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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

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食と本

お元気ですか?

人の趣味や興味の有り様というのは様々で、
芸能人の話題に興じたり、コンサートを追っかける人もいれば、
流行のファッションを季節ごとに取り替えないと落ち着かない人もいます。

子供の頃から、食べることに興味を持っていた私は
自分の家の食事が個々のお皿に盛られて出てくるのに感謝していました。
姉弟の多い人達の、おかずやお替りを競い合うようにして食べる話を聞いて
賑やかそうな風景を羨ましく思いながらも、
もし、私がその場にいたら、われ先にと箸を伸ばす自分の意地汚さに
自己嫌悪になってしまうであろうことは想像に難くありません。
食事の度に落ち込んでしまっていたことでしょう。

食べ物に関係した本を読むのは私の楽しみの一つです。
料理人が書いた本、作家やエッセイストが食べ物について書いた本などはもちろん、
タイトルが食べ物に関係がありそうだと思うと、つっ~と手が伸びます。
影山民夫さんの『食わせろ!!』なんて言う文庫本を見つけてタイトルだけで買ってします。
実際は食べ物に関係した本ではありませんが、そんな失敗も許してしまいます。

以前、イタリア在住の日本人女性作家の本を読んでいたことがありました。
日経新聞の書評欄に取り上げられないことのないくらい人気の作家。
確かに、チェザレ・ボルジアやマキャベリ、ベネチアやローマの歴史をダイナミックに書いた
彼女の本は大変面白いものでした。

ところが、ある作家との対談の本を手にした時です。
知識人と言われるお二人のこと、必ずや食に関する話題もあるだろうと期待して読み始めたのですが、
いっこうに食べ物の話が出てきません。
オペラの話や展覧会の楽しみ方、教育の話など多岐に渡る対談は確かに面白いものです。

ですが、私にとって食が話題にされない対談は全くつまらない対談です。
ましてや、食の国イタリアで生活し、イタリアの歴史を書いている作家です。
食に言及しないで、文化を語ることなど私にはまるっきり考えられないのです。

結局、その本は私にとって全くつまらない本の代表格として記憶されてしまい
それ以降、私はその作家の本を読むことが出来なくなりました。
人の興味の偏狂がもたらした例です。


今日、『須賀敦子全集 第3巻』河出文庫 が届きました。
いつかはきちんと向き合わなければいけないと思いながら、近づくのを遠慮していた須賀敦子さんです。
よくおじゃましているブログ「風の中の散歩」のここ様がお好きだということで、
背中を押されるような気持ちで、買い求めています。

e Book Off で入荷が有るたびにランダムに求めていますが、
すでに1巻から4巻までが手元に届きました。
須賀敦子さんの本は居住まいを正して読みたいと思っていますから、
まだきちんと読んではいないのですが、それでも、ぱらぱらとページをめくり、
気のついたものはさっと目を通します。

全集の第3巻に、「塩1トンの読書」というエッセイが収録されています。
「ひとりの人を理解するまでには、すくなくとも、1トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ」
とお姑さんが言った言葉を思い出しながら、
「文学で古典といわれる作品を読んでいて、ふと、いまでもこの塩の話を思い出すことがある。中略…古典とのつきあいは、人間同士の関係に似ているかも知れない。」
と筋を追うだけだったり、借りてきた知識で本を読んだつもりになっている読書に反省を促します。

食本愛好家の私にとって、須賀敦子さんはこれだけでもう十分に文化人です。
(身の程知らずの言い方です。ごめんなさい。)

お姑さんの思い出の言葉が「塩」で、その解釈の発展が読書論につながる素敵。
こうゆうのを文化と言わずして何を言いましょうか…。

次のエッセイが「七年目のチーズ」。少し進むと「リペッタ通りの名もない牛乳屋」。
「古いイタリアの料理書」というタイトルも見えます。
こうゆう本は本棚に置いてあるだけでも、私を幸せにします。

さて、今宵は、アマルフィのリモンチェッロを飲みながら、
お気に入りの本でも読んでみましょうか…。


須賀敦子全集〈第3巻〉 (河出文庫)須賀敦子全集〈第3巻〉 (河出文庫)
(2007/11/02)
須賀 敦子

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おまけです。

DSCN2269_convert_20110404122735.jpg

昨日、参加した射会で弓友さんから新鮮な三つ葉をたっぷりと頂戴しました。
爽やかな香りの三つ葉です。
お昼のおかずに玉子焼きをつくってみました。

出汁と砂糖を加えてふっくらと焼き上げた玉子焼きの中に三つ葉の香り。
これだけで、贅沢なお昼ごはんです。

ごちそうさま。






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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

コメント

Secret

卵焼き美味しそう

こういうお話は気を惹かれます。良いですね。イタリヤ人は食を語り、中国の文人は酒を語る。食いしん坊の私は田舎料理を語るでしょうか。昔は随分食と言う字を見ると買いたくなりましたし、本も読みましたが、最近は読まなくなりましたね。
文学ではありませんがお気に入りはは本山荻舟の飲食事典です。
読むのも食べるのもエネルギーが要りますね。杣人さんご夫妻に拍手を!

こんばんは

美味しい物が簡単に手に入る時代です。
グルメだ高級食材だと浮かれていますが、一度立ち止まって食べるということを考えてみたく思っています。
「本山荻舟の飲食事典」未読ですので今度求めて読んでみます。
ご紹介有難うございました。

玉子焼き美味しそうですか?嬉しいです。
玉子焼きと天ぷらをあげるのは、私のささやかな楽しみの一つです。

No title

杣人さん、こんにちは。
私は、この4月から生活環境が変わって、馴れない生活に右往左往しています。杣人さんの何でも受け容れてくださるような穏やかさに触れて、ちょっとほっといたしました。ありがとうございます。
これからまた出かけます。花が満開で、菜の花や諸葛菜もあちらこちらに。こんな春を後にしてでかけるのはちょっとつらいです。

あるがままに

ここ様、お忙しいでしょうにお立ち寄り頂き有難うございます。
ご家族と離れての生活、ちょっと寂しいですね。

新しい地は女性が気丈でたくましいところ。
菜の花や諸葛菜の静かな姿が目に留まるここ様は
どんな花を咲かせるのでしょう。
実は、密かに楽しみにしているんですよ。

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