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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『毛皮のヴィーナス』

お元気ですか?

ブログの更新が著しく出来ないでいるのは、あまりに単調な生活が続いているためで、健康を害しているわけでも、仕事に忙殺されているわけでもありません。ただ、読みたい本が図書館から届かないので埋め草もままならない次第。ピエール・ルメートルの『悲しみのイレーヌ』はようやく15人待ちにまでこぎつけたといったところ。
ではその間に本を読まないでいたかというとそういうわけでもなく、花見にとあるお城に出かけたのを機に白洲正子の『西行』を読んでみたものの私の教養の足りなさを実感し、一時読み止めるという思いがけない事態に改めて本を読むことの難しさと向き合っています。

さて、今日ロマン・ポランスキー監督の『毛皮のヴィーナス』を見た。同世代の映画ファンにとってロマン・ポランスキー監督は1969年にチャールズ・マンソン率いるカルト集団によって妻シャロン・テートが惨殺されるという事件で記憶に残る監督だ。もちろん『ローズマリーの赤ちゃん』や『チャイナタウン』『テス』など監督としての仕事も映画史に残るものがある。
私は『吸血鬼』(1967年)を見てとても感心しそれ以来ロマン・ポランスキー監督を興味深く見てきたのだが、どの作品にも人間の滑稽を描く彼の視点が面白いと思っている。ちなみにシャロン・テートは『吸血鬼』に出ていた。
先日ロマン・ポランスキー監督の『フランティック』という映画を見ていた。1988年の作品で当時売れっ子だったハリソン・フォードを主人公にした映画。アメリカ人の医者が学会でパリに来るがホテルでシャワーを浴びている間に妻を誘拐され探し回るというストーリーだ。ただしパリでのハリソン・フォードはかっこいい役ではない。フランス語が得手ではないうえパリ警察もアメリカ大使館も思うように動いてくれない。パリジャンの娘の協力をなんとか得て事件の真相に近づき妻を取り返すというどうにもご苦労なストーリー展開だ。映画公開当時、フランスで英語が通じない主人公が苦労する様が面白いといった解説があったが、今回見てそれほど会話に苦労しているわけではないと思った。主人公が孤軍奮闘しているのは監督がハリソン・フォードをいじりたかったからなのではと思う。ちなみにロマン・ポランスキー監督は1977年にアメリカで性的罪に問われ有罪が確定しているがフランスに逃れてアメリカに帰ることが出来ないでいる。アメリカ人の役者を使いたいときは呼ぶしかない状態で、これは現在もそのままだ。
今日見た『毛皮のヴィーナス』の女性主人公ワンダはポランスキー監督の妻。実は『フランティック』でハリソン・フォードを助けるパリジャンを演じたエマニエル・セニエだ。『フランティック』当時セニエは22歳、監督は55歳だった。それまでも『テス』では15歳のナスターシャ・キンスキーと関係を持つなど若い女性にご執心だった監督は三度目の結婚でセニエを妻にし現在に至っている。セニエの度量が一枚も二枚も上手だったということだろうと私は解する。
ゴシップ的アプローチはこのぐらいにして、『毛皮のヴィーナス』はもちろんサミュエル・マゾッホ著「毛皮を着たヴィーナス」をベースにした作品だ。マゾヒズムの原点であるマゾッホを舞台作品として表現するという設定で脚本家で監督の男性とオーディションに現れた主人公の女性ワンダが台本読みをしていく中で次第に倒錯の世界に入ってゆくというストーリー。ポランスキー監督らしいユーモアが見られ軽妙に物語が展開するのが良い。音楽もカメラも同じ温度で回り映画がとてもシャープな感じがする。
マゾッホのエロスの世界をロマン・ポランスキー監督の感覚で滑稽に描いているのは私の好きな『吸血鬼』に通じるものがあるように思う。

さて、マルキ・ド・サドとサミュエル・マゾッホ。SMというエロスと心理学に通じる世界を表出させた二人の作家であるがマゾッホの方がはるかに屈折していて深い。あまりに深いのでともすればこねくり回してしまいそうなのだが、『毛皮のヴィーナス』のような映画を通じて自分の心の奥底にあるものを正直な気持ちで見直してみるのも楽しいだろう。あくまでも軽妙なヒューマニズムを忘れずに。そうでなければ嵌ってしまっても知りませんぞ。

ではまた。
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