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杣人・somabito

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『悲しみのイレーヌ』 ピエール・ルメートル

お元気ですか?

WOWOWで『風に立つライオン』という映画を見た。歌手のさだまさし氏が知り合いの医師柴田紘一郎氏をモデルとして書いた小説を原作にしているという。大沢たかお演じる主人公島田航一郎はケニアの熱帯医学研究所に派遣され、医療設備も十分ではない現地医療に携わる。映画は感動的なものだったが、物語の最後少年時代の主人公が誕生日のプレゼントにシュバイツァーの伝記を読むシーンがあった。小学生の頃図書館に並んでいた本だ。講談社やポプラ社の少年向けの伝記。一冊の本が人の人生を方向付けることがある。

ピエール・ルメートルの『悲しみのイレーヌ』を読んだ。図書館に予約してどのくらい待っただろうか。『その女アレックス』を読んですぐ予約したのだから5か月ぐらい待ったか。実はこの間に『天国でまた会おう』も読んでいたのだが、落ち着いて読むことができなくて読了せず図書館に返却している。

こんな話。
猟奇的殺人事件を捜査するパリ警視庁カミーユ・ヴェルーヴェン警部と部下たちは捜査の過程で犯人が犯罪小説の再現を意図した連続殺人であることを突き止める。極めて用意周到に計画されたメッセージ性の高い犯罪は何を意味しているのか。カミーユは新聞広告を使って犯人とのコンタクトに成功するのだったが同時に思わぬ危険を生み出していた。

猟奇殺人とその捜査という一般人の日常では想像出来ない物語は小説の世界としてはそれだけでも有効で、しかも実際に存在する犯罪小説の再現という設定は著者ルメートルの先輩推理小説家へのオマージュと言える。著者は小説という仕掛けを楽しんでいるのだろう。
著者のデビュー作である『悲しみのイレーヌ』。第二作である『その女アレックス』が先に日本では売れたため実は結末が判っている。しかもタイトルからしてイレーヌ(主人公の妻)が関係してくることが明らかだ。発売順は時間がたてば問題は消えるがタイトルはいかがなものだろう。原題はTravail Soigne だから”手の込んだ仕事””入念な仕事”という意味だ。ヒットした『その女アレックス』ALEX に並べて女性の名前をタイトルに据えたというところだろうが、アレックスとイレーヌでは作品での役どころが全く違うのだからもう少し考えていただきたかった。

それにしても面白い作品でパリの警察組織や主人公の背景など読みどころのある作品だ。パートナーさんが「怖いの」と訊くので「全然怖くないよ」というと早速持って行ってしまった。
さて図書館の予約にジェイムズ・エルロイの『ブラック・ダリア』を入れた。私の読書の連鎖はこうして続く。そして『天国でまた会おう』も前回読み進むことが出来なかったから再チャレンジ。

ではまた。

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おまけの話
猟奇殺人の話を読んだからといってサイコパスに憧れたり警察官や刑事になりたいと思うことはないが、自分の中の暴力性や気質に内省するきっかけは得られる。少年ならシュバイツァーの伝記で健全に育って欲しいが、大人になってしまったら犯罪小説を読んで自分の性癖を分析するのもいいだろう。私は中学生の時に夏目漱石に出会って高等遊民になろうと思った。高等にはなれなかったがほぼ遊民の人生を歩んでいる。どんな本にいつ出会うかは本当に怖い話だ。


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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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