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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

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『78』ナナハチ

お元気ですか?

薄い雲がはり冷たい風が吹いています。
冬支度をするお宅も多いことでしょう。
今は無いでしょうが、私が子供の頃は石炭を積んだトラックが家々を周り
石炭小屋に石炭を積み入れていました。
雪虫が飛び始め、大根を干して漬物の準備をするのもこの時季ですね。


吉田篤弘の『78』を読みました。ナナハチと読みます。
吉田篤弘さんは『つむじ風食堂の夜』で出会って何冊か読んでいます。
オムニバスな構成が上手で、繋がり重なりあう物語を読みながら不思議な世界に引き込まれていきます。
ちょっと気になる小道具が物語の鍵を握るのも吉田さんの手法。
白い手袋だったり、お爺さんの古びた旅行鞄だったり。
今回の小道具は78回転のSP盤のレコードです。

SP盤のレコード。以前金沢に遊びに行った時に、蓄音機のミュージアムを訪れたことがありました。
私の年代はぎりぎり現物を聞いた世代でしょうか。
『78』というタイトルを見ただけでどんな話に仕上げるのだろうと興味が湧きます。

でも、『78』を読みながら、私の頭はレコードのようにぐるぐる回っています。
物語を楽しむというよりも、湧き上がるイメージに押し流されそうになります。
吉田さんの文章は丁寧で透明感があるといった評価があります。
そうかもしれませんが、甘いケーキに誘われて気がついたら毒入り林檎を持っていた怖さ。
そんなこともうっすらと感じます。

「SPは、空気を聴くためのものだから」なんて台詞にクラッとしながら、懐かしい記憶を楽しみます。
SP盤ではありませんが、グレン・グールドの口ずさむ声や、サラサーテのチゴイネルワイゼンを聞いて
ドキドキしたのを思い出すと、長く付き合ったレコード屋さんが映像となって蘇ります。

学生の頃から幾つかのレコード屋さんと付き合ってきました。
住む街ごとにお気に入りのレコード屋さんが見つかります。
今のように、ネットでCDや音楽そのものを買う時代ではありません。
休みの日、レコード屋さんに足を運び気になるレコードを試聴させてもらい
店員さんや常連さんとの会話を楽しみます。

今はなかなかレコードを聴く時間がもてません。
棚からその日の気分で好きなレコードを選び、ターンテーブルに乗せ針圧を確認して針を下ろす。
ソファーに深く腰掛けジャケットを眺めながら耳を済まします。
CDやネットから落とした曲とは違う楽しみ方。

『78』は、物語そのものよりも私の記憶を刺激する本でした。


78 (小学館文庫)78 (小学館文庫)
(2009/01/08)
吉田 篤弘

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テーマ : 読書
ジャンル : 小説・文学

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