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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
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『試走』

お元気ですか?

朝、ipadを見ていたパートナーさんが「『ディック・フランシス読本』が入ったよと言うので、「買って」と注文をお願いします。これで、まだ手元に無いのは『烈風』と『審判』の二冊になりました。もちろんAmazonで買うことは出来るのですが、古本で出てくるのを待つのも楽しみの一つ。古本屋さんで見つけて“縁があったね”と買う感覚にもちょっと似ています。今までのところ私の読むスピードにあった形で本が現れてくれています。
そしてディック・フランシスも残り少なくなってくると最近別の楽しみが生まれてきました。次に何を読もうかと悩む楽しみです。もちろんこれまでもディックの合間に他の本も読んでいます。でも、いよいよ全作品読了が見えてくると、ちょっとそわそわしてくるのです。どうも、旅行を終えたあとに次に何処へ行こうかと思うのと似ています。

さて、今日読了したのは『試走』1978年の作品で、ハヤカワ文庫になったのは1984年です。そしてこの発行の年代がこの作品では実に微妙な空気を作品に与えているのです。

ストーリーはモスクワオリンピックで優勝を目指す英国王子の義弟、彼のスキャンダルを懸念しロシアでの不測の事態を恐れた王室は元騎手のランドル・ドルーをモスクワに派遣し調査をさせます。不自由なモスクワで英国からの留学生の助けを借り調査を進めるランドルが知った事実とは・・・。

いかがです、発行年代の意味がお分かりになりますか。そう、モスクワオリンピックが開催されたのが1980年。ディック・フランシスはきっとモスクワオリンピック開催を念頭に作品を書いたことでしょう。ところが、作品が発表された翌年12月にソ連がアフガニスタンに侵攻、これに西側諸国が抗議する形で1980年のオリンピックボイコットという事態になります。日本も歩調を合わせボイコット。イギリスは国としては反対するのですが、オリンピック委員会は参加を表明し選手団を送ります。
柔道の山下泰裕選手が涙ながらに記者会見したのを覚えています。政治とスポーツとの関係が世界に問題提起した事件でした。
そして、日本で発行された1984年はロサンゼルスオリンピックの年です。ソ連はモスクワオリンピックの仕返しとばかりにロサンゼルスオリンピックに参加しませんでした。このロサンゼルスオリンピックは放送権などで開催費をまかない、オリンピックの商業化の始りと言われています。

このような事を頭の隅におきながら、『試走』を読むとよく書けています。舞台はモスクワですが、当時のソ連は米ソ冷戦の終盤で鉄のカーテンなんて言われながらも綻びが出てきた時代です。西側からの留学生を受け入れながら盗聴する様子、旅行客についてまわるKGBなど雰囲気が出ています。ディック・フランシスの作品の中でもロシアを舞台にした珍しい作品ですがどうやって取材したのでしょうね。

スパイ小説の香りのする『試走』、お薦めです。


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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

コメント

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こんいちは。

やはり、こちらさまは文化のレヴェルがまったく違いますね。
先だってもフランス語のお話しをしてらっしゃいましたし、ワインも実にお詳しい。
なによりご夫婦そろって文学通でいらっしゃるし、
音楽の趣味も高いレベルで共有なさっているのが、なんとも眩しいです。
いつもレベルの低いブログをお見せしていること、とても恥ずかしく思っています。
先生は大学の教授かあるいは、知的なお仕事に携わっていたのでしょうか。

毎回、知的な記事に悶えております(汗。

雲雀笛

南亭様、いつもお越しいただき有難うございます。
私も南亭様のブログに悶えているのでございますよ。
山葵の新芽漬や美しい海苔の佃煮で季節の酒を楽しむ姿に羨ましく感じ、
そう感じる私自身をちょっと恥ずかしく思ってしまいます。
雲雀笛は確かに素焼きがいいですね。
記事の中に音が聞こえてきそうです。

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