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杣人・somabito

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『フランチェスコの暗号』

お元気ですか?

ネットでばかり本を買っていると時々本との関わりが希薄になるような気がします。
実際には届いた本を手にとって読んでいるのですから本を読むという行為そのものは
変わらないのですが、本を探し選ぶという行為に力が入りません。

古本、新刊本にかかわらず、本棚にならんだ本を眺める楽しさや
本棚の重圧を感じながら手に取った本の頁をめくり吟味する緊張感。
この本を読むだけの力量がお前にはあるのかと聞こえてくることもあります。

今回読んだ『フランチェスコの暗号』はルネッサンス時代のイタリアで書かれた
『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』という古書をめぐる話です。

プリンストン大学で英文学を学ぶトムは『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』を研究する
学者だった父親を事故で亡くし、自らはこの本に関わらないようにしていた。
しかし、大学でルームメイトとなったポールはかつてトムの父親とたもとを割ったタウト教授に
卒論の指導をうけながら『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』の謎にせまっていく。
やがてその研究はトムはもちろんチャーリー、ギルといったルームメイトも巻き込みながら
500年前のイタリアで起きた事件を明らかにしてゆく。

訳者あとがきで
「もしウンベルト・エーコとダン・ブラウンそしてフィッツジェラルドが手を組んで
小説を書いたとしたら、それはまさしく『フランチェスコの暗号』になるだろう」
といネルソン・デミルの言葉を引用しています。
ネルソン・デミルはアメリカの作家ですが、私は読んだことがありませんので信用度は白紙。
読み終わった後でなるほどとは思いましたが、三人とも苦い顔をしたのではないでしょうか。

『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』は「ポリフィーロの夢の中における愛のための苦闘」という意味に
訳することの出来る実在の本で、主人公のポリフィーロが夢の中で愛する女性を探す寓話的書物。
しかしその文章の中に暗号が隠されていて・・・という。
その設定は面白いですし、ルネッサンスの歴史の一面も興味深く描かれています。
ところが、せっかくの題材なのにプリンストン大学の4人のルームメイトを通してキャンパス生活を描いていることが主題を散漫にさせます。上巻のキャンパス生活のほとんどがうるさく感じられます。
テーマが重厚で面白いだけに若者の生活や恋愛話を描くことで主題を薄れさせてしまっているのです。

作者はイアン・コードウェルとダスティン・トマソンという親友同士で大学の卒業を控えて共同執筆を始めた
ということですから、作品のなかに大学生活を織り込みたかった気持ちは分かります。
でも、作品の内容や質とそれとは違います。彼らの最初の作品にちょっと厳しいでしょうか?
現題は THE RULE OF FOUR (4つの法則)といい謎解きに関わりますが、謎解き自体は作者がしています。タイトルもどうも軽く感じてしまいますね。


学生時代、専門の書物を読み少しづつ自分のなかに学問の世界を構築していく作業は
他のものには喩えようもないほどの喜びであって興奮と陶酔の入り交じる至福の時間です。
『フランチェスコの暗号』を読みながら、ちょっと懐かしく思えたのが良かったかな。

フランチェスコの暗号〈上〉 (新潮文庫)フランチェスコの暗号〈上〉 (新潮文庫)
(2004/09)
イアン コールドウェル、ダスティン トマスン 他

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ジャンル : 小説・文学

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