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杣人・somabito

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『利腕』

お元気ですか?

先日、NHKのニュースで男子新体操を紹介していました。
例年コミカルな動きで異彩を放つ鹿児島実業高校の新体操部。
今年は東北で行われた高校総体での演技。
笑いを伝えられる演技の底に真剣な心のあることをニュースで伝えています。
新体操が好きな私には久しぶりに嬉しいニュースでした。

一頃に比べ新体操はなかなかテレビで放送されません。
男子新体操なんかビデオ審査で予選会が行われるほどです。
頑張れ!新体操!


ディック・フランシスの『利腕』を読みました。1979年の作品で、
アメリカ探偵作家クラブ賞、英国推理作家協会賞を受賞しています。
そして、ディック・フランシスの作品には珍しく、1965年の『大穴』で登場した
シッド・ハレーという元ジョッキーの探偵が再登場しています。

今回はハードボイルドまっしぐらです。
お話は例によって、優秀な馬が調教の過程で体調を悪くしたり、走られなくなり調査が始まります。
その謎解きも面白いのですが、今回のテーマは゛恐怖との闘い”とでもいいましょうか・・・

前回の『大穴』で探偵として自分の生きる姿を見つけたシッド・ハレー。
今回は失った左腕は精巧な義手で補っていますが、それだけに右手の大切さが重く意識されています。
そして、そこを突いてくる悪漢と失う恐怖から一度は屈してしまうシッド。
でも、自分が自分として生きてゆくためには、その恐怖に立ち向かわなければなりません。
自分の弱点、恐怖のボーダーラインを知りそれと闘う・・・。
かっこいいでしょうか?どうでしょう。実際闘うというのはそれほどかっこいいものではありません。
弱音をはき、どろどろになり、悔しさに押しつぶされそうになりながら這いつくばって闘うのです。

しかし、なんという皮肉でしょう。
離婚した妻、ジェニイには
「わたしはそれが我慢できなかったのよ。誰だって我慢できないわ
女は慰めを求めて自分のところへくる男が必要なのよ。お前が必要だ、助けてくれ、慰めてくれ、
接吻で悩み事を振り払ってくれ。でもあなたは・・・あなたにはそれができない。」
そう言われてしまいます。

シッドは去ってゆくジェニイに心の中で言います。
「ジェニイ、抱いてくれ、助けてくれ、おれは泣きたいんだ、と言いたかったー
しかし、いえなかった。」

うぅ~ん、ちょっと考えますね。
男は意外とずるい生き物です。え?私だけ?
ハードボイルドを気取りながら、時々甘えることも忘れません。
あっ、このブログはパートナーさんも読んでいるので、あまり書くことは出来ないのですが・・・
え?もうバレバレですって?

でもね、闘う男は(女性もそうかもしれませんがわかりませんので・・・)
どろどろになって自分を失うギリギリの所でも諦めないのです。
本当に、生死をかけた生き様の闘いなんです。小説の話ではありませんよ。

カッコだけの闘いはサニーサイドアップ。
見た目はスマートで綺麗ですが、それだけです。
(あっ、私卵に偏見は持っていませんからね。)

そして、この『利腕』のラストシーン。
シッド・ハレーのまさにハードボイルドな生き様が思わぬ展開に・・・。

ぜひ、女性に読んでいただきたい作品ですね。


利腕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 12‐18))利腕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 12‐18))
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追記)

ディック・フランシスの競馬シリーズ。
最初の作品は1962年の『本命』でした。
毎回主人公とともに違った車が登場するのは読者サービスかも知れません。
今は時代を知る良い材料です。
同時に幾つかの小道具は時代を映しだしています。
携帯電話があれば、なにも問題ない状況でも、60年代から70年代では無理な話。
電話ボックスにうずくまり助けを待つなんてシーンもありました。

でも、今回の『利腕』では、車から電話をかけています。
こうゆう小道具の挿入は時代の流れを感じられて面白いですね。
では、また。

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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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