲間ゴーストが出所し2000万ドル強奪の話をもちかける。スタイリッシュな犯罪ドラマと期待したが、今一歩足りない。執念をもやし犯人を追う刑事(マット・ディロン)も犯人たちも深みがないし、現金輸送車強奪の手際の悪さは情けない。現金をバッグに詰めなおして徒歩で逃走なんて・・・。

『ブラック・レコード~禁じられた記録~』監督 スティーヴン・ポリアコフ 2009年
第二次世界大戦開戦前夜のイギリス。国会議員の養女アンは男たちが何かを協議している会話のレコードを発見し、それと同時に不可解な死が彼女の周りで起こり始める。
よく出来たポリティカルスリラーで、イギリスのエリート家族の図も不気味さを出している。クリストファー・リーも出演していて嬉しい。

『消されたヘッドライン』監督 ケヴィン・マクドナルド 2009年
WikimediaによるとイギリスBBCのテレビドラマ『ステート・オブ・プレイ〜陰謀の構図〜』のリメイクだそうだが、邦題が良くない。元ドラマ、映画原題のState of Playの方が分かりやすいし意味も深い。
軍事企業の調査をしていた議員スタッフの女性が地下鉄で亡くなった事から取材を始める新聞記者とその友人である議員は次第に国家的陰謀に迫まり・・・。物語のオチはちょと腰砕けで残念だったが所々台詞に光るものがあった。ヘレン・ミレンの押さえた演技に好感。

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』監督 スティーブン・ダルドリー 2011年
トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン出演の映画。9.11で最愛の父を亡くしたオスカーは父の残した花瓶の中から鍵を見つけ父のメッセージが見つかるのではないかとニュヨークの町を訪ね歩く。
衝撃的事件を扱いながら子供を取り巻く様々な人の心を感じる素晴らしい映画。

『マネーボール』監督 ベネット・ミラー 2011年
Wikimediaを引用すると「オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンがセイバーメトリクスを用い経営危機に瀕した球団を再建する姿を描く。」とある。低迷するメジャーリーグを立て直すゼネラル・マネージャーをブラッド・ピットが演じていて良かった。

『アウト・オブ・サイト』監督 スティーブン・ソダーバーグ 1998年
銀行強盗を生業とするジャック・フォーリー(ジョージ・クルーニー)が脱獄したところを連邦捜査官のカレン・シスコ(ジェニファー・ロペス)に見つかり、彼女を拉致して逃走。お互い惹かれ合ってしまったことから微妙な展開に。と大人のコメディーを楽しみたい方にお薦め。


と映画三昧の3日間。でも、明日も土曜日だから後2日も映画かな?

皆さんはどんなお正月をお過ごしでしょうね。

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元旦

明けましてお目出とうございます。

今年は事情があってお正月のお祝いといっても何もしていません。ただただ心のなかで新しい年を無事迎えることの出来た事を喜ぶばかりです。

例年ならパートナーさんの作るおせち料理に向けて買い物をしたり日本酒やワインを揃えたりするのですが、特別な事をしないまま家にある普段の材料で年越しそばを作って夕御飯にし、静かに大晦日を過ごしました。

明けて元旦、それでもあるものでおせち料理風に並べて見ます。



瓢箪の箸置きがありましたから、瓢箪から駒で午年とはいかがでしょう・・・。

お餅を焼いてお雑煮も頂きます。

かくして今年も静かに始まるのです。

世界中の人たちに今年が良い年でありますように。

*****

頂戴した年賀状に感謝したり笑ったりしながら、今日のうちにと神社にお参りします。

夕御飯は何もしていませんから普段通りのパスタを茹で、ワインはシャブリのグランクリュを開けます。(お正月ですからね。ちょっと贅沢です。)2009年のまだ若いワインですが、蜂蜜のような香りを醸しちょうど飲み頃です。

元旦の夜、ワインですこし温まって、さて、今夜はどんな初夢を見ましょうか。





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杣人のNuages

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