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杣人・somabito

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『メグレ警視』

お元気ですか?

今日は穏やかな秋の日です。少し汗ばむくらいですが過ごしやすいですね。

ジョルジュ・シムノンの『メグレ警視』を読み終わりました。先日の「寄り道」という記事で"Les Nouvelles Enquetes de Maigret"(1944年, 短編集)"から6編、他に"L'homme dans la rue" (街中の男)を加えた内容だということを書きましたが、読み終わると集英社版もよく考えられた短篇集であることが分かります。

内容は以下の7編で、どれも情痴事件です。

月曜日の男 Monsieur Lundi
街中の男 L'homme dans la rue
首吊り船 La Péniche aux deux pendus
蝋のしずく Les Larmes de bougie
メグレと溺死人の宿 L'Auberge aux noyés
ホテル<北極星> L'Etoile du nord
メグレとグラン・カフェの常連 Ceux du Grand Café

「月曜日の男」は町医者の家に住み込みで働く若い小間使いの女の死の謎を解いていくお話。街の人の善意で生活している浮浪者(月曜日の男)が事件の鍵を握ります。メグレの調査とともに街の暮らしが静かに描かれています。
「街中の男」はブーローニュの森で殺されたウィーンからの医者をめぐるお話。犯人と思われた男を尾行するメグレの目線を読者が共有することで緊迫感が増していきます。そして結末は・・・。
「首吊り船」はセーヌ川上流の曳舟で起った首吊り死体をめぐる事件。セーヌ川は今も昔も物資輸送や人々の移動、そして生活する家としての船が浮かぶ川です。自ら操船して旅をしたシムノンらしい小技の利いた作品です。
「蝋のしずく」は姉妹と男をめぐる悲しい話。
「メグレと溺死人の宿」はロワン川の岸辺と雨の風景、トラックのライトがまるでフィルム・ノワールの詩情を思わせる作品。
「ホテル<北極星>」は場末の安宿を舞台にした復讐劇。退職まで二日、メグレが出会った素性を隠し続ける若い女とメグレの駆け引きに引きこまれていると思わぬところで謎が解けていきます。メグレの掌に感心しほろっとします。
「メグレとグラン・カフェの常連」は退職したメグレが移り住んだムン・シュール・ロワールという街でのお話。メグレのトランプ仲間である肉屋が拳銃で撃たれて見つかり、町の人や警察の思いをよそにメグレは一切関わろうとせず口を閉ざしています。果たしてメグレは何を知っているのか・・・。

いかがです、読みたくなってきませんか?
7作品全て男女の情痴犯罪で横恋慕だったり慚愧だったりとさもありなんといった話です。しかしメグレの目は事件を見通し犯人や被害者(殺された者とは限りません)の気持ちを受け止めています。そのメグレが引き受ける事件の真相にあるものを読者が知った時に「よくやったねメグレ」と言ってしまうのです。メグレは決して聖人ではありせん。ムスッとしたり、イライラしたりしながらちょっと反省し自分を慰めもします。そうしながら犯人に寄り添ってゆくのです。事件の背景にあるものとそれを見抜き犯人に添って立つメグレに読者は心のドラマを見ます。
「メグレに一対一の真剣勝負を教えてくれたのはこの男である。」と結ぶ「街中の男」では事件の事を周りから聞かれると「今度のってどの捜査だ?」と、質問者をがっかりさせます。
「ホテル<北極星>」では二日間対峙した若い女を最後にはタクシーに乗せ「ええい、早く逃げるんだ!この間抜けめが!」と女を逃します。そうやって事件を自分の中に引き受けるメグレの姿にほっとした思いをし、事件と救いの帳尻を合わせるのです。


さて、例によって作品の中には具体的な地名が出てきます。パリの様子でも田舎町でもそれは虚構のリアリティとでも言って良いでしょう。実際の土地の様子を描きながらどこか別の街の出来事のように感じさせます。現実世界の事件というより異次元のメグレの世界の事件といった感じを醸しているように感じます。
その世界を地図で覗いてみると。

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メグレが退職後夫人と移り住んだムン・シュール・ロワールという田舎は、「メグレとグラン・カフェの常連」によると“ロワール県の中央部、オルレアン市から数キロのところで、メグレの住む家からはロワール川が見渡せ”ます。地図で探してみましょう。

オルレアンはジャンヌ・ダルクで有名なところですから日本人の観光客も多く訪れることでしょう。パリから列車で1時間ほどの所にある歴史的にも重要な都市です。その南西に十数キロ行った所にあるのがムン・シュール・ロワールです。観光でオルレアンを訪ねた折には、ムン・シュール・ロワールに足を伸ばしロワール川を眺めながら白ワインで魚料理でも頂いてはいかがでしょうか。きっとメグレの気分になれると思うのですが・・・。



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