プロフィール

杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
リンク
ブログランキング

FC2ブログランキング

人気のあれこれ!
月別アーカイブ
最近のトラックバック

『ベン・ハー』

お元気ですか?

当地の天気予報にも雪マークが見られるようになってきました。とはいっても雪が降るのは山奥の方、私達が住んでいる処では一年を通じて3~4日それも粉雪が舞う程度にしか雪が降ることはありません。そこで冬になると私は金沢など雪のある処に出かけ冬の味覚を楽しみたくなります。寒ブリや松葉ガニ、かぶら寿しを楽しみながら温泉に入る・・・。そんな冬が楽しみです。


ルー・ウォーレスの『ベン・ハー』を読みました。古書整理をしていて出てきたのを手元に残しておいたのです。『ベン・ハー』と云えばチャールトン・ヘストンが演じた映画が印象的ですが、私の『ベン・ハー』との出会いは少年少女世界文学全集の中に入っていた一冊です。ただ、白い箱に入った本だったのですがどこの出版社だったのかが分かりません。先日からネットでも探し、全集の中に納められていた他の作品も思い出しながらの探索が続いています。
それにしても小学生の頃に読んだ本が未だに記憶を揺さぶるのですから読書の力というのは大きいものです。子供向けの本でワクワクしいつかはきちんと作品を読んでみたいと思い続けていたのがようやく実現したのですから気の長い話です。今回読んだのは新潮文庫の白石佑光さんという方の訳。300頁を超える堂々たるものですが、あとがきに拠ると「バンタム版の省略本を底本にした自由訳」と書かれています。完全訳の本もあるようですがどう違うのでしょう。

実は今回読んだ文庫本はパートナーさんの本で奥付から大学生の頃に読んだ事が分かります。映画もこの頃に見たそうですがパートナーさんはローマの剣闘士なども好きで最近の映画などもよく見ています。『ベン・ハー』の影響が大きいのでしょう。

さて、ストーリーはエルサレムに住む豪商の息子ユダが赴任してきたローマ人の総督ヴァレリウス・グラトスを見ようと屋根から身を乗り出し崩れ落ちた瓦が総督にあたったことで犯罪者として捕らえられことから動き出します。友人だったローマ人のメッサラはユダの母親と妹を牢獄へ監禁し家財産を奪い、ユダもガレー船の漕ぎてにさせられてしまいます。とユダ=ベン・ハーの復讐劇が始まります。
ベン・ハーの復讐はメッサラとの戦車競技という山場で描かれます。同時にユダヤ対ローマという対峙が描かれ、「ユダヤの王」キリストがベン・ハーの興味の対象になってきます。ユダヤ人を圧政のもとに置くローマ人に対して開放を願いそれを導く「ユダヤの王」の存在。しかし、現実の政治を行う王と魂の国の王であるキリストの存在にベン・ハーは理解が及ばず苦悩します。
物語では、キリスト誕生に立ち会った三賢人の一人エジブト人のバルタザールが登場し、彼が説く魂の王国の話はキリストが単にユダヤ人だけを救うのでは無く、世界の民の救世主であることをベン・ハーに伝えます。そして十字架にかかるキリストの前でベン・ハーは神の国での新しい命を悟るのでした。

読んでいてなるほど、こうゆう本を通じてキリストを知るというは良いものだと思います。物語の力というのは大切です。

さて、『ベン・ハー』を読んでいて気になる事がありましたので、ちょっと整理してみましょう。

まずベン・ハーが新任のユダヤ総督ヴァレシウス・グラトスに屋根瓦を落とし囚われてしまったのは、ベン・ハーの家があったエルサレムでの事です。捕らえられたベン・ハーはローマに送られますが、途中ナザレの村で21歳のキリストに出会い水を飲ませてもらいます。ナザレはエルサレムの北100㎞ほどの処にあります。
ローマに送られたベン・ハーは罪人としてガレー船の漕手になりクイントス・アリウス提督の船アストライア号に乗りますがこの船が停泊していたのが軍港であったナポリ。物語の最後にベン・ハーが別荘を構えるのが「ナポリ湾を見おろすミセヌムの別荘」と出てくるのですが、ガレー船に乗せられアリウス提督と出会った運命の場所としてベン・ハーが選んだのでしょう。ナポリ湾の南西に突き出した岬にミセヌムはあります。
ベン・ハーの乗った船はイオニア海を南下しキュテラ島を周りキクラデス群島ヘ向かいます。ナクソス島のあるあたりで海賊と戦い沈没して提督を救った事から養子となるのです。海戦が終わりローマの船団はミセヌムに帰港します。
養子となったベン・ハーは4年後シリアに来てハー家で父親の下仕事をしていたシモニデスを訪ねます。シモニデスはハー家の財産を守り豪商となり「アンテオケのシモニデス」と呼ばれていますが、残念な事にアンテオケの場所が分かりません。しかし、文中オロンテス川というのが出てきますのでそれを元に推察するとちょうどハマーという町の北西20㎞ほどの処にマハラダという発電所ダムがありここからハマーに流れる川がオロンテス川であることがわかりました。ハマーは紀元前から続く都市でオロンテス川による肥沃な土地のため農作物も豊かな処です。豪商の拠点としてふさわしい処でしょう。
そして、ベン・ハーはこのアンテオケの町で賢人バルタザールやイルデリム族長と出会いながら宿敵メッサラと戦車競技で対決し復讐を果たすのです。

『ベン・ハー』を読みながらエルサレムやシリアといった馴染みの薄い土地をGoogleマップで探してみます。イタリアもナポリの近くヴェスビオ山やソレントはお馴染みですが、ミセヌムは全く気に留めない場所でした。便利な地図のお陰で読書が楽しくなります。ナポリに行ったらミセヌムを訪ねてみたいと思います。

「ねぇ、戦車競走のところ読んだのなら気がついた?」とパートナーさんが言います。
「映画だと車輪を壊すのはメッサラだけど、本ではベン・ハーがメッサラの車輪を壊すんだよ。」と。
まだそこまで読んでいなかったので「あっそう。」とつれない返事をしていまった私。
パートナーさんはちょっと拍子抜けして面白くありません。でも、大学生の頃に読んで映画との違いに気が付きそれをずーっと記憶していたんですね。感心します。
ベン・ハーが乗ったのはギリシャ型戦車で重心が低く頑丈な造り、反してメッサラが乗ったのはローマ型戦車で綺羅びやかな装飾も施されたものなのだそうです。

小学生の頃に子供向けの本で読んだ『ベン・ハー』ですが、その楽しさが大人になった今も文庫本を読みながら味わえる。寒い冬ですがそんな読書の魅力に浸っています。


ben hur
スポンサーサイト

テーマ : 文学・小説
ジャンル : 小説・文学

コメント

Secret

杣人のNuages

ブログ内検索
 RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ホテル探しに!
クリックをお願いします!
Google