プロフィール

杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
リンク
ブログランキング

FC2ブログランキング

人気のあれこれ!
月別アーカイブ
最近のトラックバック

『からくりからくさ』 逍遥4

お元気ですか?

鏡開きも無事終わり、生活の緊張感も次第にもとに戻どりつつあります。

『からくりからくさ』に刺激をうけて人形にまつわる色々な記憶が蘇っています。

私が子供の頃で最初にある記憶は、おもちゃ箱に入っていた指人形。
ビニールの頭に布で出来た胴体手足。
小学校に入る前で、手が入らなくなって遊ぶ事がなくなっても箱の中にありました。

私の家には人形はあまりありません。
両親が新潟に帰省したときにでも買ってきたであろう竹人形など
旅行のお土産程度の細々したものが少しあるばかりです。

ですが、親戚の家は違いました。
函館から西に1時間ほど車を走らせた小さな街。
成功した歌手の出身地で有名なその街に、家はありました。
製材業の工場を営む親戚の家は、贅沢な木をふんだんに使った大きな家です。
夏になると、親戚が集まり子供たちは海で泳いだり広い敷地内を走りまわるのです。

その人形は子供たちが寝る部屋に置いてありました。
白い長い髪を伸ばし、黒い着物に袴姿。
60㎝ぐらいの身長でケースに入っていて触ることはできません。

夜目に白い髪がうっすらと浮かび上がり、始めのうちは見慣れないものに
ちょっと緊張もしたのですが、怖いという感じは浮かんできませんでした。

それが、鏡獅子だと知ったはすぐのことです。
人形の部屋と私が言うと、叔母が「ああ、鏡獅子の人形ね・・・」と教えてくれました。

鏡獅子ってどんな動きをするのだろう。
人形の姿を見て舞台の上で踊る姿を見てみたくなりました。
小学校1~2年生の頃のことです。一度心に根が生まれると静かに育つのを見守ります。
私の好奇心はしぼむことがありませんでした。

その後も親戚の家に伺うと従兄弟達と遊ぶ合間に鏡獅子の置いてある部屋を覗いて、
「居たね」って挨拶をして来たものです。

これが、私が歌舞伎を見始める切っ掛けの一つでした。
だからその鏡獅子の人形は私の恩人。立派な手引き役を果たしてくれた先生なのです。


人形の話ををもう一つ。
やはり小学校4年生頃のことです。
『指に目がある』という本を読みました。確かこの本だったと思うのですが…
盲学校に通う子どもがギニョールと出会って人形芝居をするお話だったと記憶しています。
(ネットで確認しようと思ったのですが、本のタイトルでは見つけることが出来ませんでした)

ギニョールは鏡獅子の人形などとは違い、飾って鑑賞する人形ではありません。
もちろん文楽の人形のように高い芸術性をもった人形もあります。
でも、芝居人形は使手が動かしやすいように機能性と合理性を併せ持ったものです。

私はこの本でギニョールを知り、すぐ自分のおもちゃ箱にあった指人形を思い出しました。
子供のおもちゃだった指人形が急に文化度の高いものに思えてきます。

人形芝居は民族文化を読み解くとても興味深いものです。

フランスのギニョールや英国のパペットなど各国各地に様々な人形芝居があって
民衆の風俗を伝え、政治に対する風刺批判を大胆に展開したりもします。
人形芝居は民衆の娯楽であるとともに深い文化思想形成の舞台でもあるのです。
生身の役者でははばかる内容も人形に託して演じる事でより可能性が広がります。
民衆の気持ちがよりストレートに表現されているという面も興味深いものです。
仮面の演劇性とも通じます。

『指に目がある』がどのような内容だったのかは覚えていません。
でも、私に人形芝居への興味を植えつけたのは確実です。
工作の時間、家にあった木を利用して大きなマリオネットを作ったのもいい思い出です。


親戚の家の鏡獅子が歌舞伎への案内人だったとしたら、
『指に目がある』のギニョールは世界中にある人形芝居への扉だったのかもしれません。
そしてそれは時の為政者、勝者の声ではなく、民衆の土にまみれた声、笑いと反骨の声を聞く事を
私に教えてくれた切っ掛けだったのだと思えます。



スポンサーサイト

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

コメント

Secret

No title

杣人さん、おはようございます。

杣人さんのお人形のお話、興味深く拝見しました。
お話に触発されて、私もお人形のことをいろいろ思い出しました。実家にも鏡獅子のお人形がありました。弟が産まれた時に贈られたものかもしれません。

「人形芝居は民族文化を読み解く」
そういえば、昨秋鳴門に行った折に、地元の方がなさる人形浄瑠璃を見せていただきました。

お人形のことは、本当にいろいろと思い出があるものだなあとあらためて。
物語が、人それぞれの物語につながっていく、その現場を見せていただいているのだなあという感慨も。
ありがとうございました。

思い出話

ここ様、コメント有難うございました。
私のささやかな人形の記憶。でも、私にはとても大切な思いが残っている記憶なんです。
こうゆう思い出を喚起させてくれた梨木さんにも感謝ですね。

杣人のNuages

ブログ内検索
 RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ホテル探しに!
クリックをお願いします!
Google