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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『殺し屋マックスと向こう見ず野郎』

お元気ですか?

テリー・ホワイトの『殺し屋マックスと向こう見ず野郎』を読みました。

ソーホーにある建物のロフトに住むマックスはチャーリー・パーカーのCDとビールを楽しむ引退した殺し屋。40年に及ぶ彼の仕事は完璧で、超一流の名を得ていた。その彼に近づく妙に愛想のいい若者ジェレマイアは車泥棒と爆弾が得意なチンピラ。本来ならそんな若造がうろちょろしても構いはしないマックスだったが、何故かジェレマイアが近づくのを許してしまう。今までとは何かが違うと思いながら、引退したはずのマックスは最後の仕事とマフィアのボスマーバーグの依頼を受けコスタの暗殺を請け負い、ジェレマイアと一緒に仕事をすることに。そしてジェレマイアはマックスの殺害をタッジオに命令されマックスにに近づいたのに果たすことが出来ない。マックスとジェレマイアに生じる相棒としての共感・・・。一方、長年マックスの完全犯罪を見ながら逮捕できないできたニューヨーク市警のアーロン刑事は若い相棒のコーディに一から教えながらマックス達が陥ってしまったマフィアの抗争に足を踏み入れる。殺し屋と警察二組のチーム。

これまでのテリー・ホワイトの作品と同様男同士の“相棒”の姿がセンスよく描かれています。単身仕事をやり遂げてきたマックスは“今までとは違う何か”のためにジェレマイアに気を許してしまいます。それは引退したという気の緩みでなのでしょうか?長年孤独な殺し屋稼業をおこなってきた寂しさなのでしょうか?それとも、向こう見ずな若造に殺し屋稼業の実態を教えたいという老婆心なのでしょうか?そういう言い方も出来るでしょうが、冷徹で仕事に完全を期すマックスの人間的柔らかさを知り、私はマックスに好感を持ちます。
一方、直接的な殺人には吐き気を催す気の弱いジェレマイアですが、その笑顔の気安さと物怖じしない積極性がマックスの好奇心を刺激します。まるでじゃやれてなつく子犬を振り切る事が出来ないように、次第に纏わりつくジェレマイアに好意をもってしまいます。これはもうジェレマイアの天性の性質ですから、誰もどう仕様も出来ません。“何か大きな仕事をしたい”というジェレマイアにマックス暗殺の仕事を与えるマフィアのボスタッジオにしても同様なのです。

そしてニューヨーク警察でもうすぐ年金をもらい退職しようとしているアーロンは、同じ警察官の中でも自分だけがマックスの犯罪を見やぶっているという秘めた自尊心があります。マックスが動き出した今、相棒のコーディにマックスを追うことで真実を伝えようとしますが、決してマックスを捕まえようとはしません。アーロンにとってマックスを知リ追いかけて来たという事は勲章のようなものですし、長年の追跡によりマックスは一目置く存在になっています。

この二組の“相棒”がそれぞれにお互いを知り理解してゆく姿、そしてそれが螺旋的に交差しながらストーリーは展開してゆきます。
『真夜中の相棒』や『刑事コワルスキーの夏』『リトル・サイゴンの弾痕』には背景にベトナム戦争とそれによって傷ついた帰還兵の問題がありましたが、今回の作品にはそれがありません。その分“相棒”の姿をすっきりと見せてくれています。ストーリー展開に小見出しをつけたことによりスピーディでスタイリッシュな感じも増しています。映画の画面で効果音をいれながら場面展開を図るようにちょっとコメディの要素もあります。

「ねぇ、面白いでしょう。次のこの場面ではこうなの・・・」と言いながらテリー・ホワイトが手持ちのトランプの表を見せてゆくような小気味よさ。

ラストシーン、プールではしゃぐジェレマイアと笑い声をあげるマックスはまるでフランス映画のようです。

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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