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杣人・somabito

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『バッドラック・ムーン』 マイクル・コナリー

お元気ですか?

マイクル・コナリーの『バッドラック・ムーン』を読みました。原作はVOID MOON となっていてVOIDは欠落したとか空虚なといった意味なので訳本のタイトルとは少し意味が違っています。

こんなお話です。
仮釈放中の泥棒キャシーはある事情からまとまったお金が必要になり、仕事仲間で恋人だったマックスの兄レオに相談する。レオが紹介してきた話はクジラと呼ばれるカジノの上客からギャンブルで稼いだ金を奪うことだった。しかし、ホテルの客室に忍び込み首尾よく奪ったはずの金はマフィアに絡む金でキャシーは窮地に立たされてしまう。キャシーが奪った金を取り返すよう指示を受けたのは裏の顔を持つ私立探偵カーチで、キャシーとも因縁のある男だった。

ハリー・ボッシュシリーズを軸にマイクル・コナリーを読むということなのですが、『ザ・ポエット』や『わが心臓の痛み』のようにボッシュシリーズとは少し離れた作品があってこの『バッドラック・ムーン』もその一つです。派生的に生じたという意味ではスピンオフ作品といえますが、マイクル・コナリーの中では『ザ・ポエット』の記者マカヴォイ、『わが心臓の痛み』の元FBI捜査官マッケイレブもボッシュの世界と交差して一つのコナリーワールドを作っているようです。

さて、今回の新しい女性の主人公キャシーはこれまで男性の主人公ばかりでしたのでコナリーの新境地開拓かと思われます。それはそれで読者には嬉しいことなのですが、私には正直なところ物語があまりにも普通です。ラストシーンのキャシーとカーチの戦いはもうすっかり読む前から分かっています。私でも分かるのですからミステリー好きの読者の方には当然でしょう。とすると何故マイクル・コナリーはそうゆう物語を書いたのかという謎が残ります。
本書の解説を書いている木村仁良氏は次のように書いています。「ボッシュものは12作目まで書く予定らしい。コナリーによると、ボッシュものを書くということがだんだん難しくなってきたという。ボッシュについてはほとんどのことを書いてしまって、書き残した新鮮な面が少なくなっているからだ。」
木村氏がこう書いたのは2001年ですから現在私たちはボッシュシリーズが12作どころかその倍もシリーズが続いていることを知っています。しかしこの時期コナリーは作品造りに苦しんでいたのかもしれません。気分転換のためにキャシーを書いたのでしょうか。コナリーがどんな作家作業をするのかしりませんが、筆力が落ちた時にエンジンの調子をみるような感じで流し運転のように本書を書いたのかもしれません。
だとすると、マイクル・コナリーがどのような切っ掛けで書き続ける事が出来たのか、その転機となるような作品は何なのかという興味が湧いてきます。『バッドラック・ムーン』は私にはそんな作品でした。

ではまた。

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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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