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杣人・somabito

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高城高を函館で読む

お元気ですか?

今、函館に来ています。これまでも何回か帰省しているのですが、あまのじゃくな私は日本人の大移動であるお盆と年末年始を見事に外していて、今回も初秋の函館。夏のハイシーズンでも雪の北海道でもないどんな季節なの?って思ってしまいそうな季節です。
・・・ところが、セントレアから乗った飛行機は個人の旅行客で満席です。見ると女性同士の二三人の旅行であったり老夫婦の旅行であったりのようで、パッケージツアーのお客さんは見当たりません。飛行機がツアー用には不向きな時間帯ということもあるのですが、秋の北海道は旅慣れたリピーターには魅力がいっぱいなのでしょう。

その函館への旅に私が持って来た本は高城高氏の『暗い海 深い霧』東京創元社 高城高全集3 です。私のブログにお付き合い頂いている方にはもう既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、作者の高城高(こうじょうこう)氏は函館出身で、東北大学文学部に在学中「X橋附近」という作品で『宝石』の懸賞に応募し1位を受賞し江戸川乱歩に絶賛されたという経歴の持ち主。日本のハードボイルド小説の嚆矢とされる方なのだそうです。特別なミステリーファンでもハードボイルドファンでもない私がこれ以上書くと、知ったかぶりになってしまいますのでよしますが、80歳になろうとしている現在も非常に品格のある文章で私を魅了し、故郷である函館出身の作家であることに私は一人で自慢気な顔をしているのです。

さて、今回の高城高氏の本を持って来たのは理由があって、一つはジョルジュ・シムノンの在庫が少なくなっているので高城氏のを読んでいたから。それとこの高城高全集3は昭和34年から35年までの13編が納められていていずれもが釧路や網走といった道東を舞台にした作品であること。もうすぐ読み終わるので函館で読み終えればちょっと粋かな?なんて計算を立てての事だったです。


「暗い海 深い霧」
「ノサップ灯台」
「微かなる弔鐘」
「ある長篇への伏線」
「雪原を突っ走れ」
「アイ・スクリーム」
「死体が消える」
「暗い蛇行」
「アリバイ時計」
「汚い波紋」
「海坊主作戦」
「追いつめられて」
「冷たい部屋」

という13編は戦後米ロの冷戦が始まる中、北海道という最もロシアに近い土地で繰り広げられるスパイ戦の話であったり、近代化の中でアイヌ民族の立場に思いを寄せた作品であったりと、時代と問題意識をしっかりと描いている作品ばかりです。この作品に流れている空気の質感は単に舞台を道東にしたというレベルではなく、高城氏が北海道新聞社の記者として赴任し土地の人と生活をしたからこそ描けるものだと感じます。
大きな社会的事件があるわけもない道東の街。オホーツクの海で働く漁船員の喧嘩沙汰やそんな男達を慰める夜の街の裏表。羽振りの良い企業のゴシップや融資に絡むあれこれ・・・。高城氏の創造の作品ですが氏が歩きまわって取材をしてきた事を想像しながら読むと、一層にリアリティーが増します。

出来ることなら、函館図書館主催による高城氏の講演会でもあればお話を聞いてみたいと切に願っているのですが・・・。
時間があれば、図書館に出かけてそんなお願いをしてみようかと思います。



高城高全集〈3〉暗い海 深い霧 (創元推理文庫)高城高全集〈3〉暗い海 深い霧 (創元推理文庫)
(2008/08)
高城 高

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