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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

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『仕立て屋の恋』

お元気ですか?

日中の日差しをさけ、夕方暑さに疲れた体をプールに運ぶ。のんびりと泳いだ後は歩くプールに移って筋トレやストレッチを時間をかけて行います。泳いで火照った体をクールダウンしているつもがついつい真剣にやってしまい体はなかなか冷めません。


長年心に留めておいたディック・フランシスを今年の6月で全作品読み終えた。その少し前から次は何を読もうかと私の頭の中に浮かび上がってくるものがあった。もちろん興味をもったものはその都度読むのだが、それとは別に読みたいと思いながらも手を出さなかった作家がいる。ジョルジュ・シムノン。どうしてこれまで彼を読まなかったのか確たる理由はない。きっかけを持たなかったと云えばそうなのだが、フランス語を勉強し始めた時にもジョルジュ・シムノンは近づかないようにしていた。
それがディック・フランシスを読み終わるとなるともう避けて通る訳にはいかない、ようやく機が熟したという思いが私の中に感じられてきた。思いがけず出会い深い喜びを得る本もあるが、今回のように長い時間をかけて静かに近づいてくる本もある。シムノンは後者なのだろう。

読むと決まるとサイトを巡りどうゆう作品があるのかを下調べする。ウィキペディアもあるしファンの方が書いているサイトを見ても良い。Amazonやe-Book Off を見て購入可能な本を知るのも今は簡単にできる。
ジョルジュ・シムノンと云えばメグレシリーズが良く知られている。私もメグレを楽しもうと思っているが、今回ジョルジュ・シムノン最初の一冊に私が選んだのは『仕立て屋の恋』。パトリス・ルコント監督により1989年に映画化され日本でもその心理描写などから話題になった。実はこの映画の公開によって翻訳本が出されることになったのだそうだ。原題は Les Fiancailles de M.Hire (イール氏の婚約)であって『仕立て屋の恋』は映画のタイトルを受けたものだという。 

物語はユダヤ人街を抜けパリ市内に向かうフォンテーヌブロー街道の一画、賑やかな町と畑が広がる郊外の接するあたりの街が舞台。近所付き合いも無い一人暮らしのイール氏を警察が張り込み監視している。二週間前に近くの空き地で娼婦が惨殺されイール氏が容疑者とされているのだ。
警察と尾行によって次第に明らかになるイール氏の生活と過去。そのイール氏は部屋の窓から見える向かいの女性が気になっている。

短い文を繋ぎ合わせるように綴られ坦々をしたリズムを生んでいる。石畳の歩道をこつこつと歩くように文章が雰囲気を形作っている。映画のカメラが場面を切り替えるように短い文を重ねながら視点を変えてゆく情景描写は読者に緊張を生んでいる。路面電車やバスといった乗り物も効果的である。
何故イール氏は人付き合いも無く暮らしているのか、何故警察は彼を容疑者とみているのか、イール氏が恋心を持つ若いアリスは・・・。
読んでいてこの作品は不条理劇なのかと思う。恋は不条理である。街も不条理であり、戦争も不条理である。

『仕立て屋の恋』が書かれたのは1933年。第一次世界対戦によりヨーロッパ全土が疲弊したなか、ヒットラーがドイツの首相に就任しナチス党が勢力を盛り上げてきている。そうゆう時代を踏まえて読まなければ『仕立て屋の恋』は大切な事を見過ごしてしまう。イール氏が自ら潔白を伝えようと警察に行き調書を取られるシーンは悲しい。

短い作品だから何回か読み返しながら街の風景や人々の足音を楽しむと良い本だ。私は地図を開いて街やオリンピックスタジアムを探してみよう。





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テーマ : 文学・小説
ジャンル : 小説・文学

コメント

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杣人さん
お暑うございます。長のご無沙汰失礼致しております。
プールでの運動もですが、弓も続けて居られるのでしょ。
杣人さんの読書量には感心しますよ。
私は毎日数ページしか、読めず怠惰になっています。
人様から送って頂いたのも、なかなか読む終えず、相手に失礼をしております。
暑さきびしきこの夏 どうぞご自愛の日々をお送り下さい。

残暑お見舞い申し上げます

相子様、こちらこそ失礼しております。
残暑という言葉が似合わない毎日ですが、夕方には虫の鳴く声が聞こえております。
生き物は正直なのでしょうね。
相子様のブログを本にするお話を拝見し、ご活躍の様子に感心しております。
お孫さんの縄跳びの活躍も相子さまの心踊らせていることでしょうね。
皆様お体大事にお過ごしください。

有難うございました。

杣人のNuages

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