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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

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人は他人のために何が出来るか 続

お元気ですか?

一日降り続いた雨があがると冷たい風が吹き始めました。皆さんのところはいかがでしょうか?

先日佐藤さとるの『オウリィと呼ばれたころ―終戦をはさんだ自伝物語』という本を図書館で見つけ読みました。佐藤さとるさんは『だれも知らない小さな国』など小人の話を得意とした作家で、長崎源之助、いぬいとみこらと同人誌「豆の木」を創刊したり児童書の編集をしてきた方です。一時期好きでずいぶんと読んだことがありました。私の場合北海道育ちですから、コロボックルというアイヌの人たちの小人は身近な存在でした。大きな蕗は家の周りにありましたからちょっと覗いたり茎から折って旗のように振り回して遊んだりなんてこともします。コロボックルがあわてて駆けていったって不思議ではありません。それとは反対に遠い京都のお話である一寸法師も魅力的でした。一寸法師は何処から来たのか、どうして小さかったのか知りたくてたまりませんし、打ち出の小槌はどんな力を秘めているのかなどSF的興味もつきません。そんな訳で『親指姫』などの海外のお話も含めて小人の物語はすっかりお気に入りのジャンルだったのです。
『だれも知らない小さな国』を読んでいた頃、佐藤さとるさんを少し年のはなれたお兄さんのようなイメージを持っていましたが今回自伝を読み、意外に年輩だったことを知りました。1928年の生まれだそうです。そして、当時の日本人が経験したであろう戦争と敗戦による体験は今の私たちには想像もつかないくらいに濃密なものです。戦争も食糧難も私は御免被りたいのですが、あの時代を生きた人たち(私の両親もそうです)の生命力や芯の強さには敬服と憧れの気持ちを持つのです。

先日WOWOWで「ジェイミーの食育革命」という番組を見た。ジェイミー・オリヴァーというイギリスの若いシェフが学校給食を通じて健康を取り戻そうという企画番組。2008年、米国疾病管理センター(Center for Disease Control and Prevention)が発表したレポートで「全米で最も肥満率が高い」と指摘されたアメリカのウェストバージニア州西部にあるハンティントン(Huntington)に乗り込んだジェイミーは、肥満による糖尿病や高血圧に苦しむ子供たちのために脂肪の多い食べ物を減らし野菜を沢山取り入れた手作り給食を目指す。
欧米ではテレビで人気のシェフが軽妙なおしゃべりとブレンダーやジューサーを使いながら画面狭しと動き回り、サラダやステーキを焼き、パスタをゆでて・・・と料理を作る。子供の頃からそんなテレビ番組を見てきたが、欧米のそれは「きょうの料理」や「3分間クッキング」とは違って包丁さばきや盛り付けは乱暴だし、ほらこんなに簡単に料理できるんだ、美味しそうでしょうと押し付けがましいシェフの姿に食傷気味になる。数年前ジェイミー・オリヴァーの番組を見てテレビシェフも若いお兄ちゃんになったかと興味をまったく持たなかった。その彼がアメリカで給食革命を行うという。
小学校では朝食の給食があり、朝からピザを食べている。お昼はハンバーガーとフライドポテト。そして砂糖たっぷりの味つき牛乳。子供は口になじんだものを美味しいと思うからそんなものばかりを食べてしまう。恐ろしい国だと思った。
そしてもっと恐ろしいのは、肥満給食を出すアメリカの様子の番組を流すWOWOWに飢餓と病気で亡くなってゆく子供を救おうと募金を呼びかけるユニセフのコマーシャルが流れていることだった。

さて、先日原子力発電で作られた電気は使いたくないという事を書いた。処理出来ない核のゴミを出しながら原子力発電を行うことの非人道性を恥ずかしく思うからだ。同様に、生産者が生活出来ない値段で買い取られる珈琲、生産調整として捨てられる牛乳、減反政策に出される補助金。世界で8億5千万人の人たちが飢餓で苦しんでいるというのに私たちは平気でおかしなことをしている。

子供の頃、残さず食べなさいと言われて育った。同時に食卓には食べられる分しか食事は並ばなかった。私は家で食べ残しや傷んだ食品を捨てた記憶がほとんどない。それは今の我が家でも同じだ。では何が飽食と飢餓の世界を作っているのだろうか。

『コーヒー危機―作られる貧困』オックスファムインターナショナル (著)筑摩書房を借りてきて読む。
続けて、『フェアトレードのおかしな真実――僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た』コナー・ウッドマン (著)英治出版も読もう。物事を知るには表裏両面を見なければならない。
そして、『世界の半分が飢えるのはなぜ?―ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実』ジャン ジグレール (著)合同出版を読む。この本はスイスの経済学者で飢餓問題の第一人者が子供に語る形式で世界の飢餓問題について書いた本で、飢餓が起こる要因と解決が難しい現状を様々な角度で分かりやすく説明している。手元に置いておきたい本だ。

佐藤さとる氏は父親を戦争で失い母親や兄弟と旭川に疎開するがいつ動くか知れない汽車の中で傷まないように作ったおにぎりを食べる。旭川で終戦を迎え進駐軍の施設でキッチンボーイとして皿洗いの仕事をして気に入られ余った肉をもらったりする。横須賀に戻り学校に入ると友人と一緒にリアカーを引き代用醤油を売ったりもする。生きてゆくためには食事が必要だ。
列車で隣に人がいれば、いかがですかとチョコレートやみかんを別け一緒に食べるだろう。世界中の9人に1人が飢餓に苦しんでいるというのにどうして何もしないでいられるだろうか。


世界の半分が飢えるのはなぜ?―ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実世界の半分が飢えるのはなぜ?―ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実
(2003/08)
ジャン ジグレール、Jean Ziegler 他

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追記)
子供の問いかけに答える形で書かれた本といえば『君たちはどう生きるか』吉野 源三郎(著)岩波書店がある。中学生のコペル君に著者が語る形で、人が社会の中で生きてゆくために何を心してゆかなければならないかを考える本で、中学生向きとはいえ内容は重たい。私は中学生の時に学校の図書館でこの本に出会ったが、その後も何回も繰り返して読めばもう少しましな大人になっていたかもしれないと思う。
文章や話は、中学生に理解できるように書く(話す)ということは非常に大事なことだ。もちろん専門分野で基礎的知識のある事が前提となるものもあるが、中学生が納得できない事は大人だって分からない。
何故愛と救いを説く宗教の下人は殺しあうのか。何故国はよその国に行って戦争をするのか。何故民族は他の民族と対立するのか。何故肥満になるほど食べる人(子供)がいる一方で餓死してゆく人がいるのか。そしてこれらを何故人間は止めることが出来ないのか。
私たちはこうゆう問いに正直に答えることが出来るだろうか。政治や歴史的背景、経済や企業など色々と理屈をつけることは出来るが、それは言葉を濁すための方便でしかない。子供たちに伝える言葉をまずは自分の心の中で反芻し恥ずかしくないか確認しよう。もし間違って伝えてしまったら素直に謝り、一緒に考えようと言おう。世界は子供たちのものでもあるのだから。そして子供たちの方が大人より長く生きてゆくのであるから。
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