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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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We Are The World (その2)

お元気ですか?

We Are The World の思い出を…

その先輩は鹿児島の山間の村の出身で、苗字が村の名前という郷の者だった。
持ち前の気骨と面倒みの良さから、男からは兄貴と慕われ、
男臭いフェロモンと、シルベスター・スタローンにも似た容姿で、
女性のファンも多かった。

新入りの私も、他の同僚とおなじく自然と彼の世話を受け親しくなっていった。

「We Are The World のビデオを買ってきてくれない?」
彼は、人気のない廊下に私を誘って言った。
「マリアが見たいって言っているんだ」

マリアは彼が付き合っている女性で、
ハワイの日系3世、日本とハワイを行き来している。
他人のプライベートに距離を置いていた私は、
彼に付き合っている女性がいることは知っていたが、
彼の口からマリアの名を聞いたのは始めてだった。

「いいですよ、VHSのテープですね。」そう言ってなんでもない事のように諾した。

数日後、彼はまた私のデスクに来て言った。
「今日、マリアの家に行くんだけれど、一緒にきてくれない」
「私でいいんですか」とちょっと考えていった。
“あまりプライベートに誘い込まれて、困ったことにならなければいいけど…”
でも、それは杞憂にすぎなかった。
私は、買って来たビデオを彼に渡した時の、照れくさそうな優しい目を思い出していた。

マリアの家は住宅地に建てられたマンションの4Fだった。
一人暮らしの女性にしては部屋数は多く、趣味のいいカーテンと地味なくらいの家具が彼女の堅実さをあらわしていた。

驚いたことに、男性の先客が2名いて、お茶を飲みながら歓談していた。
私たちが部屋に入るのを待っていたように、英語での会話が始まった。
マリアの英会話のプライベートレッスンに先輩は呼ばれ、
私はそこにお供として参加したのだった。

後で聞いた話では、生徒の一人がマリアに気があるようで、
マリアは先輩にレッスンに参加してもらうことで、
その生徒を傷つけないように距離をとりたかったのだった。

その日のレッスンは、2時間ほどの時間があっというまに過ぎた。
マリアは先輩の傍でにこやかにレッスンを進めたし、
ビデオのせいか、私にも優しかった。

2年の時が流れた。

マリアはハワイとの行き来を続けていたが、
次第にハワイでの時間が増えていった。
ハワイでホテル経営をしているマリアの家族は、
長女のマリアには仕事をついでもらいたかった。

一方、九州男児で長男である先輩も、家のことを思って苦慮していた。

ハワイから手紙が着くたびに、先輩は私のところに来て、
照れる私にかまわず、英語で書かれた手紙を読ませた。
時には、居酒屋に誘い、半分泣きながら、マリアとの悩みをくどいた。
他の人には見せない先輩の姿… まぎれもない「男」の姿がそこにはあった。

「実家にマリアをつれていって紹介してくる。」そう言って
先輩は寂しそうに笑った。
これから、何が起こるのかを予感しているような静かな決意をもった笑顔。

私は、「頑張って」とだけ言った。

We Are The World …

思い出すたびに、ほろ悲しい私のノスタルジア
マリアの傍らに立つ日焼けした先輩の笑顔を想いながら…

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