プロフィール

杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
リンク
ブログランキング

FC2ブログランキング

人気のあれこれ!
月別アーカイブ
最近のトラックバック

『アンソロジー お弁当。』

お元気ですか?

この春パートナーさんが勤めに出るというので、お弁当箱を買いに行った。ちょうど新学期前ということもあり、スーパーの売り場には子供向けにキャラクターの印刷されたプラスチックのお弁当箱が一コーナーを設けてある。結構な値段の弁当箱はほとんどがキャラクターの権利使用料だろうと大人向けの弁当箱を探す。こちらは魔法瓶式のご飯もおかずも汁物もすべて保温がきく弁当箱が並んでいるのだが、誰がこんな大きな弁当箱を持って通勤するのだろうと頭をひねってしまう。
弁当はBENTOとなり今では外国人にも人気だそうで、コンテストも行われているくらいだ。盆栽や箱庭など、小さなものに一つの物語もしくは舞台を演出するのは日本人の得意とするところで、弁当はそのもっとも身近、家庭にあって子供から親父までが楽しむ文化だ。西洋のピクニックランチは敷物の上にディナーテーブルを再現しようとするし、アメリカのランチボックスはさながら工具箱のようで、どれだけ食べるんだと思ってしまう。
先日テレビを見ていたらプラモデルの人気がまた少し復活してきていてしかも女性に人気があるという。モケ女(モケジョ)と言うのだそうだが、海の中に海草と魚に囲まれた戦車を配してみたり、ガンダムに独自の色彩を施したりと小さな作品が見事に彼女たちの宇宙を表現しているのには驚いた。きっと彼女たちは弁当を作っても傑作になるに違いない。

『アンソロジー お弁当。』PARCO出版を読んだ。『おやつ』『カレー』についで三冊目、気に入ると集中するのは私の癖だ。ところでいきなりだが、タイトルと編集について一言疑問を言うと、カレーには感嘆符が二つ、カレー!!、お弁当には句点がついてお弁当。となっている。これは何を言いたいのか分からない。タイトルに付けるからに何か意味をもっているのだろうが、PARCO出版の編集者もしくはセンスの有る方の教えを賜りたい。もうひとつ、『おやつ』も『カレー』も各著者のエッセーが並んでいるだけだったが、『お弁当』では小タイトルがついている。「記憶のなかのお弁当」「ふれあうお弁当」「おんなの弁当」「おとこの弁当」「だれかを思うお弁当」「おにぎり・おむすび弁当」「移動するお弁当」という具合だ。編集者としてはそれぞれのエッセーを区分けしたつもりだろうが、こうゆう押し付けがましい細工はアンソロジーを小さくまとめてしまって、読者の想像を阻害する。
いきなり苦言めいた事を書いてしまったが、お弁当に一家言持っているわけではない。それどころか、読みながら『おやつ』や『カレー』のように記憶を探ってみたのだが、これといったものが見当たらない。

運動会や遠足でお弁当を食べた事はもちろんある。小学校の時に校庭の木の下で母と叔母が持ち寄ったお弁当を広げた記憶が一つあるが、小学校は6年間あるのに、記憶はたった一つしかもそうゆう事があったというだけの記憶。遠足はたぶんおにぎりなのだが全く覚えていない。何百円と決められて許されるお菓子をもってくるのも、喜んでお菓子を買いに行った記憶がない。金額を制限され許可されてお菓子を買うなんてそんな屈辱的な事が面白くなかったからだ。
小・中学は給食だったし、高校になると親からお金をもらい昼時になると来たパン屋で買って済ませた。母親がそれで楽をしたかどうかは知らないが、私はパン代をためて文庫本を買っていたので弁当を持たせられるより都合が良かったのだった。

私が子供の頃はまだ駅弁売りがホームを流していた。それも急行や特急が増え窓の開かない列車ばかりになってづいぶんと数が減ってしまった。それにもかかわらず日本人は駅弁が好きだ。スーパーやデパートの地下で時折「全国駅弁祭り」のようなのぼりが目に付く。北海道森町のいか飯は有名になったし、山梨県には 「元気甲斐」なんていう豪華な弁当もある。故郷自慢であるが糸魚川には夫婦釜飯という駅弁があって、釜飯が二つセットになっている。米は旨いし魚介や山菜の具も美味しい。二つセットというのが微笑ましくてお勧めだ。
だが、駅弁は列車の中で食べるからいいのであって、デパートの地下で選ぶものではない。故郷懐かしさに求めるのはしかたがないが、評判だからと買っても旅の列車の中で食べる駅弁の味が得られるわけもないのだから金を捨てるようなものだ。駅弁が食べたかったら旅をするのが本筋だろう。
こうゆう私だが、では列車の中でしみじみ弁当を食べるかというとそうでもない。あれこれ考えて選んだり売店の人にお勧めを聞いて買ったりした弁当も、列車が動き出すとさっさと食べてしまう。旅情より食いしんぼうが勝っているのだ。

外国には駅弁が無い。もちろんサンドイッチスタンドはあるし、ドイツではマッシュルームとコーンビーフをホームの横で焼いていて美味しかった。でも駅弁とは違う・・・と思っていたが、ある時ローマから列車に乗ったら駅弁売りがいて、生ハムやサラミを挟んだパンにりんご、そしてワインまでついたミニバスケットを売っていた。イタリアは『鉄道員』にしろ『旅情』にしろ鉄道の似合う国だ。さすがはイタリアの鉄道だと感心しながら食べたものだ。もっとも、東欧を旅したときには駅に止まる度に窓の下に物売りが並んだ。食べ物も沢山売っていたから駅弁のようなものもあるのかも知れない。以前テレビ番組の制作会社の女性と「世界の車窓から」の話になって、あれは効率の良い番組だと盛り上がった。汽車旅の好きな私には羨ましいくらいの企画なのだったが、「世界の駅弁」という企画だったら喜んで世界中の駅弁を探して旅をするのにと本気で思う。

アンソロジー お弁当。アンソロジー お弁当。
(2013/08/31)
武田百合子、池部良 他

商品詳細を見る

スポンサーサイト

コメント

Secret

杣人のNuages

ブログ内検索
 RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ホテル探しに!
クリックをお願いします!
Google