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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『他力』

お元気ですか?

当地、早い桜はそろそろ色が薄くなり隙間が目についてきました。
新入学の1年生が先生に付き添われて下校しています。
黄色い旗を広げて先生が横断歩道に立ち、子供たちが手を挙げて渡ります。
交差点の向こうには、お母さんたちの姿。
お母さんのもとに駆け寄らないかと、ちょっとはらはらしますが、
お行儀の良い子供たち。

私が子供の頃は、石を蹴りながら歩いたり、湧き水が砂を飛ばすのを眺めたり…

もう少し先輩の子供たちは、
じゃんけんをして負けた子がランドセルを三つも四つも抱えたり、
歩道の縁石の上を歩いたりしています。
同じだねってほっとします。


五木寛之氏の『他力』を読みました。
4月からNHKのBS放送のチャンネルが変わり、BSアーカイブスとして
2007年に放送した「五木寛之 21世紀・仏教への旅」の再放送を見たからです。

番組は五木寛之氏がインド、ブータン、中国、フランス、アメリカ…と
各地を巡り彼地での仏教もしくは仏教の教えに基づいた生活の姿を紹介します。
番組の内容は特筆すべきものもなく、確認のような思いをもちながら見たのですが、
最終回のアメリカで、五木寛之氏は自分の『他力』を携えながら、
アメリカでの仏教の現実を訪ね歩きます。

『他力』は2001年にアメリカでも『TARIKI』と英訳され、
2002年のブック・オブ・ザ・イヤー、スピリチャル部門に選ばれているのだそうです。
番組の中で、五木寛之氏は貿易センタービルの本屋さんにポスターと共に並ぶ『TARIKI』を思い出し
感慨深いものを感じます。

2001年。私たちもアメリカにいた年です。
11月のテロ以降、アメリカのみならず世界は深い捉えどころのない戦いに入ります。
相手は誰なのか。戦いの終わりとその先にある世界はどうあるのか…

『他力』は、法然、親鸞、蓮如といった他力本願の教えをベースにして
五木寛之氏の現代社会の中で気がついたテーマについて語られています。
決して難しい宗教論や解説をしている本ではなく、五木寛之氏が感じることを
「お手本」ではなく「見本」として捉えてくれればいいといった思いで書かれ、
3ページ程の文章が100のタイトルで並んでいます。
どこから読んでもいいでしょう。

若い学生の頃、仏教を学んでいた時期がありました。
もっとも、大学の講義を受けたとか、お寺の講話に出かけたというのでは無く、
ひたすら本を読むという方法です。
岩波新書を手がかりにしながら分け入ってゆく世界。

法然や親鸞の他力本願・念仏を想像しながらそれに習う民衆の姿を想像します。
道元の只管打坐や公案への知的好奇心。

高校2年か3年の頃だったでしょうか?
NHKの教育テレビ、宗教の時間で増谷文雄氏と奈良康明氏の対談を見ました。
原始仏典を紹介しながら釈尊の教えを解くという内容で、
私はその平明で力強い内容に打ちのめされたように引きこまれます。
何しろ、伝来の仏教では無く釈尊の言葉です。ストレートに力強いのは当然。
その後、数年に渡り増谷文雄氏の本を読み漁る事になる切っ掛けの出来事であり、
まさに、仏性と言うにふさわしい出会いです。

以前、弓道に関連して書いた事があるのですが、
先生、師というものは求めて得られるものではなく、
学んでいると、いつの間にかまるで予定していたかのように目の前に立っている。
師弟の関係にはそうゆう不思議があると思っています。
増谷文雄氏に直接教えをいただく事はありませんでしたが、
私にとって、この出会いは在るべくして在ったものだったと感じられるのです。

私にとって仏教は実利の理論であり、実践の哲学です。
釈尊が生老病死を考えたように、
生きている自分とそれを取り巻く世界がどうゆう理で動いてるのかを探る手段。
だから、私は祈らないし救いを求めもしない。出来ないといったほうが近いでしょう。

自力も他力も無く、あるがままにある。

私たちは何故生きているのか、何をなすべきかということを考えます。
でも、私のような凡夫には到底分かりようもない事です。
ですから、そうゆう無駄な努力はすっかり諦めて、
静かに呼吸し、太陽の匂いを嗅ぎ、自分が確かにこの世にあることを知る。

桜の花を見、新入学生が手を挙げて横断歩道を渡っていくのを見る。
それだけで、私はちょっと幸せになれるのです。

他力 (講談社文庫)他力 (講談社文庫)
(2000/11/06)
五木 寛之

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ジャンル : 本・雑誌

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