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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『ぼくたちもそこにいた』ハンス・ペーター・リヒター

お元気ですか?

当地も梅雨があけ、空には大きな入道雲が夏の風景を描いています。

ハンス・ペーター・リヒターの『ぼくたちもそこにいた』を読みました。先に読んだ『あのころはフリードリヒがいた』の姉妹編です。登場人物は『フリードリヒ』と同じく“ぼく”を語り部としてハインツとギュンターの三人、そして周りの同じ年頃の子どもたち。『フリードリヒ』では“ぼく”と同じアパートに住むフリードリヒを中心にユダヤ人がどのような扱いを受けていたのかを描いていました。今回の作品では同じ時代、ドイツ人の子どもたちがどういう生活をしていたのかを描いています。

ハインツは家も裕福で親も社会的地位を持っていて自身も利発なことから男の子たちの中ではリーダー的存在です。政治的意見も持ってヒットラーの政権に対して肯定的です。一方ギュンターはお父さんが政権に対して否定的な考えで逮捕されたりもしていますから現状に懐疑的ですが、ヒットラー・ユーゲントに入ってゆきます。“ぼく”はお父さんが党員になったことで職を得ることが出来たのですが、世の中の動きに戸惑いながら周りの子どもたちと一緒に動いてゆくといった状況です。

物語ではヒットラー・ユーゲントの下部組織であるドイツ少年団に入り行進や模擬野戦訓練をする様子、募金活動や供出物資を集めに家々を廻る様子など子どもたちの生活が描かれます。また、ヒットラー政権に賛成する票を入れるしかない歪んだ選挙が行われそれに抗議する大人が連行されてゆく様子が描かれたり、『フリードリヒ』に描かれていた大人たちの群集がユダヤ人の職工の寮を襲う事件が実は偶発的に起きたものではなく仕掛けられ煽動されていたことが明らかになったりもします。

本作ではユダヤ人の問題は多く描かれていません。当時ドイツに暮していた一般的ドイツ人の子どもたちが子どもらしい気持ちのまま、勇ましさや軍服のかっこよさに惹かれていく様子、憧れていたドイツ少年団やヒットラー・ユーゲントでの活動・教練を通じて大人がヒットラー政権に熱をあげているのをどこかおかしいと感じたり理不尽さに辟易したりする様子が描かれます。

『ぼくたちもそこにいた』、原題も WIR WAREN DABEI です。当事者であったことを強く意識するタイトルです。そしてこのタイトルこそが、貴方たちは今どこにいるのですか?と問うているのです。


おまけ)
今回読んだ『ぼくたちもそこにいた』は『あのころフリードリヒがいた』を図書館で見つけたときに隣に置いてあったので知った本でした。それまで『フリードリヒ』にこうゆう姉妹編があるとは知らなかったのです。
今日読み終わり訳者あとがきを読んでみると『若い兵士のとき』という志願して兵士になって経験したことを書いた本がある事を知りました。三部作なのだそうです。この本も岩波少年文庫に入っています。さっそく図書館に予約しました。
正直なところあまり好んで読みたい本ではありません。ですが読まなければいけない本です。そしていつも私たちの周りに気がつかないうちに広がる落とし穴、気がつかなかったと無責任に言う大人にならないために、落とし穴に落ちて後悔しないためにも読んで考えなければと思うのです。








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