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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

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学祭

お元気ですか?

数日前まで当地は日差しとともに汗ばむくらいの日が続いていましたが、3日程前からすっかり秋の様子です。今日も晴れ渡った空をみると遙か上空に飛行機雲が走っていて少しばかり旅の心をくすぐられる思いがするのです。

今日は土曜日。道場の弓仲間は寿会という60歳以上の弓引きが集まって競い合う射会に出かけています。私はまだ参加資格に達していませんので、昨日「頑張ってね」とエールを送って終り。今日は近くの大学で行われている学祭を覗きにパートナーさんと出かけてみました。
国立医大で地域の中核を担う医療機関でもあるのですが、実は大学の弓道部の方たちとはよく地域の射会で会いますから私も応援しています。顧問の先生方ともよく知る仲です。
さて、そんな医大の学祭ってどうゆうものでしょう。

家から歩いていける距離なのでお散歩がてら出かけると、途中にはこんもりした丘に小さな六所神社と芭蕉の句碑を見つけたりします。お散歩は小さな発見が楽しいですね。

テニスコートの横を抜け、コンサート会場になっている体育館を覗きながらテントを張って出店を開いている会場に着きます。お孫さんの学生生活を見に来たのでしょうかお爺さんを連れたご家族連れが体育館に来ています。コンサートは午後からです。
病院棟を抜けて講義棟へ回ると主会場がありスポーツのクラブが模擬店を出しています。学生が焼きそばやたこ焼き、おでんやお汁粉なんかを売っているのは何処の学祭も同じなのでしょうか。正面にはステージが用意されてプログラムによると障害者さんのダンスチームが踊ったり合気道や空手の演武披露があり、お笑い芸人さんも来るようです。私はなぜ学祭に芸人が来るのか全く理解できないのですが。

模擬店を眺めて講義棟に入るとラウンジでは茶道部がお茶席を用意して350円で頂けるようです。バザー会場では障害者施設で作られた商品や集められた小物が売られ、美術部ではいつもは部室に使っている小さなスペースに絵やイラストが数点飾られています。

そろそろ帰ることにしましょう。大学の建っている丘をぐるりと回る形で降りてくると静かな住宅街。穏やかな暮らしが想像されるところです。家を出てから2時間ほどのお散歩でした。

大学は地域社会の中核になる処、特に医大ですから生活に密接なかかわりをもった施設といえます。そうゆう医大で勉強する若い人がどうゆう生活をしているのかは地域住民としては関心を持つことが大切だと思っています。幸い国立の医大としては医師試験の合格率は全国一位なので学業のほうでは充実した環境が整っているのでしょう。弓道部の試合成績も向上していると聞いています。
でも学祭を見る限りでは学生の意識がどうゆう方向に向いているのか判りませんでした。勉強で大変なのはわかります。私も学生の頃は自分の勉強だけで部活などはしませんでした。そんな私が言っても説得力はありませんが、医療の勉強は地域社会、医療政策という視点を抜きに進める事は考えにくいのですからもうすこし学祭の中にそうゆう空気が見えても良いのかと期待していました。大いに残念です。

パートナーさんも私も学生の頃はまだ学生運動の残リ火があり、ペンキで汚く書かれたべニア板が立て掛けられたりしていた時代です。学祭の時には普段に増してそんな風景が目立っていたものでした。写真部の展示などは風景写真やポートレートと一緒に社会を切り取ろうとした作品も多く見られたものです。
大学は学問の場です。特に医大のように専門性に特化した勉強はどうしてもその世界の勉強だけでも大変なものがあります。でも大学の時間はこれから進む社会をどうゆう視点で自分が見ていくのかという自分の立ち位置を見つける時間でもあります。そうゆう心構えで準備をしていかないと社会に出て様々な問題に向き合うときに大きく戸惑い迷うことになります。途中で変わることはあるかもしれませんが、自分の立ち位置をしっかり見つけることがとても大事でそれは相手の立ち位置を理解するという事でもあります。さて、医大の学生たちはこれからどのような経験を積んで大人になってゆくのでしょう。

ではまた。
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テーマ : 日記
ジャンル : 日記

新酒 味見会

お元気ですか?

今日は朝から強い風が吹き寒さも増しています。各地では木枯らしも吹いたようですが皆様の処ではいかがでしたでしょうか。

そんな日に、私たちは当地酒蔵の新酒味見会に出かけてみました。なかなか地域の行事には出られないのですが、今年はパートナーさんがネットで日程と交通機関をチェックしていました。昨年は8000人も訪れたという当地酒蔵のイベントです。どのようなものなのか体験してみるのも良いでしょう。

朝、食事を終えると身支度をしてすぐ出かけます。お酒のイベントですから車は置いて電車に乗ろうと歩いていくと、近くの小学校では運動会が行われていました。市街地から北に延びる唯一の電車に乗ると車内は休日には見られないほどの満員で、よく見るとおつまみ屋やシートを持っている人もいます。皆さん同じ目的のようで気合いも十分。私たちのような初心者ではないようです。目的の駅で降りるとバス乗り場は長蛇の列で酒蔵の法被を着たお兄さんが最後尾に立っています。パートナーさんと二人その最後に着くと、例によってパートナーさんがお兄さんに「何時ぐらいから並んでいるんですか?」と質問。お兄さんは「早い人は8時からバスを待って並んでいますし、会場には昨日から来ている人もいますよ。」とのこと。私たちの感覚とはかなりのずれがあるのでしょうか。
送迎バスが三台ほど行ってようやく私たちもバスに乗ります。10分ほどすると酒蔵のある場所の農協さんの駐車場に到着しそこから歩いて会場へ。

酒蔵は庚申寺というお寺の門前町にあり、第一会場は酒蔵なのですがお客さんの足はまっすぐ庚申寺境内へ誘導されます。
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入り口で係の人からグラスを頂戴して人波に任せて進んでいきますが、境内ではすでにシートを敷いて場所取りをした人たちがそれぞれにおでんや煮物、お稲荷さんや乾きものなどを広げて大宴会の様相です。なるほどこれは昨日からというのも納得です。

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いただいたグラスをもって歩いてゆくとしぼりたての新酒を柄杓ですくってついでくれます。まだ出来立てのおさけですから18度もあるそうで、口のなかで丸くとろっとしています。私たちは味見程度の気持ちですからゆっくり口に含んで楽しみますが、お替りも可能なようです。
お酒のとなりでは仕込み水も飲ませてもらえるのですが、これがまた柔らかい良い水です。そして甘酒も頂戴しましたがやはり美味しいのです。正直なところメインの新酒よりも仕込み水と甘酒の方が私には嬉しかったくらいです。

境内の会場を出て酒蔵会場の様子を見、そのあとお店の様子も拝見しながら帰ります。町中が酒蔵を中心にして新酒が出来たのを楽しんでいる様子。こうゆう町の人の暮らしを知るのは楽しいものです。
初めての当地の酒蔵新酒体験でした。

ではまた。



テーマ : 日記
ジャンル : 日記

『グラーグ57』トム・ロブ・スミス

お元気ですか?

もうすぐ11月を迎えるというのに当地の最高気温は25℃と日中汗ばむくらいの陽気です。先日函館の様子を見てきたばかりですからストーブを焚き始めた母を思うと申し訳ない気になります。

トム・ロブ・スミスの『グラーグ57』を読みました。前作『チャイルド44』の続編となる作品です。

前作の事件から3年、主人公のレオは捜査の過程で部下のワシーリーにより両親を射殺された幼い姉妹を養子に引き取り新設したモスクワ殺人課で働いている。前作で捜査に協力してくれた人民警察署長のネステロフも一緒だ。スターリンが亡くなり時代が変わろうとするなか、フルシチョフによる内部批判の文章が送りつけられ国家保安省で働いていた捜査官が殺されるという事件が連続する。国の体制を揺るがす重大な事態だが犯人の手はレオにも伸び養子のゾーヤが誘拐される。

『チャイルド44』より面白く読めた。前作では国家保安省の秘密警察ぶりが不気味で猜疑心に怯え暮らし密告で身を守る社会が息苦しかった。『グラーグ57』は体制が変わる狭間で生きるもの、それはレオの上官のフロル・パニンであり復讐のため犯罪組織の長になったソフィア教会司祭の妻フラエラであり、国家保安省で働いた過去をもつ捜査官の姿が描かれる。一方、レオと妻ラィーサはゾーヤとエレナを育て家族を築き直そうとする。国家の体制の中で傷だらけになった個人が家族として生きようとする姿を描い物語でもある。タイトルの『グラーグ57』はレオが潜入する収容所の番号だが『収容所群島』を引き合いに出すまでもなく国家そのものが収容所の様相をもっていることを思うと意味深く感じるものがある。後半(下巻)で物語は舞台をブタペストに移しハンガリー動乱も絡めながら深みを増してゆく。1953年のスターリンの死去、フルシチョフのスターリン批判演説、1956年10月から11月にかけてのハンガリー動乱と歴史の流れを抑えながら作品に仕上げたのは作者トム・ロブ・スミスの力だろう。前作『チャイルド44』に増して構想が大きく深みのある作品になっていると思う。

おまけの話)
ハンガリー動乱の場面でソビエト軍の戦車T-34とT-54が出てくる。T-34は子供の頃プラモデルで作ったお気に入りの戦車でとても懐かしい。箱の中には組み立て説明書と一緒に戦車の性能やどうゆう場面で使われたかが書かれていてそうした解説書が歴史への興味をかきたてていたように思う。『チャイルド44』も『グラーグ57』もミステリー作品、エンターテイメント作品ではあるが史実への興味を誘ってくれるところに魅力があるようにも思う。


テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

函館のおまけ

お元気ですか?

私が函館に行っていたときに大雪山では初雪を迎えました。当地に戻ってくると日中の気温は23℃ぐらいで、当地の最低気温14℃が函館の最高気温といった数字です。

今回の函館でおやっと思ったのが、市電の一日乗車券です。函館で路面電車に乗るとき、イカスカードという乗車料金用のカード(1000円、3000円、5000円)を買って使いますが、日に3回以上市電を乗り降りする場合には一日乗車券を600円で買ったほうがお得になります。観光にいらした方は殆どの方がこの一日乗車券を使うのです。
私は函館に行くとその日の行動予定から何回市電に乗るかを考えます。着いた日は2回、すでに持っていたイカスカードを使うことにしていたので一日乗車券は買いませんでした。市電に乗り観光客の方の乗り降りを見ていると見慣れない紙を持っています。最初気づいたのは韓国からの数人の旅行客でしたので、ツアー用に何か新しいものが出来たのかと思いました。旅行会社と市電がタイアップして海外からの旅行客に利用しやすい乗車券を作ったのかと思ったのです。でもそれは違いました。

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左がイカスカードと赤い一日乗車券、右が今回新しくなった一日乗車券です。
御覧のようにイカスカードは金額によりいろいろな図柄がありますから集めてみる楽しみもあります。一日乗車券は赤い手帳のようになっていて中に路線図と簡単な観光マップが付いていました。ホテルやコンビニ、市電の中で購入してその場でボールペンやマジックで利用する日を書き入れます。新しくなった一日乗車券はスクラッチ式になっていて年月日を削るようになっていました。新しい一日乗車券の方が印刷代も安く日にちを書き込む手間もありません。良くなったのだと思います。

実は今回函館に行く飛行機の中で、一日乗車券の発展版として三日乗車券とか出来ないかなと思っていました。私は函館に行くと3~4日はいます。その都度一日乗車券を買うよりまとめて買うことでお安くなったり毎日買う手間を省ければよいと思ったのです。観光客の方にも市電をもっと利用しやすくして滞在日数をのばして貰いたい。そんな思いからです。一日乗車券でもけっこうお得なんですが、そこに留まらず何かを工夫することが今の函館には求められています。その意味では新しい一日乗車券にはエールを送りたいと思います。


函館から帰る飛行機の中、ちょっとしたお土産を頂きました。

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ポケモン絵あわせカードというものです。以前ご紹介したことがありますが、私はトランプを集めるのが好きです。絵柄の違い国による違いも面白いものです。でも買い集めるのではありません。国際線の飛行機に乗ったときにCAさんに言って頂戴するのです。長い飛行機旅の気紛らわしのため用意しているのだと思いますが、私はこのトランプを初めて乗った航空会社なら必ず貰えるかどうか訊ねてみます。以前に乗った航空会社でも少し時間が空いた時に頂戴してみるとデザインが変わっている場合もありますから、そうゆうときはにんまりとしてしまいます。

今回函館に向かう飛行機の中で子供のお土産ように配るおもちゃ(ビニールの飛行機などがありました)と一緒にポケモンカードがあるのを知りました。降りる間際にCAさんが持っていたのを見たのです。これまでも何回となく子供がもらっているのを見ては興味を持っていましたが、今回はカードです。帰りの飛行機の中、うずうずしてきます。「お子さん用です」って断られたらちょっと恥ずかしいとは思いますが、ここは度胸を決めます。ちょうど飴を配りに来ましたので、「子供のお土産用のポケモンカードがありますが、頂けませんか」と訊ねると、CAさんは「在庫があるか見てみます」と言って離れ、しばらくしてから「在りました」と持って来てくれました。ちょっとドキドキしましたが、久しぶりの嬉しいお土産です。見るとトランプではなく絵あわせカードとなっています。まだ封を切ってませんので中のカードを確認は出来ていませんがどんな絵柄なのかどうやって遊ぶものなのか、封を切るまで私のワクワクは続きます。全日空さん有難うございます。

ではまた。

テーマ : 日記
ジャンル : 日記

函館市北方民族資料館

お元気ですか?

函館に行ったら是非訪ねて欲しいところがあります。五稜郭公園の隣にある「函館市北洋資料館」と元町の歴史的建物群から坂を下り電車道路沿いに建つ「函館市北方民族資料館」です。どちらも北海道の人々の暮らしを知る重要な場所で、今回私は「北方民族資料館」を再訪してきました。
少し前に読んだ梨木果歩さんのエッセイに資料館を訪ねたことが書かれていて嬉しく思っていたのと、電車の中吊りで「アイヌ工芸・匠の技」という収蔵資料展をやっていることを知ったからです。「函館市北方民族資料館」にあるアイヌ民族の収蔵資料の数は道内一だそうで以前来た時も衣装や猟をするための道具など興味深いものを多く見ることが出来ました。特に衣装のデザインは力強く私たちに迫るものがあります。そうゆうパワーを展示品を見ることで感じられるのは嬉しい事です。

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今回は収蔵品の中からイクパイス(捧酒箸)やイタ(盆)、マキリ(小刀)やピサック(柄杓)など祭事用品から生活用品まで木彫工芸品が展示されています。展示コーナーの近くには北海道に生えている木が展示されどのような木でどんな道具が作られたかの説明したパンフレットも置かれています。

さて、今回「北方民族資料館」を訪ねたのにはもう一つ理由がありました。前回函館に来たときに函館空港二階売店コーナーにアイヌの文様をモチーフにした小物を売っている処を見つけお店の方とも少し話をして嬉しく思ったからです。北海道の空港に民族文化を紹介しながら物販が出来る場所があるのは良い事です。そして湯の川の電停近くにもシリキクラフトという蝦夷鹿の革や鮭川を使った小物を扱う店が出来ています。アイヌの人たちが使っていた鹿革や鮭の革を現在の技術を使って私たちも使えるものを作るというのはアイヌ民族が暮らした北海道を大切に思う心の表れでもあります。私はこうゆうお店が好きですし応援もしたくなります。そんな思いもあり、改めて「北方民族資料館」に行きなにか応援する方向性を考えることが出来ないかと考えていたのです。

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お店には白老町にあるアイヌミュージアムのパンフレットが置いてありました。

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台湾の原住民族の方との交流会も行われるそうです。これはシンポジュウムを見たかったですが叶わず残念です。

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函館に住むアイヌの人たちの事情をまとめた冊子も頂戴しました。函館のアイヌについてはまたの機会にご紹介したいと思います。

ではまた。




テーマ : 日記
ジャンル : 日記

秋の唐草館

お元気ですか?

連休を利用して函館に行ってきました。今回は家の用事が多く街を楽しむ時間がありませんが、なんとか唐草館のランチに出かけます。予定の時間にうかがうと先客が一組席についています。そして全てのテーブルに予約の札が載せられていました。平日のお昼ですが満席とは嬉しいですね。

席につくとメニューからメイン料理を選びますが、マダムが「後はシェフにお任せしてください。」と言います。お昼ですからグラスワインを白と赤選びます。白は私がフランスの柑橘系の香りをまとったさわやかなもの、パートナーさんはブルゴーニュのアーモンド臭を漂わせる飴色の枯れかかったものです。赤は二人とも同じブルゴーニュの赤。さぁ、始まります。

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前菜はヒラメの昆布しめ、ソースはわさびと梅の二種類が添えられています。

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そしてシェフの新作、白貝とセロリのスープ。こちらはメニューには無く今日私たちがお披露目客ということです。

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かぼちゃのスープはアールグレーが添えられていて通常のかぼちゃのスープがちょっと華やいだ感じになっています。パートナーさんは家でもやってみたいと大喜び。

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メイン料理は私が豚で黒酢を使ったソース。パートナーさんが鶏です。

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デザートは私がオペラとイチジクのタルト、パートナーさんがチーズケーキとアップルパイ、洋ナシのタルト。

唐草館でランチを頂くと私たちはどうしても2時間半ぐらいかかりますが、その間ワクワクのしどうしです。今回の函館でふっと一息ついた貴重な外食の時間でした。



テーマ : 美味しかった♪
ジャンル : グルメ

『黄色い吸血鬼』 戸川昌子

お元気ですか?

戸川昌子さんの『黄色い吸血鬼』を読みました。名前も、シャンソン歌手であることも、作家であることも知っていましたが、本は一冊も読んでいません。都内シャンソンバーを何軒か利用していたときに確か戸川昌子さんのお店も行ってみたいと思った事もあったのですが、結局行かないまま。つまり私には縁のない方だったのです。
前回同様「探偵小説三昧」さんのご紹介で読むことにしたのですが、文章とテーマがうまく重なっていていい感じです。短編12編が収められていますが、どれも幻想的エロティックワールドです。エロティックな内容という入り口で好き嫌いがあるかもしれませんが、『猟人日記』がベストセラーになるというのですから、結構皆さん好きなのでしょうね。私の嗜好について明らかにするつもりはありませんが、中学生の時にマルキ・ド・サドを角川文庫で読んだ時から、エロスと想像の美学には理解をもっていると自負しています。

そんな私が12編の中から好みの作品を挙げるとすると、一位は『緋の堕胎』、二位と三位がほぼ同じで『疑惑のしるし』と『ウルフなんか怖くない』、そして『誘惑者』と『黄色い吸血鬼』となります。他の作品も役者志望の青年がマッドサイエンティストにとらわれて人魚とのセックスを強要される『人魚姦図』、犬の毛皮をかぶって女性を襲う『変身』、猫を愛するあまりスープにする女性画家の『猫パーティ』など様々な嗜好が作品に描かれていますが、私は動物が好きではないので物語に動物がからむとそれだけで点数が下がります。

一位に選んだ『緋の堕胎』は中絶を専門にする医者とそれを嫌い新興宗教に走る妻そして医者の助手の話です。おどろおどろしく湿った空気が描かれています。『疑惑のしるし』は秘密クラブと近親相姦をうまく絡めて、落ちが不気味。『ウルフなんか怖くない』は家出した小人症の妻の真意を知りたくて出し物小屋を訪ねる夫の話。『誘惑者』は正統派吸血鬼物語で落ちもわかるが吸血鬼ものをしっかりと描いていて良い。『黄色い吸血鬼』は営利目的の血液バンクをベースにした話。

さて、こうゆうエロティック作品を読むとき道徳とか社会規範を纏っていると作品を味わうことが出来ない。自分の中の社会性を一旦捨てて作品の世界を楽しむか、楽しまないまでもニュートラルな感性で向き合わなければならない。そこが読み手の想像力や芸術的感性が必要とされる所以だ。読みながらこれは反社会的だとか倫理に悖るとか言っても始まらないのである。
マルキ・ド・サドを読む人間がサディスティックな犯罪者ではないし、中学生で読んだ私が愛好者になった訳でもない。フランス文学史の一辺として関心を持ったし、その後様々な本を読むうえで役にたったのは事実だが、なにより言葉で作る文章、物語の世界を想像するという極めて知的で主体的作業により自分の感性を刺激するのだ。取り巻く全ての環境から自身を解き、想像の力を働かせたとき見えてくるのは自分の中にある姿だ。読書を通じて自分の中にある本質の部分を知り育てる事こそが醍醐味と言えるだろう。
私の場合はマルキ・ド・サドを読みながらウィスキーボンボンの味比べに目覚めた程度の話なのだが。



テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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