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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『凍原』

お元気ですか?

自衛隊が出動するほどの大雪が降ったかと思うと一転今日は4月並みの暖かさ。テレビのニュースでは雪山の注意と一緒に梅や桜の情報も伝えています。季節の変わり目は忙しいですね。
ここ数年定番となってしまった花粉症がひどくなったので病院に行くと、馴染みの看護婦さんが「また来たね」と笑いながら注射を打ちます。

図書館で本を借りるということを思い出し、連城三紀彦氏の『戻り川心中』を読みましたが、一緒に注文していた桜木紫乃さんの『凍源』を続けて読みました。去年『ホテルローヤル』で第149回直木賞を受賞されている作家ですが、その授賞式の様子を報道で見て北海道釧路の作家だと知ったぐらい。他のどんな作品を書かれているのかも分からないのでAmazonで見ると結構読者のコメントは好意的で評価が高く思えます。
『ホテルローヤル』を借りようと思ったらなんと570人が予約待ちをしているとのこと、貸出カウンターの女性が「お待ちになりますか?20冊ありますから」という。


『凍源』は釧路を舞台にしたミステリー仕立ての作品で、子供の頃弟を亡くした経験を持つ女性刑事が主人公のお話。札幌の車販売店の営業マンが納車に来た釧路で扼殺されて発見されたことから事件が始まる。彼の足取りを追ううちに次第に明らかになる土地の名士の過去。終戦間際、樺太からの引揚げという悲惨な歴史を現代につなげながらそれぞれの登場人物の心の重荷を上手く描いています。

読書の楽しみは文章の良さ、構成や主題、登場人物・・・など色々ありますが、舞台となる土地というのも重要な要素です。『凍源』で言えば釧路といういつもどんよりと冷たい霧に覆われた土地で何かに圧迫されながら暮らすイメージ、自然の宝庫というイメージの釧路湿原が持つ負の顔など釧路出身の作家ならではの筆が活きた作品です。そこに樺太引揚げと戦後の北海道開拓の歴史が作品に厚みをもたらします。
私個人としても、釧路は何回か訪れたことのある土地ですし、作品に出てくる塘路は釧路湿原のカヌー遊びの要所で私も利用した場所です。そんな馴染みの場所を思い浮かべながら読む楽しみは全く知らない土地の話を読むのとは違います。

作家個人の生い立ちからくる性愛への冷めた視点には好感を持てましたが、比喩的表現の多用がみられ少しわざとらしくうるさく感じる場面もあり全体的に作品の完成度に足踏みをしてしまったように思います。そうは言っても北海道のよしみ、作家の持つ硬質部分と文章には興味をそそられますから思い出したころまた別の作品を読んでみたいと感じます。



凍原凍原
(2009/10/14)
桜木 紫乃

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テーマ : 読書感想
ジャンル : 小説・文学

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