プロフィール

杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
リンク
ブログランキング

FC2ブログランキング

人気のあれこれ!
月別アーカイブ
最近のトラックバック

『父・宮脇俊三への旅』宮脇灯子

お元気ですか?

北日本を中心に荒れた天気が報じられていますが、当地も今朝から強風と雷雨が暴れています。函館の母に様子見舞いの電話をすると、「食料はあるから外に出ないようにしている」といたって平気な様子で、「風と雨で雪が飛ばされて庭の木が春みたい」と言います。声を聴いて一安心ですが、やはり老いた一人暮らしは心配です。

パートナーさんと出かけた Book Off で『父・宮脇俊三への旅』という本を見つけました。一見して〝ははぁ、また作家の娘が父親の事を書いたのだな″とちょっと思いますが、さりとて冷ややかにみるわけでもありません。私自身列車の時刻表を持って汽車旅をするのが好きな人間ですから宮脇さんの作品に出合いすぐに惹かれていった一人です。でも宮脇さんの本を読みだしたのはかなり最近のことで年表と見比べてみるとどうやら宮脇さんが休筆宣言をする少し前の頃になります。いつものように『時刻表2万キロ』を出発にしてあとは古本屋さんで目に付けば買い次から次へと読んで、時には買うペースに読むのが追い付かなくなるとなるべく古い順に読むようにして・・・と楽しみの整理をしながら読み続けてゆきました。
以前にも書いたことがあるように、私は気に入った作家に出合うと可能な限りその人の本を読もうとする癖があります。それを実行した最初は夏目漱石で岩波の新書版全集はそうゆう意味では私の精神状態を非常に楽にしてくれた本でした。阿川弘之氏を読み出し一段落したころ宮脇俊三氏に移っていったのはとても自然なものだったのかもしれません。『山本五十六』から始まり数々の戦記文学を読みながら氏の若いころの青春物のユーモラスな空気を楽しんだ私は時々出るエッセイを待つようになります。ご高齢ですからしかたありませんが次に読む作家を探さなければなりません。そこに登場したのが宮脇さんだったのです。阿川弘之氏に続く作家としては汽車という共通項がありましたし、阿川氏のエッセイの中に宮脇俊三氏が登場するものがあったようにも思います。「中央公論社の名編集長」サラリーマンとしての肩書をもった作家が鉄道紀行作家という新しいジャンルを切り開いた作品がどのように展開するのか非常に興味深く読んだものでした。
宮脇俊三氏の本を、ほとんどは文庫本でしかも古本屋で買い集めたものですが、読み終えた頃街の本屋さんには氏の威光を借りるような写真本が並びました。宮脇氏の鉄道紀行で登場した路線や今は廃線になったところを写真で紹介するといった趣旨の本です。正直なところ欲しくなかったわけではありません。本屋さんの平台にあるのを手に取ってパラパラと眺めたこともあります。ですが、やはり鉄道紀行は文章で読みたいのであって写真ではいけませんでした。宮脇さんの文章を読みながら、自分が旅してきた風景を同じ風景でないにしても重ね合わせながら楽しむのです。写真で見せられるとカメラマンのフィルターがさらに加わることになり、私のイメージが制限されてしまう気がします。結局それら写真本を買うことはなく、宮脇俊三氏の本は歴史の本二冊が最後になりました。

東京に住んでいたころ、宮脇氏のご自宅は私の家からそれほど離れていなかったと思います。自転車でサイクリングする距離でしたしちょっとミーハーな気持ちで行ってみたいと思ったこともありましたが、結局は行かず(もちろん訪問するということではありませんが)しまいになりました。でもそんな気持ちを持たせてくれるくらい親しみを感じた方だったのです。
私はファンという言葉を持たない人間です。好きな歌手がいてもその歌手が歌う歌が好きなのであってステージを降りた歌手に興味を持ちません。同じように好きな作家も作品が好きなのであって作家の生活や家族との様子を知りたいわけではありません。西洋には自伝文学というジャンルがありますが、日本の作家では私小説として自分のことを書くことはあっても自伝はまれな世界です。ところが夏目漱石、森鴎外、ちょっと離れて隆慶一郎、どうやら日本では家族が亡き作家の様子を描くのが一つのジャンルになっているようです。それはそれで面白いのですが。
今回の宮脇俊三氏の長女灯子さんによる思い出の文章。確かにご自身がおっしゃるように文章としては残念なものがありますが、宮脇俊三氏の姿を知る貴重な本として有り難く読ませていただきました。
スポンサーサイト

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

コメント

Secret

杣人のNuages

ブログ内検索
 RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ホテル探しに!
クリックをお願いします!
Google