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杣人・somabito

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『アガサ・クリスティ完全攻略』

お元気ですか?

いつもお世話になっているブログ「探偵小説三昧」のsugataさんが霜月蒼氏の『アガサ・クリスティ完全攻略』を紹介しているのを拝見して、これは読まなくてはと思った。
霜月氏はミステリー評論家なのだがクリスティは七冊しか読んだことがなく、世間で取り上げられるクリスティ作品も極端に偏っていることから、クリスティ攻略に乗り出したのだという。しかもインターネットに連載した順番のままに本書も編まれていて霜月氏がクリスティを読み進み理解を深めてゆく様が分かるという。ミステリー評論家の分析の深まりを知れるというのは興味のあるところ。これは私には格好のガイドブックではないか。ただ問題がある。私はアガサ・クリスティを全く読んでいないのだ。これまでクリスティに接したのは全て映画やテレビドラマであり一冊も本を読んでいない。ネタばれどころの話ではないのである。
まぁそうは言ってもアガサ・クリスティを読んでから本書を読もうとしてもそれは無理な話だ。読んでみよう。

本書は「エルキュール・ポアロ長編作品」「ミス・マープル長編作品」「トミー&タペンス長編作品」「短編集」「戯曲」「ノンシリーズ長編作品」と並べられ、早川書房のクリスティー文庫の順番に即しているそうだ。これが全体像を見渡すには分かりやすい。基本的には作品発表順に読むほうが作家を理解するのに分かりやすいかと思うが、多作な作家でしかもポアロやマープルのような主人公がいる場合主人公別になっているほうが混乱しないですむ。
ちなみにポアロが最初に登場した『スタイルズ荘の怪事件』は1920年でミス・マープルの『牧師館の殺人』は1930年、その間にポアロは4冊出ている。そして次にマープルが登場するのが『書斎の死体』1942年でこの間にポアロとノンシリーズなどで20冊が出ている。興味深いのはポアロの最終作『カーテン』は1975年にミス・マープルの最終作『スリーピング・マーダー』は1976年に発表されているが、どちらも執筆は1943年に行われている点だ。何故クリスティは二人の探偵最後の作品を作家として筆ののった時期に書いたのか。そして自分の死後発表するように指示したのか。霜月氏はこの二作品に高い評価を与えながらこの問いには触れていない。

霜月氏はクリスティを読み進みながら所々にキーワードを置いている。トリックに重きを置いていない事やミステリ仕掛けを織り上げていく作風などを作品から導き出している。その中には時代を写した女性の活躍なども特筆してよいだろう。ポアロやマープルは戦争を背景とした主人公であるがいつまでもそこに縛られていない。そして霜月氏は「クリスティは芝居である」と言い切る。作品の舞台に登場した人物はそれぞれの視点で事件を見る。謎は人物によって絡められ読者を惑わすが、最後には探偵によって解かれそれぞれの登場人物が事件ともども在るべき所に置き直されて幕となる。「クリスティは芝居である」というのは私には納得できる言葉だ。

本書の中で霜月氏はアガサ・クリスティが短編作品を得てとしていない印象を何箇所かで書いている。確かに登場人物が織り成す糸が絡まり深みが出てくるのなら短編ではエンジンがかかり難いかもしれない。しかし霜月氏の評価をみると星四つ以上が多くあり決して言葉ほど評価が低いわけではないようだ。

おまけ)

『マギンティ夫人は死んだ』の書評で霜月氏は星四つの評価を与え「ハードボイルドだど」と言う。ご存知内藤陳の名台詞だ。そこで内藤陳氏の『読まずに死ねるか!』と『読まずば二度死ね!』を開いてみた。アガサ・クリスティが取り上げられているかどうかが知りたかったのだが、目次や索引を見た限りではアガサ・クリスティを見つけることは出来なかった。

さて、アガサ・クリスティを読んだことの無い私が『アガサ・クリスティ完全攻略』を読んだ。まずはパートナーさんの本棚に見つけた『杉の柩』から読み始めよう。クリスティだって読まずに死ねるか!だ。


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コメント

Secret

No title

ぼちぼち私もクリスティを一作目から順番に読もうと考えています。まあ、考えているだけなんですが(苦笑)。

Re: No title

sugata様、コメント恐縮です。『杉の柩』を読みながら淡々と語られるどこに仕掛けがあるのだろうかと楽しんでいます。犯人探し動機探し・・・クリスティは事件につながる過去が肝という場合が多いですが本作はどうでしょうか。

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