プロフィール

杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
リンク
ブログランキング

FC2ブログランキング

人気のあれこれ!
月別アーカイブ
最近のトラックバック

『木曜日の子供』

お元気ですか?

数日前から目の調子が悪く右目がまるでドラキュラのように充血しています。
(クリストファー・リーでドラキュラを映画を見ていてた世代です)
眼球の奥のほうにごろごろした感触と軽い痛みがあったのが
今では頭を動かすだけでも痛みが走りますから、どうももやもやした具合の悪さ。
お陰で本を読むこともままなりませんし、週末に予定していた弓道の練習や射会も
全てキャンセル。
まったく情けない話です。

同じような症状は去年の5月にも起こり、
その時は右目に1週間、左目に移って1週間と完治するまで3週間ほどかかりました。
今回は左目に移って欲しくないですが、原因もよく分からないのでどうなることやら。

皆様もどうぞお体にはお気をつけください。


テリー・ホワイトの『木曜日の子供』を読みました。
昨年出会った『真夜中の相棒』はベトナム帰還兵の殺し屋と同僚の刑事を殺された
警察官の話で、女性の作者らしい細やかな表現がリアリティーを出しています。
過去記事『真夜中の相棒』はこちらからどうぞ

今回の『木曜日の子供』 はどうでしょう。

タイトルはイギリスの伝承童謡マザーグースからとられています。
そこで、まずマザーグースを見てみましょう。

A Mother Goose Nursery Rhyme

Mondays child poem

Mondays child is fair of face,
Tuesdays child is full of grace,
Wednesdays child is full of woe,
Thursdays child has far to go,
Fridays child is loving and giving,
Saturdays child works hard for his living,
And the child that is born on the Sabbath day
Is bonny and blithe, and good and gay.

このThursdays child has far to go, 木曜日の子供は遠くへ行き というところですね。
読み進むと分かりますが作品の内容とタイトルがとてもマッチしています。

マザーグースとミステリーというと、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』
が有名ですが、刑事コロンボでも数え歌の「THIS OLD MAN」という曲を鼻歌で歌っているそうです。
古典作品や伝承文学を作品に引用したり構成に応用する事は上手くやると作品に厚みが生まれます。
『木曜日の子供』はどうやら成功しているようですね。

ストーリーは、
孤児になったボーは祖父で映画界の大物ソール・エプスタインの下に引き取られているが、
接し方の判らない祖父に反発し家出をする。
町の不良に絡まれていたボーを助けたのは殺し屋のロバート。二人の生活が始まる。
そして、ソールからの依頼で失踪した子供を専門に探す探偵ギャレスが動き出す・・・。

殺し屋ロバートとボーとの関係は『真夜中の相棒』のマックとジョニーの関係に似てなくもない
のですが、マックとジョニーがともにベトナム帰還兵でPTSDを思わせていたのに比べると、
もうすこしサラっとした感じがあります。
その分ボーの抱えていた両親との関係、祖父との距離感など人間関係の問題に焦点があてられて
いるといっていいでしょう。

ロバートは殺し屋ですが、ピッチャーとしての夢を果たせず挙句廃人になって死んだ弟を思い
復讐を果たそうと必死になります。ここにも、自分のやり方で家族の絆を確認する男がいます。
ボーとロバートは同じ渇望をもつ者同士として認め合ってゆくのです。

一方、ボーを探す探偵のギャレスも自分の16才の娘ジェシカが家出して戻らなかった過去を持ち、
家族という存在が心に重く影を落としています。

『木曜日の子供』で語られているのは、家族もしくは仲間としての絆です。
ボーとロバートの関係はストックホルム症候群ではありませんし、
ましてや最近聞かれるBLといった関係でもありません。

『真夜中の相棒』では、マックとジョニー、それを追うサイモンの関係には
閉鎖されたものがありました。だから私はTriangleという原題から
マックもしくはサイモンとジョーの他に三点目の存在を求めたのですが
『木曜日の子供』はそういった閉塞感がありません。絆を求める前進があります。
追い詰めてゆくギャレスの心理も響いてきます。
スピード感、場面展開も上手ですしラストのボーの姿が希望に繋がります。

『木曜日の子供』は読み応えのある素敵な作品です。
ただし、『真夜中の相棒』と似たところがあるのも事実です。
テリー・ホワイトの他の作品をもう少し読んでみたくなりました。



木曜日の子供


スポンサーサイト

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

コメント

Secret

杣人のNuages

ブログ内検索
 RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ホテル探しに!
クリックをお願いします!
Google