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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

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本を渡る

お元気ですか?

昨日の雨が行き過ぎ、今日は空気の透明感が爽やかな朝。
薄い雲を通して陽の光が差し青空も心地よいです。

旅行のお伴に『鎧なき騎士』を持ってゆくつもりが読み終わったので急遽別の本を用意
しなければなりません。
フレドリック・ブラウン?ディク・フランシス?
机の横の小さな本棚には出番を待っている本が何冊かあります。どの本を・・・。
旅に持ってゆくのは小説とは限りません。ドナルド・キーンの『日本人の美意識』なんて
本も読みかけであります。こうゆう本は汽車旅の車窓に飽きた時なんかとてもいいです。
若い頃和辻哲郎の『古寺巡礼』一冊を持ってヨーロッパを汽車旅したのを思い出します。

そんなことを思いながら眺めていて目に止まったのが吉村昭さんの『花渡る海』でした。
これから読む本ですから詳しくは分かりませんが、広島の川尻村出身の船乗り久蔵が
漂流した先が極寒のシベリア。ロシア人に救われ医療助手のような手伝いをしながら暮らし、
3年後天然痘の痘苗を持って函館に帰り着くが・・・。というお話です。
ノンフィクション作家の吉村昭さんですから期待がもてます。

実はこの本は先日 BOOK OFF で見つけていずれは読むかもしれないと買っておいた積読本です。
でも買ったのには理由があるのです。

その一つは函館に帰り着いたということ。当時の日本は開国していたわけではありませんが、
ロシアの船やアメリカの船は函館に寄港しています。その様子が知れたらというもの。
もう一つは高城高さんの『函館水上警察』を読んでいたことによります。

『函館水上警察』のなかに、坂の上の対話-又は「後北游日乗」補遺 という短編があります。
若い森鴎外が函館を訪れているのにイメージをふくらませ書かれた作品ですが、
その中に深瀬洋春という医師が登場します。
天保5年(1835)に函館で医者の家に生まれ順天堂で医学を学んだ人物ですが、
安政4年(1854)に桑田立斎らとともにアイヌに種痘を行い、これが我が国初の種痘であると
言われています。
私は医者ではありませんが、函館出身の医者が初の種痘を行なっていたという事実は興味ある
話ですね。

ところが、吉村昭さんが紹介する久蔵がシベリアに漂流するのは1810年。函館に天然痘の痘苗を
持ち帰るのは1813年。なんと深瀬洋春らが種痘を行う40年も前の事なのです。
この二人、俄然比べてみたくなりませんか?
方やエリート医者と方や一介の水夫。歴史の面白さを感じずにはいられません。
それが時代のずれがあるにしろ同じ函館で交差しているのです。

こうゆう歴史のひだに隠れたもの、一つの場所や物を通して人が重なる面白さを知るのは
本を読む醍醐味ですね。
それに、『函館水上警察』を読まなければ『花渡る海』にも出会えなかったかも知れません。
読書の連鎖です。


子供の頃から私はこうやって本を渡ってきました。
何かのきっかけで読んだ本。その本の解説に紹介される他の作家や作品を読み、
本の世界はどんどん広がって行きます。
もちろん本屋さんで目に止まってというのもありますが、それは始めの一歩で二歩目は解説から。
これまでに読んで来た本のツリーマップを作ったらさぞ面白い傾向が見られるかもしれません。

本を渡る楽しさは未知の世界との出会いですが、その因果を探るのも面白いかも知れません。


花渡る海 (中公文庫)花渡る海 (中公文庫)
(1988/09)
吉村 昭

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