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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『刑事コワルスキーの夏』

お元気ですか?

どうしても我慢が出来なくなることがあります。
以前読んだテリー・ホワイトの『真夜中の相棒』『木曜日の子供』がベトナム戦争によるPTSDやゲイを扱いながら、社会や環境によって少しづつ歪んでゆく人間を描いていてとても良く他の本も読みたいと思っていたのですが、なかなか古本で見つけることが出来ないでいました。
他にも読みたい本があるので、心の購読リストに預けておいたのですが、ふと気になると落ちつかなく気持ちがそわそわしてしまいます。読みたい読みたいと思いながら叶わないでいると精神衛生的には良くないですね。
通常は BOOK OFF に出かけて探すか、ネットの e BOOK OFF で見つけて購入するのですが、テリー・ホワイトの作品はなかなか見当たりません。しばらくは心の平安のために心に蓋をしていました。

ところが、先日やはり同じように待っていたバリー・アイスラーのジョン・レインシリーズの2冊を読んだことでスイッチが入ってしまいました。我慢出来ない!とAmazonを見てみると古本の出店者で出している方がいて、まだ読んでいない4冊がそろっています。しかもなんとお値段が1冊1円。これだけ安いと状態が心配になりますが、一応“良”となっています。Amazonを通している以上あまり常識はずれなことはないでしょう。以前、Amazonで古本を購入したところ数頁に赤線が引いてあったので、写真に撮って書店に連絡し返金してもらったことがありました。
さて、今回は4冊同時に購入することにしましょう。なにせ1円です。籠に入れてゆくと、出てきた合計金額は1004円。あれ?手数料・送料は250円ですが・・・。改めて確認するとこの手数料・送料は同梱配送でも注文1点ごとにかかるとなっています。うぅ~ん、ちょっと割り引いてくれてもいいんじゃない?

それでも欲しい気持ちが勝ります。パートナーさんの「1冊250円だと思えばいいじゃない」という声にも背中を押されました。

そして待つこと3日。2個口に分かれて同時に届いたのがこの本です。

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『刑事コワルスキーの夏』“Bleeding Hearts" 1984
『リトル・サイゴンの弾痕』“Tightrope" 1986
『殺し屋マックスと向う見ず野郎』“Max Trueblood and the Jersey Desperado" 1987
『悪い奴は友を選ぶ』“Fault Lines”1988

待っていた本が手に届く喜びは子供の頃と変わりません。郵便配達のバイクの音が聞こえるやいなや玄関ポストに直行しビニールの簡易包装を本を傷めないように開けて一冊づつ検品します。
変なよれや折はないか、カバーは痛んでいないか?古本ですから帯はあまり問題にしません。頁も何回かパラパラとめくり書き込みが無いかもチェックした後は、奥付も確認します。
4冊とも、原作出版の翌年に文庫本となっていて今回届いたのは全て1刷りです。ふぅ~ん、日本ではハードカバーでは出さないで直ぐ文庫だったのでしょうか?
経年の古さは隠せません。特に『刑事コワルスキーの夏』の紙の灼け具合は最近では珍しいほどですが、本としては問題がありません。

愛でるように眺めた後気がつきました。
私が最初に読んだ『真夜中の相棒』1983はテリー・ホワイトの最初の作品でMWA賞を受賞しているのですが、2作目は『刑事コワルスキーの夏』で『木曜日の子供』は6作目になっていて、どうやらその後彼女は短編を少し書いただけで休筆しているようなのです。いよいよもって貴重な4冊です。

さて、『刑事コワルスキ-の夏』のお話です。
10年前に両親を殺し精神病院に入院していたトムは弟のジョディの助けを得て病院を抜け出る。街に立つ男娼をさそっては弟と一緒に男娼を刺殺するトムには、自分を逮捕した刑事コロワスキ-に復讐するという目的があった。

テリー・ホワイトの良さは、殺人を繰り返すトムとジョディの兄弟、事件を追うロスアンジェルスの刑事コワルスキーと相棒になったマガイアを同じように扱いながら次第に心理の深みを解き明かしていくところにあります。
トムは精神に異常をきたした犯罪者で弟を愛しながらも性的関係をもち、次第に支配的になってゆきます。ジョディはトムを慕い従属的ですが、二人の姿は両親の荒れた生活による家庭環境から生じたものです。
コワルスキーは仕事を重視し家庭が崩壊していて、若い愛人との関係にも疲れを感じています。単独捜査が好きなコワルスキーの相棒になったマガイアは裕福な生活の出来る身分ですがベトナム戦争でのPTSDを抱え安らぐ事が出来ないでいます。
犯罪者、それを追う刑事双方に個人では抱えきれない事情をもたせ押し付けがましくなく、登場人物と同じ目線を感じさせる書き方に好感を持ちます。ちょっとした会話、状況描写に感心するのです。

ところで『真夜中の相棒』でも殺し屋のマックとジョニーはベトナム戦争でPTSDを負った帰還兵でした。
1946年生まれのテリー・ホワイトはベトナム戦争と同時代に青春を過ごした世代です。当時の思いが作品に反映されているのも理解できます。もしかしたら彼女の作品に登場する犯罪者への眼差しは、彼女自身社会に対してどうしようもなかった事への告悔なのかも知れません。


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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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