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杣人・somabito

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『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』 ダヴィド・ラーゲルクランツ

お元気ですか?

『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』を読む。
北欧ブームの嚆矢であったスティーグ・ラーソンの『ミレニアム』三部作。その続編に位置する作品だが作者が違うのはラーソンが自身の作品の成功を享受することなく亡くなってしまったからだ。下世話な話なのを承知で言えば出版社にしても金づるの作家を失ったのだから『ミレニアム』の恩恵をなんとか維持復活したいと思うのは分かる。となるとラーソンの遺族なり著作権継承者と出版社がどう折り合いをつけるのかというテーマになる。
ラーソンは『ミレニアム』を十部作の構想を持っていたそうだし、一部原稿も残っていたという。そうなると読者として興味を持つのはどのような形で『ミレニアム』の続編を読むことが出来るのかということだ。
そこに一つの答えをだしたのが、2014年に『ミレニアム』三部作の版元であるノーシュテッツ社で、なんと全く新しい書き手による『ミレニアム』の第四作を発表するという決定、その結果誕生したのが『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』だ。

この間の出版社とラーソンの関係者や遺族との交渉、そして新たな書き手を探し書かせる出版社の動きなどそれ自体をドラマにしたら面白いのにと私などは思うのだがさていかがなものだろう。

さて、そんな下世話な話を横に置いて、『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』そのものを楽しもう。
話はフランス・バルデルいう人工知能の研究者が別れた妻の元に子供を引き取るために戻ってくるところから始まる。一方『ミレニアム』を発行するミカエルたちの雑誌社は経営難から大手メディアに買収されようとしていた。

量子コンピューターと人工知能、NSAとハッカーによる機密漏洩、サヴァン症候群にみられる特殊能力など様々な話題をちりばめながら物語はリスベットの新たな敵の登場を迎える。なるほどこうゆう展開ならこの先いくらでも物語は書けるだろう。

本書を読みながらラーソンの三部作に続く作品として違和感なく読めることに関心するが、これはラーゲルクランツという作家もさることながら編集者による力が大きいだろうと推測する。ラーゲルクランツの作品を読んだことはないが三部作に描かれていた事、描かれていなかった事を上手く使いながら登場人物に変更を加えることなく新しいステージを用意するのには緻密な計算が必要だ。さらに今後のシリーズ化まで考えたなら尚更である。
今回の新しい敵の登場で次回作にも期待が持たれるところであるが、私としてはあまり続けて欲しいとは思わない。主人公たちの周りにどれほど興味深い環境を設定しようとも作品の醍醐味はやはり人物だ。ミカエルもリスベットもラーソンが生み出したのだからこその主人公だ。どんな物語も終わり方が決め処だ。たとえそれが作者の死で閉じられたとしたのならば、そっとしてあげるのも作者と作品への敬意だと思う。

さて世の読者は『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』を読んで何を思うのだろうか。
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テーマ : 推理小説
ジャンル : 小説・文学

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