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杣人・somabito

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『モンマルトルのメグレ』

お元気ですか?

今日、『夫婦善哉』を読了しました。といってもパソコンで読むことの出来る「青空文庫」なのですが、本屋さんに出かけたりAmazonで取り寄せたりすること無く、手軽に読むことが出来ます。長編を読むとなるとちょっとどうかなと思いますが短編ならば手軽さのほうに軍配があがります。
ところが、ふと思いついて志賀直哉の文章を読みたいと思い「青空文庫」を探してみるのですが見つけることができません。実は志賀直哉が亡くなったのは1971年(昭和46年)10月21日、亡くなってまだ50年が経っていません。著作権が生きているのです。本の神様が「横着しないでちゃんと頁を繰りなさい」と教えてくれたのでしょう。


ジョルジュ・シムノンの『モンマルトルのメグレ』Maigret au "Picratt's"を読了した。1950年の作品である。

こんなお話。酔っ払って警察に来た踊り子アルレットは何者かが伯爵夫人を殺す話をしていたと訴えて帰ったが、その彼女が自室で絞殺された。そして伯爵夫人も。事件の背景に何があり犯人は誰なのか・・・。警察の捜査は次第に彼女たちの過去を明らかにし犯人像にせまる。

歴史にはタイミングというのがある。個人の歴史においてもそうで、いつ誰と出会うのか、いつどんな本と出会うのかをその人の歴史の中で解いてゆくと“あぁなるほど”と納得するような事象に気が付かされる事が多い。少なくとも私の場合はそうであった。
『モンマルトルのメグレ』を読みながら、なるほど、メグレは大人が楽しむ小説なんだと納得した。中学生が読んでもシムノンが書いたこの空気は分かりにくいだろう。シャーロック・ホームズを読みながらロンドンの濡れた歩道や阿片窟を想像することは出来る。エラリー・クイーンを読みながら謎解きを追いかける事はできる。しかし薄汚れたネオンの下でひと目を憚るように営業する如何わしいキャバレーで男女が紡ぐ物語を息を詰めるような思いで読むのは中学生にはまだ早い。大人だから分かる話というのもあるのだ。

今回の舞台はモンマルトル。パリ18区の小高い丘に白くそびえるサクレクール寺院で有名な観光地である。古くからぶどう畑が広がり修道院が作るワインを売る飲み屋街を擁したことから、猥雑な空気もモンマルトルの性格となっている。ご存知ムーランルージュがある所と云えば分かり易いであろうか。
原題にある Picratt's というのは踊り子アルレットがショーに立ち客に酒をすすめる店の名であるが、Picrate というのは安物の赤ワインという意味もある。

犯人を探したりトリックを想像したりという作品ではない。悲しい大人の男女の姿を読む作品だ。読後感も一人胸に仕舞うのがふさわしいだろう。


Maigret au Picratts
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テーマ : 文学・小説
ジャンル : 小説・文学

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