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杣人・somabito

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『函館水上警察』

お元気ですか?

高城高さんの『函館水上警察』を読みました。
昨年、出会った函館出身の作家高城高さん。
『ウラジオストクから来た女』を読み、すっかり気に入っていました。

『函館水上警察』は、明治18年に函館に実際に設置された水上警察、
現在でしたら海上警察を舞台に、イギリス、ロシア、アメリアといった外国船が
頻繁に訪れていた函館の様子を描き出しています。

五条というアメリカ帰りの青年を主人公に密貿易や船上での賭博の取締などを描いていますが、
大三坂、二十間坂、蓬莱町、ハリストス正教会といった今も残る地名建物が登場しますから
明治の函館が今に蘇るそのリアルさは普通の歴史ドラマの比ではありません。
まして、私なんかは函館山の麓この本の舞台を遊び場所にして育っていますから
登場人物たちと一緒になって明治の函館を走りまわってしまいますし、
港に浮かぶ船を眺めてしまいます。

さて、この『函館水上警察』には『坂の上の対話』という作品が収められています。
あとがきを少し抜き出してみると

「ところが、六月になって新聞社のかつての同僚である函館っ子から、森鴎外が
明治十五年に函館に来ているのを知らないかというメールをもらった(中略)
函館新聞には、森林太郎一行の函館滞在を伝える記事も載っている。林太郎の名
は最末席の馬医の前という扱いで、緒方惟準軍医監との間には佐官、尉官級の名
前がずらりと並んでいる、林太郎が函館でどんな役割をしたかはうかがい知れな
い記事である。しかし、それだけに林太郎を自由に歩かせ、明治の先進的な都市
であった函館の案内役とする構想は魅力的であった。」

まさに作家としての創造性を発揮するにはうってつけの登場人物でありましょう。
恥ずかしながら、若き森鴎外が軍医として函館に来ていたなんて私も知りませんでした。

衛生学を学ぶ森鴎外を函館の疫病に上手にからめ物語を創造していく高城高さんの
力量にわくわくするどころかすっかり感服の私。

しかも、なんとアーネスト・サトウまで登場します。
実際アーネスト・サトウは何回か函館を訪れているんですが
そのアーネスト・サトウを森鴎外と巡り合わせるなんて役者の使い方が巧すぎです。

歴史上の人物を主人公にして探偵をさせる作品というのは時々あります。
私の好きだった森雅裕さんの作品にもベートーベンを探偵にしたてた話があります。
(パートナーさんは、大岡越前や遠山の金さんと言っています。)
その中でもこの森鴎外を主人公にした話は秀逸です。

話しの中には深瀬洋春といった天然痘の種痘を行った医師も登場します。
「函館市史」をご覧ください。

函館が外国語教育に如何に先進的な街だっかたもよく描かれています。

でも、圧巻は森鴎外とアーネスト・サトウの会話でしょう。
幕末に蝦夷地を調査した松浦武四郎も登場させながら素晴らしい文化論が展開されます。

最近、櫻井よしこ氏の公演を聴く機会があったのですが、その日本人論・日本文化論にも通じる
話です。高城高さんもお聞きになったのではないかと想像させられるくらいの内容に少なからず
驚きました。

『函館水上警察』
私のお気に入りであり、お勧めの一冊です。
是非一度お読みいただいてから函館に遊びに来てください。



函館水上警察函館水上警察
(2009/07/11)
高城 高

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