プロフィール

杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
リンク
ブログランキング

FC2ブログランキング

人気のあれこれ!
月別アーカイブ
最近のトラックバック

『骨折』

お元気ですか?

世界のあちらこちらで悲惨な事件が起きています。
衛星回線が発達したためニュースはまるで近所の出来事のように伝わります。
もしかしたら、近所の出来事より詳しく伝えられているかも知れません。

以前TVで、今の若い人たちが海外旅行をしたがらないと伝えていました。
世界中の色々なところをTVの旅番組で紹介します。
東京はもちろん、ちょっとした地方都市なら様々な国の食事を食べる事も可能です。
それらを見て分かったような気になって十分だというのです。

でも、どうなんでしょう。
実際にその土地を訪れ、カタコトでも人と会話し、電話や郵便局、列車の乗り方、
そうゆう普通の生活の一面の違いを体験することはその土地を知る
とても有効な方法だと私は思っています。
レストランに入るも良し、スーパーで買い物をするも良し。



ディック・フランシスの『骨折』を読みました。
最近続いているのですが、どれも面白く読めるのは馬が好きだからだけではありません。

『骨折』はいきなり主人公ニール・グリフィンが誘拐されるところから始まります。
しかも、犯人エンソ・リヴェラは息子のアレサンドロをダービーの騎手にすることを強要する
というとんでもない話。
いきなり犯人の登場ですから犯人探しのミステリーは最初からありません。

『骨折』のテーマは父と息子の戦い。
犯人は息子アレサンドロの望むものなら全てを叶えようとし、そのためには文字通り手段を選びません。
アレサンドロもそうゆう環境に慣れいるので父親が暴力や恐喝を用いて息子のために動くことに
疑問を持っていません。

主人公、ニール・グリフォンは十六歳で家を出、骨董商で丁稚奉公から叩き上げ店を持ち成功。
経営コンサルタントでも手腕を発揮する実業家です。没交渉だった父親が交通事故にあったことで
経営する厩舎にもどり手伝うのですが、そこで事件に出会い父親に知らせず乗り切ろうとします。

2つの親子の物語。



一般的に、男の子は父親という存在をどのように受け止め理解してゆくのでしょうか?
オイディプスコンプレックスのような精神分析は置いておいたとしても、
父親を意識し、憧れたり追いつき乗り越える存在なのでしょうか?

実は、私にとって父親の存在というのは、ちょっと不器用な距離があります。
父の仕事の都合で物心ついたころから離れて暮らしていたせいなのですが、
おかげで、私は早くから父親を客観的対象として見てきました。
そして、この感覚は父の方からも同じなようで、お互いに微妙な距離感を持っているのです。

私は、キャッチボールが上手になった、かけっこで父親より早くなった、
相撲が強くなったといった父親との比較競争、成長の確認というのを経験しませんでした。
何かをとことん議論したり話し合ったりということもありませんし、
ぶつかり合い、衝突し合うということも大きくはありません。
気がついたときには、それぞれの生き方を歩む別な生き物どうしだったのです。

でも、幸いに私は父の生き方を理解出来ました。
人に恵まれ、総じて誉れ高く生きてきたと思っています。仕事も成功した方でしょう。
このように理解出来ることは私にとっての幸せでもあります。


ディック・フランシスの『骨折』
ミステリー作品としても読めますが、親子の関係を考える素敵な本でもあります。


骨折 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-11 競馬シリーズ)骨折 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-11 競馬シリーズ)
(1978/01/24)
ディック・フランシス

商品詳細を見る



追記)

ディック・フランシスの作品には色々な小道具が登場し、登場人物を語ります。
毎回違う車は決まりなようで、車に詳しくない私もネット検索で当時の車をみつけては
時代の雰囲気を楽しみます。
『骨折』にはワインも登場します。
1964年のシャトー・フィジャック(作品ではフィジェと書かれている)
1961年のシャトー・ラフィットとシュバル・ブラン。
1964年のボリンジャー。
三本のシャトーワインとシャンパン。

シャトーワインは主人公のガールフレンドが叔母さんの遺産を引き継いだもの。
投資価値があるというワイン商の言葉を気にもしないで、飲んでいます。
こうゆうワインの使い方は好きですね。
薀蓄を離れ飲むべき酒としてワインをしっかり作品の中に置いています。
ボリンジャーは主人公の父親が入院中の病室に持ってこさせて飲みます。
ボリンジャーの61年の方が良いと言いながら息子の持ってきた64年を飲み、
内心美味いと思いながらそれを言わない父親の意地っぱり。

暑い夏。庭にテーブルを出し、シャンパンでまどろむのも良いでしょう。
チーズやオリーブをおつまみにしてワインを開けるのも素敵です。

貴方なら、親子でワインを飲みながら何を話すのでしょう。

スポンサーサイト

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

コメント

Secret

杣人のNuages

ブログ内検索
 RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ホテル探しに!
クリックをお願いします!
Google