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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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あらえびす

お元気ですか?

暑い週末になりました。
熱中症になるまいと、水分をとり、少し湿らせたタオルで首筋を拭いたりして
過ごしています。

皆さまもどうぞお気を付けください。

夕方、少しは涼しくなったころを見計らってBook Off に出かけてみました。
なにかあればめっけものです。

東直己さんの本か、井上ひさしさんの『国語元年』でもないかな? って
棚を探します。

『名曲決定盤』(上)あらえびす(中公文庫) が目にとまりました。
100円の棚です。
どうしようかなと思います。下巻もそろっているのなら良いのですが・・・

「上巻だけでも買ったら。古本屋さんなんだから…」とパートナーさんの声に背中を押されました。

あらえびす ご存じの方もいらっしゃるでしょう。

別のペンネームを野村胡堂といい、『銭形平次捕物控』の作者です。
野村胡堂あらえびすの名前をご存じない方でも、銭形平次は知っていますよね。

野村胡堂は銭形平次など作家活動をするときの名前で
あらえびすは音楽評論をするときの名前です。

だから、今回私が買った『名曲決定盤』あらえびすの名前なんです。
そう思いながら、奥付を見たら、野村長一と本名が書かれていました。

この野村胡堂さん。私は全く面識はありません。
当然です。昭和初期から銭形平次を27年間書き続け、昭和38年に亡くなられています。

でも、忘れられない不思議な思い出があるんです。

私は北海道に住んでいた中学生、高校生の頃から、
1人でふらっと旅に出るのが好きでした。
大抵は、父の実家で私も我が家同然にしていた新潟の家に行き、東京で神田の古本屋を周り、
上野駅から夜行に乗って帰って来るというのが多かったのですが、
まぁ、若者のエネルギーの発散のようなものですね。

そんな一人旅の時に、必ず寄るお店がありました。
吉祥寺のクラシック専門店 DISK INN No.3 です。
音楽、レコード愛好家のサロンのような雰囲気のお店で、
当時は木造三階建て。ちょっときしんだドアを開けると、
カウベルのカランカランという音が控え目に客が来たことを知らせますが
お客さんも店員も素知らぬ顔で自分の事をしています。

では、店員さんは無愛想で不親切かというと大間違い。 

「こんなレコード探しているんですが…」とか
「こんなフレーズなんですが…」と口ずさもうものなら、
それこそ何枚もレコードを取り出し、試聴をさせてくださいます。
お客さんも、「ああ、この指揮者はいいよ」とか「輸入盤のほうが音は良いよ」
なんて一緒になって選んでくださいます。

そんなお客さんの中に、Gさんと言う方がいらっしゃいました。
親しくレコード談義をしたり、お店のレコードをごそごそした後で
休憩に入った店員さんと一緒にお昼御飯にでかけたり、というお仲間です。

Gさん。音楽業界も一目置くレコード収集家です。
なにせ、音楽関係のプロの方がレコードを探しにお宅にお邪魔するほど。
私も、多くのことを教えていただきました。

そしてこのGさんこそ、野村胡堂ことあらえびすさんから、
唯1人、自由にあらえびすさんの収集したレコードをかけて聴いていいと
お許しを得た子供だったのです。
もちろん、当時のレコードは手回しのSP盤です。

あまりご自身のことは語らないGさんですが、
時々会話の中にあらえびすの家で、1人棚から好きなレコードを出して
聴いている姿が見えます。
Gさんの記憶の宝物。 その一コマを覗かせて頂いた私たちです。

そんなあらえびすさん。
私が大変お世話になった方のお話にも登場してびっくりした事があります。

以前もこのブログで登場した事があるのですが、
私の実業での親代わりのような大先輩Sさん。
いくつかの会社を経営し、後進への指導も厳しかった方です。

ある時期、私はSさんのご自宅に年に何回かお邪魔し、仕事の様子の報告をしながら、
色々な経験をお聞かせいただいていました。

そんなお話の中、若い頃の新聞社でのアルバイトの話が出てきました。
どんな内容の仕事だったかは忘れましたが、
Sさんの机の向こうに、ガラス張りの個室があって野村胡堂が原稿を書いていた
というのです。
天下の野村胡堂と同じ新聞社、同じフロアで仕事をしていたことを
懐かしく話してくださったSさん。

私は、「実は、私の知り合いに野村胡堂の弟子がいまして…」 と
レコード店での交友をお話すると、
Sさんは驚きながらも懐かしい目をして嬉しそう。
「いつか、Gさんを紹介してよ」とおっしゃいます。

どちらも私の大先輩、恩人です。私に異存があるはずもないのですが、
残念なことに、その機会を得ることはありませんでした。

『名曲決定盤』(上)あらえびす(中公文庫)
バイオリンはティボーやシゲティ、ハイフェッツ、
ピアノなら、コルトー、バックハウス、ギーゼンキングにケンプ、ホロビッツ。
室内楽の楽団も多数登場します。

どれもが耳に懐かしい演奏家ばかりです。

でも、私のあらえびすは、音楽評論家である前に、
友人Gさん、先輩Sさんを思い出させてくれる、大切な人になっているようです。


名曲決定盤 (上) (中公文庫)名曲決定盤 (上) (中公文庫)
(1981/09/10)
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驚きの連鎖ですね。

鍵コメ様、有難うございます。
それはそれはと、驚きの連鎖、驚きの藁しべ長者!
私のちっちゃな思い出ですが、嬉しゅうございます。

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