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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『死の扉』

お元気ですか?

今年もあと半月となり、スポーツジムでのおじさんたちの会話も「餅つきはどうするんだ」といったのんびりしたものが聞こえてくる。週末にワインを買いにパニエに出かけた時もおせち料理の話になった。ショッピングモールにあるお店では年末年始もお休みなく店を開けなければならないのでお店の方は交代で働くし福袋用のワインを決めるなど商売の緊張もある。のんびりお正月を楽しむ事は出来ず、おせち料理を作る時間もゆっくり食事を楽しむ事も難しいのだそうだ。
それぞれの人にそれぞれの年末とお正月がやってくる。

レオ・ブルースの『死の扉』を読んだ。いつも刺激をいただいているブログ探偵小説三昧でレオ・ブルース『ミンコット荘に死す』(扶桑社ミステリー)を紹介していて、良い評価をされている。詳しい方の良い評価というのは貴重な道標で有難い。

『死の扉』はこんなお話。
イギリスのニューミンスターという小さな町の小間物屋で女店主が惨殺されるという事件が起きる。しかも巡回中の警察官が発見と同時に殺されるという二重殺人。殺された女店主は強欲な商売で町の評判も悪く犠牲になった警察官は真面目な若者だったことから運悪く巻き込まれたと思われた。その事件に興味をもったパブリックスクールの歴史教師キャロラス・ディーンは歴史上の事件を現代の捜査方法を応用して解明するという本を書き高い評価を得ている。生徒にたきつけられて町の二重殺人の解明にも乗り出すのだが、強欲な女店主の殺害事件であり疑惑を抱かせる人物は複数いて、誰もが何かを隠しているよう。

派手なアクションや手に汗握る・・・といった作品ではなく、登場人物たちの立ち位置と状況により物語は展開してゆく作品。読者に一緒に謎解きを楽しんでくださいと作者が誘っているのが感じられる正統派推理小説と言っていいのだろう。(私が言うのもおこがましいが)読んでいてその真面目さが気持ちよい。キャロラスをたきつける教え子のプリグリーもこまっしゃくれていてクラスにいそうな感じだし、友人のムーア巡査部長、キャロラスの家政婦スティック夫人など主人公を囲む人たちもシャーロック・ホームズを連想させるものの物語に安定感を与えている。
スパイアクションではないので大立ち回りは無いが、キャロラスはベントレーに乗っていてスタイリッシュだし、自ら犯人を誘い出すような危険を顧みないことも平気で計画する性格は決して安楽椅子探偵ではない。
小さな町での事件ということではミス・マープル、ラストで関係者を集めて謎解きを披露するのはポアロを思い出させるのだが、シャーロック・ホームズを思い出させたのと同様に作者レオ・ブルースによる推理小説と先輩作家へのオマージュなのだろう。
歴史教師で素人探偵であるキャロラス・ディーンはこの『死の扉』が誕生第一話。他の作品も読みたくなる十分な魅力を備えた作品だ。訳者小林晋氏による解説も興味深い。特に原作の中にある矛盾、おもに日時の整合性なのだが、を整理して訳に反映させていることなど翻訳作業の事情も分かり小林晋氏への興味も湧く。

年末、また良い本に出会った。探偵小説三昧のsugata様に感謝するとともに、ピエール・ルメートルの『その女アレックス』が届くのを楽しみに待とう。

ではまた。

死の扉 (創元推理文庫)死の扉 (創元推理文庫)
(2012/01/27)
レオ・ブルース

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コメント

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No title

お楽しみいただけたようで何よりです。『その女アレックス』は『死の扉』ほど上品な物語ではないですが、インパクトはなかなかのものです。どうぞ楽しんでください。

Re: No title

sugata様、何時も本の紹介をありがとうございます。
本を教えていただくのと共に文章の書き方も参考にさせていただいています。
最近は図書館で借りて読むのですが『その女アレックス』は10人待ちの状態なので年明けになりそうです。
お体大切に、どうぞ良い年をお迎えください。

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