プロフィール

杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
リンク
ブログランキング

FC2ブログランキング

人気のあれこれ!
月別アーカイブ
最近のトラックバック

『屍鬼』四巻目

お元気ですか?

朝、大雨洪水警戒警報が出ていた当地ですが朝食を頂いている頃には警報も解除され現在は雲の下で蝉の鳴き声がこだまして蒸し暑さに拍車をかけています。

小野不由美さんの『屍鬼』四巻目を読み終わりました。外場村に蔓延する死は一方で吸血鬼である屍鬼が大胆に行動することを意味します。病院を開き、葬儀社を営み組織的に死者を仲間として引き入れます。さらには役場を乗っ取り死亡者の記録を改ざんして実態を隠す工作もしています。
医者の尾崎は屍鬼に襲われた妻恭子を人から隠し死亡した後に“起き上がり”として蘇った体を検査し屍鬼の実像を探りますが、そこで得たことを村人に知らせるのを躊躇します。僧侶の室井は尾崎が自分の妻を実験に使い起き上がらせた後に杭で殺すのを知り、殺人だと言って非難します。ここには自分の生命を守るためにはどこまでが許される行為なのかという問があります。屍鬼が命をもった生き物なのかどうか、その屍鬼に襲われるのを防ぐために屍鬼を殺すのは正当なのかどうか?屍鬼を排除しようとする尾崎は屍鬼と戦うことを忌避し無作為でいようとする室井を偽善者だと非難します。室井の無作為は自身のなかにある死と生との境界線の曖昧さによるところに起因しています。

一方屍鬼の活動が活発になるに連れて描かれる部分も多くなってきます。人を襲わなければならない姿になってしまったことに苦しむもの、屍鬼の組織の中で上手く立ち回ろうとするもの、人を襲う特権を得たと思うもの。その姿は人間として生きていた頃とそう変わるものではありません。屍鬼の頭領沙子とその下部辰巳への服従と制裁は屍鬼であり続けるためには逃れられないものです。そこに屍鬼のジレンマと限界をみます。

さて、『屍鬼』四巻目を読みながら私の中に引っかかっていたのは、屍鬼は生きていると言えるのかという事。屍鬼はもともとは人間から変異したもので、人間の血を吸うことで自分の生を維持します。私達が家畜や魚、野菜など命あるものをいただいて生きているのと同じように見えますが、実は根本のところで違っています。人間はもちろん生き物は種をつなぐ活動がなければなりませんが、屍鬼にはそれがありません。そのため私には医者尾崎の苦悩も僧侶室井の無作為もあまり重要には感じられません。
それよりも、外場村の人たちが屍鬼の存在に気づきながら認めようとしない事に関心をもちます。人は自分の想像を超える事故や事件に合うとそれを認めようとしなかったり記憶から排除しようとします。事実とする証拠を目の当たりにしても証拠のほうが間違いだとして思考を止めてしまいます。人は自分に都合の良いように物事を解釈しがちですが、そこに隙が生まれ災いが入り込む余地が生まれます。そしてそのうちに事態は進んで抜き差しならない状態になります。

屍鬼は室井の寺や尾崎の病院をもターゲットにして襲い始めました。最終五巻目に読み進みましょう。

屍鬼〈4〉 (新潮文庫)屍鬼〈4〉 (新潮文庫)
(2002/02/28)
小野 不由美

商品詳細を見る

スポンサーサイト

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

コメント

Secret

杣人のNuages

ブログ内検索
 RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ホテル探しに!
クリックをお願いします!
Google