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杣人・somabito

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『旧友は春に帰る』

お元気ですか?

東直己の『旧友は春に帰る』を読みました。
ススキノの便利屋〈俺〉シリーズの最新刊。といっても2年ほど前の作品です。

ストーリーは、
過去にススキノで知り合いだった女性モンローから「助けて」と電話が掛かってきて
夕張から札幌、函館を経由して逃がすが、ススキノに戻ってきた〈俺〉は何者かに襲われ…

さすがに〈俺〉も年齢を重ね50代。当然回りのお友達も落ち着いた歳になっています。
映画『いそしぎ』の話が出てきて、アイリーン・シャラフの話になったり、
映画『シシリアン』でジャン・ギャバンがナポリタンを食べているシーンがあるはずだが
イタリアにはナポリタンという呼び名のパスタは無い。なんてオヤジの戯れ話もあります。

どちらも観てみなくっちゃと、同世代、オヤジの域の私もついついのせられてしまいます。

今回の『旧友は春に帰る』。単行本をBook Offで購入しました。
届いた本を読み始めて、おや?ってちょっと驚きました。
本文1ページ5行目に誤植があるのです。

「全員、なんとなく不穏な雰囲気を感じたの7だ。もちろん、俺もだ。」とあります。
「だ」の前に数字の7が意味不明に置かれています。

誤植。活版印刷の時代に文字を並べて版を組む作業を植字と言いました。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』には小さな印刷工場で文字を拾う(鉛の文字を取り出すことを文字を拾うといいます)ジョバンニの姿が描かれています。

手作業で文字を並べていた活版印刷時代からの言葉は
コンピューターで印刷出版がされるようになった今も生き続けています。

でも、その姿は少し違います。

鉛の字を拾ったり、写真写植の時代は例えば「枝」を「技」と間違ったりという似た文字の間違いが多かったので読みながら誤植を見つけても、「あぁこの字と間違ったのだな」と分かったものでした。
見慣れない言葉、知らない言葉だったりすると、辞書を引いて「やっぱりこれは誤植だ」と安心したものでした。

最近は、作家さんが万年筆や鉛筆など筆記具をつかって原稿用紙に書いたものも編集段階で
PCのワープロで入力され、版面のイメージも整えられて校正が進んでいきます。
もちろん、作家さん自らワープロで打った原稿がメールで入稿され…ということもあたりまえです。

このPCによる入力(植字ではなく)では、変換間違いや脈絡のない文字の入り込み、欠落といった
誤植・編集ミスが発生するのです。
今は少なくなりましたが、文中の挿入文などで一字下げなどをして組んだ文章が直らないまま
組まれてしまうなんていう事故も時々見られたものです。

それにしても、『旧友は春に帰る』
1ページ、5行目の脈絡のない誤植。
どうゆう操作ミスで数字が紛れ込んだのか想像してみるのも私は楽しいのですが、
そんなこと、普通の人は喜びませんね。

私の手元にある本は2009年11月20日 初版印刷 25日 初版発行 のものです。
何刷目、何版目で直すことが出来たのかは知る由もありませんが、
早川書房さんの担当者は、さぞや辛い汗をかいたことと思います。
何回も校正しているはずなのにね。

私たちはいつも色んなことに注意して生活しています。
でも、本当に注意が必要なのは直ぐ目の前にある“気をつけている”という気持ちなのでしょう。

そういえば、『旧友は春に帰る』の中にも、〈俺〉は不審者がいないのを見て油断した、とか
此処には来ないだろうと思った判断が甘かった、というような話がいくつも出てきます。
それを本文1ページ5行目で示してくれた本書。身をもって示しているのでしょうか?

旧友は春に帰る (ハヤカワ・ミステリワールド)旧友は春に帰る (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2009/11)
東 直己

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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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