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杣人・somabito

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『グラーグ57』トム・ロブ・スミス

お元気ですか?

もうすぐ11月を迎えるというのに当地の最高気温は25℃と日中汗ばむくらいの陽気です。先日函館の様子を見てきたばかりですからストーブを焚き始めた母を思うと申し訳ない気になります。

トム・ロブ・スミスの『グラーグ57』を読みました。前作『チャイルド44』の続編となる作品です。

前作の事件から3年、主人公のレオは捜査の過程で部下のワシーリーにより両親を射殺された幼い姉妹を養子に引き取り新設したモスクワ殺人課で働いている。前作で捜査に協力してくれた人民警察署長のネステロフも一緒だ。スターリンが亡くなり時代が変わろうとするなか、フルシチョフによる内部批判の文章が送りつけられ国家保安省で働いていた捜査官が殺されるという事件が連続する。国の体制を揺るがす重大な事態だが犯人の手はレオにも伸び養子のゾーヤが誘拐される。

『チャイルド44』より面白く読めた。前作では国家保安省の秘密警察ぶりが不気味で猜疑心に怯え暮らし密告で身を守る社会が息苦しかった。『グラーグ57』は体制が変わる狭間で生きるもの、それはレオの上官のフロル・パニンであり復讐のため犯罪組織の長になったソフィア教会司祭の妻フラエラであり、国家保安省で働いた過去をもつ捜査官の姿が描かれる。一方、レオと妻ラィーサはゾーヤとエレナを育て家族を築き直そうとする。国家の体制の中で傷だらけになった個人が家族として生きようとする姿を描い物語でもある。タイトルの『グラーグ57』はレオが潜入する収容所の番号だが『収容所群島』を引き合いに出すまでもなく国家そのものが収容所の様相をもっていることを思うと意味深く感じるものがある。後半(下巻)で物語は舞台をブタペストに移しハンガリー動乱も絡めながら深みを増してゆく。1953年のスターリンの死去、フルシチョフのスターリン批判演説、1956年10月から11月にかけてのハンガリー動乱と歴史の流れを抑えながら作品に仕上げたのは作者トム・ロブ・スミスの力だろう。前作『チャイルド44』に増して構想が大きく深みのある作品になっていると思う。

おまけの話)
ハンガリー動乱の場面でソビエト軍の戦車T-34とT-54が出てくる。T-34は子供の頃プラモデルで作ったお気に入りの戦車でとても懐かしい。箱の中には組み立て説明書と一緒に戦車の性能やどうゆう場面で使われたかが書かれていてそうした解説書が歴史への興味をかきたてていたように思う。『チャイルド44』も『グラーグ57』もミステリー作品、エンターテイメント作品ではあるが史実への興味を誘ってくれるところに魅力があるようにも思う。


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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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