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杣人・somabito

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『ら抜きの殺意』

お元気ですか?

はままつ演劇・人形劇フェスティバル2012の参加公演、劇団からっかぜによる『ら抜きの殺意』を観てきました。劇作家永井愛さんの戯曲で1998年に第一回鶴屋南北戯作賞を受賞している作品です。劇団からっかぜは自前の練習場兼芝居小屋を持ちしっかりした活動を続けている当地では老舗の市民劇団です。

実は東京に居た頃、永井愛さんがある戯曲を書く時に少しばかりお手伝いをしたことがあります。取材をうけ、役者さんたちと会って役作りの参考になるようなお話をさせていただいた事があります。もともと芝居好きの私ですからそれはもう大喜びだったのですが、そのお芝居が賞も受けられてパーティーにもよばれましたっけ・・・。遠い昔の思い出です。

そんな思い出があることもあって、今回のお芝居はちょっと楽しみにして出かけました。会場は町中にあるホール。劇団からっかぜのファンが多いのでしょう、年配の大人の方が中心の客層です。フェスティバルで上演されていたこれまでの劇団の方の姿も多く見られます。

舞台はダンボール箱が高くつまれた小さな事務所。健康食品などをあつかう通販会社ではインターネットやテレビ通販に押されて24時間対応が出来るように夜間の電話オペレーターを雇おうとしています。男性社員の判は若い女性を希望していましたが、社長が連れてきたのは中年男性の海老名。しかも判が仕事を教えたり履歴書を書かせようとすると海老名は判の“ら抜き言葉”に強く反発し険悪なムードに・・・。

お芝居の楽しさの一つに言葉があります。シェークスピアの作品は掛詞やジョークで溢れています。井上ひさしの台詞は方言の面白さに満ちています。その言葉の面白さを真正面からテーマにした永井さんの作品。どうゆう切り口を見せてくれるのか、役者さんがどれだけ言葉の面白さを台詞と演技で表現するのかそれがこのお芝居の楽しみです。
“ら抜き言葉”だけではありません。女子事務員の宇藤さんはめちゃくちゃな敬語でお客様からの電話に応対しますし、納入業者の遠部さんとガルズトークで早口の会話。その遠部はやたらに“お”をつけた変な丁寧語?や男性に対しては女性言葉で接します。それぞれの人物がおかしな言葉を演じ分けてゆきます。

永井愛さんの作品はその当時の社会状況・世情を舞台に映し出します。通販会社という設定もその一つです。主人公の海老名は実は国語教師なのですがバブルの時のマンション投機に失敗し借金返済のためにアルバイトをせざるを得なくなったというのも作品が書かれた1997年を色濃く残していますね。そうゆう世相を書き残すのも作家の仕事ですから“言葉”と“世相”をどう織り上げてゆくのかというのが戯曲・芝居の楽しみです。

さて、舞台の役者さんは海老名を演じた他屋雄一さんと判を演じた古木大介さんのしっかりした演技を中心に安心して観ていられる出来。ただ、女性陣の演技、遠部と宇藤の会話では何を言っているのか聞き取れないところがあります。配送の雨宮さんも台詞のリズムが悪く面白さを引き出せていない気がします。社長夫人でお掃除のオバサンもする八重子も遠部に女言葉について自説を説く場面は見せ場なのですが一本調子な感じになってしまい説得力が伝わってきません。女性に厳しいでしょうか?社長の堀田はその中にあって落ち着いた演技をしていたと好感を持って観ていました。

大道具小道具、舞台のセットには感心します。小さな町の通販会社というイメージがよく捉えられていますし、それぞれの配置も役者を動かすのに都合の良いように考えられていて感心しました。衣装も役柄にぴったり。遠部の服装がちょっと時代より古いかな?という印象を受けましたが、それは私の好みの問題かも知れません。音響も良いですね。舞台が始まる前から事務所の外に聞こえる町の雑音が流れていつの間にか観客を舞台に引き込む仕掛けが始まっています。

作品の中には東京言葉と田舎言葉、東京生まれと地方出身者のコンプレックスという問題も出てきます。ただ、作品として消化しているかというと残念ながらそうとは言えません。永井愛さんはちょっと盛り込み過ぎでしたでしょうか。方言と文化、東京と地方といった問題はこれだけでも立派なお芝居が書けますからね。

劇団からっかぜによる『ら抜きの殺意』、ふじのくに芸術祭2012演劇コンクールにも参加し賞を受賞したそうです。おめでとうございます。これからも演劇文化の担い手・牽引役として活躍して欲しいですね。

さて、はままつ演劇・人形劇フェスティバル2012での観劇もあと一公演。これからM-planetによる『時間魔人』というお芝居を観に出かけてきます。10月21日から始まった観劇とレポートもあと一作品かと思うとちょっと寂しいのですが、今回の観劇を機会に当地での私たちの世界も少し変化してきたようです。

では、M-planetのお芝居を観に出かけてきましょう。なにが待っているでしょうね。



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テーマ : 演劇・劇団
ジャンル : 学問・文化・芸術

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