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杣人・somabito

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『算法少女』

お元気ですか?

夕方になり空が雲におおわれ薄明かりの残る空から雨が勢いつよく降ってきました。
台風の余波なのでしょうか?

先日富山県射水市で黒田信由の和算に触れたことから、Amazonで和算の本でどんな本が出ているのか見てみました。コミックも含め色々あるようです。

遠藤寛子さんの『算法少女』という本を求めてみます。この本は岩崎書店から1973年に出版されていたのだそうですが、10年を経て増刷が打ち切られます。しかし数学の教師をはじめ多くの人から復刊を望む声があつく2006年にちくま学芸文庫で復活することになったのだそうです。出版の事情の中で消えて行く本があります。それでも読みたいと望む読者がいる限り本が忘れられることはありません。あとがきに書かれた復活の事情を読み、気持ちがあつくなるのを感じました。

『算法少女』という本は実際に江戸時代末期に、千葉桃三という町医者とその娘あきによって書かれた実在する和算の書で遠藤寛子さんは子供のころにご自分の父親から本の存在を教えられていたことを記憶して大人になってから国会図書館で復刻版を見られたりしてその内容に触れています。こうゆう姿に私はいたく感動します。私もそうですが、子供の頃に心を動かしたもののなかには、一生その人の行動を左右する素晴らしいものがあるものです。

『算法少女』の主人公千葉あきという女の子も、父親の手解きをうけながら数学の世界に触れた時にきっと強い感動を受け、虜になったっていったのに違いありません。実は私も高校に入ってすぐ数学がものすごく好きになった経験があります。最初は素数が面白かったのではないかと記憶しています。微分積分も楽しかったですね。静かに思考をトレースしてゆくと導かれる解が“あるべくしてある”と光っていました。高校の3年間、数学が楽しくてたまらなかったのは私の楽しい思い出の一つです。

さて、遠藤寛子さんの『算法少女』では史実の人とそうでない人を自由に配しながら幼い少女が数学を友として大人の世界に踏み出してゆく姿がとても上手く描かれています。江戸時代後期、町民も力を持って来たといってもまだまだ封建社会で武士の世です。また、和算の世界の流派という問題もあります。関孝和を祖とする江戸の和算と大阪で発達した和算では解き方に違いがあったようで剣術のように流派として競いまたは避ける関係です。そんな時代の少女あきを実在した本多利明に引きあわせ円周率の解説をした本や『解体新書』を見せて学問の世界の広がりを示したりもします。
読みながらよく出来た本だと感心しました。物語としての面白さもありますが和算の問題もさり気なく何問か出てきて解いてみたくなります。円周率の求め方の話もありますので、確かに数学の先生などに上手な解説をしてもらいながら読むと数学が好きになるでしょう。


先日、NHKアーカイブスで「数学者はキノコ狩りの夢をみる」という番組を見ました。100年ほど前にフランスの数学者ポアンカレが残した宇宙の形を問う問題に、2006年ロシアの数学者グレゴリ・ペレリマンが答えを見つけました。世界中の天才数学者が挑んで成し得なかった偉業ですが、しかし彼は数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞の受賞を拒み、世界から身を隠してしまいます。番組ではポアンカレ予想を丁寧に説明し、多くの数学者が最新の数学であるトポロジーを使って難問を解こうと努力してきた様子を描き出します。しかしペレリマンが解いた手法は彼が高校生の頃に親しんでいた物理学の考え方やニュートン以来続く微分積分の考え方を使ったものだったというのです。
残念なことに私にはポアンカレ予想の説明もましてやその解の説明も出来ませんが、ペレリマンのアプローチに深い感動を受けました。

物事の真実を見つけるには色々な方法があります。それは山登りにも例えられて、ルートはいくつかあるにしても頂上は一つなのです。ポアンカレ予想ももしかしたら答えを導き出す別の方法があるのかも知れません。どのようなものであるにしてもそれは美しい思考の光を伴っていることでしょう。
番組の最後で数学に詳しい作家?という人がペレリマンが身を隠してしまったことについて「数学者にも理解されないことに失望したから」という事を言っていましたが、これはとんでもない誤解だと思います。数学であろうと他の何かであろうと、真理に接する者が他人の無理解に嘆いて身を隠すようなそんなつまらない了見は持ちません。もっと自由で開放された場に居ますから他人のことなんか関係ないのです。(もちろん、菩薩になって人々を救済するというなら別かも知れませんが)

大切なことは真理に向き合う者は孤独な闘いを強いられるということです。そして、そうであるにしても人は真理を知るために闘いを挑む生き物なのです。

私達はどんな真理を知ろうとしているのでしょう。


算法少女 (ちくま学芸文庫)算法少女 (ちくま学芸文庫)
(2006/08)
遠藤 寛子

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