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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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靴磨き

お元気ですか?

当地、また寒い風が吹いています。早咲きの河津桜の話題がニュースで紹介されているというのに、北海道では積雪の話題。暖かい春は何時来るのでしょう。今日は啓蟄です。

お出かけする用があったので革靴を履きました。普段はカジュアルな靴で済ませていますが、好きな革靴を箱から選び出し行き先や洋服に合わせて使い分けるのが好きです。好きな靴を履いて出かけると腰から背中へかけてピンと背筋が伸びいつもよりちょっとお澄ましした感じです。

私の革靴との付き合いは小学生の頃からです。何年生かは忘れてしまいましたが、小学生の頃から黒い紐靴を履いていました。今思うと母の作ったブレザーの上下と白いワイシャツ、ネクタイはしていませんでしたがそれに革靴です。私にはそれが普通の格好だったのですが、ちょっとおぼっちゃまみたいでしょうか?

革靴を履くことで私が身につけたのはきちんと歩くことと靴磨きの楽しさでした。玄関の靴箱の中には父の革靴が何足も並んでいます。父の靴はどれも綺麗でシワが寄っていませんし踵も全然すり減っていません。まるで体重がかかっていないかのように綺麗な形で揃えられています。父もそれは少し自慢らしくはっきりとは言いませんがそんな自分の靴が好きなようでした。私の靴はどうしても踵の外側がすり減ります。なんとかして父のようにすり減らない歩き方を身につけようと考えたものでした。
靴磨きは小学生の頃から私の仕事です。一度だけ父から手ほどきを受けた記憶がありますが、それは本当に一度だけ。休みの日、玄関先に靴を並べ一足づつ靴磨きをするのです。埃や乾いた土を落とし、靴墨を布にとって薄く伸ばしながら靴に塗りこみます。細かなところは歯ブラシを使ったりしますが、肝心なのは靴墨を長く付け過ぎない事。別な布を使って鏡のように光るまで磨きます。この磨き上げる作業が私には楽しく、母の洋裁で余った布をもらってはどの布が磨くのに都合がいいのか比べてみたりもしました。私はネルの生地が好きでしたが果たしでどうでしょう。布で磨き上げるのとブラッシングを交互にやりながら、思うように仕上がった時の満足感は休みの日を充実したものにしたようです。


私が社会人になった頃、東京の街にはまだ靴磨きの人がいました。上野駅には数人の靴磨きが並ぶコーナーがあって見上げるように高い椅子にお客さんが座り、靴磨きのおじさんが台に乗せた靴を力強く磨き、時々踵の方へ手を回したりしていました。東北へ向かう列車のホームに入る手前、帰省する前に故郷に綺麗な靴で帰りたいという思いを客は靴磨きで叶えたのでしょうか。
上野駅ほどではありませんが、新橋駅にも靴磨きのスタンドはありましたし、虎ノ門の交差点から新橋に向かう歩道にもたしか靴磨きのおじさんが店を出していました。パイプ椅子にお客さんを座らせて台に乗せた靴を屈みこむようにして磨いていました。入社してまだ日も浅い若造の私は仕立てたスーツとお気に入りの革靴を履いて虎ノ門を歩きながら“あぁこうゆうふうに仕事をしている人もいるんだ”と心に留めたものでした。一回の靴磨きで幾らなんだろう、一日幾らぐらい稼げるのだろうと磨いてもらいながら訊いてみたいな、と思いながら結局私が靴磨きの椅子に座ることはありませんでした。それは、あの椅子に座るにはよほどこちらが人生経験を積んでそれなりの者になっていないと申し訳ないような気がしたからであり、毎日毎日色んな人の靴を磨いている目には私の足なんか見透かされてしまうと思ったからなのかもしれません。とても気軽に座れるものではないのです。

でも靴を磨く時、子供の頃の自宅の玄関や東京の風景の幾つかを思い出しながら少し幸せになれるのは、私が靴と少しばかり仲良く出来ているからかも知れません。

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