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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『フィンガーボウルの話のつづき』のつづき

お元気ですか?

台風が過ぎ、私の部屋の窓からは、青い空に風音だけが聞こえています。
皆様の処では、台風による被害はありませんでしたでしょうか?

『フィンガーボウルの話のつづき』を読んだというお話は前回のこと。
オムニバスのように散りばめられた一つ一つの話は、ちょっだけお互いが繋がっていて、
読んでいて、あれ?そうなんだと思わせてくれます。

それは、折々に集められた小さな思い出の品を小さな手箱に仕舞い入れていくうちに、
それぞれの手箱が相互に関係しあってゆくような不思議です。
ですから、読み終えた『フィンガーボウルの話のつづき』
手元に置いておいて、好きなお話、好きな段落だけを読んだとしても、
なんだかふわっっと幸せになるのです。

ではそんな手箱。寄木細工の宝石箱を開けてみることにしましょう。

吉田君は世界の果てにある小さな食堂の話を書き出せずにいて
ゴンベン先生に会いにゆきます。

「ゴンベン先生に会いにゆくときは、渋谷から東横線に乗って桜木町まで行くことになる。
急行だと35分で着くのだが、この35分が絶好のタイムであることにあるとき気がついた。
30分では近すぎる。でも、急行で40分もかかるのは遠いようで気が乗らない。」


おや、東横線ですか?お懐かしゅうございます。

電車はそのまま異界への入り口です。私達を車両に乗せたまま何処へ連れて行くかは
皆目わかりません。毎日通勤や通学の為に乗る電車でも、昨日と同じところに連れて行ってくれる
とは誰が約束できるでしょう。
ましてや平日の日中、見慣れない乗客たちと乗り合わせた電車は、ドアがぷしゅーっと閉まったとたん、
もう逃れられない運命の始まりなのです。

そうなると、どんな乗客がこの時間と空間を近似で共有しているのかを確かめずにはおられません。
なぜなら、私がいるこの車両の空間は同乗している乗客たちによって作られているからです。
明るい柄の着物を来た20代後半と見受けるお嬢さんは、お稽古にでもいかれるのでしょうか?
ドア付近、3人で楽しくおしゃべりしている高校生のお嬢さんはお小遣いでももらったのかな?
白髪の目立ち始めた60代中半の紳士は古本屋を訪ね、映画でも見る散歩でしょうか。

こうして、車両を見渡してそこそこに同乗者の様子に安心すると、
自分に向き直り、ふっと窓の外に目をやります。
さっきまでは高架のすぐ傍まで住宅や商店が建ち並んでいましたが、
今は線路脇の土手に、菜の花の群生なども目に入ります。

気がつくと女子高生や白髪の男性の姿は見えません。
すこし、取り残されたような寂しさ。

でも、乳母車を引くお母さんが数人乗ってきました。
集まりでもあったのでしょうね。

こうして、車両ごとというよりも車両そのものの異界ごと私たちは運ばれてゆきます。
降りる先にはどんな世界が待っているのでしょう。


吉田篤弘さん。東横線に私達を乗せて何処へ連れて行ってくれるのでしょう。


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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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