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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『夏目家の福猫』

お元気ですか?

日本の各地で雪が降る寒さ。
広島や東京でも真っ白な街の様子がニュースの画面に流れています。
当地でも週末から冷たい雨が続いています。皆様も足もとにご注意くださいね。

『夏目家の福猫』を読みました。
著者は半藤末利子さん。
夏目漱石の末弟子松岡譲と筆子さんご夫婦のお子さんで漱石のお孫さんです。

BOOK OFFの本棚で見つけ迷っていたら、パートナーさんが背中を押してくれました。

好きな作家の周辺事情を、お子さんやお孫さんの随筆から知るのは楽しいものです。
夏目漱石のようにお弟子さんや研究者の多い作家は色んな評伝を知る事が出来ますが、
家族の立場から書かれたものは、芯に温かみがあります。

末利子さんが生まれたときにはすでに漱石は亡くなっていますので、
話はお婆様で漱石夫人の鏡子さんとお母様筆子様からのお話を思い出しながら。

タイトルになっている「夏目家の福猫」では、猫嫌いだった鏡子夫人が
あんまの「足の爪まで黒いから珍しい福猫だ」という言葉を信じて大切にしたこと、
修善寺で吐血した漱石のために、祈祷師を頼んだ話などが紹介されていて、
文豪一家の普通の人と変わらない風景が紹介されています。

母筆子さんと松岡譲氏との結婚の事情など家族でしか知りえない話、
その筆子さんが老いて家族の記憶もおぼつかなくなってなお、
疎開し移り住んだ松岡氏の郷里長岡を懐かしんだ話など、
どこの家庭にもある介護にまつわる家族の葛藤も語られ、
末利子さんの深い心の慟哭を知ることになります。

私は、夏目漱石が好きです。
あの岩波の新書版の漱石全集が自分で買った最初の個人全集。高校生の時です。
それまで、新潮文庫で文庫収録のものはほとんど読んでいたのですが、
小さな作品や評論は全集に収まっています。
なにより、好きな作家のものは全部読んで、一つ一つの作品を楽しむよりも
作家全体を捉えて楽しみたいという思いがあります。

その後読んだ多くの作家達の全集を買い求めたり、
出版目録を調べて可能な限り買い集めたりするようになったのは、
この漱石全集が出発点。
今もある漱石全集は、私の記念碑的全集となっています。

大切な漱石なのですが、どうも調子が合わない作品もあります。
『吾輩は猫である』と『坊ちゃん』はどうもいけません。
特に「猫」は中学生になったときに旺文社文庫で最初に買った漱石です。
当時の旺文社文庫は装丁がしっかりしていて紙質もよかったのですが、
なぜか読み進む事が出来なく、頓挫してしまいます。
結果的に全集をほぼ全て読んだ後に、「猫」を読むことになります。

『坊ちゃん』は道後温泉に出かけお団子を食べるくらいには興味を持ちますが、
作品としてはどうなの?って感じですね。

私にとっての漱石は近代日本における人間の我執と不安を問う作家。
高等遊民を唱えながら、社会の中で惑う不安定な現代人を警告する作家なのです。

そんな漱石が食べたであろう、漬物にまつわるのが
「女主人達の糠みそ」と「テレビ出演した糠みそ」いう話です。
鏡子夫人がご実家から受け継いできた糠床を今は末利子さんが大切に守っているお話。
NHKの『食は文学にあり』で紹介されている糠床のお話です。

日本の食文化が誇る発酵の神秘。
お醤油や飯すしと並ぶ発酵食品で、しかも家庭で作られる手軽さ。
いゃ、糠床を絶やさないように守り育てる手間と気配りを知れば、
手軽と言ってはいけませんね。

想像するだけでも、今私の口の中には唾液がじゅわ~っと出てきています。

美味しい糠漬けですが、私はあまり経験がありません。
これは食べることが大好きな私としては大いなる弱点。内心忸怩たる思いがあります。

料理の得意だった母は漬物だけはあまり作りませんでした。
きっと仕事に忙しかった母の実家でも糠漬けがなかったのでしょうね。
心に余裕と毎日お世話の出来る時間がなければ、維持管理が難しい糠床。
そう考えると、贅沢な食べ物なのでしょうね。

「この古漬け美味しいね。」なんて言いながらきゅうりや蕪や茄子を運ぶのは
我が家には遠い先のことかもしれません。

夏目家の福猫 (新潮文庫)夏目家の福猫 (新潮文庫)
(2008/06/30)
半藤 末利子

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コメント

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こんにちは

昨年、やはり漱石のお孫さんで漫画評論家の夏目房之介さんの「孫が読む漱石」という本を読んだところでしたので、今回の記事、興味深く読ませていただきました。
杣人さんほどではありませんが、私も漱石が好きで高校時代によく読みました。
「猫」はいまひとつ…というのは杣人さんと同じですが、「坊ちゃん」は漱石だけでなくすべての小説の中でもかなり好きなものに入ります。それでも道後温泉に出かけてお団子は食べていないので、まだまだですね(笑)。

ママチャライダーさま、おはようございます。

漱石がお好きとは嬉しいコメント。有難うございます。
「坊ちゃん」ってドラマにもなったりして人気ありますね。楽しいお話です。
漱石が松山に嫌気をさしていたのは良く知られた事ですが、
皮肉たっぷりの「坊ちゃん」に人気が高いのを漱石先生はほくそえんでいるかな?
機会があったら是非道後温泉にもお出かけください。「坊ちゃん」だらけで
楽しくなりますよ。

杣人のNuages

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