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杣人・somabito

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忠臣蔵三昧

お元気ですか?

先日東京に出た折に国立劇場を横目に帰ってきたのだが、師走のこの時期『忠臣蔵』がかかっているのに違いないと思い帰宅してそうそうネットで調べると、はたして「知られざる忠臣蔵」と題して『主税と右衛門七(ちからとえもしち)』『弥作の鎌腹(やさくのかまばら)』『忠臣蔵形容画合(ちゅうしんぐらすがたのえあわせ)』という普段馴染みのない演目がかかっている。国立劇場のいいところは、歌舞伎座や明治座と違いこうゆう人知れぬ演目を丁寧に紹介してくれるところにもある。

納戸から『仮名手本忠臣蔵』を引っ張りだして読んでいたこともあり、歌舞伎を見られない地方都市の悔しさもありテレビの番組表を睨みつけていたら、NHKとWOWOWで忠臣蔵を放送するという。これ幸いと録画してあれもこれも見てやろうと意を決した。

NHKは1958年の『忠臣蔵』を2週に分けて放送した。渡辺邦男監督・脚本による大映作品で長谷川一夫(大石内蔵助)、滝沢修(吉良上野介)、市川雷蔵(浅野内匠頭)他、鶴田浩二、勝新太郎、京マチ子、山本富士子といった名前に馴染みのある役者も大勢出ている。もっとも大石内蔵助や吉良上野介といった主役級の他に大勢の役者が必要な忠臣蔵だからオールスターキャストといった陣容になる。「大入り間違いなし」と言われる忠臣蔵ではあるが、制作には金もかかるし調整も大変だろうと妙な感心をしながら見た。

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実は映画では忠臣蔵をあまり見ていない。最近では古田求の『忠臣蔵外伝 四谷怪談』が記憶にあるくらいだ。歌舞伎では馴染みだが『仮名手本忠臣蔵』と『忠臣蔵』は別物であるし何をどう描いているのか全体を知るにはいい機会と楽しみにした。

忠臣蔵をまとめて見ようと思ったのにはもうひとつ理由がある。『鬼平犯科帳』『剣客商売』など時代小説・歴史小説で人気のある池波正太郎は映画や食に関係するエセーも多く著している。『作家の四季』講談社文庫には「私の一本の映画「元禄忠臣蔵・前編」」というエセーが納められていて、昭和16年12月8日、真珠湾攻撃の報をラジオで聞き家の中に居られない気持ちになって飛び出し「八重洲口の二葉というレストランへ行き、カキフライでビール二本をのみ、カレー・ライスを食べてから銀座で《元禄忠臣蔵》を観たのだった」とある。池波正太郎は大正12年生まれだから当時19歳。彼のエセーには多分に創作のところもあるのだがそれを割り引いても食と映画を結びつける良い記憶だ。私など歌舞伎座に行くときは松屋か高島屋の地下で手頃な弁当を買って行ったものだがどの芝居で何を食べたかなんて全く記憶にない。

池波正太郎には『味と映画の歳時記』新潮文庫というエセーもあり、こちらの「12月《忠臣蔵》」はさらに詳しい。それによると池波が最初に観た忠臣蔵は昭和7年に松竹が制作した衣笠貞之助監督によるもので大石内蔵助を坂東寿三郎が演じているものだそうで、大晦日従兄弟に連れられて浅草の帝国館で観たとある。
今回のNHKとWOWOWの放送にこれら二作品はないが、『歳時記』の方には「その他の忠臣蔵については、大河内が内蔵助を演じた映画は、いずれもつまらなく、長谷川一夫の内蔵助は論外といってよい。松本幸四郎の内蔵助は適役だが、映画の出来ばえはさしたることもなかった。戦後の忠臣蔵では、大佛次郎原作の『赤穂浪士』を東映が映画化したものが、もっともよいと思う。監督は松田定次。」とある。

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東映5周年記念として制作されたこの映画は松田定次監督も自分が作った忠臣蔵三作品の中で最も気に入っていた作品だというが、私も同じ感想を持った。堀田隼人を演じる大友柳太朗が存在感ある演技をしている。

今回WOWOWでは松田定次監督の三作品を放送したが、1959年1月公開の作品は片岡千恵蔵の他、中村錦之助、美空ひばりが出てい娯楽性の高い仕上がりになっている。

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東映が創立10周年記念映画として製作した1961年の作品は残念ながら無駄なシーンが多く冗長にすぎる。米沢藩上杉家の江戸家老千坂兵部は吉良上野介の息子で上杉家に養子に入った主君上杉綱憲を制する役で重要だが、大石内蔵助と旧友であったとの珍説まで使って新しくしようとしている。実際には千坂兵部は忠臣蔵の時には既に亡くなっているのだが・・・。

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この他、WOWOWでは東映1952年の作品『赤穂城』『続赤穂城』を放送していた。浅野内匠頭が饗応役を任命されてから刃傷に及び城明け渡しに至る赤穂の様子を中心にした作品で、討ち入りは無いが落ち着いた良い作品に思えた。

NHKの放送では「にっぽんの芸能」という番組で「忠臣蔵さまざま」と題して長唄「有喜大尽」講談「忠臣義士二度目の清書」が放送されていた。有喜大尽というのは大石内蔵助のことだが、京都の色街で遊興にふけり世間の目を欺く大石内蔵助を素の演奏で聞かせる。その長唄の中に「大石ならぬ軽石」と大石内蔵助を軽蔑する台詞が出てくる。松田定次の映画の中にも茶屋から帰る大石内蔵助を武士が囲んでいたぶるシーンがありこの台詞が使われていた。長唄は明治に作られたそうだから監督が頂戴したのだろう。こうゆう発見も面白い。

映画や芝居はリメイクや演出を変えて上演する事が出来る。忠臣蔵のように本筋の話とは別に外伝や個々の人物にスポットを当てた銘々伝など色々な角度から新しい作品を作ることも出来る。最近のオペラのように突飛な演出は好まないが、時代考証などをしっかりた良い作品を見たいと思う。時には今回のように集中的に見ることで比較して楽しむのも良い経験になる。

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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

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