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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『父と暮らせば』

お元気ですか?

すっかり秋めいて富士山も雪化粧が始まっています。
スーパーには梨や柿と一緒に葡萄が売られています。
葡萄が秋に並ぶ果物ということも、けっこういいお値段だということも知りませんでした。

******

井上ひさしのお芝居『父と暮らせば』をNHKの放送で観ました。
今年の8月、新宿の紀伊國屋サザンシアターでの上演です。落ち着いたいい劇場ですね。

ストーリーは戦後まもなくの広島。
原爆により父を亡くした美津江は図書館で働き、思いを寄せ合う男性がいるが、
生き残った自分が幸せになることは出来ないと踏み切れないでいる。
そんな美津江の前に父・竹造が現れて・・・。

娘美津江に栗田桃子、父竹造は辻萬長が演じ、演出は初演から担当している鵜山仁。

井上ひさしの作品は中学生の頃から好きで観ているが、これは未見。
本も読んでいないから予見なくまっすぐに見ることが出来る。
井上作品には戦争に迷走させられた日本人の悲劇が井上の持ち味であるユーモアに守られて
描かれるものが多い。
この作品も、庶民の普通の生活の中にある幸せを散りばめながら、原爆被害とそれを少しでも忘れたい
という苦しい被爆者の思いを丁寧に書いている。

戦争の悲劇を扱った井上作品で、『闇に咲く花』というのがある。
東京神田の愛宕稲荷神社。その神社に集まる女性たちは皆家族を戦争で失い、闇物資で生活をしている。
そこへ戦死したはずの神主の息子が戻ってくる・・・。

全編ギターのソロ演奏が流れる中、戦争の不条理が重く心を埋めてゆく作品で
私は観るたびに号泣してしまうので、このDVDを観る時は一人で観ることにしている。
でも、何度でも観たくなる作品。

今回観た『父と暮らせば』も、そういうお芝居の一つになるだろう。
ユーモラスな場面も息を詰めながら観ている私がいる。

それにしても、山形で生まれ仙台や釜石で暮らした井上ひさし。広島弁の舞台を作るなんて
さすがだと感心する。もっとも私は広島弁がどうゆうものなのか全く分からないし、
芝居上のデフォルメも多々あるのかもしれない。
そこらへんは何時か広島出身の人にご教授を賜りたい。


今年の夏、ちょうどこの芝居が紀伊國屋にかかっていたころだろう。
今回の福島で原発の被害にあわれた方のインタビューがTVで流れていた。
その方は子供の頃に広島で原子爆弾にあわれているのだが、悲惨な思いを断ち切るために原子力の平和利用というものに夢をつないだ。
原子力発電を未来への力と信じたが、今回の事故で裏切られたと仰っていた。
人間の知恵、科学の力を信じ夢裏切られたのである。
その悔しさはいかばかりであろう。

芝居の最後、生き残ったことを申し訳ないと思い、幸せになることが出来ないという美津江に
幽霊の父は、「生きて伝えていかなければならない」と言う。

私達は、何を見何を伝え残してゆこうとするのか。


父と暮せば (新潮文庫)父と暮せば (新潮文庫)
(2001/01)
井上 ひさし

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追記)
TVで放送したお芝居をDVDに録画し、パートナーさんに渡しデータを整理してもらっていたら、
パートナーさんが「これ、映画もあるでしょう」と言う。
私は全く知らなかったのだが、宮沢りえが娘役をやって映画になっているという。
これは観てみなくっちゃ。

父と暮せば 通常版 [DVD]父と暮せば 通常版 [DVD]
(2005/06/24)
宮沢りえ、原田芳雄 他

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テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

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No title

時節柄、しみじみと読ませて頂きました。

改めて、文学の素晴らしさ、凄さを感じると共に、

「生きて伝えていかなければならない」という言葉に

深く感じ入りました。

ただ、私は、物事にはすべて、ポジティブな面とネガティブな面の

両方があると思います。必ず、この両方が同居している。

この現実の中で、私は明るい面、ポジティブな面を

見ていこうとする人間でありたいと思っています。

身をもって伝える

青空様、ようこそ。
原爆にしろ、大震災にしろ生き残った人にはどうして自分がという思いが残ります。
その負の思いを背負いながらも生きる意味を掴んでゆくのは大変な重荷でもあります。
でも私たちは生きなければなりません。生きることこそが生きる意味だからです。
生活の中で時に楽しいこともあるでしょう。でも波のように押し寄せるてくる苦しい思い。
それを理解し分かち合うのは共に生きる人たちです。
人の絆、地域の絆。 私たちは生き続けることで身をもってそれを伝えてゆくのだと思います。
いつの日かまた不幸な出来ごとが有ったとしても、命を繋ぐ事ができるように。

杣人のNuages

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