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杣人・somabito

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『沼地のある森を抜けて』

お元気ですか?

当地、今日は明るい空が広がり
お昼のニュースでは早場米の田植えが始まったと伝えています。
当たり前な日常がそこにあります。

梨木香歩さんの『沼地のある森を抜けて』を読みました。
命についての壮大なドラマ。
物語は伯母の死によってぬか床を引き継いだ主人公の女性が、
そのぬか床の不思議に引っ張られるように故郷の島に訪ね入るのですが…

梨木さんのこれまでの作品にはいつも生と死が共存し、しかも行き来すらしています。
『西の魔女が死んだ』『裏庭』『家守奇譚』でも…
私はこれらの作品に「結界」や「箱庭」といったキーワードをあてて読み進めてきましたが、
今回の『沼地のある森を抜けて』では梨木さん自らが「ぬか床」という道具を示しながら
梨木ワールドの「生命」を展開してゆきます。

「ぬか床」ですから、酵母菌、乳酸菌といった微生物の活動の話が出てきますが、
梨木さんはこれを有性生殖と同次元で語り、
時にはジェンダーの問題にふれながら、生命の維持変化が語られてゆきます。
一部共感しながらわくわくして読みます。


人は自分の命、生命について考える生き物です。
ゴーギャンの言うように
「私たちはどこから来たのか?私たちはなにか?私たちはどこへ行のか?」
と気がつくと問い続けています。
故郷を大切に思い、親子関係に安心し、自分が何処に帰属した生き物であるかが存在に重要であると
思っています。
そして、存在理由を見出さなければ落ち着いていることが出来ません。
自分の仕事、自分の家族、暮らしている土地やコミュニティ。
これらのものを失った時、人は自らの存在価値を見失い、生きる力を失います。


でも…
生命の基本は生きることです。種の命をつないでいくこと。これに尽きると言えます。
そのために他の生き物を淘汰し、共存し、欺きもして自らの種をつないでいきます。
時には環境に合わせて自らを変容させながらも命をつなぎます。

だから、今回の大災害に遭った方達、家族を失い生きて来た土地を失った方達も
生きる力が残されているのだと言えます。
私たち生命の存在理由の根幹は「生き続ける」ことなのです。

では「生命」とは何でしょう。
『沼地のある森を抜けて』では、微生物も私達人間のようなものも同様に扱われています。

私には「生命」とは何かを言うほどの力はありません。
宗教的、霊的観点から説明をする人達がいます。
生科学者は遺伝子的レベルで答えを探そうとしているのでしょうか?
哲学者は…?

『沼地のある森を抜けて』を読みながら、私は一冊の本を思い出していました。
柳沢桂子さんの『生きて死ぬ知恵』です。

柳沢さんについては以前にも書いたことがありますから繰り返しませんが、
科学者として活躍しながら難病を患い、その体験思索の中で般若心経を解釈したのが、
『生きて死ぬ知恵』です。

私は仏教学者でも科学者でもありませんから、
柳沢さんの解釈される般若心経を解くつもりはもうとうありません。
ですから、一部転載をお赦しください。

「宇宙では
形という固定したものはありません
実体がないのです
宇宙は粒子に満ちています
粒子は自由に動き回って 形を変えて
おたがいの関係の
安定したところで静止します」

「あなたも 宇宙のなかで
粒子でできています
宇宙のなかの
ほかの粒子と一つづきです
ですから宇宙も「空」です
あなたという実体はないのです
あなたと宇宙は一つです」


いかがでしょう。

私は想像します。
自分の体を細かく切っていって細胞もどんどん細かくしてニュートリノのようになっていったら…
同様に、私の意識も細かく小さなものになっていくとしたら…
それはとても自由でどこでも透過する存在です。

ぬか床の微生物と一緒になっていたって何の不思議もありません。

梨木香歩さんの『沼地のある森を抜けて』は、般若心経の世界なのでしょうか?

でも、どうも確からしいことに、
梨木香歩さんは生と死の境界を行き来しながら、生と死どちらもの変容を受認していること。
そして、以前のエッセイに見られた観察者の立場から少しづつ変わりつつあるのではないかと
いうことを感じているのです。


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鍵コメ様へ

了解しました。

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