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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『トランク ミュージック』 マイクル・コナリー

お元気ですか?

久しぶりにマイクル・コナリーに戻ってきました。しばらく弓道関係の本の読み直しに集中していたので戻れて少しほっとしている自分を発見。

『トランク ミュージック』はこんなお話です。
ハリウッド署殺人課に復帰したハリー・ボッシュ。トニー・アリーソという映画プロデューサーがロールスロイスのトランクで殺害されているという事件の捜査をします。部下ジェリー・エドガーと新しい部下キズミン・ライダー、上司のグレイス・ビレッツも新しくなりました。
捜査を進めてゆくとラスベガスのギャングと被害者につながりがあることが分かり、どうやら映画プロデューサーという仕事を通じてギャングの資金洗浄をしていたらしい事が分かってきます。この辺の裏事情はマイクル・コナリーらしい面白さです。
そして物語を二転三転させるのもマイクル・コナリーの手法。幾つかの証拠も見つかり逮捕した男が潜入捜査官と分かり逆に証拠ねつ造を連邦検事から疑われ内務監査を受けるボッシュ。しかしここらあたりからボッシュの本領発揮で独自の捜査を始めます。とはいっても今回は部下や検視官との協力、方向が見えてきたところで上司ビレッツにも説明をするなどボッシュは一人で暴走するというわけではありません。すこし丸くなった感があります。

さて、今回の作品で最も重要なのは第一作『ナイトホークス』に登場した元FBI捜査官エレノア・ウィッシュの登場です。犯罪に手を染めてしまったエレノアは刑に服し裏切られた形のボッシュは心に深い痛みを抱えることになっていました。そのエレノアをラスベガスでしかも捜査対象者に関係しているらしい状況で発見するのです。ボッシュはエレノアに接触しなければなりません。読者としてはエレノアの再登場を喜びながらもまたしてもボッシュが苦しむのではないかと感じだします。服役した元FBI捜査官が生きてゆくのは簡単な事ではないはずで、そんな彼女がカジノにいるのですから胡散臭い想像をするのは当然です。ボッシュがエレノアと愛を交わすようになってからも何処に落とし穴があるのかとハラハラしながら二人の関係を読まなければなりません。
しかもそんなエレノアの存在もボッシュを疑う連邦検事から攻撃の材料にされるのです。

全体を読み終えてみると幾つかの消去法を経て犯人は落ち着くところにいます。正直なところ最初から読者は分かっていながら読むといった方が近いかもしません。しかしマイクル・コナリーの迷路を進めて壁にあたってやり直すような物語の展開に付き合っているうちに、ついつい真犯人の事など作品の大事ではなくなっているのです。今回の『トランク ミュージック』では新しい上司はボッシュの能力を評価し信頼を寄せているようですし、部下も同様です。宿敵のような副本部長アーヴィングでさえボッシュに理解を示しているように思えます。そしてエレノアの登場。読者はエレノアを『ナイトホークス』の時から悲しい存在として優しい目で見ています。それだからこそボッシュとの成り行きに心配をするのです。
さて、エレノアとの結末はここでは書かないようにしましょう。実は私には今回ささやかな発見がありました。それは私がボッシュのシリーズとしては最新(翻訳ものとして)の『転落の街』から読んでいる事に起因します。『転落の街』にはボッシュに素敵な娘がいる事が分かっています。私がボッシュのシリーズに心惹かれたのはこの娘の成長をボッシュと一緒にみたいと思ったからに他なりません。作品を読み重ねてゆくことは迷路を進むゲームのようなものです。マイクル・コナリーが一つ一つの作品に迷路を仕掛けているならシリーズの構成にも迷路は潜んでいます。しかし私はボッシュに愛して信頼している娘がいることを知っているのです。出口のない迷路を進むのではなく、出口があることを知りながら迷路を楽しむことが出来るのです。

次は御指南いただいている『探偵小説三昧』のsugata様のアドバイスに従い『わが心臓の痛み』です。ではまた。

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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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